tsプロゲーマー配信者なぎちゃん   作:ヲタクフレンズ
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祝10話、続きです。


じゅうわめ!

 今日はいつもより、少しだけ早く起きる。

 

 寝ぼけた頭を起こす為、顔に冷えた水をかける。ふかふかのタオルで洗うのがきもちいい。

 

「服、変えないとな……」

 

タートルネックにレギンス付きのハーフパンツに着替える。うん、人に見られても特に恥ずかしくは無いかな。

 

 ……男物の服もすっかりなくなったな、いつから処分したっけ?うーんと、おんなのこになってから3日目ぐらいだったっけ?まぁいっか。

 

 新しく作った口座を見てみると、昨日の投げ銭の合計額、100万前後のお金が……いやいや、どう言う事なんだよ。

 

 4割がTube@ライブに貰われて、色々と差し引かれた金額がわたしに入る、それで100万、金銭感覚が可笑しくなりそう。

 

 一回の配信でこんなお金貰われるとは思わなかった……ほんとに金銭感覚大丈夫かよ、なんだか怖いし、投げ銭の限度額決めよう。

 

 つおったー+で貰ったわたしのファンアートを見て……そういえば配信で紹介したことは無かった、つおったー+の方ではRTとか、引用とかは目に付いたものは全部してきたけど。

 

 中にはつおったー+を登録してないなぎ民もいると思う、その人達にも見てもらいたい、今日の配信の最初の方はファンアート紹介にしよっか。

 

「ん……髪変じゃないよね、部屋は定期的に片付けてるしOK!……はあ、緊張してきた」

 

 てか最近緊張してばっかりだ、1日に10回ぐらいはしてるかも知れない ……まあ、この緊張は嫌じゃない。

 

 今日は司から連絡があって、管理人さんが来てくれるみたいだ、近いうちって言ったからいつ来ても良いようにはしてたけど、思っていたより早いよ。

 

 なんでもわたしのために休みを取ってくれて……なんというか、むずかゆい、わたしの為にそんな事までしてくれなくても良いのに。

 

 そっか、管理人さん、未だにわたしの配信見てくれているのか、管理人さんらしいコメントなんて見た事ないし、一緒にゲームをしたかと言われると……ちょっとわからないな。

 

 人を自分の家に招き入れるなんて何年振りだろう、一生来ないと思ってたけど……案外、そうでもなかったようだ。

 

 わたしは成長出来てるかな、誰にも頼ることもなく、一人で生きられるようになっていってるのかな。

 

『ピンポーン。凪沙さん?私ですわ!』

 

「ん、もう時間だったか」

 

 よし……わたしは両方の手で軽く頬を叩いて、自らの手で扉を開けた。

 

 自信満々に、だけれどなんだか緊張した様子の、わたしよりも背丈の高い、気品を感じるウェーブのかかった金髪ツインテールが印象に残る。

 

 目線を合わせるように、赤色の瞳を見つめる。

 

「始めまして。管理人さん……凪沙、です」

 

「ひゃじまましたわ!……ごほん、こうして会うのは初めてですわね、凪沙さん」

 

 ……なるほど、緊張を和らげようと、そういうことで良いんだよね?無視して欲しいんだね?うん。

 

「その……中、どうぞ?」

 

「お邪魔しますわ?……その、凪沙さん?」

 

「なんですか?」

 

「なぎちゃんと、お呼びしてもよろしくて?」

 

 ひゃわ!……な、慣れないな。実際に言われると恥ずかしい……断るのも気がひけるし、ううん……恥ずかしいけど。

 

「い、良いですよ……?」

 

 管理人さんを部屋に通す、……なんだか固まってるけど大丈夫かな、平気かな?わたし何かまずい事をしただろうか、あっやばい表情に出そう、くそよわメンタルすぎるよわたし。

 

「っは!……ついフリーズしてしまいましたわ……ではお邪魔しますわね?」

 

「ど、どうぞ」

 

「久し振りの我が家と仕事以外の家内……!ああ、気が楽になりますわ……っとなぎちゃんさん、綺麗好きですの?とても良く片付いていますわね」

 

 な、なぎちゃんさん……敬称は崩さないのね?そ、そういうタイプな人なのか?それとも突っ込み待ちなのか?

 

 ってかやば、よ、よく知らない人と話すのこんなに難しかったっけ?!初菜とはそこそこ話せてたのに!どうしてなんだ……うう、人との接し方とはなんだ?

 

「アッ……はい、ありがとう……あう。その、お茶出します……」

 

「ありがとうなのですわ!……ソファーに座っても?」

 

「あ、はい!……どうぞ」

 

 お茶を用意している間に、深呼吸を繰り返して、管理人さんを遠目で観察する。

 

 何よりもその金髪に目がいくが……服の質が売ってて良い物(・・・・・・・)じゃない……オーダメイドか?生まれの違いだけでは済まない服だ。

 

 大きな手持ちのバッグについても同じだ、ただあれはオーダメイドではないだろう、造りが綺麗すぎる。

 

 目が良くなるとここまで見えるものなのか?かのスーパーマサラ人達もこんな視力だったのかな?マサラ人ってやっぱ違うわ。

 

「ここがなぎちゃんさんが普段配信しているお部屋……ああ!至福ですわ……ここに住みたいぐらいですの、仕事めんどくさいですし、やってられませんわ!楽したい!ゲームしたい!寝たい!怠惰に生きるのが人間でしてよ!」

 

 ……聞いてはいけない独り言を聞いてる気分になる、とととりあえずお茶を出そう、うん。

 

 来客用に買った高いお茶だし粗相は無いはずだ……そうであってほしい。

 

「あ、管理人さん……お茶です」

 

「名店十保堂のお茶ですの?お高いでしょうに、ありがとうございますわ」

 

「ぇ、いやその、わかるん……ですか?」

 

「私も愛用しておりますのよ、あら……?なぎちゃんさんの分がありませんわよ?はっ!これはもしや、間接きっす!というものですの?キャー!」

 

「ふぇ、あ、あの、い、入れてきます!」

 

 なんなんだこの人は、お、押される……不思議な圧に押されてしまう……これが司の上司のその更に上の人か、いやいや濃すぎるよ!どう生きたらこうなるんですか!?

 

 自分のお茶を入れて、管理人さんの対面のソファーに座る……にこにこな笑顔が眩しい、やめてほしい。なんでそんな輝いた目でわたしを見つめるんだよぉ……

 

「お部屋を見回した所、なぎちゃんの配信設備は常に最先端!優れものばかりですわ!流石ですわね……どうやって集めたかお聞きしても?」

 

「ぇあその、わたしは何も……司が、揃えてくれたので……」

 

「まぁ!確かに司さんなら納得ですわ!でわでわなぎちゃんさんは……っと、質問しすぎるのもよくありませんわね」

 

「い、いや、大丈夫だよ……はい、答えられるのは……少ないかも知れない、ですが」

 

「しかしフェアではありませんわ!……私に質問してもよろしいのですわよ?」

 

 質問、質問かぁ……ああでもそうだ。まだ聞いていないことがあったな……

 

「……なまえ。管理人さんの、名前が知りたい……です」

 

「はっ!?私としたことが……自分の名前を言い忘れていましたわ!舞い上がりすぎでしたわ……」

 

 舞い上がって宇宙まで飛んでいきそうなぐらいテンション高いよほんと。緊張がプラスの方に働きすぎだよ。

 

「私の名前は三音(みつね)赤城三音(せきじょうみつね)ですわ!……仲良く、末長く?今後とも?よろしくお願いしますわね、凪沙さん」

 

 んん?赤城?え、まさか赤城財閥の当主?

 

「……………ああうん、よろしくお願いします」

 

わたしのあたまはパンクした。

 

「三音と、名前で呼んでくれて結構でしてよ!」

 

 

 

 

 赤城財閥、神奈川県に家を構えているVRフィールドの生みの親で、また宇宙船パァールツヴァルシュ号の船員が先祖だと言う。

 

 世界的に有名な一大財閥の一つで、様々な地域を運営している、わたしの住んでいるマンションもその一つ。

 

 ただ、司の仕事を盗み聞きするに……絶対マンション管理とかがメインじゃない、じゃあなんなのかは謎なんだけど。

 

 そしてその赤城家の当主が目の前にいる三音さんのようで。

 

 思えばネットの記事にも顔写真が載ってたな……今目の前でキラキラした目をしてる表情と全く結びつかなかったから、わからなかった。

 

「あ、忘れてましたわ……なぎちゃんさん、これを、その……気にいると良いのですけれど」

 

 そう言ってバッグから取り出したものを見ると……

 

「……いや着ねえよ!なんだよメイド服って!」

 

「ええー!?そんなはずはありませんわ?!司さんが言ってましたもの!こういうの喜ぶからって言ってましてよ!?」

 

「なに言ってんだあいつ!ばかじゃねえのか!?」

 

 変な入れ知恵しかしねえなあの野郎!ああくそ笑い声が反響してきた……許さねえ、司の通話の通知切る、もう知らない!

 

「ふふっ……おくちわるわるですわね?」

 

「あうえぁ!……す、しゅみません……」

 

「何故謝るのですの?好きですわよわるわる!わるわるななぎちゃんさんは見てて微笑ましいというか……」

 

 微笑ましいってなんだよ、おいそれどういう意味だこのっ……うう。

 

「それに、遠慮されるのは……苦手ですの、なぎちゃんさんとは、対等で話したいですわ?……よろしければ、ですけれど」

 

 その目を見て、懐かしい瞳を見て気付いた。

 

 彼女には気の置ける友人が居ない。心を通わす存在に出会ってない。

 

 私に赤城財閥の間柄など全く知らないが、立場上友人を作る事も無かったんだろうか……家族との縁も、何処と無く気薄に思える。

 

「……そっか、なら、対等で、友達として話そうよ……三音」

 

 司はお節介だ、わたしなら放っておけないとか思ってんのかな、その通りかも知れないけど……変に気を回すんだから。

 

 でもまあ、パァっと明るい笑みを見せるこの子を見ると……なんだかな、仕方ないなぁ、わたしが最初の友人になってあげよう。

 

「は、はい!……不束者ですがよろしくお願いしますわ?」

 

 使い方間違ってるよ、ソレ。

 

「そ、それですわね?なぎちゃんさん……そ、その、なぎちゃんさんを、ぎゅーってしてもよろしくて?」

 

 何をおっしゃっているんだこのお嬢様は?

 

「……やっぱり嫌でしょうか、そうですわよね……」

 

「え、あ、……うう」

 

 静かに立って、恐る恐る三音の膝に座る……お、重く無いかな、大丈夫だよね。

 

 ……これが計算でやってたらわたしはもう人を信じられないかもしれない、うう……でもなあ、初菜と違って危険な感じはしないし、なんだろう……この人、そういうあれじゃ無いような。

 

 かわいいもの好きなのか?……わたしは可愛いが、なんだか複雑。

 

「こ、これでい?」

 

「よろしくてよ!ああ、幸せですわ……」

 

「そ、そうか」

 

「なぎちゃんさん、普段は何を食べていらっしゃいますの?」

 

「え、普段?うーん、普通だよ、昨日は炒飯食べて、今日の朝はフレンチトースト」

 

「ふむ……何でもありませんわ!」

 

 ……?質問の意味がよくわからない、っもしかして、やっぱり重かったのか?!重いのかわたしは、重い女なのかわたしは!?

 

「ぉぉ重かった?ご、ごめんなさい……」

 

「ち、違いますわよ!?それどころか軽過ぎるぐらいですわ……羨ましいですわ」

 

 そ、そっか……よかった、わたしは重い女じゃないんだ。いや軽い女でもないねどね!ほんとうに!

 

「そうですわ!聞いてくださいましーー」

 

 

 

 

 その後、わたしは慣れないながらも……思えば、この体になって初めての友人と会話を楽しんだ、司の様子だったり、わたしの話だったり……三音の愚痴だったり。

 

 相変わらずの黒いサングラスを付けて、色んな国を転々としているらしい、近いうちに日本に用があって、その滞在期間に会いに来てくれるようだ。

 

 ……待ち遠しかったり、その逆だったり、へんな感情だ……繊細な感情も、女の子になったからなのかな。

 

 わたしの話といえば……まぁなぎちゃんの話になるんだけど、どうやら2回目の配信から見てくれていたらしくて、そんな早くに司は教えていたのかと行動の早さに驚いた。

 

 愚痴に関しては、わたしからは何とも言えないけど……面白いことをしてるなと思った。

 

 神秘の象徴、精霊を人間の手で実在させる実験をしているようだ。

 

 精霊、と言ってもこの場合はRPGゲームに出てくる意志を持った魔法を使うような、わたしがイメージするような精霊では無いらしく。

 

 元素を含んだ大きなエネルギー体の塊を言うそうだ。

 

 それで何をするのかは流石に口を滑らせなかった、いやまあ聞いちゃいけないことだから、わたしも配信とか外では言わない。

 

 ……別に外出ないし、言う相手もいないしね。

 

 そんなこんな会話をしていると、どうやら時間も過ぎるようで、お別れの時間が訪れた。

 

 また会う約束をして、今日出来た友人の為にも。

 

 今日の配信も張り切っていこうと決意した。

 

「よっすよっす!……自称プロゲーマーのなぎちゃんだよ、今日も元気に楽しみたいと思いますよ」

 

『よっすよっす!』『生きる糧』『ポニーテール?!』『かわいい』『かわいい』『ちょっと跳ねてるの可愛らしい』『なんだか嬉しそうだね』『良きかな』

 

「ん、へへっ……久しぶりにね?友達が出来たんだ……ああいや!なぎ民のみんなも勿論ともだちだよ?」

 

『男か?』『嘘だろ?』『やめてくれ』『気配……匂い……これは、女ですね』『草』『草』『杞憂だった』『匂いってなんだ』『ヤンデレミクちゃん』『コワイ』

 

 ひぇっ……か、鍵しめたよね、大丈夫だよね、包丁持って私の家の扉の前にいたりとかしないよね?!

 

「……はっ!怖くて……幽体離脱してました。ま、まぁ!ゲームしようよ!今回もなぎ民と遊べるゲーム探したよ?褒めて褒めて」

 

『えらい』『えらい』『かわいい』『ヤンデレから逃げるな』『かわいいなぁ』『投げ銭の限度額決められてるやん!』『まぁ、そりゃあね?』

 

 へへっ……褒められるのは怖いけど、なんだかな……やっぱり嬉しい、もっと頑張りたくなっちゃう。

 

「っとと、そうだ!最初の数分はね、私が頂いたファンアートを紹介しようかなって、この場を借りて改めてお礼したいんだ」

 

『おお?』『いーね!』『ほえ〜、見たことなかったな』『つおったー+してない人宛かな?』『なぎちゃんはやさしいなぁ』

 

「や、優しいとかじゃないじゃんか、みんなに見て貰いたいんだよ」

 

「と言うことで、じゃーん!最初の一枚はパソコン前のおくちわるわるなぎちゃんです!ふ、複雑だ……ありがとう!」

 

『かわいい』『かわいい』『微妙そうな表情だけど口元にやけてるのかわいい』『ありがとうなぎちゃん!』『はぇ〜〜すっごい』

 

「次はね、これ!……猫耳なぎちゃんです」

 

『うおおおお!!』『有能』『有能』『綺麗な水彩画やな』『水彩画の猫耳なぎちゃん……ごくり』『よーまー手描きできるわ』

 

 その他につよつよなぎちゃんとか、ホラーにビビるなぎちゃんとか……へへ、一番気に入ったのは、なぎ民のみんなと遊んでいる絵かな。

 

 一通り紹介した所で、ちょっと……言いたい事が思いついた。

 

「少し話、戻しちゃうけど……こう言うと幻滅しちゃうかもだけどね?投げ銭はさ、嬉しいし、その……下世話だけど、やっぱりお金は欲しいんだ、でも貰い過ぎて、それが当たり前になったら、みんなに甘えちゃう」

 

「それはさ、やだよ。わたしはね?こうやって配信に来てくれるみんなに、なぎ民に、少しでも……そうだな、支えになったり、楽しい気分になってくれたらなって。思うんだ」

 

「……て、照れるな、今の無し!なしなし!ほらゲームやろーよ!」

 

『かわいい』『絶対天使なぎちゃん』『救われる』『この娘やばないか?』『悶死するわ』『生きてることに感謝』『もう最高か?』『変な声出た』『頭がなぎなぎして来た』

 

なぎなぎってなんだよ……うう。褒められるの慣れないよ。

 

「き、今日のゲームはこれ!ぼうだあRED3Edition!」

 

『おお、協力FPSか!』『ん?なんぞ?』『で、出たー!……ごめんわからん』『なんやねん』『中小企業の電磁基盤工場様開発のゲームですね、面白いですよ』『はえ〜、あのほうき会社ゲーム作ったことあるんか』『ほうき会社じゃねーだろ!たまたま空飛ぶほうきが売れてるだけで!』

 

 説明しよう!ぼうだあRED3Editionとは、20年前の当時、電磁基盤工場株式会社の社員の数人が「おい!続き出ねぇじゃねえか!ふざけんな!」と言って、それに社長が「もう儂等で作るか」と、勝手に作ったゲームである!

 

 当然怒られたが、パソコンゲームにも関わらず売れ行きが爆発的に伸びたので、お咎めは無しのようで。

 

 そのゲーム性はFPSにRPGの要素を取り入れたロールプレイングシューターのゲームである!

 

 ゲーム開始時に自分が操作する4人のうちキャラの一人を選び、基本的にストーリーやサイドミッションを進めて行くぞ!

 

 中には特別なイベントだったり、それらになんの関係のないラスボス並に強いボスと遭遇したりと、イベント要素は多め!

 

 1人で遊ぶのもよし!4人集めるのもよし!最高にイカすゲームだ!

 

「みんなも、やろう!……と、言うことで3人枠募集しますよ〜……弾かれた人はごめんね?」

 

 そうだな、弾かれた……か、全員参加出来るゲームか、それとも企画を考えるのも、そろそろしないとね。

 

「お、早速来てくれた……ありがとうね?メンバーは、みみミクちゃん……その、お手柔らかに」

 

『草』『草』『距離が近い草』『ヤンデレにビビるプロゲーマーがいるらしい』『役なのかマジなのか』『そりゃあ……』『そうよ』

 

 他のなぎ民2名は……おおう、頑張らないとな。

 

「さて!無能2人も揃った所で早速スタート!……ユーさんにエリック、来てくれてありがとね」

 

『初期メンバー』『このゲームでこのメンバーですか』『草』『無能呼ばわりである』『ボソッと最後に名前言うの尊い』『好き好き』『嬉しそう』

 

「っしゃーじゃあ最初になにやろっか?ストーリー進める?それとも何処か行く?」

 

 あ、ミクちゃんがどんどん前に進んでく、ついてこ……えーとこの先何があったっけ、ちょっと覚えてないな。

 

「洞窟?……おお!財宝やんけ!こんな所に宝物庫ってあった?まあいいや、つよつよ武器来い!」

 

『あっ』『あっ』『ここは確か』『一体何が始まるんです?』『おや……部屋の様子が……』『お?』

 

 ガシャン!と大きな音が響く、音のした方に目を向けると、どうやらわたしは鉄格子で閉じ込められたらしい……え。

 

「は?!何やってんだおまえ!おいどう言う事……うひゃあ!蜘蛛エネミーじゃんか!無理無理!Lv8じゃんか!勝てないっておまえ!」

 

『私以外の女と会って何の連絡も無いうらみです!』『草』『草』『うっそだろ草』『ヤンデレ怖い』『怖い』『草』『開始30分前から飛ばし過ぎでは?』『恐ろしい人……』

 

「ととりあえず武器は拾ってる!ワンチャンある、全然倒せるけど1人じゃ無理だってばぁ!わ、わかった、わたしに非は無いが謝る、ごめん。許して!ここから出せ!」

 

『草』『草』『いやです』『ううーんこの必死な表情』『かわいい』『非は無いわな』『まるで浮気のバレた夫みたいだあ』『確かに』『わかる』『ミクなぎが濃厚すぎる』

 

 迫り来る蜘蛛を撃破しながら、徐々に体力が減って行くのを確認する。うー負けちゃうよ、まぁ序盤だし良いけど……ペナルティー少ないし、にゅーん……。

 

「お?このプラズマカノンは……え、エリック!助けに来てくれたの?……いや、やめとけ、エリックじゃあ荷が重い!」

 

『草』『草』『荷が重い草』『助けに来る速さは有能』『なお』『今回は有能かも知れんだろ!』『いけるのか?いけるのか?』『覚醒エリックか?』『BBBBBBB』『戻すな』

 

「お、おお、強くは無いけど弱くも無いぞ!成長したな!……よっし、2人で乗り越えよう!大丈夫、二人ならいける!どこまでも!」

 

「……ま、まじか、あいつ、ミクおまえ、エネミー引き連れてこっち走ってくんじゃねえ!PK行為でBANするぞおまえ!このっ」

 

『ヒェ』『草』『今日のヤンデレ映画は此方ですか?』『やる事の質が悪すぎる』『ちょっと微妙に倒せそうなレベルなのに優しさを感じなくもない』『その数!30体、無能を引き連れ、勝てるのか!』『ユーさんは?』『動画用にカメラ回してる』『これにこ@動画で一位取れるわ』

 

 わたしはエリックを見る、使っているキャラの武器的に殲滅力はあるはずだ……エリックは静かに頷いた、まるで友達を助けるのは当然とでも言うように、あの悪魔たるヤンデレを滅ぼさんとでも言うように。

 

「信じるぞ、行くぞっ!」

 

 私たちの戦いはここからだッ!

 

 その時、ドォォォォォン!!!と大きな音がした……

 

 あ、ランダムイベント、宇宙の使者さんの登場だ。敵が多くてレベルが5以上の格差があったら来てくれて、地形を破壊する一撃で敵を倒してくれるやべーキャラだ。

 

『あっ』『あ』『ここでランダムイベントですか』『宇宙の使者さんこんにちは』『お助けNPCに全部持ってかれたな』『今までの茶番は?』『熱い友情に水を差す宇宙の使者さん』

 

「……えー、うん。気が済んだね?」

 

 ミクちゃんはこくりと頷いた、ムカついたのでブレードで刺した……って、話し方変わってる変わってる、元に戻さないと。

 

『いたい!』『草』『当然』『そりゃそうよ』『自業自得』『一回だけなの優しい』『あんまり怒ってない顔、かわいい』『かわいい』『ところで今日のおぱんつは?』『千里眼発動!……白だな』『ナイスゥ!』『やりおる』

 

 ノーコメントです。この人のコメントの発言権無くそっかな、どうしよっかな、のけ民に任命しちゃおっかな。

 

「よーし、何だかもうわたしは疲れたけどまだまだやるよー。無難にストーリー進めよっか」

 

 エリックの成長を感じつつ、時折ミクちゃんが変なことを仕出かさないか監視しながら、わたしたち3人……?

 

 違うや、影薄くて素で忘れてた、ユーさん含む4人でぼうだあRED3Editionのストーリーを進めていった。

 

 

 

 

「ふぃー、何時もより疲れたな」

 

 配信を切って、一言呟く。まったくミクちゃん、というか初菜には困ったものだ、ああいう事する子じゃなかったと思うんだけどなぁ。

 

 ……まぁそれも七年間会えなかった寂しさからくるモノなら、可愛げがあって微笑ましいんだけど……いややっぱ怖いです。

 

「それにしても今日は、っへへ、そっか、友達……か」

 

 うへへへ……友達、友達かあ。この体になってから初めての友達だ……本当に、久しぶりに友達が出来たなぁ……。

 

「ん、メールきてる……まあいいや、明日確認しよ」

 

 今日はもう寝ようかな、何だかんだみんなと配信していたら日付が変わりそうな時間になってきたし。

 

 服を寝巻きに着替えて、ベットに転がる。真っ暗だと寝れない体質なので、オレンジ色の照明に設定して……っと。

 

 良い夢が見れたら良いな……おやすみなさい。




評価感想ありがとう!誤字報告も助かってます。別段ts好きじゃないって人も読んでくれてるみたいで嬉しい……嬉しい。
前の話、否定的じゃなくてほちょに嬉しい……本編に支障ない程度で書くぞい。
次の投稿は明後日かなー。

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