後に十月戦役と呼ばれる内戦は一ヶ月の時を迎え、ある分岐点を迎えようとしていた。
運命を決める一日、その前日の夜。
ガレリア要塞の演習場に張られた陣の一室、明かりの消えた月光だけが照らす場所には、鉄血の子供達によって連れて来られたトワの姿もあった。
「みんな、どうしてるかなあ」
拉致された事実と違い、彼女は無体な扱いを受けることのない待遇を受けていた。
隔離され、情報を何一つ得られないことに変わりはないが、連れて来られた時に抱いていた危惧は現状見当たらない。
「……私が蒼の騎士――クロウ君をおびき寄せる罠」
この部屋に案内されたクレアから聞かされる前より知っていた内容を反芻する。
蒼の騎神が持つ特性――親しい者が危機に陥った時、どこからともなく転移で駆けつける。
故に自分とアンゼリカ、ジョルジュが狙われたのだと。
「……言葉、届くかな」
与えられたベッドの上で三角座りをしながら、膝の間に顔を埋める。
もし本当に自分がピンチになることでクロウが来てくれるのならば、正規軍に追われた時に来てくれなかったのは何故だろうか。
命の危機にならなければ来てくれない、ということだろうか。
違いがわからない中で、ただ一つわかっているのは――再びの信頼が、クロウに届くかどうかという疑問だけだった。
クロウの様子がおかしいことには気づいていた。
それとなく探ろうとしたリィンを止め、彼が話すのを待つと選択した自分。
その結果が、これというのであれば。
クロウ・アームブラストは自分達を信頼していなかったということではないだろうか。
そんな自分達がピンチになったとしても、クロウが駆けつけてくれる根拠などない。
わき続ける不安に頭を振り、トワは邪念を払う。
「ううん、不安になっちゃ駄目。私が信じなきゃ……裏切られても、何度も。だって」
友達なんだから、と心の中でつぶやくトワ。
クロウのやったことは許されないことだ。
トールズ士官学院で過ごした日々は、偽りの仮面を演じる上で必要な姿だったのかもしれない。
それでも自分は。アンゼリカは。ジョルジュは。
彼を友達と思い、学院生活を送って来た。
すべてが嘘だったとしても、自分の気持ちまで嘘にすることはクロウにも出来ない。
ならば、胸に湧く気持ちをクロウに叩きつけるのみ。
あの奇想天外な後輩のように。
(そうだ……リィン君も確か、友達になりたい人が居て、学院祭にその人を呼んだんだよね)
思い浮かぶのは、後夜祭の折に何故か男性同士で踊っていた萌葱色の髪の男。
リィンなら仕方ない、という空気の中紹介もされたが、元犯罪組織の人物と聞いて大変驚いた記憶がある。
だがそれは彼が記憶喪失であり、いいように利用された結果であり今はリィンのおかげで記憶を取り戻して組織を抜けたとも聞いていた。
ユミルへの小旅行の折、記憶を取り戻すために、彼が五月から怪我を繰り返すほどの修行を行っていたことも合わせて思い出す。
(リィン君がいつも怪我だらけだったのは、友情に全力だったからなんだね……)
誤解のようで誤解でない話である。
相手が
だが結果的にリィンの行動は正解であり、さらに犯罪組織に所属していた相手を改心させた事実がトワの認識を撤回する機会を奪っていた。
故に、小さな胸に湧いた衝動に従えば逆に誰にも邪魔されることなくクロウへ接近出来るまたとない機会では、とトワは考える。
生徒会長としてシュミット教室を筆頭にリィンが起こす騒ぎによる余波は、思いも寄らないタフネスさをトワに与えていた。
「……クレア・リーヴェルトです。ご夕食をお持ちしました」
胸に新たな気持ちを沸き立たせていると、控えめなノックと声が届く。トワはすぐに部屋の電気を付けた。
息を整えて入室の許可を出すと、開かれた扉からクレアがトレイを持って顔を覗かせた。
視線が一瞬天井の蛍光灯に向く。
仮設拠点のため、導力の供給がわずかに遅れたため本来の明るさを取り戻すにはしばしの時間が必要。
つまり今まで消灯していたことをクレアは察していた。
その、理由も。
「申し訳ありません。蒼の騎神を捉えられず、貴女を巻き込む方法しか取れない私達を許してとは言いません」
「あ……その、私は……」
触れ合った時間は少ないが、共に聡明であるトワとクレアは互いの心情を手に取るように理解していた。
拉致された当時ならいざ知らず、落ち着いて冷静になったことでトワもまたクレアが隠す罪悪感をひしひしと感じる。
「本来なら、テロリスト活動を行っていたクロウ君にTMPのクレアさんが取られる行動に間違いはありません」
「貴女はもっと糾弾するべきです。なぜ自分を巻き込んだと怒号を上げる権利があり、私はそれを受ける義務があります」
クロウに対しての行動はともかく、一般人のトワを危険な囮に使うことは帝国を守る軍人としては許されざるものであることに違いない。
いかにギリアス・オズボーンの言葉といえ、親しい者の危機に駆けつけるという曖昧な作戦と、そこに使われる少女に疑念を抱くのは当然と言えた。
「いいえ。ある意味、ありがたいと感じています。本当にクロウ君が私の前に来てくれるのなら、直接話をするチャンスでもありますから」
「……今の蒼の騎士の現状をご存知ですか?」
「ある程度は。一種の暴走状態にある、と」
その上で対話を行えるのですか、とクレアは無言でトワに問う。
トワは少し違います、と返す。
「仮にクロウ君……蒼の騎士が来たとして、クレアさん達はそれを鎮圧するんですよね? 簡単です、私もお手伝いしたいんです。さしあたって、ギリアス・オズボーン宰相との面会は叶いますか?」
その言葉にクレアは言葉を失う。
拉致された悲しみに悲観していて当然の立場の少女は、すでにその気持ちを割り切り目的に向けて動いているのだから。
(どうして……そんな……)
それは嫉妬か憧憬か。
どちらにせよ、決して彼女に抱いてはならない感情だ。
トワを巻き込み、クロウへの人質を取る作戦を決めたのはオズボーンだが、それに賛同し、実行したのは自分。
ならば彼女がすべきは、己への罵倒なり怒りなりを受け入れること。
また、トワもその行動をクレアに見せることではないだろうか。
そうせずに、僅かな時間で飲み込む少女にクレアは心に湧き上がるものを必死で抑える。
トワとクレアを分けたのは、ひとえに友情と忠誠の違いと言えるかもしれない。
あるいは、どこぞの狂った因果律の影響か。
そんなクレアの心を知らず、トワは静かに己の質問の返事を待つ。
ややあってどうにか言葉を紡げる程度の冷静さを取り戻したクレアが、聞いてみますと告げて扉を締める。
今はただ、まっすぐに己を見上げるトワを顔を見ることが出来なかった。
*
「――閣下、クレア・リーヴェルトです」
「入りなさい」
仮設拠点の一室。
ギリアス・オズボーンの部屋に小さくノックの音が響く。
許可を得たクレアは断られることを前提にオズボーンへトワの要望を伝えた。
すると鉄血は何を思ったのか、その承認を受けた。
驚きに目を見開くクレアをよそに、客室から連れてこられたトワは一礼してオズボーンと相対する。
(…………怖、い。アンちゃん……ジョルジュ君……クロウ君)
かつてクロスベルにおける西ゼムリア通商会議において、特務支援課が感じたプレッシャー、それ以上の圧力をトワは感じ取っていた。
自然、呼吸が小刻みに荒くなる。
無理もない、と思いながらクレアがトワの肩に手を添えようとするが、少女は友人達の名を心の中で叫びながら、息を整え挑むように巌のような男を見上げる。
「トワ・ハーシェル君。いささか強引な誘いであったことをまず謝罪しよう」
口調こそ穏やかだが、それは噴火寸前の火山のような熱をトワは感じ取る。
鉄血の鉄を溶かすような想いが、陽炎のようにトワの脳へ突き刺さった。
「いえ……閣下の、帝国の行く末を思えば文句はありません」
その熱を前にして、予想と違うトワの言葉に、鉄血の子供達くらいにしかわからないほど小さくオズボーンが眉をひそめる。
二の句を告げたのはトワ。
「今回の作戦はクレア大尉から聞き及んでおります。私を囮に蒼の騎神を呼び出すとのことですが、具体的にはどういったものを想定しているのでしょうか?」
「ふむ……特に複雑なものはない。周囲に戦力を配置し、キルゾーンを構築。その場所へ蒼の騎士を呼び寄せる」
単純明快。それ故に効果があるのだとオズボーンは言う。
しかし、灰の騎神を知るトワは正規軍だけでそれを成し遂げられるのは些か疑念に感じた。
「あの、プロフェッショナルな方へ疑問を投げるのは傲慢かもしれませんが、質問構わないでしょうか?」
「構わない。何を思ったのか、話して欲しい」
「トールズ士官学院では、灰の騎神を調査する一環であの第四機甲師団との模擬戦が行われたことがあります。
結果は閣下ならば承知かもしれませんが、騎神の圧勝……蒼の騎神が同性能と仮定したとしても、撃破が叶うかどうか……」
「フフ、学生といえトールズの名を背負う者、その筆頭。その懸念はもっともだ」
「い、いえ……」
「君を組み込んだ作戦だ。何も詳細を明かさない、というのは不義理ではあるだろう。何、我々は正規軍以外の戦力
「正規軍では、ない……?」
猟兵、という考えが浮かんだが、いかに戦闘のプロフェッショナルであろうと騎神に人が勝てるとは思えない。
機甲兵を揃えていれば違うかもしれないが、あれは貴族連合の兵器。
正規軍が保有しているのは少ない数だけであり、その全てがガレリア要塞にあるわけではない。
ならば、騎神に対抗しうる戦力とは?
沈黙が間を埋める。
だがトワはここでその戦力を解き明かすのは自分のすることではない、と意識を切り替える。
自分が求めているのは、クロウの呼び寄せ方だ。
「失礼しました。この先は閣下を疑うことになりますので、これ以上は」
「気にすることはない、続けたまえ」
「……戦力のほうは承知しました。では、一番大事な……蒼の騎士をどうやって呼び出すのでしょうか? 私の危険を演出する、とのことですが」
「君には実際に危機に陥ってもらう」
オズボーンが目を横に向ければ、そこにあったのは黒いスナイパーライフル。
トワも士官学院の学生、こういった武器は見たことがあるが……そのどれと比べても異なる存在感を放っているような気がした。
「ガレリア要塞へ赴き、そこに設置した処刑台、とは違うが似たようなお立ち台の上で君を拘束し、狙撃する」
トワはごくりと喉を鳴らす。
背後で強く手を握るような音が聞こえた。
後手にかまえているといえ、クレアの感情が音となって漏れているのだ。
「親しい者の危機に訪れる、という情報と同じシチュエーションを用意するだけのこと。……道があると教えられても、見えない崖を前に踏み出させるのは申し訳なく思うが、帝国の国難を打ち払うために協力して欲しい」
オズボーンの言うように、ライフルで狙撃されればクロウが来る、という言葉の保証はトワにはない。
オズボーンは半ば確信しているように言い放つが、不安そうな空気がクレアからも発している辺り彼だけが知っているのかもしれない。
だが、ライフルの狙撃がトワの小さな体に当たれば、それがどの箇所であっても重症は免れない。
頭ならば柘榴のように弾け飛び、手足だったとしてもそこが千切れるほどの衝撃となって襲い掛かるのは違いない。
「狙撃手はリーヴェルト大尉が務める。彼女は優秀なスナイパーだ。狙いを外すということはない」
「…………っ」
クレアは言葉を発しない。
どんな命令であっても、鉄血の父の言葉に従う所存のようだ。
「同時に、君を殺すつもりもない。すぐに救出部隊を派遣し、君を拘束台から避難させる。万が一怪我をしたとしても、完治を約束しよう。無論、この先君の
「…………!」
トワの実際の家族はもういない。
ならば、オズボーンが言っているのはハーシェル夫妻やその息子カイのことであろう。
心臓が激しく脈打つ。
遠回しに、自分の返答次第でハーシェル夫妻の行方が決まっていると言われているような気がした。
同時に、彼の目を見ているとこれはあくまで策の一つであり、仮にトワが狙撃されてもクロウが来なかった場合を想定しているような気がした。
むしろ、その死体を
つまり、トワの生死など意に介していない。
それを理解した途端、凍えるような寒気が全身を襲う。
(駄目……駄目! 気持ちで負けちゃ駄目! リィン君だって、怪我を日常みたいに繰り返して来たんだから!)
繰り返すがそれを真似る必要など絶無である。
だがクロウと対面するにはこの程度の覚悟がなければいけないとトワは思っていた。
故に、彼女が返すのはこの言葉。
「わかりました。ただ……もし、蒼の騎神が現れたら、私に一言だけ彼に言葉を伝えても構わないでしょうか?」
「ほう?」
「一言だけで良いんです。もちろん、戦闘において一瞬の間というのは非常に大事な時間であることは承知しているのですが……」
「フフフ、構わんよ。それくらいの要望など簡単なものだ」
「感謝します、閣下」
一礼し、トワはそのまま部屋を退出していく。
その背を見送るクレアの目に、説明出来ない感情を宿して。
そんなクレアもまた退室した後、静かなノックと共に再びの来客がオズボーンの部屋に響く。
入ってきたのは、男にしては長めの髪を首元でくくった、紳士然とした雰囲気の男。
ルーレでルーグマンと名乗り、アリサに鬼の力を与えた男にしてリィンが駆る導力バイクに轢かれた加害者にして被害者であった。
*
「まだ蒼に動きはないかな?」
「はっ、魔女殿も含め静かにしているようです」
「
「気づいた様子はありません」
アルバレア専用の飛行船の一室。
ルーファスは近日中に動くであろう戦いに思いを馳せていた。
「しかし、本当にガレリア要塞に向けて進んでよろしいのでしょうか? 騎神には転移がある以上、我々はともかく他の兵が追いつくには時間が……」
「おや、私の作戦を疑っているのかね?」
「い、いえ! そんなつもりは……申し訳ありません!」
「作戦の折に馳せ参じることができない、という不安は承知している。だが、オズボーン宰相が動いていないのだろう? ならば、早い段階からあの場所を決戦の地と定めていたのだろう」
クロスベルを制圧している
と、いうのは表側の人間……魔術や因果律といった裏の事情を知らない者たちの予測だ。
しかしルーファスは金を通して、破壊されたガレリア要塞を
そうでなくとも、トワ・ハーシェルの確保に失敗したと聞いた時点で、そこを決戦の地に選んだのだとルーファスは理解した。
すでに壊れているのだから、これからどれだけ壊れても問題ないと、
(目に見えた囮に、待ち構える戦力。罠を張ったとしても、今の蒼ならば敗北はしても消耗は避けられない。本命はその後だが……)
オズボーンがどの手を打ってくるかで、こちらも手を変える必要がある。
いち個人としてならともかく、彼の背後や協力関係にある黒の工房がこの場にを出向くのであれば苦戦は免れない。
(それでも、私が全ての障害を超えて貴方の元へ辿り着こう)
そう思案するルーファスをどう捉えたのか、護衛が口を開く。
「閣下。ユーシス様のことですが、ルーレにて消息不明の後にラインフォルト社の会長より無事保護を受けたとのことです。付きましては」
「いや、構わない。弟が無事であるとわかったならば後日改めて礼に向かおう。もっとも、再会は近いだろうがね」
ノルドへ向かったユーシスの事情はルーファスも聞いている。
今は暴走したゴライアス含むヴァルカンへの非難に隠されているが、すでにルーファスは弟が自分とは別の道を選んだのだと予想していた。
(だが、我が満願成就の前に立ち塞がるのであれば……弟でなく、敵として相対させてもらうぞ、ユーシス)
おそらく、いや確実にそうなるだろうと予感しながらも、ルーファスは帝国南部のサザーランド州のある地域へ目を向けていった。
*
七曜歴1204年、11月29日。
AM9:00――
破壊されたガレリア要塞の跡地に、一つの台が建設されていた。
処刑台というには簡素であるものの、何らかの導力機械が設置された周辺機器を思えば見た目ほど安っぽいものではない。
そこに両手を拘束された制服姿のトワが膝立ちで佇んでいる。
本来ならば過去にならい、磔にしたほうが効果的かもしれないが彼女が罪人ではない。何より、クレアの懇願によりそれは撤廃された。
周囲に人はなく、本当に戦力が配置されているのか疑いたくなるほどに人の気配がない。
俯瞰して見えるのはトワと、彼女の正面数百アージュ先でスナイパーライフルを構えているクレアとその隣に並ぶオズボーン。
その背後には正規軍の軍服を来た軍人が隊列を組んで参戦しているが、クレアは彼らの顔にあまり見覚えがなかった。
疑念はあったが、それ以上の心への重圧がそれを忘れさせる。
何の罪もない一般人を狙撃する。
それが要請であっても、クレアの心は定まらない照準が証明していた。
それを横目に、オズボーンは声を張り上げる。
「トワ・ハーシェル嬢。君は昨今帝国を騒がせたテロリスト、帝国解放戦線のリーダーと深い関係にあったことが報告されている。そこに偽りはないね?」
「……はい」
トワは静かに肯定する。
名こそ出さなかったが、クロウ・アームブラストを今でも友人と思っているがゆえの言葉。
その肯定に周辺機器が唸りを上げる。
クレアは、あれが彼女の映像を蒼の騎神へ送っていると伺っているが……同時に、スパイとしてのクロウ・アームブラストと友情を結んだ彼女を、まるで共犯のように仕立て上げた声明を出していることは如何ともし難い。
だというのに。
トワ・ハーシェルの目に怯えはあっても怯んではいない。
一体何が彼女をそうさせるのか。
かつての自分のように、復讐相手がいるわけでもないというのに――
「クレア」
「っ、はっ」
オズボーンの言葉に、鉄血の子供《氷の乙女》としてのクレア・リーヴェルトが起動する。
すべての感情を氷の中に封じ込める。
砕けそうであるならば、より強固にオズボーンが固めてくれる。
条件づけのように繰り返されたそれは、今までと同じようにオズボーンの意に沿ってクレアの体を動かした。
スナイパーライフルのブレが収まる。
オズボーンより
狙いは、心臓。
助ける気がある、と言っていたオズボーンの言葉とは思えない照準先。
まるで
それは、トワにとって一瞬のこと。
目の前でチカリとなにかが光った瞬間に、視界は蒼に覆われた。
「―――――あ」
灰の騎神と似たような、蒼穹を彩る装甲をまとう蒼色の騎士人形。
その手が、自分に伸ばされていた。
「――――クロウ君」
驚きと疑問は胸に、トワは大きく息を吸い込む。
オズボーンが手を掲げ、同時に雲に隠れるように上空へ展開していたアルバレア公爵家の飛空艇の上で、エル=プラドーに騎乗するルーファスが何かのスイッチを押そうとしていた。
「ぐーだよ!」
「起動せよ!」
「弾け給え!」
三者三様の行動がガレリア要塞の中でぶつかり合おうとした瞬間――世界が、一変する。
「――奏でろ」
そこに紛れ込む第四者がいた。
帝国を騒がせ、揺るがす少年。
世界に類がない稀代の傾奇者。
名をリィン・シュバルツァー。
彼の行動を、後世はこう語る。
「《
更新遅れて申し訳ありません。ちょっとモチベーション下がって年末まで引きずってました。
そしてはぐはぐオズぼんとの軌跡、200話達成!
途中更新停止や今回のように伸びることもありましたが、我ながらよく書いたものです。
次の更新がまーた伸びるかはわかりませんが、ここから内戦編ラストまで駆け抜けていきたいところ。
黎(くろ)の軌跡発売前までに終わらせられるかな…?