ヤンデレ系主人公!?「桜柳絵美里」さんの爆走恋愛論   作:C・S

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トウヤくんにこれ以上こんな私の姿を見せることなんてできないわ

先ほどの授業の時はずっとトウヤくんのことについて考えていてしまった。

今までこんな気持ちになったことはなかったはずなのに。別にトウヤくんに昔好きな人がいたとしてもトウヤくんに対する気持ちは変わらないってことは当然だ。私がトウヤくんのことを好きだという気持ちは何があっても変わることはない。そのはずなのになぜか私の心はずっと落ち着かないでいるのだ。

 

「絵美里、何ボォっとしてるんだ?」

 

「えっ?」

 

トウヤくんに肩をポンと叩かれ我に返る。

 

「あっ、トウヤくん。そんなに私ボォっとしていた?」

 

トウヤくんにこんな姿を見せてしまったなんて。私としたことが……

 

「なんだかいつもの絵美里と違うなというかなんというか、元気がなさそうだよ」

 

「そんなことないわ。私はいつも元気よ。今日だって……」

 

私は元気なつもりだ。いや、元気なのには違いない。トウヤくんがそばにいるんだから。少し考え事をしがちになってしまっただけだ。普段と全く変わりのないトウヤくんのことが大好きないつもの私だ。しかし、「今日だって元気だわ」とはとても言うことはできない。

 

「そう……。また今日も一緒にお昼を食べに学食に行こう」

 

トウヤくんはいつも通りでいつものように優しい。私の勝手な思い込みで気分が変わるというのは良くないわね。良くないとわかっているのに……。

 

「うん!」

 

トウヤくんの言葉に対して元気良くそう返事をした。それはいつもどおりの私の感じで言えたと思う。でも私の心の中ではこう元気よく返事をした気分にはなってない。でもトウヤくんにこれ以上こんな私の姿を見せることなんてできないわ。

 

どうしてこんな気持ちになってしまったかはわかっている。どうすればこの気持ちが完全になくなるかもわかっている。実際にトウヤくんに聞いてみればいいのだから。でももしそれでトウヤくんが嫌がるようなことになったら……。そう考えてしまってトウヤくんに直接聞くことなんてできっこない。そう考えていると、

 

「元気そうになって安心したよ。お昼休みまでまだ3コマも授業があるけどまあ、頑張ってね」

 

トウヤくんは笑顔で私にそう言った。モヤモヤしている気分なのは私だけだったのだ。そんな当然なことも忘れかけていたのかもしれない。

 

「ありがとう」

 

やっぱりトウヤくんは優しい。そう思うのは私だけなのだろうか。それはともかく、トウヤくんはいつも私のことを考えてくれているんだわ。そんなに私のことを思っていてくれているのに私がこんなんじゃどうしようもないわね。

 

さっきのトウヤくんの一言で気分がだいぶ楽になった。さすがに完全ではないが。やっぱり私は気にしすぎであったのだ。そう思い始めたその時、

 

「あっ、絵美里さん。お昼休みに、その、トウヤさんと食事が終わった後でいいのでちょっと私のところまで来ていただいてもよろしいですか?」

 

「別にいいけどどんな用事なの?」

 

「あとではなします」

 

四万十川さんがそう言い残した瞬間にチャイムがなった。

授業と授業の間にある10分間の休憩時間とういものは非常に短いものだ。移動教室から元の教室に戻るとなるとそれだけで時間を浪費してしまい、人と話す時間が短くなってしまう。だからこんな感じで話が途切れ途切れになってしまって非常にじれったい状況が生じてしまうことがしばしば発生する。せっかくトウヤくんの一言で気分が晴れかかったというのにまたモヤモヤとした時間の始まりだ。昼休みのトウヤくんと二人っきりの学食を想像して気を紛らわせるしかなさそうね。

 

それができればだけど。

 

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