「起き……。もう……だぞ。」
身体を大きく揺さぶられて、声が聞こえる。そうか僕は《獅鷲星武祭》の疲れで寝てしまってたのか………。
「んんっ……」
目を開けてみると、そこはいつもの学校の教室風景と少し呆れた表情をした銀髪の男が立っていた。
「スバル、獅鷲星武祭の疲れがまだ取れないのか?終わってからもう一週間がたったんだぞ。」
「いや、ただ授業が疲れたから寝ちゃってただけだよ。それよりどうした、ラン?」
「授業が終わったから、食堂で軽食でもしないか?」
そうか……。もう今日の授業は終わりか。今は……午後2時ぐらいか。軽食にはちょうどいいかな。
「いいよ。今日は、生徒会の仕事がないし、最後までゆっくりできるよ。」
そう言って、僕は椅子から立ちあがった。
「そうこなくっちゃ。おまえと話せるのもひさしぶりだしな。
銀髪の男―ランはスバルと共に教室を後にした。
廊下
スバルside
今、僕とランはガラードワースにある食堂にむかっている。といってもガラードワースで食堂と言う人はあまりいないだろう。なぜならガラードワースには日本人は少なく、同学年でもランぐらいしかいない。そのため、システムも欧州スタイルでカフェテリアのようなもので、日本人から見ると、最初は難しく思われるだろう。
―まぁ、僕は留学経験があるため造作もないけど。―
そんなことを考えながら、廊下を歩くと、周りの生徒がざわざわとしていた。
「これって、僕のことを言っているのかな。」
僕は半心確信しながらランにたずねてみた。
「当たり前だろ。おまえは一週間前の星武祭の優勝メンバーだからな。今じゃ人気者だぜ。」
「だよね。これがしばらく続くと思うとなぁ。というか星武祭の優勝者って言ったらランもその一人だよね。」
「ぐっ……何も言い返せねぇ。」
そう、この男―三条ランは昨年度の鳳凰星武祭優勝者である。ペアはもちろん僕とで、入学早々大金星を飾った。ランの序列は14位と≪銀翼騎士団(ライフローデス)≫には入ってないもののこいつの実力はそんなものではない。
なぜ、分かるかって。だってこいつは……………。
俺と同じダイバーシティ所属だからな。
こいつの本当の実力は向こうで飽きるほど知らされている。入学当時、ダイバーシティのトップの代替わりをしたばかりのレイナ・フィーマンに聞いたところラン以外にも他の学園にも目的や任務をもたせて入学させたらしい。
詳しい人数は聞かなかった。いや聞けなかった。
あいつダイバーシティ内での幼なじみなだけにおもしろがっるだろ。報・連・相を知らないのか、あの女は。
まぁ、そんなことは今となってはどうでもいい。
ランはアスタリスク内での僕の組織のメッセンジャー及び監視としてきている。星武祭で優勝している時点で目的を忘れているかもしれないがな。
そしてあいつの実力だが、剣術が秀でており、彼もダイバーシティからガラードワースへ表側貸していることとしている純星煌式武装を使っている。
《月光神剣ルナティック・ストライクヴルム》
白と紫を基調とした剣で、僕の純星煌式武装ジークヴルム・ノヴァの兄弟剣ならぬ兄弟煌式武装である。剣として基本的に扱え、鳳凰星武祭でも決勝戦である界龍の趙虎峰とセシリー・ウォンとのペアまで能力を使わずにやってきた。決勝戦で使った能力の正体は《高速飛行》であり、彼らを空中から苦しめた。
その《代償》として使用後、重度の乗り物酔いのような状態になり、薬も市販のものでは効かず、また《高速飛行》は高度なコントロールを必要とするため、ダイバーシティ側の解決策はひたすら使い込み、慣れるしかないという結論だった。
ランは幼い頃からこれを使い込み、まともに15分程度使えるようになったが、鳳凰星武祭の時でも優勝インタビューには出ず、トイレにこもっていたそうだ。風紀や体裁を気にするガラードワースがそんなところをメディアにさらすわけにはいかず、ガラードワース側が配慮してくれたそうだ。
まったく、僕の純星煌式武装も含め、この二つは《代償》を考慮すると、ガラードワースと相性が悪い。僕の《代償》もアーネストさん達といった一部の人にはバレているかもしれないが、口外することがあまりできない。なぜなら、《代償》がガラードワースの校風だけでなく、星武憲章(ステラ・カルタ)にも違反しかねない危険性を孕んでいるからだ。
レンはその反論に一瞬怯んだが、思い付いたように言った。
「いやいや、やっぱりおまえしかいないだろう。
なんだっておまえは………………………
二代目《万有天羅》以来のグランドスラム候補だからな。」
そう、僕は入学2年でグランドスラム候補になった男です。
本編始まりましたが、いかがでしょうか。
感想やコメントうけつけてます。
学業のため深夜投稿が続くかもしれません。