ヤンデレ系主人公!?「桜柳絵美里」さんの爆走恋愛論 作:C・S
冒頭でも話した通り、私はトウヤ君と一緒に過ごすということのほかに友達の関係についても少しは考えるようになったのだ。
四万十川さん。彼女は高校で唯一の友達といっても過言ではない(もちろんトウヤ君は友達以上の関係だから友達という範疇には属さないわ)。四万十川さん以外の人はなぜだか知らないが私に話しかけようとしないのだ。まあ、私自身もほかの人と積極的に話そうとは思っていないから自然とそうなってしまうのかもしれない。そんなことから、四万十川さんは私にとって非常に大切な友達だ。そんな彼女とトウヤ君の3人で一緒に行く旅行が楽しくないはずはない。そう思って私はその旅行に参加することになったのだ。
時刻は4時15分。始発列車に乗るために私は最寄りの駅へと向かった。
生暖かい空気が肌を包むこの感覚は夏の早朝って感じがするわね。
集合場所である改札前にたどり着く。するとそこには四万十川さんが待っていた。
ワンピースを身にまとい、小ぶりな旅行鞄を下げている彼女の姿はいつもの制服姿とはまた違った雰囲気を醸し出している。
「四万十川さん、おはよう。なんだかいつもよりも明るい感じね」
「そうですか?いつも私は明るいつもりですが」
「そう。ところでトウヤ君はまだ来てないのかな?」
「そうですね。トウヤ君っていつも遅れてくるのですか?」
「そういえばSLの旅行に行ったときもトウヤ君は私よりも後に来たわね。ただあの時は私が早く来てしまったからだけど。」
「まあ今回も私たち若干早く来ていますけどね」
言われてみればまだ列車の時刻まで15分ほどある。集合時間に遅れて私の印象が悪くなったら最悪だから早めに行動するのは別に悪くないことだと思うわ。
「絵美里さん、4泊5日の今回の旅行は存分に楽しみますよ。今日は6時間の在来線移動、楽しみましょう」
「そうね」
トウヤ君と学食に行ったあの日からちょっといろいろあったものの、気持ちを切り替えてこの旅行は楽しんでいこうと思っていた。
「ごめんね、待たせちゃった?」
トウヤ君がやってきた。始発列車の発車時刻の10分前である。
「おはようトウヤ君。全くそんなことはないわ。私たちが早すぎただけ。そんなことより早く改札内に入りましょう。早く行かないと席が埋まってしまうわ」
始発列車は人が集まってしまうため良い座席はすぐに埋まってしまう。
「そうするのはいいけど、絵美里と四万十川さんは何か買い物とかはしないの?」
「私は特にはございません」
と、四万十川さんは言ったのであるが、
「飲み物やお菓子を買ってもいいわね。改札内の売店で買いましょう」
そして、私たちは改札内に入ったのであるが、売店は営業していなかった。
「あっ、早朝の時間帯って売店やってないんだ」
トウヤ君は驚いたような表情をしていった。
「そうなのね、私も知らなかったわ」
通勤通学ラッシュ時には多く利用しているこの駅であるが、この時間帯に利用するのはSL旅行の時くらいしかなかったため売店の営業時間を知らなかった。いつもと違うことをすると新しい発見をするものだわ。
「旅行ですから、いろいろな新しいことがわかりますよね。トウヤさん、旅行を楽しんでいきましょう。あと絵美里さんも」
そして私たちは15両編成の電車の先頭の車両へと乗車した。