漫画家と主夫高校生のD×D   作:カチカチチーズ

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 アイスボーン楽しんでますか!?
 作者は楽しく地底に潜って狩りしてます!

それはそれとして、もうすぐデモンエクスマキナの発売日ですね。作者はスイッチないので、とりあえずスイッチライトを買う予定ですので……つまり、早くても20日にならないとやれないという……。まあ、諸事情で20日に買えるかどうかの問題もあるんですがね




四十八頁

 

 

 

 

 

 

 扉から離れた壁際に屈みながら猟兵はその手に握るスイッチを押した。

 

──ドンッ

 

 扉に設置されていた爆弾がさく裂し、小気味いい音をたてて扉が吹き飛んだ。しっかりとした両扉は見る影もなく、爆弾の煙で室内の様子、室内から廊下の様子は互いにしばし視認することは不可能であるが、マッピングデータとマーカーがある猟兵らにはなんら関係のないことである。

 既に待機していた他の猟兵らが室内へと手榴弾を転がしていた。

 立て続けに爆発音が室内から轟き、それらが止んでからようやく猟兵らは室内へと侵入していく。

 

 

 室内に侵入すれば、マッピングデータに記されているマーカーどおり、その場にとどまる悪魔が三体。内一体がほぼほぼ無傷で最奥の椅子に腰かけている。他、二体は完全には防げなかったか、膝をついてボロボロである。

 

 

「ガッ」「うっ」

 

 

 それを視認し、すぐさま猟兵らは二体の悪魔らの両膝両肩を撃ち抜く。

 そこまでやって、ようやくこの部屋───ヴァサゴ本陣にアンジェリカが入ってきた。

 

 

「どうもはじめまして、ヴァサゴの王」

 

「ああ、はじめまして傭兵殿」

 

 

 片や不敵な笑みで、片や苦々しい表情で相手方の『(キング)』を見つめる『(キング)

 

 

 

 

 

 

 ドミウス・ヴァサーゴにとって今回のゲームで起きた尽くが予想外という言葉でしか言い表せなかった。ゲーム開始早々の要塞正門の破壊と侵入、急いで迎撃に向かった眷属たちの早々のリタイヤ、そして自身の信頼している両腕を抑えつつ相手方の『王』が本陣にたどり着いた事。これらすべてがあまりにも予想外であった。いったい誰がこんなことを予想できたのか。

 そう聞けば約一名は予想できていそうであるがしかし、そんなことはドミウス・ヴァサーゴの知ることではない。

 彼もまた『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』の主戦力はあくまでトップである死銃一人であり、その下はそこまでではないと考えていた。無論、決して侮っていたわけではない。

 しかし、悲しきかな悪魔という種族ゆえか無意識ながらも見下し過小評価し、この事態を招いた。リゼヴィムからすれば哀れとしか言えない事態であるがそれは胸中に収めておく。

 さて、ここまで来てドミウス・ヴァサーゴの中に慢心はあるのか?いや、そんなものはない。あるのはいまだ消えぬ過小評価ただ一つである。

 

 

 あくまで目の前にいるのはアンジェリカという聞いたこともないような人間の女であり、最上級悪魔である父親を殺した死銃ではない。ならばなんとかなるであろう。

 そんな評価を抱きながら、ドミウス・ヴァサーゴはアンジェリカを見る。

 

 

「そう睨んでくれるな、ヴァサゴ殿」

 

「睨まれる理由は知らないと言いたいのか?」

 

「まさか」

 

 

 ドミウス・ヴァサーゴのイラついた問いかけにアンジェリカは肩を竦めて応える。その返しにドミウス・ヴァサーゴはより一層イラついていく。

 それを理解しているのかいないのか、アンジェリカは言葉を重ねていく。

 

 

「契約破りのクソ悪魔のことだろう?」

 

「殺す」

 

 

 瞬間、ぶちまけられるのは最上級に手をかけた悪魔による魔力の奔流。

 それに対して直線上にいたアンジェリカは近くの柱裏の方へと飛び込み、射線外の猟兵らは壁際に退避した。眷属?巻き込まれたに決まっているだろう。

 

 

『ドミウス・ヴァサーゴさまの『騎士(ナイト)』一名、『僧侶(ビショップ)』一名、リタイヤ』

 

 

 そのアナウンスに一瞬、冷静さを取り戻したかドミウス・ヴァサーゴは舌打ち、魔力を消して柱の方に逃げたアンジェリカを睨む。

 そんなアンジェリカはドミウスを一瞥し、立ち上がる。

 一瞥しただけでアンジェリカはドミウスへと向き直ろうとはしない。それを見て再びドミウスはイラつき魔力を放とうとしてしかし、なにか己の中のなにかがそれに待ったをかけた。それは本能かそれとも理性かはたまた全くべつのモノなのか、それはドミウス自身ですらそれを理解できない。

 だがしかし、その何かに従うべきだという事だけは理解できた。ゆえにその手を止め、ドミウスはアンジェリカを見る。

 

 

「ヴァサゴ。まさか、ここで過去の因縁が絡んでくるとは、な。予想できなかったわけじゃぁない」

 

 

 アンジェリカが歩き出す。ドミウスの方へ────ではない。さきほどまでいた、場所へと戻るために歩き出したのだ。

 

 

「こうして、悪魔に関わった以上。必ずぶつかる問題であるのは理解していたよ。そして、(オレ)はこれを超えるべき────試練であると受け取った」

 

 

 フードを掴み、アンジェリカはそれを被りながら柱の陰に消えた。

 それをドミウスの中のなにかは見逃してはいけないと訴え、そして柱の陰から現れた者に目を見開いた。

 

 

〈ン、故にオレはお前を潰すよ〉

 

 

 黒い外套にフードから見える髑髏のマスク、その手に握られた銀のFive-seveNと刺剣(エストック)

 しばし歩いてからようやく、それはドミウスを見た。

 

 

「死銃……!!」

 

 

 ここに仇が現れた。

 

 

〈It's Showtime〉

 

 

 

 

 

 不気味に髑髏の死面は赤く瞳を輝かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿な死銃だと……!?」

 

 

 観戦側ではどよめきにあふれていた。

 それは当たり前だろう。なにせ、この場にいないからゲームを仕掛けたのにその死銃がフィールドにいるのだから。

 まさか直接ゲーム外から転移してきたのではないか、と不正を疑う者もいるがしかし、別目線の映像でアンジェリカが死銃になっていた以上転移ではないのは明白であり、ならば偽物かとリゼヴィムに視線をやれば────

 

 

「ヒャヒャヒャヒャヒャッッ!!!まっじでぇ!?サービス精神旺盛かよ、Sterben。わざわざそれ見してやんのかよ。あー、やっば」

 

 

 そんな風に笑いながら腹を抑えている。

 嗤い交じりの言葉からして、あのフィールドにいるアンジェリカがなった死銃が間違いなく本物であるのは疑いなく、そして

 

 

「死銃は女だったのか!?」

 

「ハハッ、Sterbenの性別を知らないので?」

 

 

 リゼヴィムの煽りめいた言葉が投げこまれるが、そんなことは気にしていられない。

 ただただ、彼らは驚愕するばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈嘗て出会ったヴァサゴの悪魔。奴は我々と契約を交わしておきながら、それを平然と破り捨て、それだけでなく我が同胞にまで手を出そうとした赦せるか?否、赦す理由が無いだろう?〉

 

 

 左手で刺剣をペンの様に回しながら、右手でFive-seveNをプラプラとしながら、俺は目の前の悪魔を見る。

 煽りであるが、それは俺の本心。

 

 

〈オレたちは信頼を金で売っている。だが、金を払うから仕事を請け負うんじゃあない。そんな尻軽な傭兵もどきどもと一緒にされては困る〉

 

 

〈だから、バラした〉

 

 

 俺の言葉に悪魔はその表情を怒りの形相に変えた。それを分かっていながらも俺は言葉を続ける。

 

 

〈まず、その両膝を撃ち抜いて砕いた。次に腕の関節を折り砕いてそのまま背中の方で手の平を重ね杭で固定した。その次は腹を割いてから臓器を丹念に潰した〉

 

「……ろす」

 

〈そうして、自慢だったらしいその見栄えのいい顔を丁寧に削いだ。他にも何かしたが…………まあ、面倒になったからな。猟兵にバラさせた〉

 

 

「殺す……!」

 

 

 まあ、本当にやったのは顔削ぎだけだがな。他は全部面倒になったからやらなかった事だ。ああ、猟兵にバラさせたのは命乞いさせてからやったからこれも本当だったな。

 要するにそういう残酷な事をしようとなる、ぐらいに奴のやった事は俺に怒りを抱かせたわけだ。で?お前はどうだ?

 

 明らかにブチ切れたであろう、悪魔を見ながらFive-seveNを向ける。

 

 

〈あまり強い言葉を使うな。弱く見えるぞ?〉

 

「死ね!!」

 

 

 最上級悪魔に手をかけているに納得する魔力量の奔流を幾本も放ってくるので、それを的確に回避しながら、俺は嗤う。

 

 

 

〈真面目に相手すると思ったか?〉

 

 

 武器製造(ウェポン・ワークス)

 無数の銃剣をばらまいてから、手榴弾をぶちまけて、そこらのキメラをぶち殺す程の爆弾を内蔵したDinergateどもを悪魔へと突撃させた。

 

 

 

 

 

 





 Sterbenの性別知らねぇの?(女とは一言も言ってない)


わざわざ真正面から相手すると思った?相手しないよ☆(下衆顔)


 

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