遊戯王のユウヤになりました   作:サルガシラン

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デュエル描写?知らん。そんなことは俺の管轄外だ。

……という風に遊戯王ネタやセリフを思いつく限りぶち込んだ闇鍋のような状態です。
非常に好みが別れるものとなっております。

そういうのが嫌いな方は不快な思いをされると思いますのですぐお戻りください。
そういうのもカモンと仰る方は拙い文章ですがお楽しみください。





遊戯王のユウヤになりました

 

 

目の前にあるのは現状を指し示す証拠の品々。

 

 

落書きされたD・パッド。

尻部分に切れ目をいれられた授業用の海パン。

無くなった弁当の代わりに置かれていたおにぎりの、具材が石。

 

 

俺はどうやらいじめをうけているようである。

たすけて。

 

 

 

■■■■■

 

 

 

吾輩は転生者である。

名前は「ユウヤ」と名付けられた。

 

 

……などと格好つけたはいいが、何がどうなっているのかぶっちゃけわからない。

なかなか難しかった詰め決闘を、偶然一発で解いたのが最期の記憶だ。

まさか禁止カード使わせといてバブルマンネオを使うルートが正解とは……。

気が付けば物心ついたばかりの子どもになっていた。

 

焦りに焦った末に泣きわめいたのは幼児の体のせいだと言い張りたい。

今生最初の記憶は、突然に嗚咽こみの号泣を始めた息子を、笑いながら甲斐甲斐しくなだめる両親の姿に、悪辣な親のもとに生まれたわけではないと本能的に安心して泣き止んだことだ。

 

親にあやされる程度の成熟した精神と転生系二次創作文化の知識があった俺は、三歳になるかならないか位の体を駆使しつつ世界の情報を集め始めた。

 

結果、遊戯王の世界であると断定した。

しかも、「ZEXAL」時空である。

 

ぼんやりとテレビを見ているだけでも、やたらと遊戯王カード関連のCMが流れ、遊戯王という言葉が使われず「デュエルモンスターズ」という表現で一貫しているのが決め手だ。

新型デュエル盤が発売だの、プロ決闘者がどうだのという話がスポーツニュースでも報じられる様には呆気にとられて真顔になった。

 

住んでいる土地の名前もまさかのハートランドシティだ。

主人公たちの活躍の舞台その場所に、喜ぶべきなのか焦るべきなのか判断に困ってしかたがない。

 

そこまで調べられた情報だけではARC‐Vにおけるエクシーズ次元の可能性もあった。

己の名前の不穏さもあって生まれ故郷が融合次元によって戦場に変わるかもと絶望しかけた矢先、その絶望感から救いだしたのは、奇しくも融合カードが普通に存在していたことだった。

そして絶望野郎を希望野郎に変えた、古代の機械究極巨人を使う決闘者のファンになった。

ノーネとか言わないのかーと残念だったのは内緒だ。

 

希望野郎に変わった俺は非常に浮かれていた。

 

なにせZEXALであれば、カードの力で洗脳されたり暴動が起こったり三つの世界が決闘によって消滅しかけたとしても、最終的にはヌメロンコードで何とかなるからだ。

デュエルモンスターズの世界に漂流教室したりゼロリバースに巻き込まれたり戦地の被災民になることに比べれば、ナンバーズにも主人公たちにも関わらなければ安全なんて、なんと気楽になれることか。

 

加えて、ここは遊戯王の強さがアドバンテージになる世界。

OCG次元から来た自分ならば、人生イージーモードで無双のウハウハだと調子に乗り出した。

プロ決闘者になって巨乳美女侍らせてファンサービスだ!とか考えていた。

 

が、その哀れなほど薄っぺらなロマンティシズムもすぐさま打ち砕かれることになった。

 

まず、汎用カードが軒並み高額である。

決闘者以外も普通に住めるZEXAL世界においても、元の世界と比べるだけ馬鹿らしくなるほどの決闘者人口を誇るのだ。

需要に供給がまったく釣り合っていないのか、サイクロンやリビングデッドの呼び声などの使いやすいカードほど子どもに手が出せない金額がざらである。

なんだ和睦の使者がウン十万て。

 

子どもが汎用カードを手に入れるには膨大な種類のパックから自力で引く以外ないのだ。

俺では自力でエクシーズや融合などのカードも当てられないし拾えない。

なぜかレオグンとかはやたらと当たるというのに……。

 

次に、ナンバーズやシンクロはもちろんのこと、結構な種類のカードが存在しないようなのだ。

ペンデュラムやらリンクやらがないのは仕方ないが、アニメシリーズで中核を担ったカードもチューナーまでもが調べた限りで確認ができない。

実は知る人ぞ知るレアカードあつかいで、情報がネットに出回ってないだけかもしれないが……。

 

最後に、OCG次元になかったカードが山ほどあるうえ、それを把握できない。

一枚のカードから生まれた宇宙であるこの世界で、デュエルモンスターズを制作する会社は一社だけではない。

長く続くゲームゆえに、もはや誰も全種類のカードを把握できていないのだ。

まぁ、だから新たに生み出したカードだのバリアン世界のカードだのが普通に使えるのだろう。

 

以上によって、OCGでのデッキ構築知識も定石もほぼ役に立たないわ、カードを集めるのもまともなデッキ一つ作るのも一苦労だわで、鉄の意思も鋼の強さもない俺ではどう頑張ってもちょっと強い決闘者で終わってしまう。

カテゴリでまとめたデッキを持ってる奴なんて、追いつめても見覚えのないカードを引いて逆転するという運命力で殴りにくるので、プロになって無双とか不可能である。

ドイツもコイツもインチキドローもいい加減にしろ……!

 

プロ決闘者の道を六歳になるころには諦めた。

使えるものが寄せ集めデッキだけの状態で、近所の【マドルチェ】使いの女の子が毎回デスティニードローしてくるのが普通の環境のなか、三年も粘ったことを褒めて欲しい。

 

もう決闘は趣味にとどめてリアリストとして生きようと決めたら、さらなる問題が発生した。

 

まさかの勉強である。

 

OCG次元とZEXAL次元。

世界の変化による歴史や地理や文化の微妙な違いが山のようにある。

大人な頭を駆使してちゃんと勉強はするものの、以前の知識と混ざり「どっちがどっちだっけ?」と間違えることが頻発しているのだ。

ただでさえ小学校の授業を受けている事実にメンタルを削られる日々なのに、そのレベルの問題を間違えているとワンショットキル以上のダメージを受けて想像以上にへこむ。

なのに周囲からみれば、結構賢い子どもに見えているのが余計に心を抉りにくる。

これほど前世の知識を邪魔臭く感じるとは思ってもみなかった……!

 

せめて人間関係はまともに構築しようと奮闘したが、それもどうやら上手くいっていないらしい。

先に述べた悪戯されてる俺の持ち物たちがそれを物語っている。

 

どこで人生のプレイングミスをしたのだろうか。

最近までは、クラスのガキ大将が好きな女の子にちょっかい出したら泣いちゃったから、泣いた女の子を守ろうとした勝気な女子とガキ大将が喧嘩しだしたのを円満に仲裁できるくらい上手くやれていたと思っていたのに……。

勝気女子に「せっかく可愛いんだから、飛び蹴りなんて危ない真似はよくない」とか言ったのがデリバリー、もといデリカシーが無かったのだろうか。

 

 

もうだめだ……。

何をやっても上手く行く気がしない。

日に日に心が底知れぬ絶望の淵に沈んでいくのがわかる。

未来に希望などないのです、あるのは絶望だけ…………。

 

 

 

 

■■■■■

 

 

 

「ユウヤ君、彼が別のクラスの九十九遊馬君だよ。仲良くするといい」

 

目に見えて暗くなっていく姿を見かねた担任は、俺が憔悴していく原因は理解していないものの少しでも俺を明るく変えたいらしく、良かれと思ってか他のクラスで元気が有り余っている九十九遊馬を紹介してきた。

そんな理由で原作主人公と接触した転生者など、どんな世界探しても俺ぐらいではないだろうか。

 

九十九遊馬。

アニメ遊戯王シリーズ四作目の主人公にしてチャレンジ精神、かっとビングの伝承者。

彼を説明するには、デュエル中に食事するデュエル飯や俺とお前でオーバーレイや決闘中にカードを創造するシャイニングドローなどの、歴戦の決闘者でも困惑する話が必要になるが今は関係ない。

 

話すべきなのは、視聴者から菩薩メンタルとまで称される強さと優しさを合わせ持つ折れないハートだろう。

何度も闇に落ちるライバルをその都度改心させ、親の仇のような人間だろうと窮地におちいれば手を差し伸べ、自分を騙し悪行を繰り返し続けた敵にはその男の善性を信じ続けついには相手が根負けして改心するという、まさに神がかった包容力で数多くの人間を救うのだ。

 

しかしそれは未来の話。

多くの苦難を乗り越え成長したからこそ強靭な精神を手にしたのであって、今の彼はかっとビングなる造語を使いこなす奇抜な髪形をした普通の小学生でしかないはず。

言い方は悪いが、ただの子どもになにができるというのだ。

かっとビングなんかでこの俺に満足は訪れない……。

 

 

「俺は九十九遊馬!よろしくな。お前も決闘するんだって?さっそく俺とやろうぜー!」

 

あぁ、よろしく九十九君。

…………決闘が好きなのは伝わってくるんだが、【サイクロン】で発動した罠を止めようとする初心者さん特有のマジックコンボはなんとかならない?

 

 

「エクシーズ・トレジャーもってないなら交換しようぜ!お前の天よりの宝札ってのと。どうせなら色んなカード使って決闘したいもんな」

 

遊馬…………そんな鮫のようなトレードを許してくれるのか。

OCG版天よりの宝札と、モンスターエクシーズの数だけドローできる強力カードを!

まだモンスターエクシーズ持ってないからいい?

ならばお礼に俺の三十六枚あるレオグンをすべて……いらない?あ、はい。

 

 

「昼飯なくなっちまったのか?なら俺のデュエル飯分けてやるよ!小鳥たちと一緒に食おーぜ!」

 

おおぉ……優しさが空いた胃の腑に染み渡る……!

お邪魔してすみません小鳥さん。

でも遊馬さん。もらっておいてなんだが嫌いなトマトを押しつけるのはどうかと思うよ。

 

 

「間違えるのなんておかしいことじゃないだろ。俺なんてテストで酷ぇー点数とるし、うちの姉ちゃんとか婆ちゃんだって時々失敗とかするし。大人だって間違えるのになんでも完璧になんて誰にもできねーって」

 

…………遊馬殿。

 

 

 

数週間後。

 

『かっとビングだ!俺ぇ!!』

「ちょっと危ないでしょ遊馬!!ユウヤくんまで!」

 

そこには遊馬先生とともにかっとビングする、あっさり元気になったユウヤ少年の姿があった。

先生を通して仲良くなった小鳥女医の静止も振り切って、今はなぜか木登りに挑戦している。

しかしこの男ノリノリである。俺のことだが。

 

前世ふくめて初めて挑戦する木登りに苦戦する俺と、手本を見せるように隣の大木を駆け登る遊馬先生はとても楽しそうである。

デュエルマッスルを駆使しているせいかサルより速く思える。参考にならないけどな!

 

かっとビングを受け入れてから二週間。

ノリに乗せられるまま登っているが、なかなかどうしてやったことのないことに挑むのは面白い。

やり方がまったくわからないので最初は幹からずり落ちるばかりだったのが、コツを掴むとどんどん高くあがって行ける達成感が意外と癖になりそうだ。

かっとビング精神で出来ないことが少しずつ出来るようになっていくのが、今生で初めて心の底から満足させてくれる。

 

俺は挑戦に飢えていたのだ。

転生者で実はいい年しているのだと乾いたふりをしていたのだ。

他人よりもアドをとっているからと、心のどこかで何も失敗しない人間になろうとしていたどんぐりピエロでしかなかったのだ。

出来ないことを恥じる心を捨てれば、世界はこんなにもエモーショナルなことばかり。

俺はワクワクを思い出して、再び希望野郎に戻ったのだ。

 

笑う遊馬先生と呆れている小鳥女医が見守るなかで、もう少しで一番太くて高い枝に手が届く。

 

「なんだ?お前こんなこともできないのかよ!」

 

伸ばした肩を誰かに踏みつけられた。

不意の衝撃で落ちていく視界の端を、女子の制服を着た何者かが跳んでいた。

 

「な、なんだよお前!?ユウヤのかっとビングの邪魔しやがって!」

「かっとビング?ノロノロやってるからオレが見本を見せてやろうと思ってさ!」

 

木の根元から見上げれば、そこにはいつかの勝気女子が俺のD・パッドを持って木の枝に座っていた。

俺を邪魔しに参った奴は彼女のようだ。

一瞬で俺の持ち物をスっていく早業まで使いながらスカートで木登りを成し遂げる辺りは只者ではない。

恐らくは決闘者だろう。そんな人間離れした身体能力は決闘者以外ありえない。

 

「突然どうしたの?なんでこんなことしたの!」

 

なにが起こったのかを処理できない頭に、彼女の知り合いらしい小鳥女医の声がきれいに響いた。

 

 

()()()!」

 

 

アンナ……?アンナ……遊馬先生……俺は()()()()()……D・パッド、海パン、おにぎり……

 

 

アンナ…………神月アンナ!?

 

 

落ちた痛みも吹き飛ぶほどの衝撃の真実で、ぼやけていた思考がクリアになる。

 

ずっとどこかで引っかかっていたことを思い出し理解した。

俺は転生したのではなく、この世界の住人、築根優也に書き換えられた憑依者だったのだ。

ということは…………いじめの犯人はお前かよ!

 

神月アンナ。

遊馬先生にランチャーをぶっ放して登場するスタイル抜群の美少女である。

空飛ぶバズーカを乗り回し、豪快に列車デッキを操る様はまさにブレーキのない暴走列車。

爆撃した理由も、転校するアンナが告白するために呼び出した好きな男子が来なかったことを恨んでのことなのだが、その来なかった相手をまったく関係ない九十九遊馬先生と間違えたのだ。

間違えたのも二人の名前が似ていただけという超弩級ドジっ子なのだ。

どういう……ことだ……。

 

で、その来なかった告白したかった相手というのが築根優也なのだ。

 

来なかった優也が悪いかと言えばそうでなく、元の俺もアンナから同様の仕打ちをうけているので呼び出しもボコボコにされると思って暴力反対だと逃げ出したのかもしれない。

告白とわかっていて逃げ出したのかもしれない。

 

好きな異性の気を引きたいけど素直になれなくて、悪戯でしか関わり合いになれないなんて甘ったれた考えをする。

このぐらいの年頃の子供とはそういうものだろう。

俺にも覚えがあるしガキ大将くんがいい例である。

しかし知っての通り、その所業が好きな子に悪戯するのレベルを遥かに超えているのだ。

 

ここまで考えてふと立ち止まる。それっておかしくないかな?

築根優也の中身が俺に変わっているのだから、アンナがそのまま俺を好きである訳はない。

もしかしたら、彼女は俺のことをなんとも思っておらず、犯行も別の理由もしくは真犯人が別にいる可能性もある。

もしかしたら冤罪かもと、わずかな希望を持って木の上のアンナをジッと見つめる。

 

「な、なんだよ、なに見てんだよ!返して欲しけりゃここまで来てみろ!」

 

悪態を吐きつつ、距離があっても明白なほどに彼女の顔が真っ赤に変わる。

うん、わかった。観察結果その一、俺の中身がどうとか関係なかった!!!

 

「フン!大体お前トロいんだよ!オレが、その、落書きとか石のおにぎりとかで相手してやってるのに何にもし返してこないしさ!」

 

赤面したままの犯人が俺を指さしながら自供した。

俺の隣で聞いている小鳥女医も、なんとなく察しつつもその所業に顔を引きつらせている。

彼女の好意はどうにもわかり易い。

遊馬先生はまったく気付かずアンナの言動に怒っているようだが。

 

しかし皮肉ですね。気付いている被害者の俺は、いま思いっ切りアンナが嫌いである。

特に食い物に石ころをぶち込む辺りがどうにも許せない。

仮に告白でもされようものなら返事に調整中ですと対応してやりたいほどである。

かっとビング精神は素晴らしい。だがしかしまるで全然、この俺を菩薩メンタルへと変えるには程遠いのだ。

 

そもそもにして、好きな子を間違えるってどういうことだ。

冷静に考えて遊馬先生と俺が似ている部分なんてほとんどないはずだ。

 

名前がツクネユウヤとツクモユウマでちょっと似ていること。

決闘が好きなこと。

小鳥女医にたびたび怒られていること。

かっとビングと叫んで無茶をすること。

 

…………情状酌量の余地と被害者側にわずかながら非があることを認めるべきかもしれない。

特に最後。

 

さらに言えば、先生と一緒に行動することも多くセットで扱われだしていることも自覚している。

今のところは俺は周囲に「決闘で強い方の男子」という風に覚えられているようである。

なんで髪形で分けないんだ!

 

「かっとビングと叫ぶ決闘の強い奴」となれば、アンナが戻ってくる頃にはとっくに先生は運命の相棒、アストラルと出会い腕が木登りの速さのごとくランクアップする時期なのだ。

そうなれば運命力によって先生は俺との差を覆し、はるか上へと昇りつめるのは明白なので、より間違え易くなっているだろう。

 

なんということでしょう。

 

俺が俺になり遊馬先生に救われてリスペクトし始めたことが、アンナの勘違いに説得力を与えるという悲劇的ビフォーアフターを発生させてしまっている……!

 

大恩ある遊馬先生や小鳥女医に、己がきっかけの因縁を押しつけるなど我慢ならない。

だが俺には、転校直前に意を決した彼女からの告白にどう対応するかしか出来ることがない。

 

しかもどう対応したとしても考えられる結果は三つ。

 

一、範例通りに呼び出しから逃げだす。

数年後、範例通りに怒りの爆撃が遊馬先生を襲う。

 

二、呼び出しを受けていままでの嫌がらせ行為が辛かったと丁重にお断りをする。

数年後、逆恨みをこめた悲しみの爆撃が遊馬先生を襲う。

 

惨、すべてを諦めて自分を生け贄にアドバンス告白を受け入れる。

数年後、恋人だと思いこんでいる遊馬先生が小鳥女医と歩いているところを目撃。嫉妬のままに発動する爆撃が二人を襲う。

 

なぁにこれぇ……まるで意味がわからんぞ!

だがアンナなら弾けるという思考が、どうあがいても遊馬先生が爆撃される未来に繋がるサーキットを浮かばせる。

決闘で言うならば自分の手札・フィールド・墓地のカードをすべて除外されたうえデッキが一枚もない状態で相手がターンエンド宣言をするような状況。

サレンダーすることも許されず負ける以外に道がない。

遊馬先生、非力な俺を許してくれ……!俺はもう懺悔の用意をするしかない。

 

アンナと遊馬先生の言い争いをBGMに、俺は力なく両手両膝をついて項垂れた。

大丈夫!?と小鳥女医が優しく気遣ってくれるのも無視して心が死んでいく……。

 

少年これが絶望だ。

どこかで誰かがそう呟く幻聴が聞こえた気がした。

 

 

いや、それはどうかな。

 

 

絶望するにはまだ早い、希望はある。

 

アンナが転校するまでまだ時間はあるはずだ。

その間に彼女を更生させれば良いんじゃないのか?

そうすれば、彼女が遊馬先生を恋の相手と間違えてもランチャーで爆撃するような事態は免れる!

 

だが、そんなことできるのか?

どうすればいいのか見当もつかないのに……。

 

 

――――かっとビングだ!ユウヤ!

 

 

そう、そうだ!

無理無茶無謀も諦めず困難に勇気をもって挑む、それが孤高なるかっとビング教徒の流儀!

それを教えてくれた友のため、今こそ俺が動くとき!

ドロー出来ないと思っていた自分のデッキからシャイニングドローの光が放たれたような心地だ。

そう、この超弩級暴走ドジっ子爆撃巨乳オレ娘を熱血指導し、ドジっ子巨乳オレ娘までランクダウンさせることこそが俺に与えられた使命だ!!

まずは……。

 

がばり起き上がりアンナを見据える。

突然俺が動き出したことを、ひゃっ、と驚く小鳥女医を尻目に目の前の木を駆け登った。

もはやこの高さなど大した問題ではない。

無言の木登りをもって、アンナと目と鼻がつきそうなほどの距離まで接近する。

ひう……!と口から小さく悲鳴をあげて枝を後ずさるアンナに優しく話しかけた。

 

「神月さん」

「なっ!な、なな、なんだよぅ……!」

「まずは知り合いから始めようか」

 

 

 

―――すべてが終わったあとに振り替えり、想う。

この時は与り知らぬことであったが、俺がナンバーズやヌメロンコードにまつわる幾つもの争いに巻き込まれて大いに骨を折ることや、神月アンナとの長きにわたる腐れ縁の末、彼女の指にシルバーを巻くことになる人生は、ここから始まったのだと。

 

 

 

俺の戦いは、これからだ!

 

 

 

 




先生……アンナがヒロインしてる姿が見たいです…………!

中学生と思えない超弩級おっぱいにヒロイン「あ」の法則、インパクトのあるデッキやドジっ子の面やおっぱいやリアルで戦える兵器を使って縦横無尽に飛び回る。

問題行動を除けば、彼女はとても光ると思います。問題行動を除けば!

TFSPの続編が出たら続きを書くかもしれません。
なお私のデュエルスフィンクスはずっと「タイミングを逃す」が理解できないままというクソ雑魚初心者レベルなので続いたとしても内容はお察し。

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