学戦都市アスタリスク~調律の魔術師~   作:リコルト

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1日空いてしまいました~。
待っていた方々すいません泣


閑話 アスタリスクの冬
僕の願いは孤毒の魔女のために……


ガラードワースの序列が一新して一ヶ月位が過ぎ、今はもう12月上旬である。そんな中僕はアーネストさんたちと今期入ってくる学生の一般入試の選考をしていた。

 

 

「今年のガラードワースの入学生はとても多いですね。」

 

 

「なによりグランドスラム候補がいるからね。」

 

 

アーネストさんが書類を見ながら言った。

 

 

「お、この子すごくかわいくないか?」

 

 

「ケヴィン、そんなこと考えてないでとっとと自分の分を終わらせたらどうだ。」

 

 

ケヴィンさんとライオネルさんは相変わらずである

 

 

ただ、そんな日常風景もあれから少し変わった。

 

 

「会長、紅茶のおかわりが入りました。」

 

 

「会長、自分の手が空いたので少し手伝います。」

 

 

「レ…レティシア先輩、ここはどうすればいいでしょうか。」

 

 

パーシヴァルさんが会長の紅茶を入れ、エリオット君は自分の仕事を終わらせてアーネストさんの手伝いをして、ノエルはレティシアさんに書類について分からないところがあったらしくやり方を聞いていた。

 

 

エリオット君とノエルは序列入りが確定すると、早期入学という扱いで授業はないものの生徒会の手伝いをすることになっていた。

 

 

また、彼らはハプスブルクさんが使っていた銀翼騎士団用の寮が空いたので、先日そこに引っ越した。

 

 

彼らが引っ越したことで、僕の依頼も終わり使わせてもらっていた家を返すことにしようとしたが、ノエル家とフォースター家が報酬として僕に譲ったのだ。そんなわけで今は僕一人だけであの家を使わせてもらっている。3人住んでも余裕だった家だったため、本音を言うとすごくさびしいです。

 

 

と思っていたが、ノエルがある時帰ってきたのだ。数日分の寝泊まり用の道具を持って。最初は寮でいじめられていて家出をしてきたと思った。

誰だ、いじめてるやつはと思い、僕の純星煌式武装に手をかけて起動するところだった。

 

 

だが、ノエルはどうやら純粋に自分の気持ちで泊まりに来ようとしていたのだ。その時ノエルは顔を真っ赤にしていたが、返す理由もないためノエルを泊めることにした。それからは週に1回ぐらいのペースで来ている。ノエルはいったい何のためにやっているのだろうか。

 

 

また、ノエルが居ない日もランが遊びに来たり、リーネと密会と情報の共有、ここ最近ではクロヴィスさんとシェインさんが自分のアスタリスクでの活動経費を使いたくないという理由でホテルに泊まらず、家に泊まっていた。なんだよ、ダイバーシティのやつめっちゃ来るじゃん。というか、最後のやつちゃんとホテルに泊まれよ!!。いつか飯代と宿泊代取るぞ。

 

 

というわけでまったくさびしくはなかったが、逆に一人だけの時間が恋しくなる僕がいました。

 

 

次に、新たに序列5位となったパーシヴァルさんだが何事もなく親しくなった。

 

 

なぜそんなことを危惧しているかというと、ダイバーシティと研究所は星脈世代の育成という目的は同じだが、後者は非公式な組織な上、人体実験とかを利益のために行うためにたびたび衝突することがあったからだ。

 

 

けど、パーシヴァルさんはそんな組織なことなどまったく気にしていない。僕が調和をしても性格のせいなのか、扱うことができなかった贖罪の錐角のことについて話をしたり、射撃場では練習をしたりもした。

 

 

彼女の淹れる紅茶は銀翼騎士団の中でダントツにおいしく、仕事もしっかりするためすぐに生徒会のみんなと馴染んだ。ただ、彼女は短絡的な性格なのかたまに銃型煌式武装を上に向け、発砲する癖がある。今では誰も止めなかったケヴィンさんとライオネルさんの言い合いが始まると、パーシヴァルさんが発砲して黙らせるというのが日常となり、アーネストさんも大目に見ている。

 

 

そんなこんなで今の生徒会は前とは比べてなかなかいいものにはなっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書類を整理すると、例の約束まで残り少しとなった。

 

 

「アーネストさん、しばらく外出してきます。」

 

 

「そうか、もうそんな時間か。行ってきなさい。」

 

 

「失礼します。」

 

 

そう言って僕は生徒会長室を後にした。

 

 

「そう言えば今日でしたわね。」

 

 

「そうだね、最初は彼の願いを食堂で聞いた時は驚きだったけどね。これで悪辣の王(タイラント)の支配力が弱まれば、六花園会談もスムーズになるかな。」

 

 

そう言ってアーネストはパーシヴァルの入れた紅茶を飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は今レヴォルフに向かっている。なぜなら獅鷲星武祭での願いを叶えてもらうからだ。

 

 

レティシアさんたちは前回言っていたように、家のためにつかったそうだ。これには僕も納得した。

 

 

あれほど回数を増やしたいと言っていたアーネストさんは保留にしたそうだ。何でも白濾の魔剣に縛られた状態では自分の本気が出せないため星武祭に参加しても満足感がないだろうと言っていた。たしかに星武祭の願いは大学部を卒業するまで使えるため今はまだ焦らなくていいだろう。

 

 

そうこうしているとレヴォルフの正門前に着き、そこには星武祭側の数名の役員と白い髪をした女と目付きが悪い赤髪の太った男がいた。

 

 

「…………ちっ。これはどういうことだ。調和の魔術師。」

 

 

「星武祭の願いを叶えようとしているだけですよ。」

 

 

僕は悪辣の王ーーディルク・エーベルヴァインと対峙した。

 

 

「そうじゃねぇ。ガラードワースのお前がこんなことをして何のメリットがあるって聞いてんだよ。」

 

 

彼は不愉快そうにたずねてきた。

 

 

「別にこれは僕個人としてのお願いだよ。彼女とはリーゼルタニアの孤児院で知り合いになってね。知り合いがどこかの男に所有され、無理矢理従属されていると助けたくなりますよね」

 

 

僕は皮肉を込めて彼に言った。

 

 

「ちっ。気に食わない野郎だ。とっとと終わりにしたいと言いたいところだが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………こちらには一昨年のこの女の願いを叶える権利がある。」

 

 

そう言って彼はオーフェリアの方を向いた。

 

 

まさか、それで僕の願いを打ち消す気か。

 

 

「わ、私は……………………」

 

 

オーフェリアさんはとても深刻な顔をしていた。そこで僕はある言葉を彼女に投げかけた。

 

 

「あなたの孤児院の借金は僕の2回の星武祭の賞金ですべて返済しましたよ。後、リーゼルタニア王国を通して孤児院はダイバーシティが保護しましたよ。」

 

 

僕がそう言うと、彼女は一瞬驚き、ディルクは苦虫を潰した顔をしている。

 

 

「オーフェリア、この場には星武祭の役員がいる。一緒に叶えられる。とっとと願いをいいやがれ。」

 

 

「…そうね。ごめんなさい。あなたのそれは空しいものだわ」

 

 

彼女は瘴気で剣の形を作った。まさかやる気か。そう僕が思っていると、彼女は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディルク・エーベルヴァインに刃を向けた。

 

 

「おい、どういうことだ。」

 

 

「あなたは生徒会長の権利と支配力が欲しいから所有物である私に序列1位にさせたり、星武祭に優勝させたわ。けれど、あなたはその時願いは私の勝手にしなさいとあなたは言ったわ。

あと、契約違反をした時に私の孤児院を人質にしていたけど、彼がそう言うならば、それも成立しないわ。それをあなたが分からないことはないはずよ。」

 

 

オーフェリアさんはそう言って刃を下げた。

 

 

「ちっ。言ってみただけだ。ほらよ。」

 

 

僕は彼からオーフェリアの所有を認める契約書をもらった。

今この時間をもってオーフェリアの所有権は僕に移った。

すると、オーフェリアは僕の方にやって来る。

 

 

「…役員さん。私の願いも叶えられるかしら。」

 

 

オーフェリアさんが役員に声をかけた。

 

 

「今後一切、彼から接触しないようにしてちょうだい。もし破れば非星脈世代であれ容赦はしないという罰付きで。」

 

 

「ちっ。お前もか。」

 

 

彼が不愉快そうにしている中、それを明記する契約書が作られた。それをオーフェリアさんがもらった。

 

 

「これで終わりだ。ったくよ。」

 

 

ディルク・エーベルヴァインは校舎に戻り、星脈祭の役員達も解散した。その場にはオーフェリアさんと僕だけが取り残された。

 

 

「少しいいかしら。」

 

 

オーフェリアさんがそう言うと僕の手を繋いである場所に連れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商業区 公園

 

 

僕はオーフェリアさんに連れられ商業区の公園にいる。

 

 

「…またあなたに助けられたわね。」

 

 

「そうですね。オーフェリアさん。」

 

 

オーフェリアさんは僕が孤児院で会った頃は星脈世代でなかったため、ユリスやシスター・テレーゼを救った魔女狩りの事件については覚えていないと思っていたが、彼女に聞くとどうやら星脈世代にされた頃から少しずつ記憶が思い出されるようになったらしい。

 

 

「ところで、さっきの孤児院の話は本当なの?」

 

 

「ええ、本当ですよ。」

 

 

僕はウィンドウを開き、孤児院の借金の全額返済を示す証明書と孤児院のダイバーシティによる経営委託書を見せた。

 

 

「ああ…本当に良かった。」

 

 

オーフェリアさんは涙を浮かべていた。

 

 

「ところでスバルには私の所有権があるのだけれど、私は何をすればいいのかしら。」

 

 

オーフェリアさんは涙を拭って僕にたずねた。

 

 

「別にオーフェリアさんの自由でいいですよ。僕は何も命令しませんから。」

 

 

「そうね……。けど私にはこれがあるから。」

 

 

そう言って彼女は公園の一輪の花に触れると瞬く間に彼女の持っていた花が枯れてしまった。

 

 

「安心してください。これをどうぞ。」

 

 

僕はオーフェリアさんにガラス玉が組み込まれたストラップを3つほどあげた。ガラス玉はそれぞれ赤、白、紫の色だ。

 

 

「これは?」

 

 

「もう一度花を触ってみてください。」

 

 

オーフェリアさんはもう一度花を摘んでくると、今度はその花は枯れることはなかった。

 

 

「そのストラップには僕の調和の能力が星辰力を込めることで発動するようになってます。3つあるのは2つがスペアです」

 

 

「これで…私もみんなのように生活ができる。」

 

 

オーフェリアさんはとてもうれしそうだ。

 

 

「あと、ダイバーシティに入ればオーフェリアさんの瘴気もそれを使わずに打ち消して将来的には無くせるかもしれません」

 

 

これにはオーフェリアさんも驚いた様子だった。

 

 

「分かったわ。いつかそちらにお伺いするわ。」

 

 

そう言うと彼女の電話番号を僕に送った。

 

 

「あと、ユリスが来期から星導館に入学するそうですよ」

 

 

「……こんなにうれしいことがあったのは久しぶりだわ。後、私のことはオーフェリアって呼んで。さん付けは要らないわ。」

 

 

彼女はそう言って笑いながら帰っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、オーフェリアはダイバーシティの本部に僕の仲介で訪ねて組織のメンバーとなった。

 

 

彼女の希望で主な仕事は星脈世代の力を調和する薬の被験者とダイバーシティ本部にある星脈世代の孤児院での子供のお世話となった。

 

 

なんでも彼女を丁重に扱うために部屋を用意したのだが、そこでは植物が沢山植えられており、孤毒の魔女にも女性らしい一面があるのだと職員達は驚き、すぐにみんなととけこんだそうだ。

 

 

あと、アスタリスクではオーフェリアがディルクに従わなくなったため新聞で『悪辣の王、生徒会長辞任!?』という記事があったが彼は生徒会長をやめていない。

なぜなら、彼にはまだ秘密があるということで敢えて泳がすためである。そこはレヴォルフの生徒会長を決める権利を持つオーフェリアに頼み、継続することにした。

 

 

 

 

 




1日空いてすいません。模試まであと1週間切ったので更新ペースが遅くなります。
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