麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが? 作:与麻奴良 カクヤ
本編は後半戦初っ端から飛ばしていきます!!
FGOバレンタイン
ガチャはすり抜けしか来なかったよ…。三蔵ちゃん二体に不夜城のキャスター、玉藻……何故だ。
「はぁ……面倒な事になってきたわね」
ぼんやりと本の活字を追いかけていたスマラは深くため息を吐いた。それもこれも全部数日前の会話が原因だ。あのセクハラの塊であるかのような堕落人間青雉。そんな彼が齎した事はスマラにとって非常に頭を悩ませる物だった。
昨日の会話を思いだしながら、またもや長いため息を吐くスマラであった。
『今回限りでいい。海軍側に力を貸す事を打診しないか?』
『嫌よ。どうして私があなた達世界政府側の肩を持たなければならないの?』
『ここでの生活の恩返しとか…』
『元々何もしないでいい、と言われたから頷いた契約。私が力を貸す理由にはならないわ。それに、私を白ひげにぶつけて何がしたいの?私にとっても、そちら側にとっても最悪しか起こり得ないじゃない』
『だから、俺が決めたことじゃないのよ。全部上の指示。俺はそれをあんたに伝えて返答を貰うだけだ」
『大将がパシリとは海軍も落ちたものね……』
あれから海軍側は一切の接触をしてこない。スマラが部屋から出ていないもの原因の一つとして数えられるが、どうしても話し合いがしたいのなら、部屋から出て来るのを待つばかりではなく乗り込んで来るのが一番手っ取り早い方法だろう。それをしないと言う事は、海軍側…及び世界政府としても最重要事項ではなかったのだろう。
むしろ、あの事件にスマラをぶっこんでも良いことは何一つ無い気がする。新たな火種を巻き起こすだけだ。ちょっと考えれば誰にでも分かることだ。全ての事情を知ってさえいればだが、海軍の上層部及び世界政府は知らないわけがない。なので、スマラが承諾すればそれでよし。その後に起こりうる種火の前に、目の前の種火を消化する方を選んだだけ。承諾しなくても元々の作戦には組み込んでいない為、大きな障害にはなりはしない。
それ以上は考えても意味はなさない。既に断ったのだから、スマラには関係の無い話にすり替わる。ならばそれだけ思考を重ねるだけ無駄である。そんな暇があるなら、本を読んでいた方が有意義な時間になるに決まってる。
だからスマラは思考を捨てて読書タイムに浸った。好きな時に本を読んで好きな時間に好きな事ができる生活へと。それが彼女が望んだ生活だ。望むと言うのものは、基本的に叶わない物が多い。そう、スマラだって臨んだ生活はいつか必ず崩壊する。その束の間の平穏だけを楽しむことになるとは、今のスマラには分からないことだった。
それは突然訪れた。
スマラが何時ものようにゴロゴロと本を読んでいる時間帯。最近はこの生活にも真新しさを感じ無くなり、すっかりと本を読むだけのアンドロイド化が進んでいた。何週間も部屋から出ておらず、トイレすら室内付きのに入っている。食事は小食な上に勝手に用意してくれる、一番肝心な読書の為の本探しも契約により全て探し出して持ってきてくれる。
本当に、一日中本の活字を追いかける生活が完成されていた。そんなものだからか、スマラは世間という物を気にしないで過ごすようになる。元々世間体を気にしないスマラであったが、それが特に大きくなった。簡単に言えば、新聞を読んでも特に反応しなくなり、シルズから報告や声をかけられても上の空状態に近く、考える前に返事をして直ぐに忘却する。兎に角活字を目で追う話はそれからだ。本の世界に入り込んだらそれ以外はどうでもいい。ここ数週間動きがないのなら、罠にはめて自分をいいようにこき使う可能性は限りなく低くなった。
スマラは久しぶりに手に入れた何不自由ない生活を満喫していた。
何時ものように朝起きて、シルズが運んできた朝食を口に入れながら新聞の活字を追う。その後、その辺に転がって昨日読んでいた本の続きを読んでいた。短編物の小説であったが、眠かったので途中辞めにしてその辺に置いていた奴だった。
本を読み始めて一時間程。スマラの耳に大きな雑音が入ってきた。
「五月蠅い………」
普通なら状況把握を先に行うべき。そうして自分に関係あるのか関係ないのかを確かめる。しかしスマラはこれまでの何不自由無い生活がそれを怠らせた。
どうせ大した内容ではないだろう、と勝手に推測して確認を怠る。能力を使用して自分に聞こえる音量をゼロに変更。肩を叩けば当然気付くが、音だけではスマラは反応しない状態へと変化した。
これが間違い。もっとよく周りの(この場合はシルズ)へ疑問をぶつけて話を聞いてさえいれば、見聞色の覇気で周囲の状況をより良く把握していれば、その前から思考を止める事なく新聞に書いてある記事の内容を確認してさえいれば、部屋に籠るばかりでなく外の状況を自分の目で見ていれば、頭の良いスマラは気づいていただろう。しかし、それはもう遅い。ほんの数日前、数時間前、数秒前に行動を起こしていたのなら、スマラは違う結末へと変わっていただろう。
不意に、スマラの見聞色の覇気が緊急信号を鳴らした。急いで回避しなければ死ぬぞ、能力に頼ったただの反射だと防げない可能性あり。
スマラは考えるまでもなく、己の危機信号と本能に従った。それは回避だった。本を放り投げて部屋の外に飛び出す。更に能力を全力で執行して衝撃に備える。
ここまでの防御態勢を取るのは何時ぶりであろうか?ロングリングロングランでの青雉戦は半分お遊び。どちらの命までは取ろうと思っていなかった戦闘だ。そうなると……実に三十年ほど前かしら?と辺りを付けた瞬間、
「グッ~~~!!!?」
スマラが即席で組んだ防御態勢が崩れ去るほどの衝撃がスマラを襲った。これは完全に殺しに来ている攻撃だった。自分に向けられていたものならもっと前に気づけたはずだ。ならば、これは完全なるとばっちり。でも、スマラには関係ない。結果論で自分に死ぬレベルの攻撃を受けたこと一点だけだ。
しかし、それだけならばスマラもまだ暴走することはなかった。
「ご無事ですかッ!!私が近くに居ながらもとんだ不覚を……」
「いいえ、あれは殆ど範囲攻撃なのだから仕方がないわ……」
ぐちゃぐちゃになった廊下と部屋。何とか生き残ったスマラに慌てて駆け寄ったのはシルズだ。彼女も咄嗟に攻撃を緩和したのだろう。しかし、スマラ程上手く攻撃を緩和出来たらしくなく、額には血が流れ出ており、普段なら寸分の狂いもなくピシッとした侍女服は破れかぶれになっていた。しかし、それでも当たれば即死級の攻撃に耐えられているのは、流石世界政府から派遣されたエキスパートである。
スマラの無事を確認したシルズはすぐさま頭を下げて謝罪を述べた。本来ならば、自分が先に予測して守らなければならない事案。身を挺してでもスマラの身を守らなければならないことであったが、これはスマラを狙った訳ではない攻撃。それも部屋どころか建物全体を破壊し兼ねない一撃だった。これを避けろ、守れと言う方が無理があるだろう。とってスマラもシルズを許そうとして……………。
半壊した部屋の内部が目に入った。
「あ……」
半壊した部屋の内部にはそれまで部屋にあった物がごちゃごちゃになっていた。無事な物もあるが、基本的には皆壊れてしまっている。そんな破壊された物の中には、当然のようにスマラが持ち運んでいた書物が大量に存在していた。
「…………………」
「す、スマラ様?」
壊れた書物。頁はズタズタに引き裂かれており、中には原型すらとどめていないもの、壊れた壁によって外に舞っている物もある。本が好きな読書家からすれば、許し難い行為だ。
故にスマラの内心はぐちゃぐちゃにかき混ぜられる。抱いているのはこの攻撃を放った者への怒りだけだ。即死級の攻撃を相手が使えるなどといった相手への思いはない。存在するのはどうやって相手に償わせようとするか?この本と同じような目に合わせるのもいい。とにかく、この怒りをぶつけなければ………。
普段のスマラならば、ここまで怒りを見せることはなかったであろう。そもそも、スマラには本に対する想いは少々特殊だ。スマラは本は好きだが、本当に好きなのは本ではなく文字から生まれる物語であり、情報であり、テキストだ。媒体は関係ない。単なる日記でも安物の本でも、豪華な皮や装飾が施された経典でも、毎日刷られているような新聞でも、遺跡に掘られている古代文字でも……スマラは愛せる。それほどまでに愛しているスマラだからこそ、目の前の本が壊されている光景に瞳を大きく開いて怒りを持つ。
当然、かたちあるものはいずれも壊れる。なので本がいずれ壊れてしまうことについてはスマラも重々承知している。それが、震災による不幸、不注意による水濡れ、直射日光による日焼け、数年も売れなくなった廃棄、禁書、いずれの方法であっても構わない。なぜならば、それが自然的なのだから。
しかし、今回は少しだけ状況が違う。明らかに人為的な攻撃による被害。それが狙ったものであれ、結果的になったものでもスマラには関係ない。誰かの手によって本を廃棄せざるおえない状態に破壊された。まだ読んだことの無い本や、稀覯本の類も数冊あったのだ。これには普段温厚なスマラでも大激怒。
本が関わると自分を見失ってしますとはこのこと。スマラは、攻撃してきた相手が誰か?現在の海軍本部が置かれている状況がどういったものなのか?自分が行動することによって降りかかる自分の不幸、第三者の影響等々を全て無視した。
スマラの頭の中にあることは、この攻撃を行った相手への報復のみ。相手が誰とか考えていない。全部後回しだ。……いや、後回しと言う考えすら頭に登っていない。あるのは全て攻撃者への報復。差し詰めバーサーカーだ。誰の言葉も耳にせず、あるの一点のみ。
「………殺すッ!!」
たった一言だけを呟いてスマラは能力を使って建物を飛び出した。シルズが窘める隙も与えない速度だ。置いて行かれたシルズは、ただ一言
「……さて、この場合はどう動きましょうか?」
そう呟いて姿を闇に紛れるようにして消えた。
時は、謎の攻撃がスマラの部屋を襲った日の朝まで巻き戻る。
その日は世界的にある一か所に注目が集まっている日であった。その場所はマリンフォード『海軍本部』世界のほぼ中心に位置する世界の平和を司る島だ。
今日、海軍本部で行われるのはある人物の処刑。数週間前から世間を賑わせており、つい数日間に決まった処刑。それだけで世界中の目は海軍本部へと向けられ、誰がどんな事で動いても良いように厳戒態勢を強いられていた。
普通処刑という物はここまで大々的に行うものではない。海賊に対する見せしめという意味で年に数回処刑を行うが、それはせいぜい新聞に一回載る程度であり、全世界が注目する程度ではない。ここまで大々的に処刑が行われるのは実に二十二年前の海賊王処刑時以来だ。いや、あの時でもここまでの事はしなかっただろう。
この日の為に集められた戦力は、世界政府が考えられる最強の布陣であった。『東の海』『西の海』『北の海』『南の海』『偉大なる航路前半:パラダイス』『偉大なる航路後半:新世界』普段はあいまみえない六つの海に存在する海軍基地から派遣された海軍隊の精鋭が総勢約十万人。
世界三大勢力の一つでもある『王下七武海』メンバー
『女帝 ボア・ハンコック』
『鷹の目 ジュラキュール・ミホーク』
『天夜叉 ドンキホーテ・ドフラミンゴ』
『ゲッコー・モリア』
『暴君 バーソロミュー・くま』
の五名の曲者すら強制収集する始末。
最後に、処刑台の真下で硬く守るのは海軍本部最高戦力三人の大将
『青雉』
『黄猿』
『赤犬』
これ以上の戦力は他に考えれない。世界政府が現状で形成できる最強の布陣だった。
そして、今回これほどまでに政府と海軍が警戒せざるおえない現状を作り上げたのは、今回の処刑人の存在だ。
白ひげ海賊団二番隊隊長『火拳 ポートガス・D・エース』
世界最強とも言われている男『白ひげ』その船員が今回の処刑人であった。白ひげは部下を絶対に見捨てたりしない。だからこそのこの布陣。奴らは必ずエース奪還を行いに来る、そう確信が誰もがあった。実際に、白ひげの船を監視していた監視船は既に沈められており、彼らの動向はつかめないでいた。故に緊迫した場の空気が何時間も形成されている。
世界最強の名を冠している海賊とその部下。片や世界政府が用意できる最大の戦力。どちらが勝っても負けても、世界は必ず動く。明日の世界の運命を見守るため、世界中の注目がこの島には集まっていた。
そして、そんな世界で最も注意目を浴びている島、最も危険な島に彼女はいた。のうのうと読書タイムに浸り、世間との関わりを断っているスマラだ。外の世界を全く気にせず「ここは安全だ」と言う過信を抱いて本部内に留まり続けている変人。いや、そもそもエースの処刑が海軍本部で行われる事や、その日程が今日だということすら気づいて居なかった。
そんな彼女が暴れ始めるまで、残り六時間をきっていた。
戦争に参加するスマラさん。果たして影響するのか!!!??
あ、戦争を開始するまでスマラに移動を伝えなかったのか?と言う疑問がありますが、後日説明いたします。
次回作品に向けてのアンケート。詳しくは活動報告にて
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