麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが?   作:与麻奴良 カクヤ

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 エタると思いましたか?更新速度は落とすけど、きちんと投稿はしますよ。
 オリュンポス攻略してたら遅れました。まぁとっくの昔にクリアしてましたけど……。


745 五十九頁「賭けと懸け」

 スマラは走る。理由?それはビスタに脅されて、ルフィを助けると約束させられたからだ。

 ビスタとの言い合いで時間を喰ってしまった。スマラは取り返しのつかないことになる前に急ぐ。これから赤犬と戦闘を行う為、能力の使用は控える。リスク無しで能力を使える体力はもう残っていない。否、雑魚敵なら幾らでも問題ないのだが、大将ともなると心許なさ過ぎる。少しでも抑えるのだ。

 本当は能力を使ってでも急ぐべきなのだ。しかしスマラは能力を使わない。これは体力の消耗を抑えると同時に、自分なら何とか出来るはずだ、と言う実力者故の慢心を抱いていたからだ。

 それに、スマラがジンベエを視界に入れた時には……

 

 

 

 現状ジンベエは海に出ようと湾岸から飛び降りたのだが、青雉に先回りさせられて海は凍っている。しまったっと思った時にはもう遅い。

 空中に飛び出してしまったジンベエには身動きが制限されていた。先に跳んだ者と、後から追いかけて跳んだ者。有利なのはどちらだろうか?答えは後から追って来た者が断然有利だ。

 赤犬が手をマグマ化させて追って来る。避けようがなかった。

 

 

「アアアッ!!?」

 

 

 どうにしようとするものの、相手は自然系能力者。並大抵の攻撃は効きやしない。

 赤犬の腕はジンベエの肩を貫通してルフィの胸を抉る。即死は免れたが、致命傷には変わりない。

 

 

「邪魔しちょるのうジンベエ!!」

 

「ウ……!!ルフィ君すまん!! 更なる傷を負わせた!!」

 

 

 地面に落ちたジンベエは自分の傷はどうでもいいようにしてルフィに謝った。

 ルフィを一度降ろして体制を整えようとするも、すぐ近くには攻撃態勢の赤犬の姿。逃げ場は何処にもない。

 このままルフィを守れないのか……。

 

 そう覚悟した瞬間、赤犬の身体あ崩れ落ちた。自然系能力者である故に、身体を弾けさせながら辺りにマグマをぶちまける。

 

 

「あぁ!!めんどくさい!!」

 

 

 この戦場で赤犬に向かって原型を留めない程の攻撃を行える人物は限られている。

 赤犬は己の攻撃した人物を睨みつけた。

 

 

「おんどれぇ!!小娘!!!儂の邪魔しちょるのか!!?」

 

「こっちにも事情があるのよ!!」

 

 

 赤犬の問いにキレ気味に答えるスマラ。事情と言っても殆どスマラの自業自得なので仕方が無い。

 身体を元に戻した赤犬が忌々しそうにルフィを睨んむが、直ぐに視線はスマラへと戻す。ルフィを殺すのは当然のことだが、スマラが相手となると意識を逸らすわけにもいかない。

 ここで青雉や黄猿なら引くように交渉したり、様子見に徹したりするものだが、スマラの相手は過激派筆頭の赤犬。海賊は悪、それ以外の論理は認めない。相手が四皇であろうが、元海賊であろうが関係ない。

 故にスマラは赤犬だけの前には立ちたくなかった。更に今のスマラの立場は、後先考えずに海軍を敵に回した犯罪者。赤犬は容赦しない。スマラが元海賊であり、ここ数年は賞金稼ぎとして海賊を捕縛していると知っていてもだ。今であれ、昔であれ関係ない。海賊だったという事実だけで赤犬にとっては捉えるべき敵。

 それが産まれと言う仕方のないことであっても……。

 

 赤犬は憎らしい目つきでスマラに向かってマグマ化させた腕を噴出。スマラは自身に触れる前に能力を使って防ぐ。

 赤犬の攻撃は触れると危険だ。何せマグマ、そこらの打撃や斬撃とは訳が違う。触れた先から皮膚だけでなく骨まで溶かしてしまう理不尽の極み。武装色の覇気を纏えばそれ限りではないのだが、それでも火傷レベルのダメージは免れないだろう。

 それ故にスマラは普段は触れる事で発動する能力の範囲を拡大、自身から15センチ程で反射を発動させた。

 

 

「厄介な能力やのぉ!!」

 

「自然系能力者に言われたくないわよ。……何をぼさっとしてるのよ、早く逃げないと私も撤退出来ないでしょッ!!」

 

「お前さんは……ルフィ君の仲間の……。分かった!!助太刀感謝する!!」

 

「貴様も麦わらも逃がさん言うとるぞ!!」

 

「だから、行かせないわよッ!!」

 

 

 ジンベエがルフィを背負って逃げる。それを追撃しようとする赤犬をスマラが阻止する。

 スマラを無視できない実力だと己で見極めていながらも、赤犬は逃げるジンベエに意識が行ってしまう。逃げないスマラよりも逃げるジンベエを優先しがちになるのだ。

 それはスマラを厄介だと認めていながらも、驚異だとは感じていない証拠。火拳の弟分であり最悪の犯罪者ドラゴンの息子、覇王色の覇気を素質を持ち、超新星と世間では呼ばれ急成長している麦わら。

 それと比べ、海賊でありながらもそれを否定して海賊を捉える賞金稼ぎへと転職。堂々と海軍の前に姿を現し、ついさっきまでは庇護下に甘んじていた新世界の不安定要素スマラ。

 現状を鏡見ると、脅威なのはスマラに違いない。しかし、成長度や経歴、産まれを考えるとこの場で逃がせば海軍にとって不利益になるのはルフィに間違いなかった。

 

 だからこそ、赤犬はスマラよりもルフィを追う。スマラに防がれようと、大したダメージにはならない事を理解している。

 赤犬は殺す気で海賊を追っているが、スマラはこれまで一度たりとも殺す気でいたことはなかった。ロングリングロングランドでの青雉、先の白ひげを見ると殺す気でいる様に思えるが、実は怒りに任せただけの感情。冷静に考えて明確な意志を持って人殺しを考えた事は一度もないのだ。………スマラが放浪中に撃退した海賊の中には死んでしまった者も存在しているかもしれないが、それはスマラが使った能力がその人物に耐えられなかっただけであり、スマラにとって殺す気は無かっただけである。

 

 

 であるから、赤犬はスマラを無視してルフィを狙うのだ。殺しに来ないスマラなど放っておいても問題ない、それよりも麦わらだ。と言わんばかりの態度だ。

 これにはスマラも大激怒……はしない。積極的に攻撃してこないなら結構。こちらは麦わらが逃げ切れる様に赤犬の邪魔をすればいいだけの話。

 が、しかし。何時まで地面をのうのうと逃げていられたらスマラも赤犬を抑えるのは困難だ。なので、風を起こす。

 

 

「ここにいると邪魔よ」

 

「のぉ!?」

 

「おんどれぇ!!デタラメをやりおる!!」

 

 

 自身が腕を振った事による風の動きを肥大化、竜巻まで成長させてジンベエを何処かに飛ばす。これなら赤犬も直ぐには追いつけないだろう。

 飛ばされたジンベエとルフィは空中にてバギーがキャッチ(本人にはその様なつもりはない)あれならば船まで辿り着けるはずだ。

 と視線を戻せば、赤犬がスマラに向かってマグマ化させた腕を振るってくる。

 

 

「早々に貴様を倒すしかないようじゃの!!『冥狗』!!」

 

「ハッ!!倒せる様なら倒して見せなさいよ………と言いたいところだけど、私とて好き好んでやってるわけじゃないのね」

 

「なら退かんか!!」

 

 

 怒りに任せてマグマの温度を上昇させていく赤犬。いくら触れる前に対処される能力であろうと限度があるはず。力で押し切ればいずれは倒せる。

 能力の使用による体力消耗で表情を歪めるスマラを見て、赤犬を自分の考えが正しいと嗤う。現に、マグマが反射される位置が段々とスマラの方に下がっている。力比べで押せば必ず勝機はあるのだ。

 ただし、これは赤犬と言った世界で指折りの実力を持っている人物だからこそ出来る戦法だ。並大抵の実力しか持ってない者ならば、いくら攻撃を続けようとスマラの能力に打ち勝つ事は不可能。

 

 

 

 と、そんなやり取り?をしている間に、白ひげ海賊団が集まってきた。現状で動ける隊長達を筆頭に、脱出の準備を行っている者達、海兵を食い止めている者たち以外の全員が集まっていた。

 全ては麦わらの為。底知れぬ執念と力を見せつけ、エースが守り親父が認めた麦わらを、白ひげ海賊団は新しい時代に送る義務がある。

 スマラには到底理解出来ない理屈を並べる白ひげ海賊団。それは海軍である赤犬にも理解出来ない考え方である。

 故に対立。逃がした白ひげ海賊団と、何としてでも殺しておきたい赤犬は相容れない存在なのだ。

 

 そんな白ひげ海賊団がスマラに厳しい口調で命令する。

 

 

「何をしている。早く麦わらを追え」

 

「あんたに託したのは赤犬の足止めではなく、麦わらとジンベエの護衛だよい」

 

「さあ早く!!バギーとか言う海賊では不安だ!!」

 

「エースの意志を守るんだ!!」

 

 

 白ひげ海賊団にどやされるスマラは深く、深~くため息を吐いてから空を跳んだ。勿論、それを許すはずもない赤犬だったが、白ひげ海賊団に阻止される。

 怒声がスマラの耳に入るが、無視して先をフラフラと飛んでいるバギーを追いかけた。

 

 幸い、バギーの速度は速くない。それは跳んでいるよりも浮遊していると言った方が正しいからだ。

 バギーの能力はバラバラの実。身体を自在にバラけさせる事が可能な能力だ。ただそれだけでは浮遊はできないが、バラけさせた身体はある程度の制限範囲があるものの、自由自在に操作することが可能。バギーは手下に足を運んでもらう事で空中での移動を可能とし、空から逃げている。

 が、先にも述べた通り、飽くまでも浮遊なので宙を蹴って移動するスマラに追いつけない訳がない。

 

 

 

 

 

 バギーは困っていた。

 インペルダウンから脱獄したものの、悪運が強いのか自分よりも懸賞金と実力の高い囚人達から慕われる始末。これを利用して乗り掛かった舟だと頂上戦争で暴れてみるも、囚人達が全く役に立たない程のレベル。

 もう嫌だ!!と思い戦場から逃げようとしていたところに飛んできたのはジンベエと麦わら。手下の囚人共はバギーが助けたと勘違いして、バギーを称える始末。

 それだけでもバギーにとっては人生でも十本指に入る不幸の出来事。だが、まだ終わらない。

 

 

「キャプテン・バギー!!後ろから何か迫って来ていますぜ!!!」

 

「撃ち落としてやりましょうか!!?」

 

「ん?何かって……うぉ!!!?」

 

 

 地上を走っていた手下達からの声に振り返ってみると、確かに自分に向かって跳んでくる存在が居た。

 それは一瞬でバギーの目の前で止まると、バギーを無表情で見つめると背負っているジンベエに視線を向けた。

 

 

「ス、スマラ……何で俺のとこに来るんだよ!!?」

 

「……死んでは居なさそうね。気を失っているのは癪だけど……仕方ないわ」

 

「無視すんなーゴラァ!!!?」

 

 

 バギーの前に現れたのはスマラだ。当然の様に追いつき、当然の様にジンベエとルフィの生存確認を行う。その間、バギーの存在は無視している。

 目の前に現れた人物に驚きながらも、無視されている事に怒り心頭の様子であるバギー。ついつい、スマラに向かって怒声を浴びせる。

 そんなバギーの態度に囚人共は「謎のやべー奴に啖呵を切るキャプテン・バギースゲー!!」「流石キャプテン・バギー!!俺たちに出来ない事をやってのける!!」「そこに痺れる憧れるぜ!!」と謎の悪運を発動して勘違いし始めた。

 

 バギーに目もくれずジンベエとルフィの生存確認を取っていたスマラも、流石に確認し終わるとバギーに注目する。

 

 

「貴方は確か……ロジャーの所で見習いだった……バギーね。助かったわ。そのまま適当な船まで運んで頂戴」

 

「重いんだよ!!テメェが運びやがれ!!」

 

「汚れるし重いから嫌だわ」

 

「拒否すんな!!と言うか、どこの船に持って行きゃぁいんだよ」

 

「直ぐに出港出来る船よ……」

 

 

 白ひげ海賊団か傘下のどこかが準備しているはずだけど…。

 

 そこまでは口に出せなかった。なぜなら、海の中から潜水艦が浮上して来たからだ。

 「潜水艦!?」「誰の船だ!!?」と狼狽える囚人達。そんな中、潜水艦の扉が開いた。

 

 

「麦わら屋をこっちへ乗せろ!!」

 

「ム・ギ・ワ・ラ・ヤ~~~あぁ!?テメェ誰だ小僧!!」

 

 

 中から出てきたのは一人の男だった。歳だけを見れば、確かにバギーからすれば小僧と言ってもおかしくないであろう年齢。しかし彼は、強さと知名度だけを見ればバギーよりも上の存在。そんなことも知らずに、バギーは大きな態度で反応する。

 バギーは知らない。しかし、常に新聞を購読して世間の情報を仕入れているスマラにとって、彼は普通に知っている存在だった。

 

 

「超新星のトラファルガー・ローね。懸賞金額は貴方よりも高いわ」

 

「最後の情報必要ねぇだろ!!?嫌味か!!?」

 

「で、どうするの?私としてはどっちでもいいけれど……」

 

「超新星だか何だか知らねえが、どこぞの馬の骨とも分かららねぇ奴らに渡してしまっても構わねえのか?」

 

「知らないわよ……」

 

 

 トラファルガー・ローが「麦わらを渡せ!!そいつを一旦逃がす。俺は医者だ!!」と叫んでいるのを放っておいて、スマラとバギーは二人でのんびりと会話していた。

 スマラからすればルフィとジンベイを逃がせればどうでもよく、バギーからすればトラファルガー・ローなど聞いたこともない海賊。すぐさまバギーがルフィとジンベエを手放さないのは当然だった。と言うよりも、知らない奴を頼るのが嫌だったのだろう。

 

 しかし、状況は待ってくれない。スマラとバギーがどうする?と熱い視線を交わし合っている間も(一方的)、戦場は動いている。

 トラファルガー・ローに気づいた海軍が捕縛しようと軍艦から砲撃を開始。さらに、どういうわけか白ひげのグラグラの実の能力を得た黒ひげが島全体を傾けさせて暴走気味。ルフィとジンベエを逃がそうと赤犬の足止めをしていた白ひげ海賊団も、かなり押されている模様。

 戦場で優勢なのは完全に海軍側であろう。そうなると…………。

 

 

「……どいて」

 

「へぶっ……何しやがる!!」

 

 

 急にスマラがバギーに触れて体制を崩させる。意味が分からず抗議するバギーの横を閃光が逸れる。

 ギギギ…と壊れかけの機械のように横を向いけマントを見れば、通り過ぎた閃光によって空いた穴が見えた。攻撃を受けた証拠だ。レーザーなど使えて、空中に居るバギーを狙える存在などパシフィスタか黄猿くらいしか居ない。

 案の定、黄猿がバギーを……正確にはバギーが背負っているジンベエと麦わらのルフィを狙っていた。光の速度で動ける黄猿に狙われている以上、バギーが逃げることは不可能だ。

 スマラがいなければだが。

 

 

「置いてきなよぉ~~。麦わらのぉルフィをさ~~!!」

 

「はぁ……せっかく赤犬から逃げきれたと思ったのに……」

 

「ぎゃぁぁぁ~~~……!!!?大将とか無理に決まってんだろぃ!!!俺を助けてくれぇ~~!!!!」

 

 

 再び狙いを定める黄猿にスマラが構えた。赤犬との戦闘を終わらせたばかりなのに、またしても大将が追って来る。嫌になるその態度を隠そうともせずにスマラは黄猿を見つめる。

 そんなスマラにバギーが泣きつく。死にそうな目には幾らでもあってきた。だが、大将に目を付けられるのは人生でも上位にランクインする不幸だ。懸賞金額が億にも届かず、戦闘能力もこの戦場においては一般兵よりも少し高い程度のバギーが、大将ともやり合える実力を知っている、見ているスマラに泣きつくのも当然の事。

 

 スマラは賭けるしかないと思った。

 この状況で白ひげ海賊団の船を待つのは時間がなさすぎる。幸運にも海に潜って逃げ切れる可能性のある海賊船が呼んでいる。

 ただ、麦わらのルフィにとってトラファルガー・ローは味方でもないライバル相手。医者だと有名な海賊であるが、ライバルをここで助けるメリットが見当たらない。

 だけど………白ひげ海賊団の出港準備が整うまで待つ、黄猿を足止めするのもめんどくさい。足止めは必須だが、直ぐにでも出港してくれそうなトラファルガー・ローに賭けてみるのもアリかもしれない。

 それにルフィとジンベエは緊急治療が必要な程の大怪我を負っている。スマラでは治療は難しいだろう。自身を回復させるならどうとでもなるが、他人に能力を使うのは危険度が跳ね上がる。

 これが罠だとしても、所詮は超新星。実力では負けない。………治療は後で考えなければならないが。

 

 スマラはバギーに指示を下す。と共に自身は黄猿に集中する。

 

 

「彼らに渡しなさい。黄猿は私が食い止めてあげるから……早く!!」

 

「お、おう。よしっ、任せたぞ!!馬の骨共!!!」

 

 

 バギーがジンベエとルフィを潜水艦目掛けて投げ落とす。甲板では巨漢の船員が受け止めた。

 

 

 と同時に、スマラが黄猿に肉弾戦を仕掛けていた。距離を弄って詰めると、武装色の覇気を纏った回し蹴りを炸裂させる。

 

 

「おォ~~これは効くねぇ~~。あんたもサッサと逃げればいい物をぉ~面倒な者を庇うのかい~」

 

「あなた達海軍が先に裏切らなければ、こうして戦争にも加担しなかったのにっ!!?」

 

「その辺りはわっしも関与してないんでねぇ~~……。センゴクさんか、もっと上からの指示だろうねぇ~、運が悪いと思って捕まってくれるかい~」

 

「あの時以外は海軍、世界政府に手を出してないわよっ!犯罪行為などしてないし、これまで海賊を捕まえてあげてた恩はないのかしら?」

 

「親が親だからねぇ~~」

 

 

 スマラと黄猿は高速戦闘を行いながらも会話を続ける。会話だけを見れば、どちらも余裕そうに戦闘を行っているように聞こえるが、実際に行われているのは戦場でも注目の的である、センゴクvs黒ひげ、白ひげ海賊団vs赤犬とも並び立つ規模である。余波だけで中将以外は立っていられないだろう。

 海面ではトラファルガー・ローが麦わらのルフィを船内に連れて行く。が、周囲からの攻撃で中々出航出来ないでいた。スマラは黄猿の相手に手一杯だ。自分達でどうにかしてもらわなければならないが、それも難しい状況だ。

 幾ら偉大なる航路の前半で注目を集めている超新星であろうと、この場に居るのは海軍の精鋭ばかり。このままでは押し切られてしまうだろう。船長であるトラファルガー・ローが麦わらのルフィの治療の為に奥に引っ込んでいるのも原因の一つだろう。怪我人の前に医者は優先順位があるのだ。

 

 このままでは何も出来ずに終わってしまうかもしれない。スマラは本気でそう考え始めた。

 せっかく色々無駄にしてここまできたのに、残ったのは何もない。これでは自分が馬鹿みたいに思えてくる。無駄にしてきた物を無駄にしない為にも、麦わらのルフィの命だけは残して見せる。

 それは一種の意地だった。初めてこのような感情を抱いたのだろう。スマラがその感情を気付くことはない。しかし、それでも風化していたスマラの時間が解け始めていることには変わりない。その時が何時からだったのかは分からないが……。

 

 能力を使って黄猿の速度を封じ込める。その隙をついて潜水艦の周りにいる海兵と軍艦を片付ければ……。能力の限界近い使用を考えれば、出来なくはない。だが、それはあの時依以来……それ以上の負担を強いることとなる。

 既に覇王色の覇気を使用し、大将を幾度となく相手取った能力使用は確実にスマラの身を削っていったいた。これ以上無茶をすればどうなるか分からない。

 常に余裕を持って行動してきたスマラにとって未知の領域。敵地で試すようなことではない。その考えが決断を遅らせていた。

 

 

 

 そんな時、

 

 

「そこまでだアアァ~~~~~~!!!!」

 

 

 戦場に一人の声が響き渡った。




実は、シャンクス登場まで行きたかったんですけど、そこまで書くともっと遅れてたのでここで切りました。
 次回は戦争の終了です。

 では、また一か月後に会いましょう。

次回作品に向けてのアンケート。詳しくは活動報告にて

  • 原作SAO
  • 原作ありふれた職業で世界最強
  • 原作ハリー・ポッター
  • カルデア職員
  • 原作ワンピース
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