遂に終わりです。所々内容がグダグタかもしれませんが、見て頂けると嬉しいです。
「いやー、無事に表彰式も終わったなスバル。」
「……そうだね、ラン。」
「………ラン君。」
「…………ラン。」
ランが表彰式が終わり、僕達に明るい様子を振る舞っているが、それを見る僕やシルヴィやオーフェリアはとても辛そうで仕方がなかった。
あの後、表彰式はシリウスドームの最寄りのそこそこ大きいドームですぐに行われた。ただ、シリウスドームが使えないため観客が全て入りきらず、カメラ中継を中心に行われていた。
表彰式前に治癒能力者達が僕達の怪我を治してくれたが、僕の足は度重なるダメージによりすぐには治すことができず、僕は車イスで参加することになった。現に今も、会場から出ようとする廊下でシルヴィに車イスをひいてもらっている。
「皆さん。お待ちしてましたわ。」
僕達が会場を出ようとする入り口の前では、レティシアさんやノエルちゃんやアーネストさん等のガラードワースの面々やユリスやクローディアやリーネ等の他校から来ている人やダイバーシティの人達が待っていた。
「わざわざすいません、レティシアさん。」
ランはレティシアさんに軽く頭を下げる。ただ、レティシアさんやアーネストさん達はランの様子を見て、僕らと同じような辛い表情をする。
「……ランさん、辛くないんですか?」
皆の気持ちを代弁するようにノエルちゃんがランに対して訊ねる。
「ノエルちゃん、そんな顔しないでよ。表彰式の前にお別れの挨拶をしたじゃないか。皆もだ、俺はこれで最後だと一人一人話をしただろ。」
ランは皆を見てそう言う。
「……そうでしたわね。」
「……ラン君には余程の覚悟があるんだ。もうこれ以上は話をしないようにしよう。」
レティシアさんとアーネストさんはランの話を聞いてこれ以上のランの干渉はしなかった。
そこからはそれぞれが話題は違えど、しばらく互いに立ち話をした。
「さぁ、皆さん。これからダイバーシティが主催の祝勝会をするのですが、学園は違えど皆さん参加しますよね?」
シェインさんが訊ねると、皆はそれに賛同する。
「………スバル、少し話をしないか。」
ランはそんな中、僕に訊ねる。
「新人さんは後から来ても構いませんよ。」
「流石に祝勝会にオーフェリアさんだけだとかわいそうだから私はそっちに参加するから、リーネに車イスを引いてもらったら?ダイバーシティの同期同士ゆっくり話をしてもいいから。」
シェインさんとシルヴィは僕に気遣う。
「………ありがとう。」
僕はリーネに車イスを押してもらって、シルヴィ達とは逆方向の場所に向かった。
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「この三人で話すのは久しぶりだな。」
「そうだね、幼い頃からこの三人でダイバーシティで色々なことをやって来たよね。」
「あの頃が懐かしいわ。」
僕達は三人でダイバーシティで過ごしてきた事を振り返りながら互いに話す。
今、僕達は人目につかないガラードワース側の港の浜辺にやって来ていた。車イスで来るにはなかなか遠いが、ここまで歩きながらゆっくり話をする時間が欲しいランの要望でガラードワースの校舎など思い出がある場所を通りながらここに辿り着いた。
「ねぇ、さっきあのエレナっていう女の子から事の全貌を聞いたんだけど、どうしてランは僕のために命を張る必要があったんだ?」
僕はランに訊ねる。
「あいつから話を聞いたなら話が早いが、これからダイバーシティ………いや、アスタリスクも含めて脅かす敵はお前ぐらいしか倒せないんだ。だからお前だけは決して死なせたり、利用されたりするわけにはいかなかったんだ。」
「その今回、僕を利用としたのは《金枝篇同盟》と《クトゥルフ》という組織だったんだよね。どうしてランはそいつらがヤバイと分かったんだ?」
「ヤバイのは《クトゥルフ》の方さ。それで何故知ってるかというと、死ぬ前だから言うが、俺は三条家とダイバーシティに拾われる前は《クトゥルフ》に所属していたからだ。」
「何だって!?」
僕とリーネはランの衝撃の一言に驚く。
「……まぁ、俺は《クトゥルフ》に反抗した事で裏切り者にされたわけだ。ただ、あの時の《クトゥルフ》に襲われたことは今でも忘れないよ。」
ランは静かに腕を押さえる。
「それにさ、俺は別にもう1つスバルを守る他に死ぬ理由があったんだ。それは《クトゥルフ》に泡を吹かせることだ。そのために俺は今から、この《十二宮シリーズ》最後の1つであるこの《ストライクヴルム・レオ》を破壊する。スバルの《サジット・アポロニクス》は奴等に取られたから何としてもこれは何とかしたい……ゲホッ!」
ランは口から血を吐く。その様子からランの死期が近づいているのが分かる。
僕はランを延命させようとするが…………
「スバル、もう良いんだ。最後は好きなところで死なせてくれよ、なぁ親友。」
僕の肩をランはしっかりと叩く。
「……俺の代わりをエレナがやってくれるはずだ。詳しい事はあいつに従ってくれ。きっとスバルのこれからの成長を手助けしてくれる。……後はルナテック・ジークヴルムの管理はお前にまかせるよ。」
「………分かった。」
次にランはリーネの方向を向く。
「……リーネ、志葉さんの時は厳しい事を言って悪かったな。……それと俺のお願いを聞いてくれると嬉しいが、俺が星武祭で貰った土地の管理は任せたよ。死人が持っても意味がないし、リーネなら有効に使えるよ。」
「………………うん。」
リーネは涙を溜めながら答える。
「………二人共、ありがとな。さぁ、俺はもうすぐ星辰力が高まり大爆発を起こしてしまう。お前達を巻き込んだら俺の面子が立たないだろ。」
そう言いながら、ランは僕達を巻き込まないように僕達を帰らせようとする。
「……ねぇ、ラン。」
リーネがランに声をかける。
「実はこの三人で、唯一学校を作るという具体的な夢を持っていたのはランだけだったよね。だから、ランはこれからも私達と長生きをして自分の夢を叶えて、この三人で楽しく生きていくと思ってた。」
「でもさ…こんなのあんまりだよ。私は昔からランの夢を叶えようとする信念が好きだったのに……。」
リーネは遂に目から涙を流す。
「………ハハッ。こんな場面で俺に告白かよ………くそっ。未練が残るじゃないか。」
ランは両手で顔を押さえる。
「リーネ………最高の別れの言葉だ。」
「……うん。ランは最後の自分の使命を最後まで果たしなさい。私、ランの事は忘れないから。」
そう言ってリーネはランに対して背を向けて僕の車イスをゆっくりと押していく。
ランはストライクヴルム・レオを起動させる。彼はそのままアスタリスクで爆発を起こさないように空中に飛び立つ準備をしている。
「スバル、リーネ。後は頼んだぞ!!」
ランの僕達を呼ぶ声に僕とリーネが振り向くと、後ろでは凄まじいスピードで空に飛び立つランが居た。
僕達はそれを静かに見届ける。
「…………じゃあな、ラン。」
星武祭が終了したその夜、アスタリスクの空中で謎の発光現象があったと報じられる。
メディアの人達はこれを花火だろうと言うが、一部の人達はこれを別のものとして捉えていた。
あるものはそれを見て何かを察して泣く者やそれを静かに見届ける者など一部の人達にはその発光現象に思い当たる節があったそうだ。
こうして王竜星武祭は幕を下ろした。
たった一人の親友のために、命を散らした信念を最後まで持つ一人の少年を犠牲にして。
少々強引でしたが、これでこの章は終わりです。いや~ここまで45話近く書いてまだ原作に入れないのはどうかと思いますが、前回通り次は後日談と原作に繋がる話を書きます。ランは最後までがんばりました。
それではまた次回会いましょう。