ヤンデレ系主人公!?「桜柳絵美里」さんの爆走恋愛論   作:C・S

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強引ってわけじゃないんだからね

「ご主人様、お連れいたしました」

 

「ありがとう」

 

車から降りて屋敷まで案内された私たちは大広間に連れていかれた。まさかこの旅行で私はこの人に会うこととなるとは微塵も考えていなかった。広間の高級そうな椅子には私の兄である「桜柳咲蘭(さくらやなぎ さくらん)」が座っていたのである。

 

「ランちゃん。どうしてこんなところにいるの?」

 

ランちゃん。それは兄のあだ名だ。私は彼をこのように呼んでいる。なぜこのような呼び方になったのかはよく覚えていない。物心ついたときからそのように呼んでいるのだ。

「まだその呼び方なんだ……。まあいいけど。最近どうだ?」

 

「トウヤ君がいるからもう何もかもが幸せだわ」

 

ランちゃんはトウヤ君のほうををじろりと見た。ぎこちなく笑顔を見せるトウヤ君をみてにやりと笑いながら、

 

「絵美里にも彼氏さんができたのか?」

 

「まあ一応付き合っているってわけではないんだけど……」

 

こういう時に付き合っているって言えないのが何とも残念だわ。

 

「なるほど、絵美里が強引に」

 

強引にってなんで見てもいないのに決めつけるのよ。確かにちょっと無理やりかなって思うところもなくはないけどトウヤ君はいつも私についてきてくれるわ。

 

「これ以上は言わないでくれるかな」

 

ランちゃんの後ろに立つ3人の女性まで笑い始めた。さっきの緑髪の人のほかに、小柄で黒髪の人、紫髪の人がいる。なんだかこの三人はやたらランちゃんにくっついていて気持ち悪いわ。

 

「まあいい、えぇと、君はトウヤ君というんだね。こんなやつだけどまあ、よろしくね」

 

「ランちゃんに心配されることなんてないわよ。ねえトウヤ君」

 

するとトウヤ君は、

 

「あっ、いや、その……」

 

そこはないって言ってほしいものだけどまあ今回は緊張しているのよね。

 

「まあいいわ。ランちゃん、あの時から全然見ないっていうか、行方不明になってたよね。いったい何があったのよ」

 

彼は私が中学1年生の時に行方不明になった。かれこれ3年くらい私の両親はランちゃんのことを探しているのだ。私が過去に転校した理由も彼が原因の一つとなっている。

 

「まあちょっといろいろあってね」

 

「ごまかさないでよ」

 

ランちゃんが行方不明になったから私は……

 

「絵美里、僕はこっちの世界でずっと幸せに生きているから。お父さんとお母さんにもそう言っておいてよ」

 

このひとは昔からおかしいとは思っていたけど、ここまでおかしい言動をするとは思ってもみなかったわ。まあ、何を言っても無駄ってとこね。

 

「もういいわ。どうして私たちはこんなところに連れてこられる羽目になったの?」

 

私はずっとそれが気になっていた。

 

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