世にも幸せな冒険者・・・達?   作:優すけ

10 / 10
久しぶりにこちらに投稿しました。
一応本編として・・・アニメ『フォーチュンクエストL』より、謎の地下工場というエピソードです。

何故かファンタジー世界なのにマシンガンが出てきたり、地下ではベルトコンベアー式の工場があったりと世界観がグダグダな話でしたが、学生時代は何度も見直した話です。・・・最後の温泉が楽しみでした(笑)


取り敢えず、例のごとくキャラ崩壊やこんな性格じゃないと言う気持ちは抑えて頂いて、気楽に読んで頂けたら幸いです。それでは・・・


謎の地下工場・・・
謎の地下工場・・・? 前編


ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

 

鬱蒼と茂る木々の間の道路を、一台の軍用輸送車が砂煙を立てながら走っていた。車両の装甲は厚く、そんじゃそこらのモンスターの攻撃など屁ともしない。そんな無骨な車を運転席から操る赤髪の男は、後部座席に座っている面々の内の一人に声をかける。

 

 

「お〜いパステル〜、本当にこの道で大丈夫なんだよな〜?」

「大丈夫の筈よ〜? 衛星マップはちゃんとこのまま真っ直ぐってなってるから〜」

「うむ、俺の作った機械に不具合は無い」

「だったら良いけどよ〜、パステルの案内だとどっか不安になるからな〜」

「ちょっと、何よそれ〜!!」

「・・・」

 

 

少しガタガタ揺れる車内なので気持ち大きめの声を交わすトラップとパステル。間に挟まれたノルの声は見事にかき消されている。

 

 

「それにしても、ホントに温泉旅行なんて当たるもんなんだな〜」

「グフフ、きっとクレイが買っていたら間違いなくポケットティッシュ・・・いえ、むしろそれすら在庫切れの可能性すらありえますからww」

「・・・否定出来ないのが悲しい」

 

 

ガクッと項垂れるクレイを見てギャハギャハ笑うキットンだが、それを見た一人の可憐な少女が慰めるように彼の肩を叩く。

 

 

「大丈夫だよ、クレイ。そんな簡単にポケットティッシュは無くならないよ? それに無いなら無いで他の粗品を用意してるから元気出して、ね」

「・・・ルーミィ・・・段々雰囲気がお蓮さんに似てきているぞ・・・」

「え? そ、そうかな・・・少し嬉しいかも♪」

「ドヒャヒャヒャ!! 皮肉が通じない辺りもそっくりですね!!」

 

 

少し照れが入ったようにはにかむ、ふわふわしたシルバーブロンドの髪の少女。どこの西洋人形かと見紛うほどに完璧に整った容姿はやはりエルフの血だろうか。かつては、

 

 

『ぱ〜るぅ〜!! る〜みぃ〜おなかペッコペコだぉ〜!!』

 

 

と駄々をこねる元気少女だったが、牙の塔で成長するにつれて可愛さはさらに磨きがかかり、すっかり落ち着いてきた雰囲気は彼女の美しさを際立たせている。背も年相応に伸び、今は中学生ぐらいに見えるのだが・・・残念ながらまだまだ胸の成長は遅いようだ。合掌。

 

 

「それにしても、会長とお蓮さん達は残念だったよな〜」

「まぁ仕方ないじゃ無い。会長はお仕事に、お連さんは居酒屋。イルイちゃんとアルフィミィちゃんは機体の総点検とか言ってたし」

「あぁ〜、確かに二人の機体はなぁ〜・・・」

 

 

クレイがパステルの答えに苦笑いしていると、ノルがポツリと答えた。

 

 

「うむ・・・あの二機だけで整備班がフル出動だからな」

「そ、そうだね・・・」

 

 

それもそのはず、片方は大きさが半端ない程に大きく、もう片方は明らかに見た目が機械では無い。むしろどうやって牙の塔の格納庫に入れた? 謎である。

 

 

「んで、あの勇者賢者兄妹は・・・」

「きっとまた裏世界の魔王でも退治しに行ってるんじゃない?」

「・・・もしくは遊びに行ってるか」

「グフフフフ、どっちにしてもうるさそうですねぇ〜ww」

「キットンほどじゃないと思うけどな」

 

 

ちなみにレックス・タバサ兄妹の行動は全く予想がつかない。基本的にゴン太学級に所属はしているのだが、完全にそれを把握しているのはゴン太先生か校長のうっちゃんぐらいである。上手く教室で会えればラッキー程度の存在なので、皆もあまり気にはしていない。・・・というか、常に居られると迷惑である。主に騒音的な意味で。

 

 

「ま、たまには良いんじゃね? 俺たち初期メンバーで旅行ってのも」

「そういえば確かにそうだな。なんだか最初の頃が懐かしいな・・・」

「そうそう、今から行く温泉ってこの間のヒールニントよりも効能が良いらしいわよ?」

「ギャハハハハハ!! 一回も入っていないどころか、トラップが散々に破壊してくれましたけどねwww」

「うるせぇな〜、俺がジャンケンで負けていたらお前らがやってただろ〜が」

「ル、ルーミィはそんな事、しないよ?」

「・・・無自覚に引き起こす災厄の方がたちが悪い」

「「「「うんうん」」」」

「ちょ、ちょっと皆!? せ、せめてノルにだけは言われたくないよぉ〜!!」

 

 

丸太のような腕を組みながら呟くノルの肩を慌てたように揺さぶるルーミィ。それを笑いながら見守る皆・・・こんな風に実に賑やかなノリで交わされる会話だが、決して中身に突っ込んではいけない。お兄さんとの約束だ、いいね?

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

 

 

「・・・トラップ、少しその先を左に曲がってくれ」

「あん? 珍しいなノル。お前がそんな主張するなんて」

「その先に、良い釣りポイントがある。景色も良い」

「あ〜いよ。時間は充分あるし、寄り道すっか。お前らも良いよな〜?」

「「「「オッケ〜〜」」」」

 

 

先程の会話から1時間ほど走った先、唐突にノルが運転中のトラップに声をかけ、彼はハンドルを左に向ける。ちなみに今更だが、彼らは現在とある温泉施設に向かっている。パステルが商店街の福引きに当たり、それを発見したトラップがすぐに教室の周囲に拡散、そして今に至る。

勿論歩いて行くなど論外。そしてヘリポートや飛行場がその旅館に無い以上(ある方がおかしい)、必然的に車となるのは仕方ない。勿論貸出許可は牙の塔の管理部門からもらっているので安心である。

そんな一個部隊相当(比喩でなく)のメンバーが走る道の先が開けていくと・・・何とも素晴らしい光景が広がってきた。

 

 

「へぇ〜、以外じゃない? ノルがこんな場所を知ってるなんて」

「いや、たまたま知っていただけだ。近くで作戦があった事があってな、それの関係だ」

「あ〜、確かミスリルってやつ?」

「うむ」

 

 

停めた車から降りたパステルが思わず口を開いたこの光景。大きく開け、底が見えるほどに透明な湖に、それを囲むように茂る木々。晴天である事も重なり、正に絶景とも言える風景が広がっていたのだった。

 

 

「キレイだね・・・」

「あぁ、たまにはノルの言う事も聞いてみるもんだな」

「・・・たまには、とは何だ」

「グフフフフ・・・ん? 何か変な気配を感じますよ?」

 

 

湖面に手を差し入れながら微笑んでいるルーミィに、トラップがノルに茶々を入れている・・・と、その時キットンが不意に近くの地面に目を落とす。すると・・・

 

 

モコモコモコモコモコ・・・ポコポコポコ!!

 

 

「あ、あれは・・・フラワーアースドラゴン!?」

「何!? 知ってるのかキットン!?」

「うむ!!」

「あ〜、またこのパターンね・・・」

 

 

クワッ!!っと目を見開き、どこかの男○のように顔が変わるキットンとクレイに、パステルは『はぁ〜』っとため息を吐く。

 

 

「花土竜《フラワーアースドラゴン》・・・永き間土の中で過ごすうちに、ついに竜の称号を得た魔物。その強靭な腕は大木を軽くなぎ倒し、咆哮は嵐を巻き起こすと言います。頭の花は育つと世界樹に匹敵し、やがて世にも不思議な花を咲かせるとか・・・ちなみにかの有名なフシギバナが背中の花をトレードマークにしていますが、その大元はこのドラゴンが由来と言うことは周知の事実かと」

「ぬぅ、げに恐ろしき魔物よ・・・」

「よくハナモグラをそこまで言えるわね・・・て言うか、なんだか説明がどっちかと言うとポケ○ン図鑑に近いような・・・」

「「言うな」」

 

 

パステルのツッコミに答える間もなく、ポコポコっと顔を出すつぶらな瞳の可愛いモグラ達。ずんぐりとした体型に頭の花がヒラヒラと揺れる姿はなかなかに可愛いのだが・・・出てきてすぐに二本足で走り出す姿はどこかシュールである。

そして、そのすぐ後に『なぜか』湖近くにあった蓋つきゴミ箱から二人の軍服男がマシンガンを持って飛び出してきた。

 

 

「さぁ〜〜!! 一匹残らず捕まえるのよぉ〜!!」

「あっ!? 野生の人間達が飛び出してきた!?」

「だ、だから・・・いえ、もう良いわ・・・」

「ほ、ほら元気出してパステル? 取り敢えず深呼吸してもう一回、ね?」

「・・・いや、別に言葉に詰まった訳じゃないんだけどね?」

 

 

今度は何処からともなく取り出した赤い帽子をかぶって何やら構えを取るトラップに、もう疲れたと言った表情のパステルをルーミィがポンポンと肩を叩いて慰め(?)ている。

 

 

「んで、ど〜するよクレイちゃん・・・って、もういないよな、やっぱ」

「待てい!!」

 

 

すぐに飽きたのか、頭の後ろに手を回して横を向くトラップだが・・・当然既にクレイの姿は無い。明らかに片方の人間側を悪とみなした彼は、颯爽と間に立ち塞がった。

 

 

「な、なんなのよ貴方は〜!?」

「純なる魔物の心を操り、自らの欲望を達しようとは悲し・・・人はそう、『エゴ』と言う!!」

「だ、だから誰なのよ〜〜!!」

「お前達に名乗る名前は無い!!」

 

 

パチパチパチパチパチパチ〜〜♪

 

 

シャキーン!!・・・という音は聞こえないが、正に後光が差すかのようなクレイにパチパチと拍手を鳴らす皆。しばらく呆気にとられていた軍服男二人だったが、やがて我に帰るとジャキッとマシンガンを構えた。

・・・命知らずな。

 

 

「何よ!! ジャマするなら容赦しないわよ!?」

「おうおう、コイツらどうするよ? 俺達に銃向けちゃったよ」

「・・・撃っていいのは、撃たれる覚悟のある者だけだ」

「だったらノルよ、お前何人ぐらいから撃たれるんだ?」

「・・・100人から先は覚えていない」

「だから無視するんじゃないわよ〜〜!!」

 

 

ムキー!!っとばかりに顔を真っ赤にしながら怒鳴るオネエ系男だが、そんなのは彼らに関係無い。例え向けられる数が100倍になっても鼻歌交じりで切り抜けられるのだから、たかだか二丁構えられてるだけで危機感など湧くはずがない。豆鉄砲のようなものである。

しかしまぁずっと銃口を向けられているのも気分は良くない。となると・・・

 

 

「ほいっとな」

「むん」

 

 

スパ〜ン!!

ペシャン!!

 

 

「「・・・え?」」

 

 

クレイが目にも止まらぬ速度で振り抜いたロングソードは銃を一刀両断にし、ノルが両手でパチンともう一人の銃を挟むと万力で潰されたようにペシャンコになった。何が起こったのか分からない軍服男達だが、ようやくされた事を理解したのか大慌てで逃げ出した。

 

 

「ちょ、ちょっとこんなの聞いてないわよ〜〜!? ここは戦略的撤退だわ〜〜!!」

「ま、待ってください〜〜!!」

 

 

もうハナモグラの事など知らないとばかりに元のゴミ箱(?)の中へ飛び込んでいく二人をそのまま見送ると、取り敢えずポケ〜っと立ち止まったままのハナモグラ達にノルが話しかけた。

 

 

「モグ、モグモグ、モグモグググ〜〜?」

「モグ!? モ、モグ、モグモグモグ・・・」

「モグモグ・・・」

「モグ〜〜(泣)」

「・・・そう言えばノルって、ボンタ君語も理解してたわね」

「ノルって、やっぱり凄いね〜」

 

 

何やらシミジミと頭を下げるハナモグラ達の肩をポンポンと叩くノルを、胡乱げな表情で見つめているパステルと感心しながら見つめているルーミィ。果たして、彼らから明かされるゴミ箱の中の真相とは? 後半に続く!!




30分アニメ一話だけなので、取り敢えず前後編で収められるかと。
・・・収められるよね?(汗)

色々とツッコミはあるでしょうが、どうか寛大な気持ちでお願いします・・・合掌。
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