前回書いた話が個人的にあまり納得いかなかったので書き直したものを投稿させていただきます。
よろしければ、感想などお願いします。
幻想郷、博麗神社。
真昼間に巫女服を着た少女は神社の庭を掃除していた。
「はぁ、これが終わったら、どうしよかしら…。
…っ!」
少女がそう考えていると、何かを察して、身構える。
すると、神社の鳥居の空間が開き、一人の少年が傷だらけで投げ出されるように、その空間から出てきた。
「え…?
ちょっとあんた、しっかりしなさいよ!」
傷だらけの様子を見て、少女は思わず駆け寄る。
「うっ、うぅ…!」
少年がうめき声を上げるが、すぐに気を失った。
それを見た少女はまだ息があると見て、急いで神社の中に運んだ。
「う、ううぅん…。
っ!?
…ここは?」
少年はしばらくして目を覚ました。
「気が付いた?
あんた、変な空間から出てきて、傷だらけだったのよ」
「っ!?
誰だ?」
「はぁ、人様の家の前で倒れ込んでおいて、第一声がそれ?」
「ご、ごめん…」
少女は少年の様子を見て呆れた。
「まぁ良いわ。
私は博麗 霊夢、ここ幻想郷の博麗神社で、巫女をやってるわ」
「そうよ。
それで、あんたは誰なのよ?
さっきの様子だと、外来人なのかも怪しいんだけど?」
「俺?
俺は創、未来院創だ。
それで、えーと…?」
創は自分が何者か言おうとした途端、違和感を感じた。
ここに来る前の記憶が、自分の名前を除いて無いのだ。
「ちょっと、どうしたのよ?」
そんな創の様子を見た霊夢は訝しげに訪ねる。
「…ごめん、自分の名前以外、わからないんだ」
「記憶喪失ってやつね。
そう言えば、あんたの荷物、これらしかなかったけど、何か心当たりとかあるの?」
「…?」
霊夢が何かを取り出した。
それは変わった形のベルトといくつかの時計。
「…えーと、それ全部俺の?」
「そうよ。
あんた、よくこんなに持ち込んだって思うわよ。
でも、あんたの時計とベルト、何となく不思議な力を感じるのよ。
…いっそのこと、どっかに売って金にしようかしら?」
「いやいや!?
それ俺の荷物だってんなら勝手にやるなよ!
俺の記憶を取り戻すのに必要なものがあったらどうするんだよ!」
ボソッと売却しようかという霊夢に創はツッコミを入れる。
「冗談よ。
ま、これはあんたの荷物なんだし、好きにしなさい。
じゃ、私は外で掃除の続きをしてるから」
霊夢はそう言って、創にベルトと時計を渡すと、神社の外へと向かった。
「…何でこれが俺の荷物に…」
創は渋々と時計とベルトに触れた。
「っ!!?」
その瞬間、創の頭の中に、様々な情報と映像が流れた。
それはこのベルトと時計の使い方の情報。
それは、狂気に満ちた人間たちが妖怪に反逆し、迫害しようとしている映像。
それは人間と妖怪による戦争の映像。
それは、何者からかベルトと時計を託された映像。
「…っ!
今、のは…」
冷や汗をかいた創は改めて時計を見る。
そのうちの一つは、赤い時計で、表記には『2068』と書かれていた。
だが、その時計以外は灰色で特に何かが描かれているわけではなかった。
「…何でこれ以外は何の色もないんだ?」
そう考えた瞬間、外で爆発する音が聞こえた。
「っ!?
おいおい、いったい何なんだよ!?」
悪態をつきながら創は外に出た。
ベルトと時計を持って。
「な、なんだよこれ!?」
創が外に出て目にしたのは荒れに荒れた神社の庭に傷だらけの霊夢、そしてその霊夢の視線の先には、何やらとてつもないオーラを出している、魔女の恰好をした少女がいた。
「ヴぅうう…」
少女はうめき声を上げて、手に持っている装置を構えている。
「ヴっ!」
「っ!?
バカ、すぐに離れなさい!!」
呆然と見ていた創に気づいた少女と霊夢。
女は標的を創に変えて装置を展開し光が貯まっていく。
少女と同じく創の視線に気づいた霊夢はすぐさま創の下へと駆けつける。
「れ、霊夢!?」
駆け寄る霊夢に慌てる創だが、その直後に二人は光に包まれる。
少女が溜めていた光が、創と霊夢に向かって放たれたのだ。
強烈な爆風が二人を襲う。
視界の先は光に呑まれる。
これだけの威力を生身で受けると、無事ではすまない。
下手をすれば、骨どころか、灰の一つも残らないだろう。
「う、うぅ…。
あれ、何とも、ない…?」
そう、それは生身で受ければの話だ。
創は思わず目を見開く。
何故なら、目の前でさらにボロボロになりながらも、札を使って結界を張っている霊夢の姿があったからだ。
「霊夢っ!!」
「はぁはぁ…!
あ…」
今の一撃がかなり重かったのか、霊夢は倒れ、それと同時に結界の消える。
「ヴぅああああ…」
それを好機と見たのか、少女はさらに装置に光を溜める。
「っ!?
くっ…!」
その様子を見た創は思わず地面の砂を少女の顔に目掛けて投げ付ける。
「ヴ!?
がぁあああああ!?」
少女は目に砂が入ったのか、顔を押さえて苦しみだした。
「今のうちに…!
霊夢、しっかりつかまってくれ!」
「うっ…」
創は霊夢の肩を担ぎ、急いで神社の裏に回った。
神社の裏に回った創と霊夢。
そこで、痛みが少し落ち着いたのか、霊夢が口を開いた。
「…魔理沙のやつ、何であんなに凶暴になってんのよ…」
「魔理沙?
さっきのあいつか?」
「えぇそうよ…。
ちょっとした腐れ縁ってやつかしらね」
霊夢はふらつく足で立ち上がろうとするが、創が止めた。
「無茶すんなよ!
お前、ボロボロなんだぞ!」
「それでも、私は博麗の巫女よ。
あの程度、私一人でも…!」
霊夢は痛みに膝を着いた。
「…だったら、俺が行く。
お前は、ここで待ってくれ!」
「何言ってんのよ!
あんたに魔理沙を止めれるわけないじゃない!」
「それでもお前がこのままボロボロになって倒れるよりかはマシだろ。
…それにさっき魔理沙ってやつが出してたオーラに心当たりがある」
「…それってどういうこと?」
創の言葉に霊夢は訝しげな表情になる。
それもそのはず、創は自分の名前以外の記憶がないからだ。
「まだ、確信は持てないけど、何となくそんな気がするんだ。
だから、ここで待っててくれ…!」
「…わかったわよ。
…!?
伏せなさいっ!!」
「え?
っ!!」
霊夢に言われて慌てて伏せる創。
その瞬間、神社の建物の一部が光に呑まれて吹き飛んだ。
その先には魔理沙がいた。
「ヴうぅぅ…!」
「おいおい、向こうから来たぞ…!」
「魔理沙…!」
創と霊夢は思わず身構える。
だが、創は魔理沙の放つオーラに目が行った。
「…」
それを見て何か確信を得たのか、霊夢を下がらせて前に出る。
「ちょっと創!?」
「ごめん霊夢、この手のことは俺がやるから、下がってくれ」
そう言って創はベルトを構えて魔理沙の前に立つ。
「正直、俺には何でお前がそんなオーラを出して暴走してるかは知らない。
でも、このままにしておいたらお前は暴走したままだ」
創はベルトを魔理沙に見えるように見せると、魔理沙はそれに警戒するように動かなくなる。
「だったら、俺がお前の暴走を終わらせるだけだ!」
そう言って、創はベルトを腰に当てて装着した。
『ジクウドライバー!』
懐から赤い時計を取り出し、カバーを動かしてボタンを押す。
『ゲイツ!』
時計をベルトに装着して、ベルトのボタンを押して傾かせる。
それと同時に創の後ろに大型のデジタル時計が出現し、回転する。
そして、両手で傾いたベルトを交互に掴む。
「変身!!」
『ライダータイム!
仮面ライダーゲイツ!!』
ベルトが回転した途端、後ろの時計から歯車が現れ、創の体が歯車に覆われ、全身に赤い鎧を纏い、顔のバイザーには『らいだー』という文字が描かれていた。
「姿が変わった…!?」
霊夢は創の姿が変わったことに驚いた。
だが、創はそれに振り向かず、魔理沙のいる方向を見つめていた。
「ヴ!?
ヴァアアアアっ!!」
魔理沙は創の姿を見た途端、歯を剥き出しにして、装置に光を溜めながら、創に向かって走る。
創も、それを迎え撃つために拳を構えて走る。
「はぁ!!」
創の方が早く拳が届き、それが魔理沙の鳩尾を勢いよく突いた。
「ヴっ!?
ヴェアアアア!!」
魔理沙は吐きそうになり動きが止まりかけるが、装置を創の顔に持っていき、ゼロ距離で撃つ。
「うおっ!?」
創は勢いよく後ろに飛び顔のマスク部分を少しだけかする。
「あの装置、火力が高いやつ使ってくるんだな。
だったら…!」
『ジカンザックス!
you-me!!』
創はベルトから弓型の武器を召喚する。
「ヴうぅぅアアアああ!!」
魔理沙は周囲に手元の装置と同じものを召喚し、弾幕を撃つ。
「こいつは厄介だ!」
創は思わず悪態を突きながら避けていく。
だが、避けながら創はジカンザックスを構えて、周囲の装置を撃ち抜いていく。
それを見た魔理沙は装置を箒の房部分に取り付け、槍のように振り回しながら接近する。
「ヴぁああああ!」
『oh-no!!』
「はあっ!!」
創はジカンザックスを変形させて斧にし、勢いよく箒を切り裂いた。
「ヴっ!?」
「これでとどめだ!」
『フィニッシュタイム!』
真っ二つにされた箒を見て動揺する魔理沙にとどめを刺すために、創はベルトに装着された赤い時計とベルトのボタンを押して、再び両手で掴んで回転させる。
すると、創と魔理沙の間に『きっく』と『ライダー』の文字が列に並んで出現し、魔理沙のそばではもう一人の苦しみながら止まっている魔理沙の映像がが出現していた。
「っ!?」
「それはお前の未来の姿だ!
行くぞ!」
『タイムバースト!!』
その瞬間、創はその列に沿うように勢いよく飛び蹴りをする。
『らいだー』はバイザーに、『きっく』は足裏に当てはまるように飛び蹴りをする。
「ぐうあああああああっ!?」
そして、魔理沙は映像と一体化すると同時に創の必殺技を直撃し、先ほどの映像と同様の姿で苦しみながら、体のオーラが爆発し、倒れこんだ。
だが、そのオーラが消えると同時に魔理沙の体から時計が現れすぐに砕け散った。
「これは?
…!」
すると、創が腕に装着していた時計の一つが光り出し、色が付いた。
慌てて創はその時計をみる。
そこには『2012』と表示された赤と銀の時計があった。
「…なるほど、これがそうなんだな」
創はそれを見て何かを思い出したように言った。
「創!」
戦いが終わったことを確認した霊夢が物陰から出てきて歩いてくる。
創は変身を解除する。
「霊夢、もう終わったぞ」
「そんなの見ればわかるわよ。
…で、魔理沙のやつ、本当に大丈夫なんでしょうね?」
「あぁ、今は気を失ってるだけだ。
もう原因の奴もどうにかしたし、これで大丈夫だ」
「そう…」
霊夢はどこか複雑な様子でうなづいた。
「そんな事より、今は魔理沙を運ぼう。
このままここに置いておくのもあれだしな」
創は魔理沙を担ぎ上げながら言って、霊夢はそれについて行く。
「それもそうね。
…あのさ、さっきのことで色々聞きたいけど後ででいいかしら」
「…そうだな。
俺も全部思いだしたわけじゃないから、確信のあることしか言えないけど良いよな?」
「えぇ」
二人はそう言って、神社の中へと入って行った。