本当今更ですがデトアラ三期おめでとうございます。1月放送とかマジで受験生を殺しに来てるわ(誉め言葉)。
「はぁ……今更欠席って出来ないのかな?」
「駄目だよスバル君。こういうのは当事者本人が出なかったら記者の人達に何か疑われちゃうよ。」
「お兄さん、しっかりしてください。」
僕の両側をそれぞれ歩いているシルヴィとノエルにそう言われながら僕は重々しく歩き出す。
今日は前から言われていた記者会見の日である。実は先日ペトラさんから記者会見の打ち合わせがしたいという連絡を頂いたため記者会見が始まる時間の2時間前にクインヴェールで集合することになっていた。
あとちなみについ先日、車イスを卒業しました。医者からもほぼ普通の人のように歩けるようになった事から残りは車イスを使わず体の調子を取り戻した方が良いと言われた。
車イスの時と比べて補助無しでは歩けるようにはなったけど、やはり本調子に戻すにはまだ時間が必要だね。走るのもまだ辛いと感じる時があるしね。
そうこうしてる内に僕達はクインヴェールの正門前に到着する。
「ちょっと待っててね。正門の受付の人からスバル君達の入園許可証を発行してくるから。」
そう言ってシルヴィは正門の受付の所に向かって僕とノエルの入園許可証を取りに行った。
「あ、あの私も記者会見をするんですよね?」
ノエルが僕に訊ねる。
「そうだね。ペトラさんに事情を話したら一緒にやってくれるそうだし、実際ペトラさんも多重婚の話題はシルヴィにも関わるからなるべく早くやった方が良いと言っていたしね。」
今回の記者会見はシルヴィの恋愛の話題だけでなく、僕の多重婚についての話題についての記者会見である。ガラードワースを通してノエルとも多重の付き合いをする事を各メディアに報告したのだが、すぐにその話題に食いついてここ最近はそっちの方のニュースが一日中流れていた。
まぁ、そこまで批判的な事は言われてなかったし、有ったのはノエルとはどのような人物かと紹介されている感じだった。確かにノエルはまだ序列入りはしても星武祭にはまだ出たことがないため普通の人にはあまり知られてはいないだろう。
「別に緊張しなくても良いよ。困ったら僕やシルヴィがフォローするから。」
「わ、分かりましたお兄さん。」
ノエルがそう言って僕の服の袖を掴む。いや、今まで意識してなかったけどやっぱ可愛いな。
「終わったよスバル君。」
ノエルと色々話をしていると、シルヴィが入園許可証を持って帰ってきた。
僕とノエルはシルヴィから入園許可証を受け取り、クインヴェールの校内に入る。
学園長室まで行く途中、ペトラさんの要望でなるべくクインヴェールの学生に見つかんないように向かった。どうやらくクインヴェールに僕のファンが多くいて見つかると騒ぎになるからだそうだ。
…………………………
…………………………………………………
……………………………………………………………
「失礼します。」
僕は学園長室に着くと、シルヴィを先頭にして学園長室に入室した。
「待ってましたよ。」
そこにはイスに座りながら待っていたペトラさんとその傍らにはリーネとクインヴェール序列2位のネイトネフェルさんが立っていた。
「お待たせしてすいません。」
僕はペトラさん達に頭を下げる。
「別に大丈夫よ霧咲君。まだ時間はあるから。」
リーネが頭を下げる僕に言う。
「そうか。そう言えばここ暫くリーネとは連絡が取れなかったけどやっぱり……………」
僕はリーネの気持ちを察する。実はリーネは王竜星武祭が終わった翌日から連絡が取れなくなっていた。シルヴィに連絡すると、自分の部屋に籠っていたらしく、きっとランの事についてまだ心が整理する事が出来なかったのだろう。僕はずっとリーネの事を心配していた。
「もう大丈夫よ。もう心の整理はしたわ。引きこもっていた間ランが残した星武祭の景品でもらった学校の土地の手続きをしていたの。彼処は今ダイバーシティと志葉家が所有する土地になっているわ。」
リーネが引きこもっていた間の話を僕にする。どうやら元気そうで良かった。
久しぶりに彼女を見たのだが、最後に見た時と変わっていた所は彼女の腰の部分にランの使っていたルナテック・ジークヴルムが着いている所だろうか。
「あれ?ネイトネフェルじゃん。もしかしてネイトネフェルも打ち合わせに参加するの?」
リーネと話を終えた僕の隣ではシルヴィがネイトネフェルさんに声をかけていた。
「メディア嫌いのわらわがなぜ参加をせねばならぬ。偶然わらわが次のライブに行くために学園長殿に挨拶をしに来た所をお主らと会っただけだ。」
ネイトネフェルさんがシルヴィの呼び掛けにそっぽを向きながら言う。現に彼女の側には旅行用のキャリーバックがあった。
すると僕がシルヴィ達のやり取りを見ていると、ネイトネフェルさんが僕に近づいて来る。
「つい先日の星武祭のお主とはまるで雰囲気が違うの。あの時はわらわもお主に対して近寄りがたい感じはあったのじゃが、今のお主なら大丈夫だ。」
ネイトネフェルさんが僕を見ながら言った。
「お主がまた次回の王竜星武祭に出るような事があれば、戦ってみたいものだな。」
ネイトネフェルさんが僕にそう言葉を残すと、キャリーバックを取りに向こうへ行ってしまった。
「それじゃ部外者のわらわは失礼するぞ。また何処かで会えることを楽しみにしてるぞ。」
そう言ってネイトネフェルさんはペトラさんと僕達に挨拶をして部屋を出ていった。
「さて、それじゃ本題に入りましょうか。」
ペトラさんがそう言って僕達を応接用のソファに座らせる。ペトラさんが言うには本来、シルヴィの件だけで済む事がノエルの件も加わった事で予め組んでいた計画が少々狂ったらしい。
僕達はそのままペトラさんの話を聞きながらそれぞれが記者会見の予行を行った。ちなみにリーネが司会進行を行うためそこまで心配する必要はなさそうだ。
記者会見まで後少しだ。