学戦都市アスタリスク~調律の魔術師~   作:リコルト

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今回は序章っぽいです。
時系列はリーネがお母様を倒した直後ですね。

ついにあいつが南極から帰ってくる!


《星宮竜覇》編
闇の中で彼らは動き出す


???

 

 

「おい、これはどういうことだ?」

 

 

部屋の中で赤髪の太った男ーディルク・エーベルヴァインが不機嫌そうに誰かにたずねた。

 

 

「これは私には関係ない。あちらの組織のシャビが隠滅すると言って失敗したことだ。」

 

 

それに応えるのは青色の髪をした女性の体を乗っ取っているヴァルダ=ヴァオスである。

 

 

「ちっ。お前も最初は高らかに奴等を隠滅するって言っていただろう。しかも自分の素性を明かしやがって。どの口が言いやがるんだか。」

 

 

「別に計画の目的は話してはいない。しかも、今回の一件であっちの組織は今回の反省をしているのかは知らないがしばらくは直接手を出さないと聞く。おまえから見たら組織の発言力が弱くなったから嬉しいんじゃないか?」

 

 

「ちっ。黙ってろ。」

 

 

ディルク・エーベルヴァインはヴァルダに向かって悪態をつきながら言った。

 

 

すると、部屋の入り口から仮面の男がトランクケースを厳重に持ちながら入ってくる。

 

 

「やぁ、楽しそうな話をしてるじゃないか。」

 

 

「ちっ。のんきに帰って来やがって。お前がいない間にとんでもない事があったんだぞ。」

 

 

「いや、悪いね。天候が悪くて帰りの飛行機がまったく出なかったんだ。これは仕方がない。」

 

 

男は悪ぶれた様子をしないで、彼が持っているトランクケースを机に置く。

 

 

 

「………これか?」

 

 

ディルク・エーベルヴァインは男にたずねた。

 

 

 

「そうだよ。」

 

 

 

仮面の男がトランクケースを開ける。

 

 

 

そこには赤色と金色で照り輝いている一つのウルム=マナダイトがそこにあった。

 

 

「これがあの組織が言う12個のウルム=マナダイトのシリーズの最後の一つか。」

 

 

ヴァルダが無機質な声で言う。

 

 

「まさか、本当にあるとはな。実際俺は最後まで信用しなかったけどな、《十二宮シリーズ》」

 

 

ディルク・エーベルヴァインも顔をしかめながら、そのウルム=マナダイトを見る。

 

 

「これは私達の計画だけでなく、あの組織にとっても重要なカギである。」

 

 

仮面の男は語るように呟く。

 

 

「今、組織と我々のものを含めて《十二宮シリーズ》のウルム=マナダイトは11個所持している。ラストの1個はダイバーシティが持っているけどね。」

 

 

「ふんっ。それが俺達の計画に何の関係がある?俺達の戦力の増強をするためか?」

 

 

 

ディルク・エーベルヴァインは仮面の男に不愉快そうにその理由をたずねる。

 

 

 

『それは私から説明しよう。』

 

 

 

部屋のモニターから音声が聞こえた。この声はあの組織のトップで黒幕の男の声だ。

 

 

『《十二宮シリーズ》は全てが揃うと万物を変える力を持つ。これはもう一度、落星雨を落とす君達の理にかなっているはずだ。そして我々のメリットは《十二宮シリーズ》の力で我々の12人の仲間を復活させる。』

 

 

「そうですね。貴方と同盟を組んだのは目的までの過程が同じだからでしたよね。私達はもう一度落星雨を起こして、世界を変える。貴方は変わった世界を支配する。そうでしたよね。」

 

 

『ああ、そうだな『処刑刀』。君はこれから何をするつもりか教えてくれないか。』

 

 

モニターの男がたずねる。

 

 

「………私はこのウルム=マナダイトを純星煌式武装に加工して『銀河』を通してダイバーシティの霧咲スバルにこれを預けようと思います。」

 

 

「……何だと!?」

 

 

ディルク・エーベルヴァインは驚きを隠せない。もちろん私もあれほど重要だと言っていたのに、今後の敵となるダイバーシティに預ける理由が分からない。

 

 

『……なぜだね?』

 

 

モニターの男も理由をたずねる。

 

 

「この方が私達の計画が早く進むからです。」

 

 

『……その過程はなんだ?』

 

 

「実はですね。もしこれを渡せば……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧咲スバルの失われた『調律』の力を取り戻せるだろうと確信しているからです。」

 

 

『……!?』

 

 

 

えっ!?スバル君の能力が戻るですって!?私とレイナさんの推測ではもう戻る見込みはないはず。

 

 

『……なるほど。つまり君はそれをあの男に渡して、能力を取り戻させることで後に君達の《再編の魔女》と彼の《調律》で好きな世界を作るということか。』

 

 

「そういうことです。」

 

 

「テメーら少し待て。俺は《調和の魔術師》にこの前会ったが、あんな穏健そうな奴が俺達のその計画通りに《調律》を使うと思うのか?」

 

 

 

ディルク・エーベルヴァインは彼らの話にいちゃもんをつける。たしかにその通りだ。

 

 

「そこはね……ヴァルダくん。」

 

 

「ああ、これの事か。」

 

 

ヴァルダは処刑刀に赤い液体の入ったプラスチックの容器を渡す。

 

 

「そいつは………」

 

 

「そうだよ。先日、ヴァルダくんがシャビくんに作らせて取引をしたものだよ。」

 

 

「中身は何なんだ?」

 

 

ディルク・エーベルヴァインがたずねる。

 

 

「星脈世代の星辰力を乱す液体だよ。体に注入すれば、星辰力が暴走して絶命する劇薬だ。でも《調和》を持つ彼は絶命せずに、能力を強引に発動させられることができる。」

 

 

「……なるほどな。」

 

 

 

ディルク・エーベルヴァインはその説明を聞いて、静かに納得をした。

 

 

 

『分かった。今回の事は君達に一任しよう。』

 

 

そういってモニターの男は通信を切る。

 

 

「さてヴァルダくん。少し協力をしてくれないか。このウルム=マナダイトに少々細工を仕込む。」

 

 

「…何をする気だ?」

 

 

処刑刀はヴァルダに話しかける。

 

 

 

 

 

 

私はここまでの話を聞いてその場を離れる。

 

 

 

これは早くランとレイナさんに伝えなければ。能力を取り戻して能力を使わせる訳にはいかない。

 

 

でも、これはスバルさんが能力を取り戻す最大のチャンスである。利用しない手はない。

 

 

ああ、これで私の仕事はおしまいか。

 

 

《再編の魔女》である私は彼らの計画の裏で霧咲スバルを助けるため画策をしていた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ところでヴァルダくん。霧咲スバルと戦ったと聞いていたけれど、どうだったかい?」

 

 

「あの《魔女狩り》の頃より弱くなっていたな。あの頃は今の少なくとも十倍は強かったな。」

 

 

「なるほどね。それはヴァルダくんにしか分からないね。なんたってあの事件の引き金は君が反星脈世代思想の人をを洗脳したことだからね。」

 

 

「あいつの大規模認識改編にはびっくりした。私には耐性があるから効かないけどな。実際私がお前達にその事を言うまで知らなかっただろう。」

 

 

 

 

彼らはそんな話をしながら、ウルム=マナダイトに彼らしかできない細工を施していた。

 

 

 

(でも待てよ。幼少期で今より数十倍強いなら今彼が能力を取り戻したら………)

 

 

処刑刀はそんなことを心の中で思っていた。

 

 

 

 





今回は彼らが行う計画の話でした。
《十二宮シリーズ》のネタは分かりましたか?
ついにスバルの能力覚醒!?
ヴァルダと処刑刀がする細工とは?

この章は物語の展開を大きく変えるものだと思っています。それではまた次回会いましょう。

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