学戦都市アスタリスク~調律の魔術師~   作:リコルト

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今回の話ですが、バトスピブレイヴのアニメを見ないと分からないネタが少々含まれています。
分からない人やアニメを見てない人には申し訳ございません。




僅かな勝機

 

シルヴィアside

 

 

 

「さぁ、ここからだ。」

 

 

火の海となったステージでスバル君は告げる。

 

 

「これがスバル君の本気…………」

 

 

「……これは私でもバケモノだと思うわ。」

 

 

私とオーフェリアさんはスバル君の本気の強さを見て愕然としている。

 

 

「……だけど、スバルに本気を出された所で怖じ気づくわけにはいかないな。気を引き締めていくぞ。シルヴィアさんはまだここぞという時まで純星煌式武装を起動はしないでください。」

 

 

「うん、分かった。」

 

 

私達は再び煌式武装を構える。

 

 

 

「………ハアッッ!!」

 

 

オーフェリアさんは先陣をきって、ダークヴルム・ノヴァの白い翼を背中に具現化させて、空中から黒い光弾を翼から放つ。

 

 

「私も!!」

 

 

私もオーフェリアさんに続くように煌式武装を銃の形にして光弾を連発する。

 

 

「数で攻めろぉぉぉぉ!!」

 

 

ラン君も拳に力を込めて拳から白い衝撃波を絶え間なくスバル君に向けて撃ち込む。

 

 

空と地上からスバル君に向けて無数の攻撃が放たれる。逃げ場はないはず………

 

 

 

 

 

「サジッタフレイム!!」

 

 

スバル君がそう叫ぶと、スバル君は私達の攻撃を意図も簡単に全てを撃ち落としていく。

 

 

「何だとっ!?」

 

 

ラン君は驚きの表情を見せている。

 

 

 

「おいおい、そんな暇はないぞ。」

 

 

スバル君はそんな一瞬を突いて、素早いスピードでラン君に接近して彼を弓剣で斬り飛ばす。

 

 

「ガハッ!?」

 

 

ラン君は観客席の防護障壁にぶつかる。

 

 

「まだだ。」

 

 

だが、スバル君の攻撃は追い打ちのように観客なんかを気にせず、矢を撃ち込む。

 

 

 

バキッバキッ!!

 

 

 

すると、防護障壁のヒビが大きくなり、今にも割れるような音が会場に響く。

 

 

『か、観客の皆さん。まだ防護障壁は完全には割れてはいませんが、一応近くの会場ではカメラ中継をしていますので、避難をしてそちらでこの試合を見て頂くことは一応可能ですので、自主的に判断して頂ければ………」

 

 

『いや、これ私達もヤバイっすよね。』

 

 

実況のミーコさん達が防護障壁の亀裂を見て、会場に避難の注意を呼び掛けをした。

 

 

 

 

『お、俺は避難するぞ。』

 

 

 

『私も避難するわ。早く道を開けなさい!』

 

 

 

『おい!押すんじゃねーよ!』

 

 

 

 

すると、観客の人達は自分の身の危険を案じて、我先にと会場から出ようとする。会場の出口では観客達によってパニックが起きていた。

 

 

 

「観客達が全員出ていきそうだな。これなら俺も全力で戦うことが出来るな。」

 

 

スバル君は矢を射るのを止めながらそう言う。ラン君はというとステージの壁にもたれかかるように倒れていた。意識があるのかすら私には分からない。

 

 

「はあっ!!」

 

 

私は瀕死のラン君に近づくスバル君を止めるためにフォールクヴァングから光弾を放つ。

 

 

 

「………シャイン・ブレイザー。」

 

 

 

スバル君がそう言うと、復活したシャイン・ブレイザーの六枚羽が光弾を弾き飛ばす。

 

 

そして、そのままシャイン・ブレイザーは私の方に向かって飛んでくる。

 

 

「くうっ!!」

 

 

シャイン・ブレイザーの六枚羽は私を切り刻もうと展開するが、私は咄嗟にフォールクヴァングを犠牲にして手を離し、その場を離れた。見ると、私の愛用していたフォールクヴァングは使えない位に切り刻まれていた。

 

 

「……そこまでする必要はないじゃないかしら。」

 

 

すると、オーフェリアさんは憤りを見せるように空から滑空しながら斬りつけようとする。

 

 

「邪魔だ。サザンクロスフレイム。」

 

 

だが、スバル君はオーフェリアさんに向かって大きな十字型の炎を放つ。

 

 

「くはっ!!」

 

 

「オーフェリアさん!!」

 

 

オーフェリアさんにそれが直撃し、空から私の方に向かって落ちてくる。

 

 

 

どうしよう。このままではスバル君には………

 

 

 

私は周りの状況を見てそんな気持ちになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ、終わりにしてやるよ。」

 

 

 

スバル君は六枚羽を背中に戻し、空に飛ぶ。そして彼は弓剣に星辰力を込めると、ステージを覆い尽くす程の火球を空に作り出す。

 

 

 

太陽は堕つ(フォーリング・サン)。」

 

 

 

そう言って、スバル君は私達の方に向かってその特大の火球を落としてくる。

 

 

「…シルヴィまだ行ける?」

 

 

オーフェリアさんは私に訊ねる。

 

 

「うん。まだまだ行けるよ。」

 

 

私はオーフェリアさんに返事をする。

 

 

「……なら私達の星辰力をもってあの火球をどうにかするわよ。」

 

 

オーフェリアさんはゆっくりと立ち上がる。

 

 

周りを見ると、まだ避難ができていない観客がいた。私達は彼らを守るためにこれをなんとかする。

 

 

 

塵と化せ(グル・ヌ・ギア)!!」

 

 

 

反射の音律(エコー・メロディー)!!」

 

 

 

私達は全ての星辰力を込めて能力を使う。

 

 

 

 

 

「「ハアァァァァァァァァァァァァァ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

…………………

 

 

 

 

…………………………………

 

 

 

 

…………………………………………………

 

 

 

(……ん、私はたしか…………)

 

 

私はたしかオーフェリアさんとあの火球を止めようとしたはず………。そうだ……火球は?

 

 

 

私は静かに目を開く。

 

 

 

だがそこに映っていたのは……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焦土と化したステージと観客席だった。

 

 

「そ、そんな………」

 

 

私はそんな絶望感に陥ってしまう。

 

 

「……!!オーフェリアさん。」

 

 

私は近くのオーフェリアさんに声をかける。

 

 

「……ええ、大丈夫よ。」

 

 

オーフェリアさんは静かに返事をする。そういえば私やオーフェリアさん、あの攻撃を食らってはなかなか傷が少ないような…………

 

 

だがその理由は目の前にあった。

 

 

 

 

 

「…………ラン君。」

 

 

 

「……………大丈夫か。」

 

 

私達に傷が少なかったのはラン君が身を犠牲にして私達を守ってくれたからだ。ラン君は所々焼け焦げており、頭からは血が流れている。

 

 

 

「…………シルヴィアさん達を死なせたりなんかさせたらスバルが悲しむからな。…………あと、シルヴィアさん達が頑張ったおかげで観客も実況者も無事です。後は頼みまし………」

 

 

 

 

そう言ってラン君は倒れる。

 

 

 

 

『三条ラン校章破壊(バッジブロークン)意識消失(アイコン・シャスネス)

 

 

 

ステージの判定機が宣言をする。

 

 

 

「まずは一人だな。」

 

 

 

スバル君がそう言ってこちらに近づく。

 

 

 

「……………っく!!」

 

 

 

オーフェリアさんがスバル君にダークヴルム・ノヴァを構えて立ち向かおうとする。

 

 

「………仕方がない。」

 

 

だが、星辰力が残されていないオーフェリアさんを私の横を掠めてステージの壁に叩きつける。その際私の横にはオーフェリアさんのダークヴルム・ノヴァが落ちた。

 

 

「かはっ!!」

 

 

 

 

『オーフェリア・ランドルーフェン校章破壊(バッジブロークン)

 

 

 

再び誰もいなくなった会場の中、静かに判定機が宣言をする。オーフェリアはまだ意識はあるが、立ち上がることは厳しいだろう。

 

 

 

「さて、最後だなシルヴィア。」

 

 

 

スバル君のいう通り私で最後である。

 

 

 

けど、どうすればいいの。私はスバル君を止めたいけど、ラン君達は倒され、私には止める力がない。

 

 

 

私はスバル君が近づく中、目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『諦めていいの?』

 

 

 

(っ!?)

 

 

 

私は聞き慣れない声がしたため目を開く。すると、そこには見慣れない場所で紫色の髪をした私と年齢は同じくらいの少女が立っていた。

 

 

(あなたは……?)

 

 

『私?私は紫乃宮まゐ。まぁ……貴女達が持つオーガルクス?っていうのかな。とにかく簡単に言うと、貴女が持つそれと白髪の彼女が持っていたそれの前の使用者という所かな。言っても意識しかないけどね。』

 

 

まゐさんはそう言って私の左手に握られたダークヴルム・ノヴァと右手に握られた私がダイバーシティから支給されたスバル君の純星煌式武装、ジークヴルム・ノヴァを指差す。

 

 

『ねぇ、貴女は彼を助けたいんだよね?』

 

 

まゐさんは私に訊ねる。

 

 

(はい、私はスバル君を助けたいんです。けど、彼は強すぎて私ではもうどうにも……………)

 

 

『だからって諦めていいの。ふざけないで!』

 

 

まゐさんは私に説教をするように言った。

 

 

『私はね、かつて好きな人が消えてしまう未来を知ったからね、そうならないように彼に私の全力をかけて戦ったわ。でも彼は強すぎた。私が敵わない位に。だから私は負けてしまった。そして彼はその未来通りにどこかに消えてしまったの…………。』

 

 

まゐさんは辛そうに自分の経験を話す。

 

 

『貴女の今置かれている状況は私と同じよ。だから私はもう誰かを私のような永久に後悔してしまうような人生を送らせないようにしたいの。』

 

 

(………ごめんなさい。私が間違っていました。なんで私、あんな弱気になっていたんだろう。)

 

 

私はまゐさんに言われて反省をする。

 

 

『分かってくれたならうれしいわ。絶対に貴女の彼氏さんを失って後悔しないようにね。』

 

 

(はい。)

 

 

彼氏さんと呼ばれ恥ずかしかったが、私はまゐさんに向けてしっかりと返事をする。  

 

 

『なら、まずジークヴルム・ノヴァを起動して回復しなさい。そしてその二つのオーガルクスを使いなさい。大丈夫よ、今の貴女なら代償は気にしなくていいわ。私がオーガルクスの意思だからそんなのどうにかなるわ。そして、最後にジークヴルム・ノヴァを使った貴女の彼氏さんですら使えなかった切り札を教えるわ。』

 

 

まゐさんは私に勝つための方法を教えてくれた。

 

 

(………ところで、まゐさんの好きな人はどこかに消えてからどうなったんですか?)

 

 

失礼かもしれないが、まゐさんに訊ねる。

 

 

『………そのまま帰って来なかったわ。でもね、()()()とはこの世界でまた会えたの………。』

 

 

まゐさんは静かに答える。

 

 

『………さぁ、目を覚ましなさい。私もそろそろこれを維持するのが限界なの。』

 

 

まゐさんに急かされるように私は動く。

 

 

『大丈夫。貴女ならきっと…………』

 

 

私は最後に微かにそんな声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?何だそれは!?」

 

 

近づくスバル君は驚いた表情をする。

 

 

私の傷はジークヴルム・ノヴァで完全に癒した。それに私の星辰力もとてもみなぎってくる。

 

 

私は両手で握る赤と黒の剣をスバル君に向ける。

 

 

 

 

「スバル君、絶対に止めるから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

スバルside

 

 

くそっ。このままだと僕の人格もあいつに乗っ取られしまう。《調和》が使えれば…………

 

 

僕はそう思いながら、今回の元凶である赤いガラスで出来た僕自身の姿をした怪物を見る。

 

 

今、現在僕はなんとか人格が消されないように結界みたいなものを張っているが時間の問題である。今、僕の行動の主導権もあいつが握っている。

 

 

『おい、もう諦めようぜ。』

 

 

怪物は結界を少しずつ侵食しながら僕に向かってそう言ってくる。

 

 

「絶対に嫌だね。」

 

 

僕は怪物に対してそう言うが、本当はそんなことを言っていられないほど虚勢を張っている。

 

 

『そうかい、じゃあ楽にしてやるよ。』

 

 

(ヤバイ。)

 

 

俺がそう思った瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュッ!!

 

 

 

『ぐあっ!?』

 

 

何者かが僕の後ろから怪物に攻撃をしたのだ。

 

 

後ろを見ると、そこには赤い髪をした青年がサジット・アポロニクスを持って立っていた。

 

 

(あの人はたしか………)

 

 

『さぁ、もう少しだ。』

 

 

青年は僕に近づくと、肩を静かに叩く。

 

 

「あの、貴方は………」

 

 

『俺か?俺の名前は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬神弾だ。』

 

 

 

 




三日ぶりですね。今回はバトスピ路線が強かったのですがいかがでしたか。次回遂に決着予定です。
感想やコメントも毎日受け付けています。それではまた次回会いましょう。
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