この地を訪れてから2度目の春が来た。
窓から見える桜を見るともう1年が過ぎたのかとより実感する。
今週末辺りは近くの公園で花見かな? いや、あの先輩方の事だ花より団子ならぬ花より酒になりかねないな!
そんな現実逃避をしてたら
「私の目の前でサボるとはいい度胸だねぇ早乙女霞?」
学校一ウザイと知られる助教授に叱られた。
どうしてこうなったかを説明すると―
「君は確かにテストの点数は良い。腹立たしい事にとても優秀だ。だが、ノット、しかぁし! 出席日数が微妙に足りていない!! よって私の実験に付き合いたまえ」
―だそうだ。
確実に授業サボってバイトに明け暮れてた俺に対する嫌がらせだろ。
本当だったら今日もバイトだったのに態々バイト先を調べて連絡して休ませるだなんて、なんて陰湿なんだ!!
「きみぃ、テキパキ働きたまえ!」
へいへい。
―――
――
―
このまま帰ってドロの様に寝たいところだが生憎と新聞配達のバイトがある。
あの助教授、それをわかってたうえでギリギリまで俺を拘束したな?
そんなんだからいつまでたっても助教授なんだ。
心の中で助教授に文句を呟きながら校舎を出ると、そこには朝方の日差しに照らされた綺麗な桜並木とその下に倒れる
…ああ、折角の美しい光景が3人のせいで汚れてしまった。
というか3人のうち2人はサークルの先輩だし。
状況から察するに新入部員(仮)が明日(既に今日)のガイダンスに間に合うよう学校の講堂前で飲み明かしたのだろう。
前々から思ってたが馬鹿だろこの人たち。
まぁその馬鹿な所が好きでこの人たちに付き合ってるんだけど…。
さて、どうしたもんかね~。新入部員(仮)一人なら兎も角、ゴリラ2匹を運ぶのはムリというか嫌だ。
そもそも新聞配達のバイトがあるから時間が無いしな。
「…クシュンッ」
……仕方がない。
せめて新入部員(仮)の分だけでも毛布を探してきますか。
―――
――
―
痛む頭に目を覚ます。
右隣には全裸で眠る先輩。
左隣には全裸で眠る先輩。
そして俺は全裸に布切れ一枚だった。
なんじゃこりゃぁあ!?
慌てて飛び起きるとそこは講堂前でガイダンス10分前。
「な、絶対に遅刻しないって言ったろ?」
あんたら馬鹿か!?
周りを見てくださいよ! 野次馬が携帯構えてるじゃないですか!!
というか何だこの布切れ!?
「ああ、こりゃ霞の仕業だな」
「俺らは兎も角、伊織が風邪をひかないよう気を使ったんだろう」
だからって何で全裸で布切れ一枚!? しかも先輩方と横並びに!?
これじゃまるで俺が先輩方と寝たみたいじゃないですか!!!
「「実際そうだろ」」
言葉は選んでから発言して下さいよ!!
ほら、奥の方の女性とか霞んだ目で……いや、笑顔? 何で?
いかん、腐った妄想が聞こえてくる!?
「というかガイダンスに行かなくていいのか? あと5分だぞ」
「折角の俺たちや霞の心遣いを無駄にする気か?」
ちっくしょう!! 覚えてろよ先輩方!
特に霞って人は絶対に許さん!!
「…クシュンッ! 風邪か?」
いかかがでしたでしょうか?
今作の主人公―霞―は少しずれた常識人(笑)をイメージしてます。
ちなみに伊織が行動に向かう前に
「待て伊織、霞の善意を少し俺たちにわけろ(ビリッ」
「ギャァア!? ただでさえボロイ布さらにボロボロに!?」
なんてやり取りがあったら面白いなとか思ってます。
続くかはわかりません。
もし続いた場合、家庭の事情でバイトに明け暮れている為、飲み会やサークルにあまり顔を出していない。という理由でいくつか原作を飛ばすと思います。