※鎮守府を放置するのは止めましょう   作:ドラゴンTHEドラゴンAG

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ちょっと後半速足で進んだ感が凄い・・・まぁいいよね!!

なんか思ったよりもUAとかお気に入りとか伸びて嬉しい。けどいつ酷評されるか分からんし怖い。読んでくださってる方はありがとうございますm(__)m

この話から先あまり考えてないんで、どうなるか分からないですヨ~




「帰省二日目にして闇を見たんだがどうしよう」

不知火に連れられてやってきたのは食堂。主に間宮・伊良湖・鳳翔の三人+αと妖精さんで切り盛りされているのだが、ここで食べる食事は本当に美味しくそれこそ高級料理店じゃないのかって程美味い。まぁ高級料理店何て行ったこと無いから比べられないのだがな・・・

 

(それにしてもここで食事をするのは久しぶりだな・・・そして提督を辞めたらここに来れないのは少し心残りだ)

 

「どうかしましたか?」

 

「いや、久しぶりだなぁと感じただけだ」

 

「そうですね。司令が最後にここで食事をしたのは2年3ヶ月と11日前ですのでそう感じるのも仕方のない事です」

 

「そ、そんなに月日が経っていたのか。というか不知火よくそこまで詳細に覚えていたな」

 

正直不知火が黙々とそう告げているときに背筋がゾクッとした。一体どうしてそんなに詳細な日付まで記憶しているのか、それは恐らくだが遠回しにこう告げて言うのだろう。

 

『これが貴様の仕事を放棄した期間の長さだ。貴様も覚えておけ』

 

・・・絶対ソウダ。不知火はあまり表情に出すような娘ではないから分かり解り難いが、腹の内は浜風と一緒で雑用を押し付けられたことを根に持っているのだろう。なら尚更優秀な提督に引き継いだ方が良いと思うのだが、それを拒むのは何故なのだろう?・・・もしかして

 

(この鎮守府を抜けてサボっていた分は働けという意思表示か!?)

 

「当然です。司令の事であればすべて把握しているつもりですから」

 

「そ、そうか。流石だな不知火」

 

少し誇らしげに言う彼女に対して反応に困りながらも取り敢えず褒めておく。その後ずっと食堂入り口付近でこうしていても仕方ないので不敵に微笑んでいる不知火と共に食堂へと入った。

 

「ふ、ふふふ司令が褒めてくれました。・・・折角なので録音しておくべきでしたね」

 

俺たちが食堂に入った途端に「未だ眠い」だの「今日も遠征か」だのと賑やかだった雰囲気が一瞬で静まり返る。一体何事かと思ったが、気にする間もなくすぐに元の賑やかな食堂へと戻ったので気にしすぎかな。と結論付け、食事を取りに行く。

 

「あら提督、不知火ちゃんおはようございます。すぐお食事をご用意いたしますので少しお待ちください」

 

「そんなに焦らなくても大丈夫ですよ間宮さん、食事ができるまで空いてる席で「お待たせ致しました」はやっ!?」

 

俺が来ると挨拶だけして急いで取り掛かったと思ったらモノの数分、いや数秒単位で食事が用意されていた。流石に早すぎると思いながらも、これが当然ですと言わんばかりにニコニコしている間宮さんを見ると、変に聞くこともできなかった。

 

「ありがとう。それじゃ不知火、俺はあっちの空いてる席で食事をとるから君も姉妹や仲のいい娘と食事をしてきていいぞ」

 

そう言いながらお盆をもって隅っこの空いている席に向かって足を進める。がしかし歩いても歩いてもまったく身体が前に進まない。何故かって?簡単な事さ。後ろから女の子に服を掴まれているからだ。いやー艦娘の力って強いね。いざ反逆でもされたら人類本当に滅亡しちゃうよ。

 

「・・・不知火は司令と食事を共にしたいです」

 

「陽炎達と一緒じゃなくていいのか?」

 

「はい、構いません」

 

「まぁ不知火がそう言うなら別に俺はいいんだが、じゃあ行こうか」

 

俺なんかと一緒に食事しても楽しくはないと思うんだがな。心の中でそんなことを思いながら今度こそ席へと向かう。勿論不知火も俺のすぐ隣を歩いて同じ席へと向かっている。そして席へとつくとそこのテーブルには既に先客がいた。

 

「提督お待ちしてました。さ、私の隣をどうぞ」

 

「お、おう。失礼するよ」

 

「では不知火も司令の隣に失礼します」

 

ついさっきまで執務室で一緒に寝ていたはずの浜風だ。その他にもテーブルをはさんだ逆側に飛龍と蒼龍の二航戦コンビが食事をしていた。いや、浜風は食事に手を付けていない。ということはつまり待っていたのか?

 

「はい、なんせ提督と食事するのも2年3か月と11日前以来ですから」

 

「え?あぁそうだな。長い間ここを放置して本当にすまなかった」

 

また知らぬ間に思ったことを口に出していたのか、やばいなぁこれから話す時はしっかり気を付けて話すことを意識しないとダメだな。そして浜風もやっぱり最後に食事をとった日を細かに覚えていたか・・・艦娘の記憶力おそるべしだな。

 

「いえ気になさらず、こうして帰って来てくれただけで十分です」

 

「そ、そうか、ありがとうな。それじゃあそろそろ食べようか」

 

俺は両隣の2人にそう言ってから手を合わせる。そして「いただきます」と一言言ってから料理に手を付けようとしたのだが、何かが足りないことに気が付いた。あ・・・箸が無いんだ。パンならば手で食べることもできたのだが、生憎ホッカホカの白飯なので流石に素手では食えそうもない。間宮さんも少し抜けてるところがあったんだな、なんて思いながら仕方ないので箸を取りに行こうと席を立つ。

 

「ん?提督どこか行くの?」

 

「あ、いやな。どうやらお箸をつけ忘れたようだから貰いに行こうかと思って」

 

席を立つ瞬間に蒼龍が問い掛けてきたので用件を伝えた所、それと同時に両隣の二人が即座に俺の腕を掴んできた。あまりの速さと力強さで反射的に身体がビクついてしまう。ちょっと痛いしその速度は怖いよ、島風もびっくりだ。

 

 「提督座ってください」

 

 「で、でも箸が無いと「座ってください」・・・はい」

 

俺ってそんなに信用無いのかな?こんなタイミングで逃げ出すようなことはしないんだけど、というかまず逃げようなんて考えてない。

 

 「それでは提督、口を開けてください」

 

 「いきなりどうしたんだ?」

 

突然の要求に疑問が浮かび何が目的なのかと思ったが、浜風が白飯を箸でつまみこちらに向けているのを見てハッキリと分かった。無理無理それは恥ずかしすぎる、何の意図があるのか分からんが俺にはハードルが高すぎるんですの。

 

 「や、やっぱり箸取ってくる!」

 

しかしやはりというべきかなんと言うべきかしっかり逆側の娘、ぬいぬいが立ち上がるのを妨げてくる。

 

 「ぬいぬいは止めてください」

 

 「そんなことよりも提督、どうして食べてくれないんですか?嫌なんですか?」

 

 「別に嫌って訳じゃないぞ!?だからそんな寂しそうな顔は止めてくれ」

 

俺が浜風が食べさせようとしてくるのを拒否していると次第に浜風の表情に曇り始めてしまった。くっこれは覚悟を決めなければならないかと思ってると浜風が突拍子もないことを言い出した。

 

 「分かりました。ではお箸は止めて口移しで食べさせてあげます。お箸が喉に刺さったりしては危険ですからね♪」

 

 「ち、違う!!そう言うことじゃない!!」

 

俺の叫びも今の彼女にはなぜか届かない。白米を自分の口に入れるとこちらに向き直り俺の頬に両手を添えてくる。心なしか目が据わってるような気がするんだけども・・・これは不味い。あくまでも提督と艦娘は上司と部下でありそれ以上の関係を持ってしまってはいけない、というかこんな所憲兵さんに見られたら普通に終わる!!間違いなく!!俺は社会的に!!

 

 「待つんだ浜風!!こんな所を憲兵に見られたら俺はまたこの鎮守府を空けることになるぞ?いいのか?」

 

こう言えば浜風も何の冗談か知らんが突拍子もないことは止めてくれるだろう。俺が居なくなってしまってはまた元の雑用&執務パーティの始まりだからな。雑務をしなくて済むようになって一番喜んでいた彼女であればこの言葉の意味を理解してくれる。と信じていたのだが・・・どうやら俺の考えは浅はかだったようだ。

 

 ・・・だって

 

もう、唇が重なり合ってしまっているんだもの。あっ終わった・・・母さん父さん、こんな息子でごめんね。

 

 「ハァハァ・・・どうでしたか提督?」

 

若干息を荒くしながら感想を聞いてくる浜風。とはいえもう色んな感情が頭の中で渦巻いていたせいでコメの味なんて全くしなかったから感想なんてない。強いて言うとするならば「終わった」かな・・・

 

 「味が分からなかった?そうですか。ではもう一度しましょう」

 

駄目だ、このまま流されっぱなしじゃいけない。流石に鎮守府を放置した鬱憤晴らしに俺を辱めたいにしてもこれはやり過ぎだ。ここは一度ビシッと厳しく言った方が良いかもしれん。

 

 「いい加減にするんだ!!」

 

俺が厳しい口調で声を上げると流石に浜風が動きを止めた。それだけじゃない向かいの席で食事をしている飛龍と蒼龍、隣の不知火、食堂にいた全艦娘が話すのを止めこちらへと視線を向けた。

 

 「ここを何年もの間空けてサボっていた俺がこんなこと言うのはおかしいと思う。だけどな、その腹いせのためとはいえ今みたいなことを軽々しくしてはいけない。俺も二度と君たちに仕事を押し付けるようなことはしないと誓うから、君たちもあまりこういうことはしないと約束して欲しい」

 

俺が全てを言い終わった後もしばらく食堂を沈黙の時間が流れた。一体何年ぶりだろうなこんな真面目なトーンで説教じみたことをしたのは。ここまで言えばこれから先間違いは起きないだろう。

 

 「そんな事、約束できませんよ」

 

 「・・・・・・へ?」

 

一体誰が口にしたのか、帰ってきた返答は俺が望んでいたものとは真逆のモノだった。

 

 「だってこウやって迫れば優しい提督は・・・・・『鎮守府を引き継ごう』だなんて思わなくなりますよね?」

 

 「そ、その件は今日、大本営に連絡しようと」

 

 「引継ぎ書類の再送を依頼するため、それと引継ぎまでの期間延長と言ったことをですか?」

 

何でそこまで分かってるんだ。まだ話してはいなかったと思うんだが、まぁいいそこまで知られているのならば、これからの予定をすべて話してしまおう。

 

 「確かにその通りだが、これも君たちのためを思ってだな。そりゃ今までのやり方と変わるかもしれないし、提督が居なかった方が良かったかもしれない。でもやっぱり有能な提督が仕切った方が皆もいいんじゃないか?浜風だって俺が戻ってきた時雑務をしなくて済むって喜んでたじゃないか」

 

 「やっぱり提督は分かってないですね」

 

 「俺も身勝手だとは思う。すまない」

 

俺がそう言って返すと浜風はクスリと笑い、先ほどと同じように手を俺の頬に添え、しっかりとこちらを見据えながら話す。

 

 「私達のため?雑務をしなくていい?違います。全然違いますよ提督。薄々気が付いてはいましたがやはり鈍いですね」

 

 

 「そ、それはどういう?」

 

また俺は得体の知れない恐怖を感じている。頭の中では何か危険だとうるさいほど警報が鳴り響いてるような錯覚さえする。

 

 「何度も言ってるじゃないですか。『私は提督が帰って来てくれただけで十分』ですと。貴方が居ればそれでいいんです。貴方が居てくれるなら雑務だって出撃だって遠征だって演習だって何だってやります!!だから引継ぎ何て絶対にさせませんし、提督は今日から鎮守府からの外出は許しません。これが私の、そしてここの艦娘全員の総意ですので・・・」

 

 

「「「絶 対 に も う 二 度 と 逃 が し ま せ ん よ」」」

 

気が付いた時にはもう既に手遅れ、彼女たちは壊れてしまっていたのだ。そしてそのことに気が付かず戻ってきてしまった俺はこれからどうなってしまうのだろうか?

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