卍解しないと席官にもなれないらしい。   作:赤茄子 秋
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あの人の卍解は恐ろしく強いが俺でも戦えるレベルだ。…おい信じろよ。

護廷十三隊六番隊副隊長 阿散井恋次


8.死神ってやばいわ。

はいはい、さらっと隊長に喧嘩売っちゃいました♪

 

あっははははははは!!!はー、は!うわぁぁぁぉぁぉぉ!!?

 

俺なにしてんの!?バカなの死ぬの?死んじゃいますよねぇ!卍解しか習得できてない俺じゃ、殺されちゃいますよねぇ!?

 

そんな心が荒ぶってる俺の所に訪問しに客がやって来る。

 

「萩風副隊長、今回は助かった」

 

日番谷隊長が態々頭を下げに来た。いや、傷は治ったんよ?俺もいつでも治せるレベルだからね、斬魄刀で切られたから手こずっただけだし。別に骨に霊圧が溜まってるせいか斬魄刀を防いでも骨に傷一つないし、松本さんは折れてたと思ってたみたいだけど。侘助のせいでちょっと体が重かったり飛梅のせいで火傷してただけだし。

 

「日番谷隊長、俺は当たり前の事をしただけですよ」

 

女の子を守るのに理由は無い、正直に言うと朽木ルキアの死刑も納得いってないけどね。

 

「市丸については俺に任せてくれ」

 

「助かります」

 

ありがとうございます!!命の恩人かよ、最高かよ!流石は天才だな、一番若い隊長は彼だしね!俺が四番隊追い出されたら十番隊行きますよ!

 

「…済まないな、本当はあんたが相手したかっただろうに」

 

え、何言ってんの?啖呵切ったけど、まぁ啖呵切ったけど!そん時は頭に血が上ってたんですよ、隊長格には勝てないよ?卍解・改弐をまだ身につけられてないからな!

 

「萩風…」

 

そしてそんな胸中を知ってか知らずか、何かを日番谷隊長が呟こうとした時だった。

 

これは突然起こった。

 

「っ!?」

 

遠くからだが感じる、霊圧の爆発的な増加。

 

中々デカイ霊圧を感じる…隊長クラスか?

 

「この霊圧は…更木剣八か」

 

日番谷隊長がそう呟く。

 

え、それ十一番隊隊長じゃないですかー…!

 

でも隊長ってやっぱり怪物じゃねぇか!みんな始解もしないでこんくらいの霊圧秘めてんの!?この日番谷隊長の小さい体のどこにそんな力があるん!?

 

「用事ができた、最後に一つだけ頼まれてくれないか?」

 

ん?日番谷隊長、何かあるんですか?面倒ごとは嫌いですからね?

 

「雛森を…頼んでもいいか?」

 

雛森副隊長?今は牢屋に入れられてるな。

 

「お任せを」

 

喜んでやりますよ!面倒ごと?いやいや、ご褒美ですよ。

 

☆☆☆☆☆

 

旅禍のうち、3人が既に捕まったらしい。

 

京楽隊長、東仙隊長、浮竹隊長が捕らえて来たらしい。で、残りの旅禍なんだけど姿を消してしかも一人は更木剣八を倒したらしい。ヤバいやんけ、半端ないって!強さえげつねぇよ!卍解使ってたかは分からんけど、隊長にそのまま剣術で挑む時点でヤバいけどな!

 

あーあ、しかも朽木ルキアの処刑日時が早まったらしい。旅禍が来たからかな?まぁ、俺にはどうにもできないんだけどさ。

 

…いや、出来ることあるな。旅禍を巻き込むとか、いやそれやったら副隊長じゃなくなるだろうなぁ、俺が死にかねん。つまりそれをやる事は無い。

 

それに、雛森副隊長を最優先に考えるべきだよな。

 

「萩風副隊長、何かお悩みですか?」

 

あ、ちょっと考え事をし過ぎたかな。いつのまにか隣に虎徹勇音三席が居た。最近は卯ノ花隊長の鍛錬後にしか会わないな、まぁ虎徹さんは優秀だから教える事がもう何もないからなんだけどねぇ。

 

「いや大丈夫だ。藍染隊長の検死は終わったのか?」

 

「はい、ですが卯ノ花隊長は何か引っかかるようで……」

 

あー、俺も発見した時に軽く検死したけども特に何もなかったな。でもまさかあの藍染隊長が胸に一突きだけで死ぬとは思わなかったな。不自然なのはそんくらいだよ、無防備だったんだろうなぁ…としか思えん。

 

まぁ、今の俺に出来ることなんて何も無いからなぁ。

 

というか虎徹さん少し暗い気がするな。

 

「元気を出せ、胸を張れ虎徹三席、君は君のできることをやればいい」

 

「っ、はっはい!」

 

するとシャッキ!と背を伸ばす虎徹さん。

 

「…っ!?」

 

なん…だと…!?いつもは背中を丸めてるから気づきづらかったが、こんな戦闘力を持っていたのか!?この山…ヤバイ、とりあえず元気出してくれたのは嬉しいが、俺は俺で元気になりそうだ。

 

「と…とりあえず、雛森さんの所へ行ってくるか」

 

「え、あの…ご一緒します!」

 

「それは嬉しいけど…今は良いよ、隊長のサポートを頼む」

 

普段なら即了承するよ、でも無理だね。今は有事で隊長には誰かしらが控えとかないと不味い。俺は俺で動きたい、だから虎徹さんはここで置いてくよ。

 

あーいつの間にか、もう夜だよ。もう雛森さんも昇った血も落ち着いてるよね?とりあえず、顔くらいは出しとかないとな。

 

雛森さんは友達が多そうだけど、日番谷隊長に託されたら行かざるを得ないよな。

 

☆☆☆☆☆

 

「…んで、こうなるのかよ」

 

デカイ穴が檻の奥に空いてる、当然これは元からあるわけないよ。

一応簡単に突破できないように…じゃなくて、絶対に突破されないように結界と見張りが居るはずなんだけども。まぁ雛森さん鬼道の天才らしいし、突破できちゃったかぁー。

 

速報 牢屋の方に来たら、雛森さん脱獄してました。

 

あ、これ市丸隊長殺しに行ったくさいな。

 

「萩風副隊長、如何なさいますか?」

 

ん、あぁそっか。一応、俺は副隊長だからな。この場で一番偉いの、俺だよな。なんて都合の悪い…いや、逆に良かったのか?

 

「直ぐに連れ戻してくるよ、報告は任せる」

 

とりあえず檻を開けて穴から外へ飛び出す、雛森さんの霊圧探さないとな。いや…もっと目立つ、市丸隊長の霊圧探すか?いや、雛森副隊長みっけたわ。最悪、力ずくで連れ帰るか。

 

自惚れかもしれないけど、俺って雀部副隊長とかを除く他の副隊長よりは強いと思うからね。卍解・改弐身につけてる奴とか居ないだろうし、まぁ隊長格以外なら相手しても問題無いぞ!

 

☆☆☆☆

 

夜の瀞霊廷を駆け抜けて行く、月明かりが辺りを照らしていき薄ぼんやりとした灯と、標的の霊圧を頼りに彼女はかけていた。既に脱獄してから30分は経過してるだろう、これだけ離れれば直ぐに見つかる事はない。

 

斬魄刀を片手に、それでも彼女は足を緩めない。何故なら目的を果たすための可能性を少しでも上げたいからだ、1秒でも長く時間が欲しいから。

 

だから彼女は誰よりも速く走っていた。

 

「なんとか、追い付いたな」

 

だが彼は悠々と彼女の前に立った。いつの間にか追い抜き、自身の目の前に降り立った死神に対して、彼女は斬魄刀を抜きはしない。仮にここで吉良副隊長が現れたなら、彼女は迷わずに抜刀し斬りかかっていただろう。

 

「萩風さん…」

 

四番隊 副隊長 萩風カワウソ

 

なぜここに居るのか、雛森には理解できない。だが、彼ならば話せばわかるのでは無いか?と。萩風は自覚していないだろうが、彼の名は護廷十三隊に知らぬ者が居ないほど轟いている。

 

その名は学院にすら轟いていたのだから、彼が特別講師としてやって来た時なんて席が足らずに立ち見してる生徒も居た。

 

だが逆に戦場に出ない臆病者とも揶揄される死神だ。

 

もし藍染隊長と出会わなければ、日番谷冬獅郎という幼馴染が居ないならば、彼女は四番隊に入っていたのかもしれない。彼は誰にでも同様に優しい、何と言われているのか知っていても関係無しに接する。

 

雛森は彼を信用している、なぜなら彼は死神の規範となるべき人格者だから。

 

「退いてください、私は…日番谷隊長を倒さなければならないんです!」

 

そう言うと、彼は面食らっているように見えた。雛森どころか、普段の彼がこのような表情をしてる事が無いからだろう。

 

「日番谷隊長をか、理由は?」

 

雛森の予想通り、彼はまず対話を行ってくれる。それに安堵しながら彼女は藍染隊長が記した遺書を抜粋しながら話す。

 

「今回の事件、おかしい事だらけなのはわかりますよね?」

 

本当におかしい事が沢山ある、刑に執行されるにあたっての過程であったり方法であったりもだ。

 

「そうかもな、でも君がおかしいのもわかってるつもりだ」

 

「日番谷隊長は双極でソウルソサエティを破壊するつもりなんです、私が止めなきゃならないんです!」

 

少しだけ、萩風は考え込む。双極が何かわからないわけでは無いだろう、斬魄刀の力の何100倍という力を持つ斬魄刀だ。これを使えばソウルソサエティは壊れる、朽木ルキアの処刑が早まったのもトントン拍子に進んでいたのもこれが理由なのだ。

 

そう、藍染の遺書には記されていたのだ。

 

「なるほど、筋は通ってるのかな」

 

そして、それをどうやら萩風も理解しているようだ。

 

「なら、それを壊せばいいだろ?」

 

だが、まったく分からないことを言い始めていた。

 

「物凄い力を持つ斬魄刀ですよ!破壊なんか、できるわけ…」

 

「まぁそう簡単には無理だろうけど…世の中に壊れないものは無いよ、作られた物はね。斬魄刀も折れるだろ、あれも斬魄刀に変わり無いんだから折れるよ。むしろ、手続きとか貴重さで対処に時間がかかりそうだな…」

 

そう言われると納得する自分が居るのに雛森は気付く、確かにそれをできれば日番谷隊長の思惑は潰れる。だが、それではダメだ。今の彼女自身の目的はソウルソサエティを守る事はなくなっている。

 

藍染隊長の仇を取る事だ。

 

だが、彼の一言がその頭によぎった言葉を消し去った。

 

「てか日番谷隊長、雛森さんの事が好きなのにそんな君も危ない事出来るわけないだろ」

 

今、何と言ったのか?

 

「……え?」

 

誰が誰を好きと?日番谷冬獅郎が雛森桃を好きだと?そんなわけがあるのか?と、彼女の中ではとてつもない情報量が錯綜し顔はたちまちオーバーヒートの為か真っ赤に染め上がる。

 

「…雛森さん、自覚なかったの?」

 

そんな様子を見た萩風は「あれ、これ言って大丈夫だったかな…」と呟いているが時すでに遅し。

 

心の中で可哀想に思ってるのか、萩風の目はここには居ない十番隊の隊長の事を考えて何とも言えない目をしている。

 

「えっと、シロちゃんは…その、ただの幼馴染で…」

 

「昔君がポロっと言った隊長ってカッコいいよね!を真に受けて今に至るぞ」

 

それを聞いた雛森は既にもう「え、あ…うぅぅー!?」と声にならない声でしか話せなくなっている。どうやら言語野がやられたようだ。

 

「ちなみにこの前俺のところに来たのだって、かなり辛そうな顔してたし。そのまま飲みに連れてったら…半泣きだったからな?色んな事をボロボロ聞いたぞ。例えば君は日番谷隊長と過ごしてた幼少期にいつか結婚しようと約束して、それを君は覚えてるのか心配になってたり「えっえっ!?ひ、あ…うわぁぁぁぁぁぁ!!?」」

 

雛森は混乱している、とても混乱している。顔を抑え、頭を埋め、穴があったら入りたい心境にかられ…

 

「あれ、雛森さん?」

 

そのまま気絶した。




日番谷発言が無かったら戦闘してた。







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