麦わらの一味?利害が一致しているから乗っているだけですが?   作:与麻奴良 カクヤ

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 一か月以上放置してすみません。リアルが本当に忙しかったです。


 FGOの周年はアーツの時代を築いてしまったキャストリア。もちろん当てました。その後怒涛の水着イリヤちゃんの実装。無事に宝具マ達成です。

 最近になってようやく落ち着いたので時間が取れました。


961 六十三頁「女ヶ島」

 頂上戦争より二週間が過ぎた。戦争の影響は世界中で現れ始めていた。白ひげの死に際の発言により、海賊になり『ひとつなぎの大秘宝』を見付けようとするミーハー共が増えたのだ。

 それにより海軍は各地に軍艦を派遣しなければならず、戦争の後始末と重なり忙しさは大海賊時代を迎えて以来のピークを超えていた。

 海賊王の宝を求めて海に出る者、海賊が増えたことで不安に怯える一般人、後始末や仕事量が増えた海軍及び世界政府関係者。世界中は喧騒に包まれていた。

 

 

 

 

 

 そんな世間を離れた場所にスマラは居た。島の隅っこに幕を貼られて隔離されている所を見るに、ここから先へは絶対に侵入するな、と言う強い意志が感じられるほど。

 幕の先には深いジャングルが広がっている様子。見聞色の覇気で感じ取った結果、島の中央付近に人の気配が多数存在し、ジャングル内には少しだけ気にする程度の強さを持った野生動物が生息していることが分かった。

 

 そう、ここは凪の海に位置する島、女ヶ島『アマゾン・リリー』男性の立ち入りを禁止している女だけの島である。

 ローたちハートの海賊団はハンコックの計らいにより、ルフィの療養を目的とした停泊を緊急特例によって許可されていた。

 

 と説明したが、スマラの性別は女。彼女が女ヶ島に入り込もうが慣習的には全くもって問題ありません。ま、余所者であるスマラを攻撃しないとは限らないが……。

 

 

「………」

 

 

 スマラは名残惜しそうに島の中央を見ていた。

 他者を出来る限り排除してきた女だけの島。一切外界から隔離されたとはいかないが、それでも独自文化を築き上げていることは予想しやすい。

 ならば…とスマラは考えた。

 

 ならば、女ヶ島でしか読めない本があってもおかしくない!この機会を逃してなるものか!!

 読んだことが無い未知の本に頭が一杯であった。が、そんなスマラに釘を刺したのは島の絶対者ハンコック。「島に入るのに許可は必要ないが、せめて妾が戻るまでルフィの傍で護衛を頼むぞ」無慈悲な言葉だった。目の前の好物を取り上げられたスマラは激怒する。が、ここでハンコックの不興を買うと島から追い出される可能性も考えられる。その様なこと無視して好きにすれば良いとも考えたが、彼女はただの美女ではない。王下七武海の一人。実力はスマラとて油断は出来ない。

 

 と、その様な事があり現在スマラは大人しく島の中央をぼんやりと眺めているのだった。

 そして肝心なルフィはというと……。

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 

 

 絶叫していた。兄を亡くした悲しみだろう。現実から目を背けるかのように暴れ、そして叫んでいた。

 

 親しい人の死と言うものがスマラには理解出来ないでいた。親しい人など皆無だし、家族など死んでくれたら嬉しいまでもある。

 そんなスマラでも唯一ルフィの心境を図れるメジャーを持っていた。

 

 好きな登場人物が死んでしまったらこんな感じなのかしら?……そう考えると、確かに悲しい気持ちにはなるわね。

 

 やはりズレていた。本の世界と現実では思い入れが全く図れる次元では無い。時には二次元を現実よりも愛する者が居るが、そもそもスマラはそこまででは無い。現実は現実で見下し、想像の世界はそれで愛している。

 全くの別のベクトルでしかない。

 

 

 

 と、そんな風にボーっとしているスマラの耳にジンベイとローの会話が入って来る。話題は麦わらのルフィ。「あのまま放っておけばどうなる?」とジンベイがローに医者としての意見を求め、ローも医者として「あのままだ傷が開いて今度こそ死ぬかもな」と答える。

 となれば、ルフィを無事に再出航まで見届けるつもりのスマラには不味い状況。無理矢理にでもルフィの暴走を止める必要があるが……。

 

 

「テメェは行かなくてもいいのかよ…」

 

「海峡が行っているなら問題ないでしょう。何?私がもう一度お節介を妬くとでも?」

 

「いや、ただ疑問に思っただけだ。……精神的な問題をも操れねぇのかってだけだ」

 

「…………貴方に教える必要があるの?わざわざ能力の範囲を教える程私は馬鹿じゃないわ。それに、私が勝手に介入するのを貴方は嫌いではなくて?」

 

「……俺は医者だ。完治する方法があるならそっちの方法を選んで何が悪い」

 

「……悪くないわね。私はもう何もしないけれど……」

 

 

 スマラはそう言って視線を大海原へと向けた。と同時に、陣の向こう側からルフィの悲鳴が聞こえて来た。

 兄を失った悲しみに、泣きじゃくっている様子が脳裏に浮かぶ。だが、スマラはそれまでだ。先からずっと海の向こう側を見ていた。

 

 

 

 ルフィが目を覚まし暴れ始めてからずっとこの調子だ。普段なら読書に没頭していたであろうが、手元に本が無い事と合わさってずっと何処かを視ている。

 まるで視界内に入らない遠い場所を感じ取っているかのような………。

 

 手持無沙汰で海を見つめる時もあるであろう。しかし、そうであるのなら、ここまで長い時間一点だけを見つめるであろうか?

 手持無沙汰だったローはスマラに疑問をぶつける。

 

 

「ずっと同じ場所ばかり見てるが、そこに何かあるのか?」

 

「……まぁ。分からないならそれでも良いけど、警戒はしておいた方が良いわよ」

 

 

 ローは無駄な会話はしない自分と似たような性格だと思っていたスマラは、ローが無言の空間に耐えられず(ローの部下は緩く駄弁っているが)言葉のキャッチボールを自ら行うとは思わなかった。

 少しだけ驚きの感情が芽生えたが、それ以上発展しないのがスマラだ。聞かれたのなら答えても良いだろうと、自身がずっと海の向こう側を見つめている理由を話す。

 と言っても、「何かあるのか」に対して「分からないの?」と場合によってはおちょくっている返答であるが、そこまで答える義理はないと判断したてぼやかす。

 それでも、警戒を促すあたり、甘いのか厳しいのか……どっちか判断に困る人間だ。単に何も考えていないだけかもしれないが……。

 

 

 

 

 

 ローに警戒を促したスマラであったが、何も根拠がない訳ではなかった。殆ど常時発動されているスマラの見聞色の覇気に、スマラが警戒を強める程の存在を感知したからだ。

 ここは凪の帯である事から、海王類の気配ではないか?と通常なら考えるはずだが、スマラにとって海王類は雑魚…とはいかないが気にならないレベルで無視できる存在だ。

 ならば候補は限られる。

 

 一つ目が海軍本部の大将率いる軍艦。

 スマラとて大将の相手はキツイ。そこらの海王類など比べ物にならないレベルで次元が違う。故に気配の大きさから有り得なくはないが、スマラの予想としてはそれ程高くはない。現在地が女ヶ島だと考えれば、海軍が連絡も無しに付近に近づくとは考え難いからだ。そもそも、ならばどうやってこの場所を突き止めたか?と疑問が残る。

 

 二つ目はその他の海賊だ。

 スマラが警戒するほどの海賊と言えば、中々存在しない。しかし、中々というだけであって居ないわけはない。先の戦争で死亡した白ひげを筆頭に四皇、王下七武海だってそうだ。その他、新世界には侮れない海賊が少なからず存在している。しかし、付近が凪の帯である事から可能性はやはり低い。

 

 となれば、誰だ?反応は一直線にこちらを向かってきている。偶然とは思えず、何かしらの目的があってこの島を目指していると考えたスマラは、読書が出来ない事を理由にボーっと見聞色の覇気で反応を観察していた。

 

 

 

 対象の可能性を考えては、有り得ないと捨てていく。そうして最後には……。

 

 

 

 狙いは麦わらではなくて、私の可能性もあるわね。中継されていた戦争であれ程注目したのだから……。

 あの時はどうかしていたわ……。もしあれが原因なら……。

 

 

「あいつらが今更関わって来るはずないわ…」

 

 

 ぽつりと零れた声。一番近くにいたローですら聞き取れない程小さな声だった。

 思考を重ねるにつれて生み出された可能性。どんなに極小であろうと、有り得ない話ではない切り捨てられないのが、スマラの考えられる最悪の因縁を持つ奴らだ。

 しかし、今更?と諦めたはずでは?と言う考えがそれを否定する。

 

 そもそも、見聞色で感じられる強大な反応に敵対心は感じられない。敵対心を抑えているとも考えなくもないが、あいつらが私に対して敵対心を覚えないはずがない。

 という点から有り得ないと否定する。何回でも否定する。

 となると、単なる存在しているだけで強大な覇気を有している者。

 

 

 

 

 

 何分経っただろうか?それ程経っていないようにも思えるが、本を読めないスマラには時間経過など全く気にならないのは確かだ。

 もっとも、本を読めるのなら更に時間など気にならなくなるのはご愛嬌。

 

 そんなスマラ以外には数分と言う時間が経った頃だ。

 

 

 ボゥン!!!

 ギャァァァ!!!

 

 

 急に水飛沫が上がった。同時に海王類と思われえる生物の悲鳴も聞こえて来た。距離は凡そ数百メートルから一キロメートル程度だろう。肉眼でも難しいながら水飛沫は確認出来るであろう距離だ。

 現にハートの海賊団船員達が崖に集まって水飛沫が上がった方向を向いている。中には双眼鏡まで持ち出して観察する者もいた。

 水飛沫や悲鳴は何度も確認でき、暴れている海王類がそれなりに巨大であることが伺える。しかし、ペンギンが双眼鏡を使って、海王類と戦っている相手を見付けようとするも、飛沫が邪魔になったり両方激しく動いている点から、誰が戦っているのかは見えず仕舞いだった。

 やがて海は静かになり、海王類が死んだ事で決着が付いた。あの馬鹿デカイ海王類がやられた事で、ハートの海賊団は盛り上がる。

 

 

 当然、スマラも見聞色の覇気と肉眼でその様子を捉えていた。ここで分かったのが、船も無くたった一人だったということ。

 となると、スマラの考えていた最悪の展開は避けられた。あいつらがたった一人で来るはずがない。来るなら大群で徹底的にが奴らの基本思考だからだ。

 

 ほっとすると同時に、海王類を海で倒せる人間……スマラは脳内で候補を絞っていく。ひとまず能力者は除外される。見た感じ船にも乗らずに移動している為、能力者は泳げないから除外。非能力者で海王類を倒せる存在と言えば、真っ先に海軍の英雄であるガープが思い浮かぶ。

 思い至った理由は単純。先日の戦争前に顔を合わせていたからだ。しかし、ガープなら自身の軍艦で移動するはず。ならば………。

 

 とスマラが思考を巡らせたところで、島の海岸に人が現れた。海の中から現れた人物はまさかの老人。しかし、老人とは思えない筋肉質で右胸には傷を縫った跡が残っている。

 覇気からしても明らかに常人ではないその老人。息は荒いものの、まだまだ余裕のありそうなその姿に誰もが驚く。

 

 

「え~~~~~!!!??」

 

「冥王レイリー!!!!」

 

 

 誰もが知る有名人であった。一般人でも名前くらいは聞いたことのあるほどの知名度を誇るこの老人。嘗て海賊王の右腕として支えた程の人物。

 当然スマラも直接的な関係はないものの、海を放浪する者、元海賊として知ってた。

 

 ハートの海賊団は面識があるのか驚きのベクトルが「何故此処にいるのか?」に向いていた。その問いに対して冥王は、

 

 

「ルフィ君がこの島に居ると推測したのだが?」

 

 

 瞬間、場の空気が一気に重たくなった。殺気……とまでは行かないが、明らかに攻撃意志が感じられた。ハートの海賊団はもちろん誰もが動けなくなり、ローですら神経を尖らせるほどだ。

 スマラが冥王を睨んでいるのだ。しかし、肝心の向けられた冥王はと言うと、

 

 

「やる気の無さが感じ取れるぞ。可憐なる賞金稼ぎ……いや、今はもう海賊のスマラと言うべきだな」

 

 

 呆気からんとスマラの心情を読み取った。世界最高峰の見聞色の覇気使いだからこそ出来る芸当。通常なら全く分からないだろうが、冥王はそれを見事にいい当てた。

 言い当てられたスマラは気分を図星だったため、舌打ちすると共に睨むのを止めた。場の空気は軽くなり、ハートの海賊団はほっと息を吐く。ここで暴れられたら巻き込まれて死ぬ可能性だって有り得なくもない。

 しかし、スマラ的に敵である冥王を視界内に納めて、何かあれば即座に行動出来る様に準備する。もちろん、外面では怠そうにしている態度から変わってない為、ハートの海賊団は気づかないだろう。冥王にはバレバレであろうが……。

 

 

「で?貴方程の人物がこの島に一体何のご用かしら?」

 

「先ほど言ったはずだが?ルフィ君の居場所を推測したと。しかしだ、今になって君が表舞台に現れるとは思いもしなかった。ルフィ君と冒険をして心変わりでもしたのかね?」

 

「私の事はどうだっていいでしょうに。…………敵じゃないのね」

 

「麦わら帽子……」

 

「はッ、皮肉なことね」

 

 

 そのままスマラは寝転がり目を閉じた。冥王が味方なら、自分が警戒して居なくても十分だろうとの判断だ。有事の際は嫌でも本能が己を覚醒させるだろう。

 

 

 目を瞑っているスマラにはあずかり知れないことだが、考え事をしながらスマラを見つめる冥王がいたとか……。




 予告通りレイリー登場です。次回は修行開始に行きたいです。


 次回の更新ですが、FGOで箱イベの開催が近いので恐らく遅れます。出来る限り早くお届け出来る様に頑張りますが、箱イベ中は基本的にずっと周回するつもりなので……。目標は300箱です。

次回作品に向けてのアンケート。詳しくは活動報告にて

  • 原作SAO
  • 原作ありふれた職業で世界最強
  • 原作ハリー・ポッター
  • カルデア職員
  • 原作ワンピース
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