三日近く放置して申し訳ありません。実は模試が二回ありまして、来週には中間テストが控えているため学業の方に専念させていただきました。10月には終わらせると言っときながらなんか終わらない気がしてきました。まだ不定期更新は続きますが時間が空いたら書いていくので宜しくお願いします。
後、10000UA達成しました。読んでいただいた皆さんありがとうございます。
シルヴィアside
「まさか私達の準決勝が無くなって明日すぐに決勝戦を行うなんて信じられないよね。」
「だけど、シルヴィアさん。これは俺達には都合が良いですよ。バトルロワイヤル形式なら俺達は互いに潰し合いをせず、スバルに集中できますよ。」
私はラン君達と明日の決勝戦についての事とスバル君を倒す作戦を話し合っていた。
「あ、あの。明日は皆さん決勝戦なのに私のために来ていただいてなんか申し訳ないです。」
ノエルちゃんは私達に申し訳なさそうにする。実は今、私達は作戦会議を目が覚めたノエルちゃんをお見舞に行くのを兼ねてノエルちゃんの病室に来ていた。
「気にしないでよ。星武祭前日から今日までずっと目が覚めなかったからずっと心配してたんだよ。」
「そうだな。ノエルちゃんがまさかスバルと戦った事には俺もびっくりしたんだ。心配したんだぞ。」
「………ノエル、ストラップの件は仕方がないわ。ただ今は体を休めなさい。私達がスバルを倒したらまたストラップを作ってくれるように頼むから。」
私達はノエルに対して気にすることはないという事を伝えた。二週間近く寝ていたノエルちゃんを心配しない人なんてこの中にはいないだろう。
「そう言えば、入院していたアーネストさん達はもう大丈夫なの?」
私はラン君に訊ねてみた。
「ああ、レティシアさん曰くまだ安静にしてなきゃダメだけど、動ける位にはなったから今朝ソフィアさんが来て、退院の手続きをしたらしい。」
「そっか、良かった。」
今回の星武祭ではソフィアさんも出場していたが、アーネストさんの事もあったのであろうか、予選で敗退してしまった。昔はクインヴェールでも上位の実績があったのだが、今では過去の栄光であり、ここ最近の序列戦でもあまり良い結果を残していない。原因はあるトラウマと言われているけど、私としてはこれからどうするか同じ学園の生徒としてソフィアさんのことが心配である。
私達はその後、ずっと眠り続けていたノエルちゃんを交えて、ノエルちゃんが寝ていた間に何があったか等を色々と一時間程話していた。
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「………さてと、ここからは明日の決勝戦について話をしよう。実際少しだけだったかもしれないがスバルの全力を体験した人物が目覚めたことだしな。」
そう言ってラン君はノエルちゃんの方を見る。
「………ノエルちゃん、実際に全力のスバル君と戦って個人的にはどう思った?」
私はノエルちゃんに向いて訊ねる。
「…………凄く強かったです。全力を出す前はそこそこ余裕を見せていたような感じがあったんですけど、ダブルブレイヴをして全力を出した瞬間、星辰力が上がっただけでなく、お兄さんの戦い方も容赦がない感じに変わりました。」
ノエルは淡々と当時の状況を振り返る。
「…………確かにスバルならノエルにもこんな事はしないわ。ジークヴルム・ノヴァを使っていた頃だって代償によって人を傷つけなきゃいけなかった場合でもここまで怪我を負わせるような戦いはしなかったもの。」
オーフェリアさんがかつてのスバル君の戦い方を今と比べてそう言うとラン君は頷く。
「オーフェリアの言う通りだ。それにファムさんが言うにはあのまま使い続けると本来のスバルの自我が失われてしまうらしい。早くどうにかしないと…」
ラン君は深刻そうな表情で話をする。
「…………けど、私達にはノエルのおかげで勝率が上がったように思えるわよ。今日の準々決勝だって疲れているような感じが見られていたわよ。」
「それは私も思ったかな。」
オーフェリアさんが今日のスバル君の試合を見て感じたことに私も共感するように頷く。
「皆もそう感じたのか。実は俺もこれまでのスバルの戦いを見て疲労が見られる所がいくつかあってな。それにブレイヴ煌式武装には少し反応が遅い部分が見られた。恐らくまだノエルちゃんとの戦いの疲れが深刻でまだ取れていないかもしれないな。それにブレイヴ煌式武装はシェインさんにしか調整ができない。」
「つまりスバル君を倒す鍵はそこっていうこと?」
私はラン君に訊ねる。
「そういうことです。ノエルちゃんが星武祭前日に戦ったおかげで疲れを直す時間が足りなかったんだ。それに選手は出場中は治療院を使用した回復はできないし、シェインさんの所にも調整には来てないそうだ。」
「本当ノエルちゃんのおかげだよね。」
私がそう言うとノエルちゃんは照れた様子を見せる
「………けど、相手はスバルよ。いくらコンディションが悪くて私達三人が相手をしても確実に勝てるとは言えないわ。それにノエルに本気を見せたのは少しだけであってまだ何か隠している可能性だってあるのよ。」
私が勝ち目が見えてきて嬉しそうな様子をしていると、オーフェリアさんは私に注意を促す。
「…………大丈夫だよ。その辺はちゃんと理解してるよ。私にも優勝しなきゃいけない理由があるから。」
私がそう話すとオーフェリアさんとラン君は少し離れて小さな声で話をし始めた。
「……なぁ、これってあれだよな。優勝したら付き合うって感じの雰囲気だよな……」
「今更って感じはするわよね。ただこれはこれで私達も勝たなきゃいけない理由が増えたわね……」
「あの、二人ともどうしたの?」
私が二人に声をかける。
「いや、何でもないな。」
「……気にすることはないわ。」
私が声をかけると、二人は何事もなかったかのような雰囲気で私に返事をする。本当に何だろ?
「まぁ、とにかくだ。明日で全てが決まる。明日はただ全力を出すのみだ。治療院の面談時間もそろそろだし、今日はこのくらいで明日に備えよう。」
「………そうね。」
「そうしようか。」
ラン君の提案に私とオーフェリアさんは賛成する。
「じゃあ、ノエル。またな。」
「………お大事に。」
「おやすみなさい。ノエルちゃん。」
「皆さんも頑張ってください。」
ノエルちゃんに対してそれぞれが挨拶をしてノエルちゃんの病室を出る。
その後はそれぞれが各学園の寮に戻って、私も自分の部屋に帰って夕食を済ませてお風呂に入っていつもより早めに私も就寝した。
運命の日はすぐそこまで迫っていた。