麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが? 作:与麻奴良 カクヤ
CCCコラボと大奥復刻と立て続けにあって遅れました。最近は強化クエスト特別編も来たので忙しかったです。あ、いや。リアルも普通に忙しかったですよ?仕事するか寝る時間かFGOしかしてない時期ありましたから…。(CCC&大奥開催時)
ピクッと第六感が反応した。
「なぜ……?」
ローに怒られてから数時間が経過していた。ローは緊急手術室にずっと籠ったままだ。スマラ?これ以上余計な事をしないようにと、追い出されていますが?
行き場もなく、緊急手術室の前で読書をしながら待っていたスマラ。船内が慌ただしくなり、ようやく浮上するとの情報をゲット。それで見聞色の覇気で海上を調べてみると浮上先と思われる地点に強者の反応を感じ取ったのだ。
そして冒頭の呟きへと戻る。
悩んだのは一瞬だった。頁に栞を挟んで閉じると、立ち上がり外へ通じる扉へ向かう。扉の付近には数名の船員が待機している。彼らの邪魔にならないように、少し離れた場所で再び本を開いて読み始めた。
船員がすでに待機していると言う事はもう直ぐ海面に出るタイミングらしく、そう時間がかからない内に海面へと飛び出した。衝撃で少しだけ揺れるが、スマラは微動だにせず読書を続ける。この程度の衝撃でスマラの読書を止める事など不能だ!!
「ん~~!!やっぱり海面に上昇した時の快感は気持ちいいよなぁ~」
「だよな~。何回体験しても変わらねえもんだぜ!!」
ハートの海賊団でも古株な2人が甲板に出て気持ちよさそうに背伸びをする。他の船員が帆を掲げたりしている様子を見るに、彼らはこの海賊団の中でもそれなりの地位にいるのだろうという事が分かる。
それでも全く仕事をしていないわけでもない。
船員を顎で使い、自らはのうのうとリラックスしている、などできるのは大海賊団とも呼べるほど規模が大きな海賊団になってからだ。
世間では『超新星』などとそれなりの評価を得ているハートの海賊団ではあるが、人数はそこまで多いものではない。せいぜい20人がいい所。少数精鋭とは言えない集まりだが、海賊にしては数が少ない方だろう。
となれば、全員に何かしらの役割が分担されている。
この2人、シャチとペンギンはのんびりしているようにも見えて仕事はこなしていた。それは、周囲を見渡して状況把握だ。見張りとも言える。
当然、海面に上がる前にも確かめはするが、実際に肉眼で確かめる方が何倍もの効果を発揮できる。
と言っても、双眼鏡を片手にのんびりと駄弁りながら周囲を見渡してる二人であったが…。
「ん?ありゃなんだ?」
「おー何かあったのか…………って船?」
「船は船でも……ってありゃ軍艦じゃねえかよ!!?」
「えぇえ!!?軍艦!!?キャプテンに知らせないと!!?」
「……いや、ちょっと待て…?」
シャチとペンギンが慌てる様子を見ていたシロクマのミンク、ベポが会話を聞いて慌てふためく。そのままペンギンと共にローの下に知らせに向かおうと急ぐ。
が、そんな二人を引き留めたのはシャチだった。ベポとペンギンの騒ぎを聞きつけて広まる喧騒の中、一人だけ冷静に軍艦を観察していたのだ。
「ど、どうしたんだよ!!軍艦なら急いでキャプテンに伝えなきゃ……ッ!!?」
「だから待てって言ってんだよ!!俺だって動揺してんだから!!」
「……軍艦に白旗?なんか手を振ってるぞ!!」
「あ、ホントだ。それに、囚人服?他にも変な服装の奴らばかりだ!!?」
三人そろって双眼鏡を覗いて軍艦を観察すると、おかしな点が幾つか見受けられた。まず一つ、甲板に集まっていると思われしき人員が、大きな白い布を振りかぶっているところ。その白旗を振っている者達の格好が海兵服を着ていないのだ。
まず考えたのが油断を誘う作戦。世間体もあることから、わざわざ服を着替えてまで卑怯な手段をとるであろうか?時には卑怯な手段を用いて海賊を捉える事もありえなくもないが、こちらは超新星と言えど新米ルーキーだ。それこそ中将二、三人、戦争の中心でもあった麦わらを乗せている事を考えると、大将一人で十分過ぎる戦力だ。
しかし、軍艦からは降伏命令どころか、攻撃の用意すら見受けられない。
悩んだ末、シャチとペンギンは船員の一人を船長の元に向かわせ、他の船員を戦闘態勢へと促した。
その様子を陰から見ていたスマラ。彼女の視線は軍艦へ向いたままだ。
生まれながらに目が良く、その上能力で視力を伸ばすことも可能なスマラには、数百メートル先の軍艦上の人など、双眼鏡から覗いたよりもハッキリと見えている。
さらに言えば、見聞色の覇気で軍艦側に敵意が無い事は分かる。それに、少し強い気配が一つ。スマラでも苦戦は強いられる強者が一人乗っていることも。
「攻撃意志が無い。軍艦でも乗っている船員は殆どがおかしな格好の人ばかり。対して海兵は石化状態……一体、どういうつもりなのかしら?」
スマラは誰に聞かせるわけでもなく呟く。考えている内容が口に出た様だ。
スマラが見えた光景。それはハートの海賊団が見えた光景とは少し違った。
より正確に言うなら見える倍率が大きかっただけで、軍艦がもう少し近づくか使っている双眼鏡の倍率が高ければ見える。
スマラはずっと一点に集中したままだ。軍艦に乗っている人員の中でも異質。世界でも指折りの知名度を誇る女の最高峰。
「海賊女帝……ボア・ハンコック」
軍艦が潜水艦に近づいて止まる。攻撃の気配など全く感じられない。
「ルフィ!!!?」
飛び降りてきたのは一人の女性だった。その女性は見る者を圧倒し、何者であろうと頬を赤らめて目にハートマークを浮かばずにはいられない至高の存在。飛び降りる姿すら美しかった。
数十メートルある高さを難なく着地し、一般人なら絞め殺せそうなほどデカい蛇を侍らせて麦わら名を叫ぶ。
対して、軍艦から乗り込まれたことになるハートの海賊団の船員と言えば……。
「海賊女帝!!?」
「は!!?何でこんな場所に!!?」
「というか……」
「「「「美しい!!!」」」」
ハートの海賊団は皆、目を奪われていた。海賊団の対応としては最悪の事態ではあるが、王下七武海『海賊女帝 ボア・ハンコック』の前では仕方ないことでもある。
海賊女帝はかの人魚姫にも劣らない美貌を持つ、世界一の美女だ。その破壊力は同性であっても魅了するほど。
が、それでも敵味方分からぬ相手であることに変わりはない。頬を赤く染め、動揺している事丸わかりだが、それでも、何時でも行動出来る様に構える。
対話出来るなら対話で解決することが好ましい。戦闘になどなっても蹴散らされるのはハートの海賊団である事は明白だ。
一団を代表して、シャチが話しかける。下心が無いわけでも無い。海賊女帝と言葉を交わしたというだけで、世の中の人間は羨むだろう。
「か、海賊女帝……貴方様は何故此処へ?場合に寄っちゃあ俺たちも覚悟を決めにゃあならねぇが……」
「なんじゃ?妾が此処に居る理由など一つしか無いに決まっておる!!」
「そ、その理由とは……」
「それは勿論、ルフィの安否を確認する為に決まっておろう…」
「「は?」」
シャチの言葉に威厳ありげに返すハンコック。しかし、愛する人を想うと、自然と頬が赤く染まる。指をツンツンと合わせて照れてる姿は、ただの乙女のようだ。
この様子にシャチとペンギンはただ困惑するのみ。誰だってそうであろう。威厳ある世界一の美女が恋する乙女のような態度でいるのだ。イメージが違いすぎる…。
ポカーンと予想外の事態に理解が追いつけないハートの海賊団を放っておいて、ハンコックがある一点を睨んだ。
「して、妾は軍艦を乗っ取りルフィの安否を確認する為にこの場に参ったわけじゃが……。貴様、ルフィとどういった関係じゃ?」
「「「……ッ!!?」」」
更に一転してハンコックの覇気の籠った声。若干の覇王色の覇気が込められた言葉に、向けられた対象でないシャチ等まで圧倒された。
これが女ながらに王下七武海に選ばれる海賊の力。先の言動から敵ではないと判断は出来るが、それでも暴れられたら、ここに居る者など数秒も持たないだろう。
そんな力を向けられて何事もなく立っていられるのは、この潜水艦では四人だけだろう。船長であるトラファルガー・ロー、ジンベエ、モンキー・D・ルフィ。しかし、二人は重傷で動けない。ローはそんな二人の治療の為、奥に籠っている。
となると、後の一人は……。
「どういったも何も……ただの知り合いよ。元食客とでも言うかしら?」
そうスマラだ。戦争に現れた、正体不明の元賞金稼ぎの海賊。
ハンコックからすればそれはどうでもよく、一番知りたいと思っているのは愛する人であるルフィとの関係性。
戦争では、ルフィから少なくない信頼を寄せられているように見えた。ルフィからすればハンコックと同等の信頼であろうが、スマラからすればはた迷惑な執着心だろうが、恋する乙女であるハンコックには関係ない。
隅の方から姿を現したスマラを睨むハンコック。スマラはその視線を受け、早迷惑そうに深いため息を吐いた。
既にハンコックの視線は射貫くような鋭い視線ではない。いや、実際には似たような見た目なのだが、向けられている当人であるスマラからすれば、それは殺意の籠った嫉妬の視線だ。
非常にめんどくさい。実際に体験したのは初めてになるが、恋物語も嗜んでいるスマラにはこの後の展開を思い浮かべて逃げたくなった。
「食客?それにしてはルフィから随分と信頼されているように思うのじゃが……」
「それはこっちのセリフだわ。政府側の人間であるはずの貴女が軍艦乗って現れたのだもの。義理が大きいと言え、麦わらを再出航させるまでが私の仕事。……信頼は知らないわ。勝手に向こうがしてるだけ。これ以上は本人から聞きなさい。で、貴女は何故麦わらを助けるの?」
「な、何故と言われても……。ルフィとはプロポーズをされた仲だから……」
「「「は?………はぁ!!?」」」
スマラの問いに頬を赤く染めて答えるハンコック。その様子に、二人の会話をハラハラドキドキしながら見守っていたハートの海賊団から悲鳴が聞こえる。
対してスマラは無反応。と言うわけでもないが、そこまで大きな反応は示さなかった。何と無く予想が付いていたので、実際に言われてもそこまで響かなったからだ。
でも、プロポーズって意外だわ。海賊女帝の反応からして、よくて一方的な片想いだと思っていたのに……。麦わらに恋愛脳なんて一ミリも感じられ無かったのにね。
………………まさか海賊女帝の勘違いって可能性も面白いわね。まぁ、どちらにせよ。敵意は感じられないから、放って置いても大丈夫かしら。
「そう言うことなら納得だわ」
「ふむ、貴様がなんであれルフィの味方というのなら、妾は特に何も言うことは無い。して、ルフィは何処じゃ?」
「船内の緊急治療室よ。勝手には入らない事ね」
「あぁ心配で心配で気が気ではないのじゃが……容態くらい聞いても?」
「……命に別状はないわ。多分。詳しい内容は医者に聞きなさい」
「私、忙しいの」とスマラはハンコックとの会話を無理やり切り上げる。
あのタイプの人間は好きではない。一度無害と決めたらとことん甘やかすタイプだと、スマラは勝手に想像を付ける。現に、男嫌いで有名な海賊女帝が麦わらにお熱な様子だ。顔を合わせた当初に何があったのかを知るすべはないが、何事もなく麦わらにゾッコンになるはずもない。何があって麦わらに甘くなったのは間違いない。
男嫌いで有名な女帝が一体どうやって落とされたのか?恋物語の定番とも言える内容に惹かれながらもハンコックの側から離れて適当な場所に座った。仲良くなる気はないが、今後の展開としてはどうすのか気になるのだろう。
スマラは潜水艦内で見つけた本を勝手に持ち出してペラペラと読み始めた。
「……ふむ。ルフィとの関係性をもっと詳しく知りたかったのじゃが…。まあ良かろう」
ハンコックはスマラを視界の端で確認しながら、ルフィについて詳しく聞き出したかった…と肩を降ろす。しかし、彼女の気分はなるべく阻害するものではないと、先の戦争から分かっていた為これ以上話すのは止めた。
それに、思惑通りに行くのなら、今後次回は幾らでもあるはずだ…ととも考えていたハンコックであった。
スマラとの接触が終わったハンコックは、医者であるローが出て来るのを待つことにした。幸い、無謀にも話しかけてくるハートの海賊団船員が多数いた為、退屈はせずそう時間のかからないうちにローが艦内から出てきた。
スマラはそれを横目で確認しながら聞き流す。何度でも言うが、スマラにとってこの程度の芸当は朝飯前。むしろ日常的に行っている。
報告を既に受けていたのか、ローは特に取り乱したりせずにルフィの容態を言葉に示した。
「やれる事は全部やった。手術の範疇では現状命をつないでいる。だが、有り得ない程のダメージを蓄積している。――まだ生きてられる保証はねぇ」
「…………!!」
「それは当然だっチャブル!!ヒィ~~~ハ~~~!!」
「な、なんだあいつら!!」
ローの言葉にハンコックの表情は険しいくなる。そんな彼女の内心を知らずに、非常に煩い声のトーンで叫ぶ顔面が巨大化している人間?を中心として者たちが現れた。今までグッと潜めていたのだろう。存在感が爆発したみたいだ。
ハンコック曰インペルダウンの囚人達であり、ルフィの味方らしい。協力体制を敷いていたとみられるハンコックが軍艦でルフィを追いかける準備を目にした為、密かに忍び込んで海軍本部を脱出したかったらしい。
読書を続けているスマラ、煩いと感じ始めてチラッと視線を上げる。すると、そこにはそれそれが一方的に知っている相手だった。
革命軍幹部、エンポリオ・イワンコフ…。まさか脱獄したとは…。
だがスマラ、それくらいで声はかけない。気になるが、後日新聞でいくらでも調べようのある情報だ。
そもそもこの場に居る時点で麦わらの味方。なら気にする理由は欠片もない。なので無視する。一瞬ながらも気が付いたイワンコフと視線が交差するも、何事もなかったかのように視線は本の活字へと戻る。
ただでさせ厄介事を承っているのだ。追加要素はこれっぽっちも欲しくない。欲しいのは本と読書の為の時間と平穏。
数年間維持し続けていた自堕落な生活は何処で狂ったのだろうか?……多分、麦わらに出会ってからだ。
途中でジンベエが病室から抜け出して会話に加わるという事態が発生したが、ローが医者として忠告を述べただけで終わる。その後、命を取り留めても完全な回復には時間を有するとのことで、ハンコックが女ヶ島で匿う事が決定した。
女ヶ島は海軍も手出しのし難い凪の帯の真ん中に存在しており、王下七武海ハンコックの拠点でもある為政府の監視の対象外となる。身を隠すには打って付けの場所だ。
これで当面の目的地は決まった。後はハンコックが電伝虫で呼んだ九蛇の海賊団を待つばかり。スマラもこれ以上は時間の無駄だと、涼しい館内に戻って快適な読書に身を移そうと考えていると、ローが突然スマラの話題を掘り返した。
「それと一つだけお前らに朗報だ。肉体的に有り得ないダメージで現状でも命が危ないと言ったな」
「む?朗報とはなんじゃ?ルフィがどうしたのじゃ!!?」
ルフィの話題なら反応しないわけにもいかない。ハンコックがすかさずローに視線を向ける。若干の威圧感があるが、ローは落ち着いて話すべきか迷っていた事を口にする。
「誰かのせいで麦わらの容態は安定している。医者として気分を害されるが、好ましい状態には変わりない」
「と言う事はつまり、ルフィは直ぐに良くなると言う事か!!?」
「医者としてはギリギリを維持するまで回復させるまでが精一杯だったが、医学的に不可解な方法で無理矢理回復させた奴がいる」
ローの視線の先にはスマラがいる。自ずとハンコック、ジンベエ、イワンコフと言った中心メンバーも視線を向けた。
スマラ、感じる視線を無視して本の活字を追う。少しだけイラついた。
「あやつがルフィの治療を行ったと言う事なのじゃな?」
「あぁ、間違いなく悪魔の実の能力だろう。よく分からねぇデタラメな力を使いやがって……」
「あの子は麦わらボーイ曰く仲間だそうよ。態度からは想像もつかないけど、甘いところでもあるんじゃーないっちゃぶる!!?」
「戦争でも随分とお世話になったからの………。正直、あまり信用しとうない奴じゃが、ルフィ君が大丈夫と言うのなら、ルフィ君を信じてみるのもやぶさかではなかろう」
「つまり、彼女ではなく彼女を信頼してる麦わらボーイを信じるってヴぁけね!!」
「ルフィがそう言うなら妾は何も言わんぞ」
「……知るか。患者が完治次第俺は縁を切る。敵対しないのならそれでいい」
どうやら、勝手に話題を出されて勝手に解決したみたいだった。これで視線も消える……と思いきや。
まだ感じる。今度は一人だけのようだ。個人的な話なのだろうか?
無視を決め込むスマラ。なんとなく、動いたら負けだと思った。なので動かず目で活字だけを追う仕事に戻る。
視線の主が動いたのが分かった。このくらい朝飯前に出来る。当然、活字を目で追い、無駄ない手さばきで頁を捲った。
ついには目の前に立つ視線の主。巨体を辛そうに支えていた。医者に忠告されているにも拘らず、これだけは言わなければならない。その思いだけで身体を動かす。
その男の名は……。
「ジンベエ……何か用かしら?」
「……ハァ…ハァ」
私、忙しいの。一瞬だけ上げた視線を本に戻して読書へと戻るスマラ。ジンベエはそう言われた気がした。
が、それでも止まるわけにもいかないのだ。後からでも時間はあるが、今言っておかなければ気が済まない。
「オヤジさんに敵意を向けた事、海軍に利用されたのじゃろうが余り良い思いではない」
「……だから?」
だからなんだというのだろうか?それを言う為だけに来たのなら、スマラは相手にしない。確かに白ひげを慕っているジンベエからすれば、スマラの行動は許せないことだろう。あくまでも可能性の話だが、あの戦闘がなければ白ひげは生き残る力が残っていたかもしれない。
だけど、それは終わったこと。ジンベエはそこまで見えない人間なのだろうか?
「じゃが、それでも儂とルフィ君を助けてくれた事は事実。礼を言おう。助かった、ありがとう」
「…………」
深く、頭を下げるジンベエ。一言、それでも言っておかなければ、気が済まないのだろう。
それを見たスマラは……。
「無理矢理やらされただけよ」
「無理矢理……でもないだろう。あの力があるのなら、白ひげ海賊団を充てにしなくても生きているじゃろう。そこを律義に守ってくれた。感謝しかない」
「単に貸しを作っておきたかっただけよ。深い意味はないわ」
「深い意味は無くても、ルフィ君を助けたいと思ったから……と言う考えはあるんじゃないのか?」
「…………」
図星だった。麦わらなら今後、誰も予想だにしていない結末を見せてくれるのではないか?もしそうなら、彼らの物語を見てみたい。本の中の世界をも超える現実を見せてくれるのなら……。
人と関わることを拒みながらも、心の何処かでそう思っているからこその行動。それを自分でも理解出来るから黙るしかなかった。
「沈黙は肯定と取るわい。……しかしの、あの『可憐なる賞金稼ぎ』が元海賊だとは――」
「黙りなさい……ッ!!」
痛い所を付けれてイラついていた所に一番触れてほしくなかった内容。
手に持っていた本を勢い良く閉じ、ジンベエをキッっと睨みつける。軽く覇王色の覇気も使ってしまってる点、本気で感情を制御できていない証拠だ。
そのまま船内へと戻り接触を完全に断つスマラを見て、ジンベエは「失敗した」と自分を責めた。戦争時から薄々気づいていたことだが、スマラにとって海賊だったという事実は、誰からも言われたくない闇だったらしい。
ジンベエは腰を降ろす事で、痛む身体を労わりながら今後の事を思った。
「まぁ、今は敵対せんだけで十分じゃろう」
「ヴァターシ的には余り関わりたくない人生を持ってるコだものね~」
「問題は、あの戦争が世界中に放送されておったことじゃろうな。この先新世界の海は必ず荒れるぞ…」
ジンベエの言葉にイワンコフが反応する。先が思いやられるとため息を吐いた。
その後、九蛇の海賊船が迎えに来ると、イワンコフは「麦わらボーイの援護はここまで、後の事はジンベエに任せた」と言い残して、軍艦を出港させた。イワンコフが女王を務める国、カマバッカ王国へ向かうと言う。
泳ぐまで回復に至っていないジンベエはそれを承諾。せめてルフィが完全に回復するまで見守る事を宣言した。
こうして、意識の戻らないルフィを乗せ、一行は海賊女帝ハンコックが統治する島、女ヶ島『アマゾンリリー』へと向かうのであった。
毎回誤字報告助かってます。簡易とは言えど、見直してるつもりですけどね…。次回更新こそ早目に行いたいです。
次回はレイリーですね。サクサク進みたいです(叶わぬ願望)
次回作品に向けてのアンケート。詳しくは活動報告にて
-
原作SAO
-
原作ありふれた職業で世界最強
-
原作ハリー・ポッター
-
カルデア職員
-
原作ワンピース