ヤンデレ系主人公!?「桜柳絵美里」さんの爆走恋愛論   作:C・S

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第四章
とっ、トウヤくんも大事だけど友情だって大事よね


トウヤ君とのSL旅行を終え、いつもどおりの日々が始まった。朝早く起きてボロキハに乗ることで始まるこの生活であるが私は1日たりともきついとは思ったことがなかった。それは当然、いつも私の隣にはトウヤ君がいるから。

 

そんな日常において、トウヤ君に好かれるようにするということは絶対に欠かせない。わたしは、いつものショートカットの髪形と真面目そうな制服の着こなしで学校へと向かう。というのも、トウヤ君はこういういかにも真面目そうな子がタイプであるため。もし私が厚化粧でミニスカートとかいう恰好なんかしたら見向きもしてくれないでしょうね。いや、でも私に話すようになったきっかけは趣味が同じってことだったからさすがにそれはないわね。トウヤ君はわたしのすべてが好きなんだから!

 

 

トウヤくんのことを毎日考えている私ではあるが、最近は友情についても考えるようになってきたのだ。それは自分でも不思議で不思議で仕方ない。私はこの高校でトウヤくんと一緒にいることさえできればそれでもう満足だと考えていたのに。でも実際はそれ以外にも楽しい思い出を作ることができた。

 

「トウヤさん、絵美里さん。おはようございます」

 

「あ、おはよう」

 

私たちが通っている高校の生徒で溢れかえっている駅のホームに現れた彼女。そう、四万十川さんだ。彼女とは入学したての頃はちょっと張り合っていた感じが強かったのであるが最近ではもうすっかりそのような雰囲気がなくなり親友とも言えなくはないような間柄になった。

 

「二人とも相変わらず仲がよろしいようで。休日になにかあったのですか?」

 

「トウヤくんとおでかけしてたのよ」

 

「あら、そういえば昨日でしたね。遊園地での出来事は今でも鮮明に覚えていますよ」

 

 

「まああの時は……」

 

なんだか非常にわざとらしい会話の振り方なのであるがまあそれは良いとしよう。遊園地での私のあの行為はトウヤくんを困らせてしまった。私の勘違いでトウヤくんを困らせてしまうなんて……。もうあんな勘違いは二度としないようにするべきね。

 

「ふふっ、まあそんなこともありますよね。人間なのですから。ところでトウヤさん、だいぶお疲れのようですがなにかあったのですか?」

 

「いや、別に大したことはないんだけどね。その、……」

 

「長旅で疲れてしまったのよ。あのSLが走っている全区間を通して乗ったんだから」

 

「あら、グリーン車でも結構疲れるんですのね」

 

まあ、実際のところはSL列車への乗車によって生じた疲れではなくあの悪夢のような世界に何かの手違いで行ってしまったせいであろう。まあそんなことを例え四万十川さんであったとしてもそのことを他人に理解できるとは思えないわ。彼女のこの旅行へ対する質問はその後も幾つか続いたのであったがわたしは適当に流して学校の教室へと向かうのであった。

 

 

いつも通りのホームルームが始まり担任の無駄に長い連絡を聞かされて1日が始まる。今日は1時間目から習熟度別授業でトウヤくんとは違うクラスで授業を受けることになる。せっかく学校にいるのにトウヤくんを見ていられないというのは非常に憂鬱なことだわ。

 

「じゃあな、絵美里。そろそろお前もこっちのクラスに来られるようになるといいんだけど」

 

「あら、絵美里さん今回のテストもダメだったんですか?」

 

「うるさいわね。ちょっとミスが多かっただけよ。それよりも四万十川さん、あなただってこっちのクラスじゃない。ちゃんとこの割り当て表に書いてあるわよ。まあいいわ、次こそはトウヤくんと同じクラスに割り当てられるはずだから。トウヤくん、もう少しだけ待っていてね」

 

トウヤくんは苦笑いしながら「そう」と言い残して教室を去っていった。これもこれでかわいいものだわ。

 

「ところで絵美里さん、トウヤくんとは最近どうなんですか?私もトウヤくんのことをまだ諦めたというわけではありませんからやはり少しばかりは興味があるものですよ」

 

「私とトウヤくんの関係を聞き出したいっていうのにそういう言い方はまさにあなたらしいわね。まあそうねぇ、この間のSLに乗った時だけどね……」

 

「乗った時に何があったんですの?」

 

相変わらず四万十川さんは食いついて聞いてきている。なぜだろう、そんなにSLのお出かけがきになるのかな。

 

「どうしてそんなに気になるの? トウヤくんとどんなことがあろうと私はトウヤくんを嫌いになったりはしないわ。いいえ、日に日にトウヤくんのことを好きになっていくって感じかしら」

 

「相変わらずトウヤくんのことがお好きなのですね」

 

「もちろんよ」

 

「でももし、トウヤさんにあなたの他に昔好きだった女性がいたとしたらどうします? その人の存在が今でも……」

 

「もしそうであったとしても、私がトウヤくんのことを好きであるという気持ちが変わることはないわ」

 

私はその言葉の後に「あたりまえじゃない!」と言おうとした。でも、その言葉を続けることはできなかった。

 

トウヤくんに昔好きだった女性がいたとしたら……

 

今までそんなことは一度も考えてこなかった。トウヤくんは奥手というかなんというか積極的に人と恋愛関係に置くというようなタイプではないから他の人が好きとかそういうのはないんじゃないかとは思っている。でもそれは私の勝手な思い込みにすぎない。トウヤくんに昔好きな人がいたのか……。言われてみれば少し気にならなくはない。

 

「まあ絵美里さんのことですし大して気になるということはありませんよね。もちろんそれは私もですよ」

 

「そう……」

 

チャイムがなって授業が始まった。

 




更新が遅くなって申し訳ありません。
これからも執筆を続けてまいりますので応援して頂けますと幸いです。
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