ヤンデレ系主人公!?「桜柳絵美里」さんの爆走恋愛論   作:C・S

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トウヤ君、なんで、どうして……。

「どうして君はいつも本を読んでいるの?」

 

そう、トウヤ君は独りぼっちだった私に声をかけてくれた。

トウヤ君の、その何気ない一言が私の学校生活を変えてくれた。ほかの人にとってこの一言は普通の学校生活でありふれる一言だと思う。それは自分でも理解している。でも、あの時の私にとってこのトウヤ君の一言は真っ暗闇の中にいた私に手を差し伸べてくれた。

 

それから私はトウヤ君と話すようになっていた。

今まで、何のために学校に来ているんだろうと思っていた私の生活を変えてくれた。これ以上ないってくらい楽しい学校生活に変えてくれた。もちろん、トウヤ君と話すことだけが楽しみっていうのはほかの人には考えられないと思う。でも私にとってはとてもとても楽しかった。

 

そう、いつの間にか私にとってトウヤ君なしの生活なんて考えられなくなっていた。

そして私は、トウヤ君との距離を縮めようとしてきたつもりだったけどやっぱり全部失敗に終わったのかな……。

 

 

そうこう考えていると、バスがやってきた。遊園地の最寄りの駅の名前が書かれた方向幕を掲げているバスは私の目の前に止まった。すると空気の音をたてながら扉が開く。

 

もう、この遊園地に私がこれ以上いる必要なんてないわ……

 

そう決心してバスのステップをのぼった。昼間の時間に遊園地を出るような人は誰もいなく、バスの車内は誰一人乗車していなかった。

 

まあそうよね、こんな時間にとっとと家に帰ろうなんて人は私以外考えられないわ。本当はこうなるはずなんて全くなかったはずなのに。なんだか寂しいな……。

 

 

すぐに出発すると思っていたら、このバスは停留所に通過予定時刻よりも多少早く到着していたためかしばらく停車していた。

 

どうしてトウヤ君はラブレターなんてもらったのかしら。意味が解らないわ。私がいるじゃないの。私はこんなにトウヤ君のことが大好きなのに。大好きだけじゃないわ、愛しているといってもいい。私にとってトウヤ君がほかの女の手に渡るなんて全く考えられない。確かにそれは私のエゴかもしれないわ。でもトウヤ君は、なんで、どうして……。どうして私がいるのにもかかわらずラブレターなんて……

 

あの時の光景を思い出していると扉が閉まり、「発車しますから、おつかまりください」と自動アナウンスが流れた。

 

ついに帰るのね……。今日は、楽しかったのに……。

 

そう思った瞬間、圧縮空気が抜ける音が車内に響いた。涙で霞んだ目でその音が聞こえたほうを見ると乗降扉が開かれていた。

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