大変長らくお待たせしました。ちう様の誕生日には絶対更新すると決めてたのでなんとか間に合って良かったです。
校舎前からアスファルトで舗装された演習場までの道を走り出した緑谷たち。
そんな彼らの前に、演習場までの道を塞ぐようにして深緑色の塗装をされた無機質なロボがセンサーを赤く光らせながら列を成し、更に木々の間からも次から次へと現れる。
「侵入者ハッケン!」
「ブッコロス!」
「我ラガ女王陛下ノ為ニ!」
「入試や体育祭の時のロボ!!」
「こちらの動きに気付いているようだな」
列をなして襲ってくるのは入学前の実技試験で戦った『
『ヴェネター』は細い頭と尾を上げたヘビとサソリを足したような形状で、尾の先から砲撃を飛ばす。移動速度はそこそこ速く、頭部と胸部のセンサーによる広い視野を持つものの尾や首が細いロボット。
『インペリアル』はサイのような低重心のずんぐりとした形状で、両肩に五口ずつのガトリング砲を搭載したような形をしている。移動速度は遅いものの装甲はそれなりに硬いロボット。
どちらも入試実技などで使用されている演習用ロボットなだけあって、個性を使えば学生でも倒せる強度。とはいえ、数が多い上に対人戦闘のセーフティも外されている可能性が高い。
生徒たちがロボ軍団を"個性"で倒そうとするよりも早く、先頭の夕映が杖を振るい、後方から文字通り生徒を飛び越えて前に出たエンデヴァーが右手を振り上げる。
「イグナイテッドアローッ!!」
「フォア・ゾ・クラティカ・ソクラティカ、光の71矢!」
エンデヴァーが右手から圧縮した炎の矢を槍投げのように放って道を塞ぐ複数のロボをまとめて貫き、夕映の周囲から流星群のように放たれた白光が木々と破壊されたロボの隙間を縫うようにして複数のロボを破壊する。
二人の放った攻撃で、ほぼ全てのロボが破壊されて爆発を起こしたり動きを止めた。
「い、今の一撃でほぼ壊滅……!?」
「強すぎ……!」
「尾白、耳郎、立ち止まるな!」
多数のロボ爆発によって吹き付けてくる熱風にプロヒーローと魔法使いの戦闘力に思わず慄き足を止めた二人を相澤が叱咤する。
背後から注がれる畏怖や尊敬、分析、観察など様々な視線を無視してエンデヴァーが先頭を走りながら夕映に問い掛ける。
「今の遠距離攻撃は、千雨くんが神野で使っていたものか」
「ええ、魔法使いの使う基礎的な攻撃です」
「なるほど。一つ聞くが、君たちは千雨くんが使っていた複数の道具や、あの少女たちを呼び出す技は使えないのか?」
「それらは
安心してください、ヘカテーも千雨さんも絶対に使ってきません」
「それは
「いえ、
私ものどかも読心術で知れた範囲しか知りませんが……まず、複数の道具について。あれらの道具はアーティファクトと呼ばれる個々の才能や特性に応じて得る魔法道具です。
のどかの持っている心を読める本・いどのえにっきが彼女のアーティファクト。私のは世界図絵という、いわゆる魔法に関する百科事典です。
夕映が一枚のカードをポケットから取り出して呪文を唱えると、カードが瞬時に梟の描かれた分厚い革表紙の本へと変わる。似たような現象を神野で見たエンデヴァーは、千雨の持っていた先端にハート形の飾りのついた桃色のステッキがアーティファクトだと理解した。
「千雨さんのアーティファクト……力の王笏は、簡単に言えばコンピューターのようなもので、電子機器やインターネット関係に強い魔法道具です。
あの複数のアーティファクトは、彼女の持つ力の王笏にインストールしたアーティファクト・アプリという彼女限定の特殊な後付けソフトウェアによるもの。
そのアプリで、私やのどかを含めた仲間たちが持つアーティファクトと呼ばれる様々な魔法道具を再現していたのです」
夕映が手にしている世界図絵を開くと魔法による仮想ディスプレイがいくつか現れる。そこには革製の手帳のようなものの写真や、何らかのシステム構築図、魔法陣など、専門的なデータが並んでいる。それらはアーティファクト・アプリに関するデータなのだろう。
「『他者のアーティファクトを再現出来るアーティファクト』や『姿形だけ模倣するアーティファクト』なども存在はしますが……あのアプリは、王笏内に保存されたデータを元にアーティファクトを再現しています。
そしてその上位互換が、アーティファクトだけでなく【アーティファクト所有者】をも含めた、完全再現」
「それで君たちの学生時代も再現されていたのか」
エンデヴァーは千雨がヨルダ=バオトを討伐する前に喚び出した中に夕映たちが居た理由を理解した。
あの時は刻一刻と状況が変化していた上に三十人近い少女たちが一度に現れていた事と学生時代の姿と結びついていなかったのだ。
「ご理解頂けて何よりです。
あれは強力な味方を増やす技ですが、個々の人格をも完全再現するものです。だからこそ、千雨さんの行動に全会一致とならなければ協力しない。そうでなくとも、何が起きるか分からないから使わないでいるのです」
「なるほど……」
エンデヴァーは夕映の答えに満足したようだ。
それと同時に、のどかが念話をする。
『夕映!前方60度上から氷槍弾雨!』
「皆さん私の後ろに下がって!
対魔法魔法障壁および対物魔法障壁、展開!!」
のどかの念話から即座に直径5メートルほどの円形の魔法障壁を張る夕映。光り輝く複雑な魔法陣が展開された直後、人の腕ほどの長さの杭のような氷の槍が降りそそぎ、障壁にぶつかり砕ける轟音と砕けた氷が周囲に撒き散らされる。
敵味方の区別はないのか、近くに隠れていたロボも木々ごと氷によって破壊されている。
「こ、氷の弾幕!?」
「氷槍弾雨、無数の氷で出来た槍を指定範囲に飛ばす攻撃です。
夕映はそう言って収納魔法で仕舞っていた試験管入りの魔法薬を一本取り出し、右手の親指でコルクの蓋を外して一気に飲む。真珠色にほんのり光っているそれは本気用の魔法薬ではないものの、かなりの魔力をブースト出来るものだ。
攻撃が終わったと同時に、虚空瞬動で黒いローブをはためかせながら氷に破壊されたロボの上にヘカテーが姿を現した。右手に持ってるピンク色の魔女っ子ステッキは歳不相応で不釣り合いにも見える。だが、千雨が神野で手にしていた物と同一だ。
相澤はいつでも"個性"を使用できるようにと捕縛布を掴んだ状態で一挙手一投足を見逃さないように注視する。
「随分と乱暴な挨拶ですね。ヨルダに憑かれて常識抜け落ちたんですか?」
「テメーらからすりゃ軽い挨拶だろ。こっちはテメーらが突然
それなのに……まさか、クソガキ共を手引きして来るとは思ってもみなかった。
ガキの青さに絆されでもしたか?」
「どちらかと言えばあなたへの嫌がらせですよ。勝手にこんな大規模な計画を動かしていたんですから」
「ハッ!意味のねぇ悪足掻きをするたぁご苦労なこった。
そもそも、騙される方が悪い。
加えてこっちは結果的にヨルダ討伐を果たしたんだ、テメーらにゃ文句言う資格ねぇだろ」
先ほどの遠距離攻撃のように即時攻撃してくるかと思いきや、夕映と煽り合い、最後に鼻で哂って開き直るヘカテー。見た目のみならず、その喋り方も、仕草ひとつを取っても、全てが長谷川千雨と同一人物だと告げている。
そんなヘカテーは視線を夕映から後ろにいた緑谷たちに移した。
「おい、ガキども。残念ながら、あいつは既に元の世界に帰ったよ」
「!!」
「あいつにとって、ここは意図せず来た場所でしかないからな。
テメーらは数か月同じ教室にいた
さ、無駄足だって事をこの私が直接優しく教えてやったんだ。とっとと家に帰ってメシ食って寝るんだな」
ヘカテーがにっこりと外向きの笑顔で告げる。そこにあるのは拒絶。何を言っても梨の礫といわんばかりだ。
それに対し、常闇が言葉を返した。
「……長谷川は、確かに騙したり隠したりする。
貴様の言う通り、長谷川にとって重要なものはこの世界ではなく元の世界にあり、それと比べれば俺たちの価値は低いのだろう。事実、俺たちに事情も過去も話していない……俺たちが、真実を話すに足る存在になれていない。
だが!あいつは俺たちが心配することも探すことも、分かっている奴だ!」
常闇に続くように、八百万が声を上げる。
「千雨さんは、何も言わずに去るような人じゃありません!冷たくも優しい、情に厚い方ですわ!」
「つーかそれ、アンタが嘘ついてないって証拠にはなんねーしな!」
「長谷川と同一人物ってんなら、真逆の事言ってる可能性の方がむしろ高いでしょ!」
八百万に続けて、上鳴と耳郎が言い返す。
「長谷川さんが帰ったのなら、あなたがここに居続けて僕たちを妨害する意味がない」
「まだ、千雨ちゃんは此処にいる!」
緑谷と麗日がヘカテーから目を逸らさずに言い切る。
「――千雨さん。私に隠し事は出来ませんよ」
それらの言葉に続けるように、『いどのえにっき』を手にしたまま宣言するのどか。
念話で先程の千雨の言葉が真っ赤な嘘であると伝えたのだろう。生徒たち含め誰一人として動揺していない。
のどかの強さを知っているからこそ、ヘカテーは浮かべていた笑みを捨て、あからさまに不快だと言わんばかりに大きな舌打ちを鳴らした。
「クソ、本っ当に嫌になる……。
嗚呼、お前はそういう奴だよなぁ読心術士・宮崎のどか。『全覚』の二つ名を持つだけある一流の魔女、称賛に値するぜ。
流石は綾瀬と二人で
人畜無害そうな顔の裏で何を考えているのやら」
「「ちょっとーっ!!!」」
「その話詳しく!」
「峰田ちゃん今じゃないわ」
ヘカテーの口から出たインモラルかつセンシティブすぎる暴露に真っ赤になって叫ぶ妻妾同衾疑惑の二人と、誰よりも真剣な眼差しで詳細を求める峰田と、ほんのり頬を染めながら峰田の顔をムチのような舌で殴打した蛙吹。
他の面々は突然されたとんでもない暴露に一瞬思考が固まっていた。口頭であったからこそ聞き間違いか同音異義語かと思いたくなるものの、続けられた言葉とそれに対する二人の反応が聞き間違いではないと告げている。
言葉の意味を知らなかった者たちも、峰田の反応でその意味が『そういう類のもの』だと察してしまった。
それと同時に、のどかがこれ以上の内容を聞かれない為にか、いどのえにっきの内容を共有する念話を切った。
「今!その話は!関係ないでしょう!!!」
「関係ない訳ねぇだろ。つーか人の心を丸裸に出来る奴が悪女じゃねぇ訳がねぇんだよ。
綾瀬、テメーちったぁ考えてみろよ。いどのえにっきを使えば……
お前が知っている通り……出会った当時から、だいぶ変わったよなぁ?」
心を読まれた事への苦々しい顔はどこへやら。ニヤニヤと悪どい笑みで見下ろしているヘカテーの言葉に、夕映は僅かに疑念の滲む視線をのどかに向ける。
「……のどか?」
「夕映、落ち着いて!出まかせ!千雨さんの出まかせだから!!」
「ですが……いえ、その反応はつまり……よ、読んだのですか!?いつです!?」
「夕映ーっ!!」
瞬時にアリアドネ乙女騎士団の甲冑姿に変わった夕映に対し、同じく武装するのどか。
ここに来てすわ仲間割れ……かと思いきや、剣を手にした夕映が即座に空中にいるヘカテーに斬りかかり、ヘカテーはその刃を力の王笏で受けとめる。その隙にのどかが風の矢11矢を放ち、ヘカテーが即座に同数の雷の矢で相殺させる。
数十年の友情と共に築いてきたコンビネーションで夕映たちが仲間割れに見せかけて隙をつこうとしたが、その目論見はあっけなく失敗してしまった。
「チッ!素直に仲間割れしておけばいいものを、無駄に動揺する演技なんぞしやがって!」
「それを防いでおいて言うですかっ!
本っ当に性格が終わってるですよ、この陰険引きこもり!」
「二対一の方がクソだろうが、このペチャパイ探偵!」
「いいでしょう、絶対に土下座させます!!」
「やってみろよ、ヒラ職員がァ!!」
空中で剣と王笏で鍔迫り合いをしながら悪態をつく二人を見上げる面々に、のどかが指示を出す。
「
「アァ!?クソ本屋!!
『ヘカテー』と呼ばれた事で、敵意の矛先が夕映からのどかへと移る。
理由は分からないが、どうやらヘカテーと呼ばれることは地雷のようだ。
「いいぜ、そっちがそのつもりってんなら……
夕映との鍔迫り合いを緩めて後方へ瞬動術で下がりながらヘカテーは緑谷たちに向けて魔法の射手を放とうとする。しかし、放つ前に強制的に発動中止になった事に顔を歪めて睨みつける。
「俺の生徒に、攻撃はさせん!」
「相澤先生!」
髪を逆立て、赤く眼を光らせながら抹消の"個性"を発動している相澤。ヘカテーが夕映たちから離れたことで巻き込むことなく"個性"を発動出来たのだ。
「ああクソ、面倒な……ッ!」
「よそ見は厳禁ですよっ!」
「先に行け!!ここは俺たちが引き受ける!」
「はい!!」
魔法の使えない状態になったヘカテーに攻撃をする夕映と、その隙に相澤は先に行くよう指示を出す。
夕映、のどか、相澤の三人をその場に残し、戦闘の余波に気を付けながら一同は千雨のいる場所を目指して再び走り出した。
同時刻、市街地演習場内のモニタールーム。
もう一人の
千雨のいる演習場までの間にある監視カメラや配備している監視ロボからの最新映像だ。
とはいえ、もうすぐ演習場にたどり着くのだろう。破壊音と爆発音が遠雷のように聞こえてくる。
「……まぁ、プロも居るなら入試のロボなんて余裕で突破出来るか」
時間稼ぎと消耗を狙って電子精霊たちがけしかけているものの、演習試験用のロボはそれほど強くない。突破されるのも時間の問題だ。
「ちうたま、どちらへ?」
「外だ。
モニタールームの設備に何かあって帰還と妨害に影響出たら困るからな」
そう言って千雨は地下モニタールームから地上の外へと向かえば、照り付ける日差しと舞う魔力片の光に目を細めながら演習場ゲートのある方向を見た。
奴らはきっと、止めに来る。
私の為に。
あいつの為に。
命を救ける為だけに。
こちらの事情を慮ることなく、他人様の事情に土足で踏み込んでくる。
どんな気持ちでこの選択をしたのか。どうしてそうしなければならなかったのか。それ以外の道を選べなかった事を、意図していなくとも責め立てるようにやって来て、笑顔を向ける。
『あちら』にとっては馴染めぬ者にも手を差し伸べ笑顔を向ける善行で。
『こちら』にとっては馴染もうとしない落伍者と烙印を押される悪行だ。
誰も彼もが同じだなんて嘯き、皆仲良くなんて不可能な理想を騙る。
嗚呼、反吐が出る。
そんなもの、ただ同調圧力で理想の金型に合わせて成形しているだけでしかないじゃないか。
これが正しいって顔をして語られる綺麗事が嫌いだ。
現実的じゃないくせに偉そうに語る夢想家が嫌いだ。
何も分からぬまま笑って利益を享受している愚者が嫌いだ。
自身が正しいと信じて現実を見ないでいる独善者が嫌いだ。
取り繕ったその下がどうなっているかも知らない阿呆が嫌いだ。
傷や皺がひとつもないのは破裂寸前だと分からぬ馬鹿が嫌いだ。
どいつもこいつも鬱陶しい。嗚呼、頭が痛くなる。
全部、全部、全部、嫌いだ。
『
「……大嫌いだ」
呪いをかけるかのような声色で吐き出したその言葉は、彼女の足元の濃い影に消えていった。
「ヘルスパイダー!」
エンデヴァーの十指から放たれた熱線により、一瞬で焼き切られて爆発するロボ軍団。とてつもない高温の攻撃ということが一陣の熱風になって生徒たちに伝わる。
市街地演習場までの僅かな時間だったが、それでも炎熱系最強と言われるエンデヴァーの強さを学生の彼らはまざまざと見せつけられた。
火力の高さと攻撃範囲は勿論のこと、一瞬で距離を詰める機動力や反射神経、視野の広さ、サイドキックたちとの連携。どれもが一朝一夕で身に付けられないものだと分かる。
平和の象徴オールマイトが一強だと言われ続けてきた超人社会において揶揄されてきた【万年No.2】の肩書き。
ヒーロー飽和社会と言われる中で、ヒーロービルボードチャートにてオールマイト以外に一度も順位を抜かれずにいたその座は、伊達や酔狂なんかで得られるようなものでは無いのだ。
市街地演習場のゲートは開いていた。
根津校長がセキュリティを一部取り戻したのか、あるいは罠か。どちらにせよ全員止まらずにゲートへと走るが、ゲートの前でエンデヴァーが足を止めて声をかけた。
「ゲートは俺たちが死守する。
お前たちは千雨くんのもとへ向かえ」
轟含めた全員がその言葉に驚いて立ち止まりエンデヴァーを見る。
「この演習場が重要な場所である以上、ヘカテーがあの三人を倒してこちらへ戻って来る可能性もある。
差し向けてくるのは所詮学生向けの演習用ロボとはいえ、混戦状態になって逃走されたり貴様らが消耗しては意味がない。
俺たちがここで抑える」
「エンデヴァー、それなら私も」
「戦えん貴様がいても足手纏いだ!」
火の粉を散らしながらオールマイトに一喝するエンデヴァー。こんな状況下でも変わらない態度を貫くかと思えば、背を向けたまま静かに一言だけ告げる。
「……
予想外の言葉にオールマイトはエンデヴァーの背をまじまじと見てしまう。
オールマイトがこれまでエンデヴァーから頼まれごとをされた事が無いから驚いたには驚いたが……それ以上に、師として千雨のもとへ向かいたい心を抑えて頼んできた事が予想外だったのだ。
同時に、今の千雨に必要なのは師であるエンデヴァー自身ではなく、生徒たちであると確信しているのだとわかった。
「……かっこいいな君は」
「気色悪いことを言っている暇があるならとっとと行け!!」
「ご、ごめん……」
オールマイトが素直にこぼした本音に、一段と眼を吊り上げて炎を噴き上げるエンデヴァー。どうやら癪に障ったようだ。
「みんな、急ごう。
親父……ありがとう」
そんなエンデヴァーに駆け出しながら轟が感謝を告げると、他の生徒たちも素直に感謝を述べながら駆けていく。
「ありがとうございます!」
「助かります!」
駆けていく20名の子供たちとオールマイトを一瞥する事なく、遠ざかっていく足音を背にしながらエンデヴァーとサイドキックの三人は向かってくるロボの大群へ一歩前に踏み出す。
「ショートくんと千雨ちゃんの為にも、いっちょやりますか」
「流石に学生向けのロボに負ける訳にはいかないよなぁ」
「よォッし!
炎のサイドキッカーズ!フレイム、オン!」
バーニンの掛け声と共に、赫い炎が輝いた。
ヘカテーvs図書館コンビ+イレイザーヘッド
ヘカテー直々の妨害をやるなら、対戦カードはこれしかないなと思っておりました。
ちなみに妻妾同衾について言ったのは念話を解除させるためです。賢い反面、外道である。
ヘカテーは現在電子精霊たちが代理をしているとはいえ、世界線を渡る大魔法の行使に加えて夕映たちを捕縛しなきゃいけないので、省エネ戦闘です。でも相澤先生がいるので省エネとか言ってられなくなったら使うかもしれない。
相澤先生がヘカテーのところに残ったのは、ロボよりも対人戦の方が有利だからです。また、魔法について詳しくなくとも発動については千雨への指導する上で把握していたから。判断が早い。
現在のちう様はメンタルが揺れに揺れまくっている上に、自己嫌悪、自己批判、完璧主義の三重苦。さらにそれを投影と転嫁していて、本当に救いようがない状態です。
はたしてどうなるのやら……。
匿名での感想等はこちら→◆マシュマロ◆