学戦都市アスタリスク~調律の魔術師~   作:リコルト

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最近、グリムノーツの要素が欠乏してきた気がしたので、外伝としてグリムノーツキャラの話を書かせてもらいました。たまに少しずつ書いていきますのでよろしくお願いします。


ダイバーシティメンバーの日記
クロヴィスの日記


〇〇月××日

 

 

あの壮絶な星武祭から数日が経った。俺は今、何気無い日常を満喫している。

 

 

俺はダイバーシティでは護衛や賞金首などの確保といったフィールドワークばかりであまりダイバーシティやアスタリスクにいることが難しいが、あの社長の計らいでアスタリスクでの休暇が与えられた。

 

 

他の皆も休暇を与えられたらしく、それぞれが休日を満喫している。俺自身もアスタリスクでは仕事による滞在が多かったため、ここ暫くは俺もアスタリスクで自由にさせてもらおう。

 

 

 

 

〇〇月××日

 

 

 

駄目だ。久しぶりの休暇だと言うが、どうにも仕事から頭が離れない。働き過ぎて仕事中毒者になってしまったのか?自然に強くなろうと考えてしまう。

 

 

やはり、あの《クトゥルフ》の包帯の男に会ってからだろうな。あの時俺はあの男に勝てないと感じてしまった。このままでは《クトゥルフ》に拐われた俺達の仲間であるエクスを救う事が出来ないだろう。それにどうもあの男には会ったことがある雰囲気があるんだが……

 

 

ともかく久しぶりの休暇を無駄にするわけにはいかない。ただ、俺が強くなる事も忘れてはならない。

 

 

だがそう簡単に強くなれる方法はあるのか?

 

 

 

 

〇〇月**日

 

 

今日はアスタリスクの歓楽街にやって来た。俺は歓楽街に来るのはマフィアの人を捕まえたりと仕事で来ることが多いのだが、今日は初めてプライベートでここに来た。

 

 

何でも絶版となった本が集うブックマーケットが開かれるらしい。俺の目当ては市場に出回らない近代文学の小説等である。

 

 

ブックマーケットの他にも色々な物が闇市のように売られていた。俺は何とか自分の趣味に合うような本をいくつか見つけることが出来た。ただ中には値段が普通の人では払えない額の本があったが、そこは経費で小切手払いにしてもらった。貴重な本のため、もし俺が読まなくなっても誰かが使うかもしれないし、あの巫女………社長がこんな高い本を買ったからって怒っても俺は貴様の数倍かかる食費から減らしやると脅してやろう。文化的遺産とあの巫女の食事だったら大事なのは明らかに前者だろう。あの巫女は昔から食いしん坊なのだが、それは直らないのだろうか。

 

 

 

俺は目的を果たしたため、帰ろうとすると……

 

 

 

「ど、泥棒だー。」

 

 

 

店員の叫ぶような声を聞いてそちらを振り向くと、マフィアのような格好をした男が金目の物が入っているであろう袋を持って路地裏に走っていた。

 

 

まったく……ここはあんな奴ばっかりだな。俺はそう思いながらも見過ごせる筈がなく、あの男を追いかける。

 

 

路地裏に入って行ったが、仕事で何回も来ていたため地の利があり、すぐに男を追い詰める。

 

 

俺が男に少しずつ近づくと………

 

 

「ま、待て。俺はオモ・ネロのメンバーだ。俺をやったらリーダーが黙っていないぞ。」

 

 

男が後ろに下がりながら抵抗し始める。《オモ・ネロ》か……。確かアスタリスクの歓楽街のマフィアでも構成人数が1000人もいる最大規模のマフィアグループだ。名前では聞いていたが、俺自身も接触するのは初めてだ。

 

 

別に相手の後ろに大規模なマフィアが絡んでいようが俺には関係ない。悪事を犯す者がいれば平等に神の名において拳で殴るだけである。俺は拳に愛用のローゼン・シュヴァリエを着けて拳を構える。

 

 

俺はそのまま拳を男に向かって打ち出す。男は最後まで抵抗していたが、俺の拳が衝撃波を作り出し、路地裏の床を抉るように男に直撃する。

 

 

俺が打ち出す拳の衝撃波にはスタンがあるため、男に近づき動けないのを確認して金目の物が入った袋を取り返す。別に俺は殺す程の威力ではやってないし、現に男はスタンで動けないが、意識はある。

 

 

俺は金目の物が入った袋を店員に返し、警備隊にこの男の事を伝えるため路地裏から出ようとすると……

 

 

 

 

「おいおい、さっきの衝撃はお前か?」

 

 

 

 

声のした方を見ると、俺を妨げるように赤い髪をしたサングラスの男が立っていた。

 

 

サングラスの男は俺がスタンで動けなくした男に近づく。俺が倒した男は何だか怯えていた様子だった。

 

 

サングラスの男が手を構えると………

 

 

「よぉ、俺の組織は盗みは決してしないんだわ。それによくも俺の組織の名前を使ってくれたな。」

 

 

 

ボンッ!!

 

 

 

サングラスの男が手に星辰力を込めると、動けなくした男の顔面が爆発した。

 

 

「安心しな。こいつは殺してねーから。」

 

 

男はゆっくりと立ち上がりながらそう言う。確かに外傷は酷いが、まだ生きている様子だ。

 

 

「悪いな。どうやらこいつがオモ・ネロを語ったらしいが、俺はこんな奴は知らない。たまにこんな奴がいるが、俺の組織はこんなバカな事はしないからそこは勘違いしないでくれ。」

 

 

サングラスの男が俺に向かって人柄が良いように笑顔を見せながらそう言う。

 

 

「ところでこいつを倒したのはお前か?凄い衝撃だったぜ。服装からしてお前ガラードワースの人か?レヴォルフや界龍には拳で戦う奴はいるが、ガラードワースにいるとは初耳だな。入る学校間違えたんじゃね。」

 

 

男は面白がるように俺を見る。失礼な奴だ。俺は男にダイバーシティに所属している事と自分の名前をサングラスの男に伝える。

 

 

「クロヴィスか。名前を聞いてもお前のような相当な実力者を思い浮かばなかったが、ダイバーシティの所属だったのか。てっきりその服装からガラードワースの生徒かと思っていたが、お前みたいな拳で戦う暴力的な奴が規則が厳しいガラードワースに居るわけないよな。」

 

 

貴様、けんか売ってんのか。貴様も侮辱罪であの男のように拳で制裁をしてやろうか。

 

 

「待て待て、落ち着けって。別にお前とは戦いに来たわけじゃない。それに知っているかもしれないが、俺も一応自己紹介をしとくぜ。」

 

 

ふん、勝手にしろ。そこらのマフィアよりは礼儀があるそうだが、一応聞いておいてやる。

 

 

 

「俺の名前はロドルフォ・ゾッポだ。一応オモ・ネロというマフィアを率いている。また何処かで会おうぜ、クロヴィス。」

 

 

そう言ってサングラスの男は俺が倒した男を片手に持って何処かに消えていった。

 

 

 

 

あの男がロドルフォ・ゾッポ……。俺もリストでしか見たことがなかったが、マフィアグループ《オモ・ネロ》のリーダーであり、レヴォルフ学院序列2位で二つ名は砕星の魔術師(バサドーネ)。周囲の星辰力に干渉して相手を倒す事から二つ名がついたアスタリスクでも相当な実力者だ。今の所はオモ・ネロと争うような事は起こっていないが、仕事上あの男とも戦うことになるのだろうか……

 

 

それにしては今まで会ったマフィアとは一風違った感じであまり嫌悪感は抱かないな。

 

 

俺はそんな事を考えながら店員に盗られたものを返して歓楽街を後にした。

 

 

 

 

 

 





次回もクロヴィスの話を書く予定です。ロドルフォに接触したその後のクロヴィスの話を書こうと思っています。
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