ヤンデレ系主人公!?「桜柳絵美里」さんの爆走恋愛論 作:C・S
何か考え事をするとずっと寝付けないことがほとんどである私だが、今日に関してはもともと疲れているせいかすぐに眠ってしまった。そのときに見た夢は、中学1年生の時の10月の思い出であった。
「ねえトウヤ君、放課後時間あったりしちゃったりする?」
「今日はちょっと……」
「えぇ、それは残念だね。また今度遊びに行こう」
本当はどうして今日の放課後が空いていないのかを聞きたかった。普段はいつも暇しているトウヤ君が今日に限って……何かあるのかなぁ。
という具合で私はトウヤ君の後をつけてしまった。今思えばこんなことはしなければよかったのだと一応は反省している。
学校を出ていつもと違う道を歩くトウヤ君。こっちは駅にいく道だ。普段通らない道を通るのはなんだか新鮮な気分がした。焼き鳥を焼く匂い、たこ焼き屋さんの匂い、圧倒される学生の集団。なんだかこの時間帯の駅に行くための道は私の家に帰る道とは全然違う世界だった。
さて、トウヤ君は、学校から駅までの道のりを一度も後ろを振り返らずに歩いていたため私はばれずに尾行をすることができた。まったく警戒心がないってところは可愛いところね。まあ、そんなことはともかくトウヤ君は通学カバンからICカードをおもむろに取り出し、改札を通った。私も急いで改札を通った。
電車に揺られて30分以上経った。トウヤ君は運転台の後ろの窓から外の景色をずっと見ている。私のことは全く気づいていないようだ。
トウヤ君は一体どこに行くんだろう。
「まもなく終点、道祖土。道祖土。お出口は左側です」
車掌さんのアナウンスが入り電車が減速を始めた。するとトウヤ君はドアの前へと移動した。トウヤ君と一瞬だけ目があった気がしたけど、多分気のせいだったと思う。トウヤ君とは違うドアから電車を降り彼のあとを追うことを続けた。
ターミナル駅であったため地方の駅であるのにもかかわらず大勢の人が降りた。トウヤ君を見失いそうになってしまったのであるが、改札前まではついていくことができた。
そう、改札前までは。ICカードを改札のリーダーにかざすと、画面に「係員のいる窓口までお回りください」と表示された。係員のいる窓口に行ったらトウヤ君を見失ってしまう。しかし、窓口に行かなければ改札を通ることができない。私は仕方なく窓口に行ったのであるが、精算をする他のお客さんが多くてすぐに対応してもらうことはできなかった。駅員さんによると電車に乗るときにICカードのタッチがうまく行っていなかったらしい。ICカードの処理が終わる頃にはトウヤ君を見失ってしまった。
トウヤ君は一体どこにいったんだろう。
その疑問を解決する術を私は全て失ってしまった。よく考えてみるとどうして私はこんなところまで来てしまったんだろうと思ってしまった。トウヤ君にも、トウヤ君の時間っていうものがあるんだ。私には干渉することができないトウヤ君の時間だ。トウヤ君は私と遊ぶ時間はないっていったんだから。
私は彼の考えを否定してしまったんだ。
まあ、そう考えるようになったのは、その次の日の夕方であったのであるが。