麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが?   作:与麻奴良 カクヤ

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 大変お待たせ致しました。今回から後半戦の始まりです。
 従って、形式をちょっとだけ変えてみました。読んでからどうだったか感想をしてくださると嬉しいです。今回の方が良かったのか、それとも前回までの方が良かったのか……。自分的には今回の方が上手く書けたのではないかと、珍しく思ってます。
 あ、毎度ながら誤字・脱字報告ありがとうございます。最近ちょっとだけスランプに陥っているので、多いかと……。感謝していますよ。

FGO塔イベ終了。バレンタインイベント楽しみだ!!


616 五十三頁「海軍本部」

 静かな空間。開けられている窓から外で起こっている喧騒がきこえてくる。が、それもかなり離れているので空気にとけこんだ生活音となっていた。

 部屋の中には本の頁をめくる音だけが響く。

 

 

「♪~~♬~~」

 

 

 違う。部屋の主が鼻歌を奏でていた。その姿はそれは見事な絵になっている。本人は全く気付いていないみたいだが……。

 

 この辺で分かる人は分かるだろう。本作の主人公のスマラがそこにはいた。現在地はマリンフォードの海軍本部に数多くある部屋の一角。本部自体が和風建築となっており、スマラの部屋もそれに沿った設計になっている。床は畳、仕切られた壁はスマラが見たこともない材質、ドアは襖で出来ていた。

 

 部屋には本が山積みになって散乱している。どれもスマラが政府に頼んで届けてもらった世界中の本だ。最近発行された新刊から毎日発行される新聞、数年前から十数年前に発行された古本、地方でしか売られていない新聞、雑誌、童話集などなど。数えるとキリがない事だけは分かる。

 

 片付けようとは思わない。面倒だし全部どこにあるか分かるからやらない。むしろ、この本すべてを本棚に収めようとするなら、部屋中が圧迫されるだろう。それよりも直ぐに取り出せるその辺にポイッと山積みしている方が楽だ。このことに業を煮やしている侍女が居るのだが、スマラがそういうのだから出来ない事を悔やんでいる。表に出していないが……。

 

 

「失礼します。昼食をお持ちしました」

 

「……いつもの場所に置いておいて」

 

「かしこまりました」

 

 

 そうこうしているうちに、話題に出ていた侍女――シルズが昼食を持って現れた。監視の為にこの場所に収めこまれているが、スマラは食客の身分である。食事も言わなくても豪華だ。両手に料理を載せたお盆を持って器用にバランスを取っているシルズ。バランス感覚はスマラ以上にあるのだろう。

 

 何時も通りスマラに昼食の時間だと伝えると、少し間が開いて返事が返ってくる。キリの良い場所まで読み進めたのだろう。スマラはマイペースに自分の読書を優先する節があるが、シルズは何も言わずに返事を待ち続ける。返事を急かせて不機嫌になったら困るからだ。世界政府方の命令でスマラには気持ち良く、指定された場所に留まってもらうために自分が派遣されたのに、その自分のせいで不機嫌になられると自分の首が跳ぶ。物理的に。まぁ、その前シルズは根っからの侍女なのでスマラに意見など一つも言わないのだが……。

 

 

「では、ごゆっくりどうぞ」

 

 

 シルズはそう言って襖の前に佇んだ。あくまでも侍女、命令があるまで待機するのが彼女の仕事だ。命令が下ったらそれに従うのも仕事だが、そこまでは言わなくても分かるだろうが述べておこう。

 

 スマラはシルズに礼を言うまでもなく勝手に食べ始める。読書は止めずに自分のペースでゆっくりと口元に持っていき飲み込む。しっかりと噛んでいるのは大変よろしいことなのだが、本人は無意識化の内にやっていることなので健康の事なんか考えちゃいない。

 健康?能力が勝手にコントロールしてくれるから気を付けたことがなかったわ。……世界中の女性がこの言葉に怒り狂うだろう。

 

 静かにな部屋の中でスマラは静かに昼食を食べる。もぐもぐ、ペラ、もぐもぐ、もぐもぐ、ペラ、もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ、ぺら。とスマラが食べ物を咀嚼する音と、何時も鳴り響いている頁をめくる音だけだ場にこだまする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スマラがここに到着したのは今から二日前。エニエスロビーでの一件で呼び出された軍艦に同乗して本部に向かったのだ。たらい海流と言う特殊な政府御用達海流に乗って30分。直ぐに海軍本部んは到着した。

 

 既に連絡は行っているのか、スマラが軍艦を降りる頃には無数の海兵が敬礼して出迎えていた。待遇は王下七武海並みと言えるだろう。実際に、スマラは海賊である事を否定している事と知名度以外では王下七武海並みの実力と実績を持っている。

 

 

「……はぁ」

 

 

 目の前の光景に一瞬呆れたスマラだが、言っても無駄だろう、と言うか言っても辞めさせること自体がめんどくさいとばかりにそのまま歩く。一部の海兵以外は皆、スマラが通り過ぎるだけでその美貌に吐息を吐き出す。噂に聞く海賊女帝にも引けを取らないその美しさに誰もがやられてしまう。

 

 しかし、彼らは知らない。美しいからと言って性格まで完璧と言うわけではないということに。海賊女帝然り、スマラ然り。誰だって完璧な人間など存在しない。スマラなど、男どころか人にすら関心抱くことが珍しいレベルでの変人ぶり。故に、彼らはスマラの事を遠目から見れるだけが一番幸せなのだ。

 

 

「それではスマラ様、お部屋に案内の前に元帥へ挨拶を予定しておりますが、いかがなさいましょうか?」

 

「元帥……センゴクね。めんどくさいけど、後腐れなくするためなら仕方ないわね。案内して頂戴」

 

「かしこまりました。では、そのようにお願いします」

 

 

 シルズの指示で案内役が現れる。将校ではないらしいが、それなりの地位を持っている人物らしい。薄ピンクの髪の毛に黒淵の丸眼鏡とバンダナをしている額に傷が入っている少年と、金髪ロングをオールバックで後ろに流している青年だ。二人共若いながら潜在能力は高いわね……とスマラは推し量る。

 

 

「短いながらも案内役を務めさせていただきます!!本部曹長のコビーです!!それとこちらが…」

 

「軍曹のヘルメッポだ。しっかしこれが噂の可憐なる賞金稼ぎかぁ~。思ったよりも綺麗じゃねぇか」

 

「し、失礼ですよヘルメッポさん!!任務に当たるんですから、私語は慎まなきゃ」

 

「私語って言ってもよぉ。相手は上官でも何でもねぇんだから、少しくらいいいだろ?それに、コビーだってソワソワしてる癖によぉ」

 

「そ、それは!!!でも初めくらい……」

 

「お喋りくらいしてても良いから、案内役なら歩きながらしてくれるかしら?」

 

「「はいぃぃ!!!只今ッ!!」」

 

 

 潜在能力は高いながらもまだまだ若いせいもあってか、少しばかり私語が多い二人はスマラの無表情の催促により跳び上がりながら前を歩き始めた。コビーとヘルメッポが並んび、スマラがその後ろを付いて行き最後尾にシルズが静かにお供する。一種のパーティーのようだ……とスマラは洞窟を探検する物語を思い出しながら歩く。

 

 港区から海兵やその家族が暮らしている居住区域を抜けると、長い階段を登って防壁の役割を果たしている石壁の上に。ここからは関係者しか立ち入り禁止な場所、『海軍本部』そのものである。色んな場所を曲がって登って先を歩くコビー。スマラはしっかりとその道順を記憶する。普通の町なら記憶するだけ無駄であると斬り捨てるが、この場所だけはある意味特殊なので別だ。緊急時にも使えるし、それ以外にも気分転換に歩き読書したくなった時にも使える。(良い子は真似しないでね)普段は訪れる事の出来ない場所の地形を覚えるために、わざわざ本を読まずに黙ってついて行ってるのだ。………もっとも、スマラが覚えなくても完璧な侍女を演じているシルズが全て憶えている訳だが……。

 

 

 

 それは本部に入ってかなり上の方に上ってきた時だった。まだ上なの?とスマラが若干歩くのにも面倒になって来た頃合いに、戦闘を歩くコビーがソワソワし始めたのだ。

 

 

「あ、あの~。お一つ聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」

 

「質問?」

 

「はい」

 

 

 コビーはスマラに質問がしたいらしい。それが自己紹介の時にヘルメッポとお喋りしていた理由だろうか?スマラは暇だったので許可を出した。するとコビーは周囲の様子を確認した後、先ほどとは違って興奮した様子を見せて質問を繰り出した。

 

 

「スマラさんって麦わら一味に乗っていたんですよね?ど、どんな感じでしたか?」

 

「どんな感じ?騒がしくて面倒事を吸収するような人たちだったわ。……所で何故そんな事を貴方が聞くのかしら?」

 

「わ、話題のルーキーなので情報を……と思いまして」

 

「噓ね。表情が緩んでいる。その様子では知り合いのようね。だいたい想像は付くけど……」

 

「いや~。実はルフィさんは僕の…」

 

「貴方の物語には興味があるけど、直接聞くのは好ましくないわ。後で文字にして提出しなさい」

 

「も、文字ですか!?」

 

「あ~あ、俺は知らねぇぞ。だいたいあんな過去忘れたいくらいだぜ」

 

「そっちのヘルメット軍曹?だったかしら?そちらにも興味あるわ、コビー曹長と一緒に提出してくれると助かるわ」

 

「ちくしょ~~~!!!」

 

 

 話の会話から、この二人は麦わら一味の関係者だと予測を立てる。末恐ろしい人達だ。敵である海軍にも交友関係があるとは……。気になったスマラは書類での提出を命じて二人を困らせる。権力的な権限はスマラ持っていないのだが、スマラは食客扱いの監視対象だ。望むものは何でも用意させる。それが世界政府との交換条件。故にスマラが望むのならこの二人はスマラの要求から逃れられない。自分から言い出したコビーはともかく、完全なとばっちりを受けたヘルメット……ヘルメッポはドンマイ。

 

 

 

 そんな感じの会話を挟んでまだ登る。元帥の部屋と言うだけあって、やはり最上階に位置するらしい。移動だけで小一時間かかっている気もするが、ようやく目的の場所にたどり着く事ができた。

 

 と、ここで一つ疑問が浮かんだ。スマラが案内されたのは元帥の部屋だ。元帥は海軍のトップの役職でもある。一介の海兵では会うことすらできないであろう権力者だ。そんな者の部屋に、軍曹と軍長レベルの者が案内役として用意されたか?だった。普通なら最低でも少尉……いや、スマラの実力を考えると少将や中将レベルの物が案内人であってもおかしくはない。

 

 しかし、そんなスマラの疑問も直ぐに解決した。それは元帥の部屋に着いてからだった。

 

 

「失礼します!!賞金稼ぎのスマラさんをお連れいたしました!!」

 

「あぁご苦労だったな!!!どうじゃった!!噂のこやつは!!」

 

「ガープ!!お前が面倒見ている者を迎えに向かわせたと言えば、これが目的なのか!!」

 

「わっはっはそう怒るな!!」

 

 

 スマラが到着した次第、即座に喧嘩を始める二人。大男二人の喧嘩は迫力がある。……いや、喧嘩と言うよりもカモメの帽子を被った男が白髪のおじいちゃん海兵に向かって一方的に怒鳴っているだけであったが……。喧嘩と言うよりもじゃれ合いなのだろう。片方はせんべいを食べながら笑っているし………。

 

 しかし、じゃれ合いでも周囲の海兵の顔色は悪くなっている。それはそうだろう。なんて言っても、彼等は全世界に数百万在籍している海軍の中でもトップの二人なのだから。

 

 カモメの帽子を被った仏顔台無しの怒りをぶちまけている元帥『仏のセンゴク』その異名の原因が顔であることよりも『ヒトヒトの実モデル大仏』からきていることもスマラは知っている。もう片方のおじいちゃん海兵。おじいちゃんと言っても見た目はスマラをも超える巨体に鍛え抜かれた身体。単純な近接戦闘ではスマラですら手も足も出せないだろう。『海軍の英雄ガープ』悪魔の実は食べておらず、単純に鍛え抜かれた身体と覇気だけで大将に選抜される化け物。

 

 海軍の中でも歳を食っていながらもまだまだ現役な二人。幾ら海賊でないと言い張っているスマラでも、産まれが産まれなだけあって緊張せざる負えない。もし本気の戦闘が起きれば、元帥に英雄、それに大将だって出撃してくるであろう。そうなったらスマラですら対応しきれない。ここは何時でも能力を使えるように集中するかない。

 

 それともう一つ。スマラが途中で感じた疑問、それはコビーとヘルメッポがガープの命令で動いていたとなると納得だ。彼等が年の割に強いのは、英雄に育ててもらってるとなると納得出来る。まぁだからと言って書類の提出を免除するわけでないが……。

 

 

 

 一波乱あったがようやくガープを怒鳴るのを辞めたセンゴク。彼はスマラを黙って観察し始めた。噂には聞いていたが、初めて会う強者である。海軍で預かるのならその実力を図っておくのもトップとしての仕事。

 

 

「ふむ。聞いてた話よりも若いな。能力の影響か?それに……当然覇気を制御している。こんな奴が海賊でなくてホッとするぞ」

 

「おぉ!!どうだ!!わしが鍛えて強い海兵にでも……」

 

「やめんかっ!!!誰構わず海兵に育てようとするのは!!」

 

「……海兵なんて絶対に嫌だわ」

 

 

 一人だけ場違いな事を言って怒られるガープ。スマラは即答で断った。あの手の脳筋はどこかの海賊と同じでしつこい。しっかりと断っておかなければ、ズルズルと引きずり込まれてしまう。

 

 そうなったら困るのはスマラ自身だ。今までは個人として海を放浪していたから何もなかったが、どこかに所属するとなると話は別である。先の麦わら一味の船に同船もそうだが、現在の状況である世界政府の指定する場所に留まるのも本当は危ない橋を渡っている状態なのだ。何処かに所属するならば、奴らは絶対に取り返してくる。それがただの海賊団相手ならば全滅で、世界政府相手ならば交渉か強奪か……。どちらにせよ、スマラにとって望んでいる状況でないのは確かだ。

 

 はぁ……。どうして誰も私をほっておいてくれないのかしら?この能力が悪いのかしら?それとも産まれ?親を憎めばいいの……ってもう憎んでたわね。まぁそのことは置いておいて、今はここでの生活を快適に出来るために印象を良くして置かないとね。

 

 

「それで、私はここに歓迎されているのかしら?」

 

「歓迎などするかッ!……だがしかし、海賊の様に敵対するわけでない。何しろ貴様は、少なからず賞金稼ぎとして海賊の捕縛に貢献してきたのだからな。経歴がどうとあれ関係無い」

 

「暇が出来たらわしと手合わせでも……」

 

「貴様はもう黙ってくれっ!!」

 

 

 茶々を入れてきたガープに怒鳴るセンゴク。ガープは懲りたのか、不貞腐れたようにせんべいをバリバリと食べ始めた。副官にお茶を要求している。……部屋から出さないのは、部屋から出て行ってどこかの大将の様に放浪されると困るからだろうか?

 

 ガープが黙った事でようやく落ち着いて話が出来る。と言ってもスマラから話ことは何もなく、用事があるのはセンゴクの方だ。一体これ以上何があるのやら……。

 

 

「ようやく黙ったな」

 

「それで?早くしてくれないかしら?私疲れたのよ」

 

「まぁ焦るな。今日で会う事は無い……はずだ。…………ガープが既に聞いているが、これも上からの命令だからオレを恨むなよ」

 

「だから早く」

 

「軍に入るつもりは?無論待遇は良くするつもりだ。入隊から中将の地位、通常勤務の免除で緊急事態だけの出動、キチンと給金も出る上に政府に頼めば欲しいものを用意してもらえる。いわば名誉職みたいなものだ」

 

「私が軍に入ることによるそちらのメリットは?」

 

「……新世界でも通じる可憐なる賞金稼ぎのネームバリューによる牽制だな」

 

「……………それだけじゃないわよね?」

 

「グッ!!……ハッキリ言うが、その辺の海賊よりも四皇への牽制意味合いの方が大きい。貴様は四皇までとはいかずとも、四皇の幹部には匹敵しているからな」

 

「嫌味なの?喧嘩撃ってるなら買うわよ!?それと軍への入隊はノーよ!!」

 

 

 えらく不機嫌な様子で機微を返すスマラ。センゴク、スマラの地雷を踏んだらしい。暴れてこそいないが、青雉にセクハラされた時よりも機嫌は悪い。無意識ながらも覇王色の覇気までちょこっとだけ漏れている。それくらい癇に障ったらしい。

 

 スマラは怒りに任せて「部屋に案内してちょうだい!」と若干強めにシルズに命令して部屋を去る。このまま居座っても何も良いことは起こらない。スマラの溢れ出る覇気にコビーとヘルメッポがやられているからだ。流石にセンゴクとガープは何事もない様子でいるが、経験が経験なので仕方ない。

 

 

 ドスドスと不機嫌を表したかのように地面を踏みしめて進むスマラ。部屋のドアが閉まる直前、後方からガープののんきな声がスマラの耳に届いた。

 

 

「そうじゃ~。ルフィの奴は未だにウォーターセブンに居ると思うか~?」

 

 

 麦わらのルフィと英雄ガープに何の関係が?と思ったスマラだったが、そう言えば家名が同じだったことを思い出す。年齢から考えて祖父と孫。海軍と海賊と言う対極に居ながらもその様子が気になるのだろう。

 

 ここで答える義理はない。そもそも、スマラはウォーターセブンに到着したその日の夕方に抜けてきたはずだ。エニエスロビーで一時期会ったりしたが、その後はどうなったのかは不明だ。しかし、別れ際に船を乗り換える話をしていた様な記憶が……。ならば、そのままウォーターセブンで新しい船の完成を待っているのではないか?

 

 答えは出た。だけど、まだ答える義理は出ていない。このまま無視して部屋に案内してもらおうと思った矢先、スマラはある考えを思いついた。そういえばあの二人に感想文をお願いしていたわね…と。ガープがルフィの元に行くのなら、あの二人も当然ついて行くだろう。そこでルフィと再開するはず。そうなれば、文字数が増える!!これは是非とも教えるしかないであろう!!と、思った。

 

 

「……だと思うわ」

 

「そうか。ありがとな。よし、早速行ってくるぞ!!コビー、ヘルメッポ!!起きんか!!!」

 

「待てガープ!!!貴様、まさかと思うが!!」

 

 

 後は知らない。多分あの様子だとガープが振り切って無理矢理出航したのだろう。振り回される人の苦労が絶えない。

 

 スマラは最上階から二階下のこの部屋に案内され、2日経過した今に至ると言うわけだ。あれから海軍側からは何の接触も見られない。接触どころか姿させ見せない状態なので、スマラの着港した時に居た海兵以外からは都市伝説……まではいかないが「物凄く綺麗な女性が本部の何処かに住んでいる」という噂が海兵隊員………特に階級の低い者たちからたっている。もっとも、スマラは部屋から一切出ないので、その噂も耳にしないのだが……知っても本人は特にきにしなさそうだ。

 

 

 

 場面は戻って二日後の昼食時。運ばれてきた料理をモグモグ食べているスマラ。例え読書をしながらというマナーの成っていなくても、その姿に見惚れる者は10人中9人はいるであろう。そう、マナーが悪くても!!

 

 

「そういえば、外の様子が少し騒がしいわね。何かあったの?」

 

 

 突然声を出してシルズに質問を投げかけるスマラ。見聞色の覇気を常備発動中の彼女だからこそ気づけた事だ。ここまスマラに取って敵地までとは言わないが、それでも警戒するには越したことのない場所である。自身に攻撃をしてこない可能性も拭い切れない為、常に周りには気を張っている。中将レベルならまだしも大将レベルの攻撃ならば反射で無力化出来ない場合もあるからだ。

 

 だからスマラ気づけた。海軍本部の様子がここ二週間の中では最も気配が慌ただしくなっている。スマラが到着した時以上の騒めきだ。流石に気になったスマラがシルズに質問すると、当然の様に返答が返ってくる。

 

 

「はい。実は新世界において『白ひげ』と『赤髪』が接触した模様です。なので厳戒態勢を……という事らしいです」

 

「あの白ひげと赤髪が?ここに来て潰し合いかしら?」

 

「私からは何も……。これに関してははスマラ様の方がお詳しいでしょう」

 

「まぁそうね。全く関係ないとも言い切れない事態ですからね。……全く忌々しい」

 

 

 『白ひげ』と『赤髪』どちらも偉大なる航路の後半『新世界』の海に君臨する4人の海賊、通称『四皇』と呼ばれる覇者だ。四皇は世界三大勢力の一角として数えられるほどの影響力を持ち、そのトップ2人が接触するとなると、さすがの海軍、世界政府も無視出来ない緊急事態になる。

 

 スマラはそのことをシルズから聞くと、少しだけ顔を歪ませた。白ひげ又は赤髪、若しくは四皇と言う単語に心当たりがあるらしい。それも特大サイズに嫌~な思い出が。だからこの話題は終わりになった。スマラは不機嫌そうにササッっと昼食を済ませ、食事中でも読んでいただ本を勢い良く読み進める。

 

 スマラが会話を続けないのならシルズには会話を続ける権利はない。食べ終えた食器をお盆の上に乗せて「食器を片付けてまいります」とスマラに一言声をかけてかたら部屋を退出した。彼女は直ぐに戻ってくるが、一体何時食事や休憩を取っているのであろうか?対外スマラの近くにいるので、スマラが疑問に思っている点でもあった。

 

 

 

 こうしてまた一日の半分が過ぎ去った。外の世界には全く関わろうとせず、全てを与えられた部屋でのうのうと読書をして過ごす。これぞスマラが望むヒモ生活だった。欲を言えば、街から徒歩1時間くらいの郊外がベストなのだが、見返りに望む本を全て用意してくれるなら、こんな場所(海軍本部)でも文句を言えない。

 

 しかし、スマラが外との関わりを断とうとも世界は動き続ける。先の四皇同士の接触から始める大きな出来事に、スマラは巻き込まれる事を今はまだ知らない。いくら見聞色の覇気で未来を見ることが出来ると言っても、何週間も先の事を知れるなら、それではまるで本当の未来予知ではないか。生憎、未来予知を行える人物はこの世界には存在していない……とされている。世界は広いのでどこかにそんな能力者が居る可能性も否定出来ないのが、この世界。

 

 スマラは未来の事を知らずにのうのうと読書を続ける。だって、それが彼女にとって一番やりたいことなのだから。

 

 




早く頂上戦争入りたいんや……。でも何でこんなに長くなったのだろう?
2、3話挟んで頂上戦争かと。どんな感じで話に絡むんでしょうかねー棒読み

次回作品に向けてのアンケート。詳しくは活動報告にて

  • 原作SAO
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