ヤンデレ系主人公!?「桜柳絵美里」さんの爆走恋愛論   作:C・S

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わっ、私のトウヤ君なんだからこのくらい問題ないわ

四万十川さんってなんか不思議だな。普段は私の前で強気でいるのにふと見るとなんだか暗い表情をしていることが多い。

 

トウヤ君と二人っきりでのお弁当は捨てがたい。でもなんだろうな。四万十川さんがこうして一人で暗い顔して食事をしている姿に対してみて見ぬふりをすることができない気がしてきた。不思議だな。今までこんな感情を抱いたことなんてなかったはずなのに。

 

「トウヤ君、ちょっと待ってて」

 

トウヤ君は頭の上にクエスチョンマークを浮かべているような表情をした。

トウヤ君も別に四万十川さんをここに呼んでも嫌な気持ちはしないわよね。もちろん私と二人っきりになるのが一番っていうのは変わらないとしても、四万十川さんがいても……大丈夫だよね。トウヤ君は優しいから。

 

そして私は席を立ち、四万十川さんのところへ行った。

 

「四万十川さん、今日は私たち教室で食べるんだけど、その、よかったら一緒に食べない?」

 

四万十川さんは背中をびくっとさせた。どうしてだろうな。四万十川さんくらいならほかのクラスメートから話しかけられることなんてしょっちゅうあるだろうに。どうしてこんな反応をするんだろう。

 

「トウヤさんもいるんですの?」

 

「もちろんだわ。私がトウヤ君から離れることなんてそうね……家にいるときと今この状態くらいだわ」

 

「さすがは桜柳さんですの。それではわたくしもご一緒させてください」

 

「うん!」

 

私から四万十川さんを食事に誘うなんて初めてだなあ。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

「トウヤ君、私の弁当どう?」

 

「うん。とってもおいしいよ。全部自分で作ったなんてすごいねぇ」

 

「とっ、トウヤ君のためだったらおいしい弁当を作るのは当然だわ」

 

よかった。トウヤ君、私の弁当をおいしいって言ってくれた。

やっぱり早起きして全部自分で作ったかいがあったわ。本当は毎日こうしてお弁当をトウヤ君のために作りたいんだけどさすがに毎日4時起きとなると堪えるわ。まあ、一緒に学食に行ければそれでいいわ。

 

「桜柳さんがお料理を得意とは意外ですわ」

 

「私の親が忙しくてね。自分で料理をする機会が多かったの」

 

「ご両親とは一緒に食事をなさらないんですか?」

 

「まあそうね。そういう日がほとんどだわ」

 

家に一人でいるのは寂しい。一人で食事をとるっていうことほど寂しいことなんてないわ。

 

「四万十川さんはどうして今日は一人で食べていたの?」

 

「えっ、あっ、たまたまですわ」

 

「そう……」

 

この反応って……。聞かないほうがよかったのかな……。

 


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