いやまぁ旅行先じゃなくてもトラブル起きるが。
これからもトラブル続きで旅行嫌いになるであろうちう様は不憫かわいい。
ホテルに戻って正装に着替える。
付き添いとして恥ずかしくないように選んだつもりだ。魔法世界のドレスはちびちう用のものだったし、カードに登録もしていなかったので、新たに購入。
付き添いを依頼したから支払いはコチラですると言われたが、流石にホテル代や飛行機代や現地での食事代などなどぶっちゃけ轟家に世話になりっぱなしで申し訳なくなる上に、今後もなんらかの機会で着る可能性もあるので、ここは千雨が支払った。
なお、蜘衣に依頼はしなかった。奴は暴走する。
手早く着替えてメイクをして髪を整える。時間がないからと言って手抜きは出来ない。千雨は自身が元々そこまで可愛くないと思っているからこそ、作り上げられる美に対するこだわりは譲れないのだ。
ドレスのデザインからしてアップヘアが一番映える。小物を動かす魔法の応用で髪を整える方法もあるが、髪型のイメージがキチンと出来ていないと失敗するので、普通に自分でセットしていく。
「お前ら、手ぇ貸せ」
「かしこまりましたー!」
コームやピン、くちばしクリップなどを持って千雨を手伝う電子精霊たち。加えて、後ろからの見え方を千雨の前にモニターを出してリアルタイムで確認が出来る。
こういう時、電子精霊たちは大変便利な存在であった。
なんとか身支度を済ませた千雨は轟と待ち合わせていたホテルのロビーに向かう。
ロビーのソファーで轟はスマホを見ながら暇そうにしている。
純白よりもほんのわずかに青みのある落ち着いたスノーホワイトのツーピーススーツに、ブルーのカラーシャツと濃いボルドーのネクタイ。ジャケットは襟の部分だけ黒い。髪色もあいまってかなり個性の強いスーツと合わせだというのに、難なく着こなせているのは顔が良いからだろう。ただしイケメンに限るというものだ。
「轟」
「お……」
千雨が選んだのは淡いピンクコーラルのワンピースドレスだ。
胸から上の肩や背中が見えるベアトップだが同色のオーガンジーを首元まで重ねて、胸元と背中が透けているアメリカンスリーブと呼ばれるノースリーブの一種になっている。首元とウエストの部分にはイミテーションのパールとスワロフスキーがいくつもつけられているため華やかだ。
上半身はぴったりと体のラインを出しつつ、ミモレ丈のスカート部分はオーガンジーを重ねてふんわりと可愛らしく。
髪型を三つ編みとシニヨンを組み合わせたアップヘアでまとめている。髪を上げているため背中の上半分が透けているのがよく見え、後ろから見ても大人の色気と少女らしい可愛らしさが混ざっており、不思議な魅力を放っている。
アクセサリーはシニヨンの部分に白いレースリボンを付け、パールのついた小さなピンをいくつも髪に差している。イヤリングはシンプルなイミテーションのパール。右手首にはいつもの魔法発動体の腕輪をしている。普段ネックレスにしている指輪はポケットにしまっている。
靴は白いレースがあしらわれたストラップ付きのハイヒール。小さめのパーティーバッグはシルバーでドレスとデザインが似ている。
また、ドレスアップしているのに普段の丸メガネは合わないので外してバッグの中にある。バッグにはメガネの他にレセプションパーティーのチケットとスマホと仮契約カードとハンカチ、ティッシュ、化粧直し用の口紅やパウダーなど一式を入れている。
メガネがない不安と羞恥心で顔が少し赤いが、バッチリと人前に出られるメイクをしている上に覚悟もしてきたので、以前放課後に不意討ちで見られた時とは違う。
人前でメガネを外すのにいちいち覚悟をしなければならないのかというツッコミは、言わないお約束というものである。
轟はやって来た千雨から視線をそらさず、そして何も言わずにいる。そんな轟に千雨は内心慌てた。どこか汚れてるか?部屋出る前に自分でも確認したし、電子精霊たちにも確認させたがそれはないはず。持ち物か?それとも組み合わせか?メイクは完璧だが。
「どこか変か?」
「いや……その……」
轟は轟で、千雨の姿を見て沸き上がる感情に戸惑っていた。
体育祭の時は、どこかスッキリとした表情で微笑んだ素顔が綺麗だと思った。
放課後にアイドルのような格好をしていた時は、羞恥心で真っ赤になって慌てていたのが可愛すぎて思考停止した。
今日の千雨はそのどちらとも違う。綺麗で、可愛くて、キラキラして見える。そんな千雨が自身の付き添いということを誰かに自慢したいような。この姿を他の誰にも見せたくないような。
初めて感じるこの胸の底から沸き上がる衝動のようなものをどうすれば良いのか。どう表現すればいいのか。
その時思い出した。似たようなことを言っていたクラスメイトの言葉を。
「……顔が……」
「ん?」
「顔が良い……」
「お、おう」
突然の顔が良い発言に、千雨は大丈夫かと不安を感じつつも、芦戸とか葉隠が轟に向かって散々顔が良い面が良いと言ってるからうつったのだろうと思った。
轟は自分で言った言葉になんか違うなと感じた。よく「TURA GA II」と言ってくる芦戸たちは「轟の顔見ると、つい言っちゃうんだよね」「わかる。胸のあたりからつい湧き出ちゃうよね」と言っていたからコレなのかと思ったが。長谷川の顔が良いのは間違いないが、何か違う。
首をかしげている轟と、相変わらず天然だなと考えている千雨。
轟の感じたリビドーが恋のときめきであると指摘するものは居なかった。
「待ち合わせは18時半にセントラルタワーの……何番ロビー?」
「7番ロビーだな」
「ん、わかった。
今は……ちょうど20分か。時間もねぇし、マンタで飛ぶぞ」
同じ中央ブロックとはいえ、セントラルタワーまでは距離がある。せめて5分前にはついていたいと考え、千雨と轟はホテルを出てマンタでセントラルタワー前まで飛ぶ。
到着して千雨がマンタを降りようとしたときに、轟に手を掴まれた。
「どうした?」
「あ、いや……パーティーの時は、男がエスコートするもんだろ」
そう言いながら、轟は顔をそらして左手で首の後ろをさする。
轟の言葉に一瞬ポカンとしてから、千雨はくつくつと笑った。自分で言っておいて照れるあたり、高1とはいえまだまだガキか、と千雨は自分の事を棚上げして。
「じゃ、エスコート頼むわ」
「……おう」
千雨は轟に手を引かれながら待ち合わせ場所の7番ロビーへと向かった。
セントラルタワー7番ロビーの自動ドアパネルに千雨と轟の名前と入国管理時に発行されたナンバーが表示されると、ドアが開く。
「悪ぃ、待たせた」
そう言いながらロビーに入ってきた轟をスマホから顔を上げて見た上鳴と峰田はヒュッと息を飲んで硬直した。
ドレス姿のスレンダー美女と手をつないでやってくるという、圧倒的な格の違いを見せつけられたからである。パーティーに美女と手をつないでやって来るなど、勝ち組以外に他はない。
ただでさえ今日一日、臨時アルバイトでクタクタになっていた上鳴は、この不平等で理不尽な格差社会をどうにかするべきだと思った。具体的に言えば俺たちもモテるべきだと思った。美人と手をつないでエスコートしたいと思った。可愛い彼女が欲しいと思った。
上鳴以上にモテに対して敏感な峰田は、うっかりスッ転んで恥をかけだの、トイレでズボンのチャック壊せだの、足の爪割れろなど、心の中でありとあらゆる呪いをかけながら轟を睨んだ。睨みすぎて血涙が出るのではないかと言わんばかりの目つきである。
共にヒーローを目指し切磋琢磨するクラスメイトであろうとも、峰田は裏切者を許し優しくする心などなかった。
そんな上鳴と峰田の憎悪と嫉妬を他所に、飯田が声をかけた。
「轟くんと長谷川くんは時間通りだな。二人ともよく似合っている」
「おお」
長谷川。その言葉に峰田と上鳴は驚きの声をあげた。
たしかに以前二人も放課後に見たアイドル時と同じ長谷川である。メガネを外してメイクで様変わりしていたのと、イケメン格差社会への怨嗟でよく見ていなかった。
飯田は普通に気が付いていた。もともと千雨が轟の付き添いである以上は一緒に来ると分かっていたこともあるが、千雨の凛として綺麗な姿勢がいつもと同じだったからだ。
「長谷川ァ!?」
「メガネは!?え!?お前素顔ダメなんじゃねぇの!?」
「そんなにジロジロと見るな!パーティーなんだし、メガネくらい外すっての……!」
千雨はガン見されて恥ずかしいのか、片手で顔を隠す。
どこから見ても美女だ。普段の地味さも男勝りな様子も微塵もない。普通に有りである。有り有りの有りである。
峰田としてはもう少し胸が欲しいところだが、美女という定義には該当するので有りである。
「流石はA組の隠れアイドル……」
「相変わらずの化けっぷりだ……」
「う、うるさいぞバカ二人。
……飯田、女子と緑谷と爆豪たちは?」
「まだ来ていない。爆豪くんと切島くんは連絡の返事もない。
もう約束の時間5分前だというのに!まったく!」
「そうか」
「女子は男子より支度に時間がかかるもんだぞ。私と轟が間に合ったのはマンタで飛んできたからだし。それにしっかり者の八百万がいるから、そんなに遅れないだろ」
「む、それもそうか……一先ず僕は、緑谷くんに電話しよう」
「んじゃあ女子には私から電話する」
轟の手を放して、飯田とは別のロビーの端に少しばかり移動して八百万に電話を掛ける。
電話は待つことなくつながった。
「もしもし、八百万?今どこだ?うん……耳郎が?あー、ちょっと代わってくれ。
おい耳郎お前なぁ……ああうん、慣れてないのは分かったから。パーティー始まっちまうぞ。
……おう、おう。ああ、わかった。ロビーで私がチェックして、問題あったら会場に行く前に化粧室で直す。それでいいだろ?……ん、よし。
慣れない靴なんだ、無理に走ったりすんなよ。じゃあな」
千雨が電話を切り、飯田に声をかける。
「女子3人はちょっと遅れるってさ。身支度が終わらんのだと」
「身支度がまだ終わっていないのか」
「女子は総じて支度が長いもんだ、責めるなよ。私だって移動手段のマンタがなきゃ遅れてただろうし」
「む、それもそうか……わかった。
緑谷くんは繋がったが、爆豪くんも切島くんも電話に出ないな……全く……」
爆豪が電話に出ないのは分かるが、切島もか……珍しいな。
千雨はそんな事を考えながら、スマホをいじってニュースを読んで暇つぶしをし始める。轟が隣からのぞき込んでくるが、その距離に関してはもう諦めていた。
「お待たせ!ごめん遅くなって!」
ロビーの自動ドアが開き、緑谷が駆け込んできた。深紅色のストライプのスーツにクリームカラーのシャツと黒に近い紺色の蝶ネクタイ。千雨はその姿を見た瞬間に眉をひそめた。
「遅いぞ緑谷くん!」
「ごめん……ってアレ、他の人は?」
飯田に謝りながら緑谷がロビーを見るが、そこにいるのは、紺色のスーツを着た飯田と、白に近いスーツを着た轟、轟の隣に美人な女性、ウェイターの格好にどこかで調達したのであろう黒い上着を羽織った上鳴と峰田の5人だけだ。
女子たちと切島と爆豪がいない。その緑谷の疑問に飯田が答えた。
「まだ来ていない。団体行動をなんだと思ってるんだ!」
規律を重んじる性格故に憤慨する飯田。
そんな飯田を無視して、千雨は緑谷に話しかけた。
「緑谷、お前正装なのに靴替え忘れてんぞ」
「えっ!?……もしかして、長谷川さんっ!?」
「いや私に驚いてないで靴を見ろ、靴を」
「靴……ああっ!」
緑谷の靴は革靴ではなく、普段履いている赤いハイカットスニーカーだ。どうやら間違えたらしい。羞恥心も相まって肩を落とす緑谷に千雨は再度ため息をつき、それを聞いていた上鳴が笑った。
「ウッカリしてんなー緑谷」
「電話貰って焦って着替えたから、間違えたみたい……」
「今から緑谷くんが戻ってはもっと遅れてしまう……しかし正装はキチンとするべきで……クッ……どうするべきだ!?」
飯田がどうするべきかブツブツと悩み始めた。ホテルの場所にもよるが、時刻は既に18時30分。遅れて会場に行っても怒られることはないだろう。とはいえその場合、緑谷が戻ってくるまでここで待とうと飯田が言い出すのは必然。
そうなれば、パーティーに参加すると聞いているブランドン博士から他の博士を紹介してもらったり挨拶したりする時間が減る。それは困る。
千雨はスマホを取り出して緑谷に訊ねた。
「しょーがねぇな……緑谷、靴のサイズは?」
「えっ……えっと、26センチだけど……?」
「デザインは検索で出てきたやつでいいか。
幻影システム」
千雨が指を鳴らすと腕輪がわずかに光り、緑谷の靴がポンッという音と共に革靴へと変わった。幻術魔法だ。システムなどと言っているのはブラフである。
幻術魔法は呪文名を唱えない。というのも、唱えたら相手に幻術を使うとバレるからだ。幻術と分かってしまえば幻術返しや幻術空間の破壊などをされてしまう。よって、唱えずとも使えるようにするのだ。杖を振るや指を鳴らすなど、動作に紐づけて発動される。
千雨の場合は指を鳴らすのを発動条件にしている。
「わぁ!」
「履いてた靴置いておく場所ねぇから、靴の見た目だけを変えた。明日になりゃもとに戻る」
「凄いや!ありがとう長谷川さん!」
「別に……私は轟にエスコートされるとはいえ、クラスメイトとして恥ずかしいからな。それにパーティーに遅れる方が困る」
「あ、はい……」
千雨の自分本位な手助けであったことに、緑谷はドレスアップしてキレイな格好でもいつも通りだな長谷川さん……。と考えていた。
むしろ普段と違ってメイクしていてメガネを外している分、顔の攻撃力と迫力がある。
「なぁ長谷川、俺たちの服も今のでビシッとしたやつに変えれたり……」
「カフェの制服に上着合わせただけとはいえ、出ても問題ねぇ格好してるのを変える必要ねぇだろが」
「ちぇー」
そんな事を話していると、再びロビーのドアが開いた。
「ごめん、遅刻してもうたぁ」
「すみません、耳郎さんが……」
申し訳なさそうにしている麗日と八百万、八百万の後ろに隠れるようにしてロビーに入ってきた耳郎。
麗日は撫子色の可愛らしいオフショルダーのワンピースドレス。八百万はオパールグリーンのエレガントなプランジング・ネックのロングドレス。
それぞれの良さを引き立てており、よく似合っている。
そんな女子たちの登場に一番騒いだのは上鳴と峰田だった。麗日も八百万もスタイルが良いからだろう。二人の視線がどこに向いているのかが千雨にもよく分かった。
「うう、ウチ、こういうカッコは……その、なんとゆーか……」
八百万の後ろから恥ずかしそうに出てきた耳郎はアザレアピンクのシックなワンピースドレスに黒のボレロ。可愛らし過ぎないドレスとシンプルなボレロは耳郎のパンクロック好きなボーイッシュさの良さを活かしている。
ソワソワと落ち着きのない耳郎に、上鳴がサムズアップした。
「馬子にも衣裳ってヤツだな!」
「女の殺し屋みてー」
誉め言葉ではない。千雨がそうツッコミを入れるよりも早く、二人に耳郎のイヤホンジャックが突き刺さり心音を流されて悲鳴が上がる。
その様子に千雨が呆れていると、麗日が千雨を見て目を輝かせながら話しかけた。
「わー!千雨ちゃん素顔やん!ドレスも大人可愛い!髪とかどうしたん!?」
「あ、あんま見んな。髪は自分で。……麗日たちも様になってんな」
「えへへ、ありがとう!」
麗日が緑谷に話しかけに行ったところで、余計なことを言った上鳴たちに制裁を加えていた耳郎の視線に千雨が気付いた。
「どうした?」
「いや、メガネ外してるの珍しいなって」
「そりゃ、せっかく着飾ってるんだし、まぁ……。
それよか耳郎、身だしなみ見て欲しいんだろ?」
そう言って、ロビーの端に移動して耳郎の姿をぐるりと回りながら見て、最後に薄くメイクした顔も見る。
耳郎は流石にじっくりと見られるのは恥ずかしいのか、それとも普段と違う千雨の様子に慣れないのか、少し顔を赤らめた。
「んー……うん、大丈夫だろ」
「ほ、ほんとに?」
「ああ、問題ねぇ。むしろ恥ずかしがってる方が逆に目立つぞ」
「そ、そっか……そうだよね……。ところで……その完璧すぎるドレスアップは轟のため?」
「耳郎お前ホントはスゲー余裕だろ?違ぇからな?これは自分のためだ」
「そっか~~~」
「聞けコラ耳たぶ引っ張るぞおい」
千雨は顔を赤くして聞く耳持たずにいる耳郎と子供じみたじゃれあいのような喧嘩をしていると、麗日が話しかけてきた。
「ねぇ、せっかくだしここで記念に写真撮らない?」
「いいですわね!千雨さんも撮りましょう!」
「賛成~」
「耳郎お前あとで覚えてろよ」
耳郎に逃げられた千雨が恨み節を告げつつ、電子精霊にスマホを持たせて写真を撮る準備をする。
「俺らも!」
「オイラも入れてくれー!」
すかさず上鳴と峰田が声を上げたため、今いる全員で写真を撮る。
女子だけでも写真を撮っていると、メガネを外して青いドレス姿の美しくドレスアップしたメリッサがやって来た。
「皆、まだここにいたの?パーティー始まってるわよ」
メリッサの姿に峰田と上鳴のハートに直撃したのか、二人は大興奮である。
「まだ爆豪たちが来てなくて……飯田が電話してるんですけど、連絡もつかないらしくて」
「そうなの?」
「あ!そうだ!メリッサさんも一緒に写真撮りませんか?」
「ええ、いいわよ」
飯田が爆豪たちに電話をかけている横で、写真を撮る。その時、ロビー全体にサイレンが鳴り響く。
その音に千雨は嫌な予感を感じつつも、続けて流れる島内放送をその場で聞く。
『I・アイランド管理システムよりお知らせします。警備システムにより、I・エキスポエリアに爆発物が仕掛けられたという情報を入手しました。
I・アイランドは現時刻をもって、厳重警戒モードに移行します。島内に住んでいる方は自宅または宿泊施設に。遠方からお越しの方は近くの指定避難施設に入り、待機してください。
また、主な主要施設は警備システムによって、強制的に封鎖します』
アナウンスと共にロビーの窓の防火シャッターが音を立てながら次々と閉じられていき、入り口が塞がれていく。
あ、コレ絶対なんかのトラブルに巻き込まれた奴だ。今まで生きてきた経験則でわかる。
千雨は遠い目をしながら心の中で毒を吐いた。
外出はやっぱりクソだな。
映画とノベライズ版で上鳴たちの格好が違ってたんで迷ったが、ノベライズ版の方の上着着てるって方が上着が無いよりも状況的にもドレスコード的にも納得出来たので、ここだけノベライズ版採用しました。
あと浮かび上がったネタを突っ込んで脱線したせいで確実にI・アイランド編が1話は伸びてる。
ネギま原作で五歳くらいの女の子が(才能の有無などもあるだろうが)、あそこまでの幻術魔法を使えるんだし、ちう様も勉強してるしこれくらいは使えるでしょ。というノリで幻術使わせました。
一年近く勉強してるし、プログラミングと魔法を融合させた新技開発もしてるし、ちょっとした服とか物とか誤魔化す程度には使えるってことで。
まぁ普通に変装するならエヴァにゃんの幻術薬の方が色々と強力で便利だし、偽物用意するなら身代わりの紙型使った方が確実だし、ちう様自身の服はカードのコスチューム機能使った方が楽だからね。
矛盾はない。おけおけ。(安心安定のフワフワガバガバ理論)