機械とヒトと。   作:千年 眠

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大変お待たせしました。


第八話 契約:上

 百里と熾烈な高速戦闘を繰り広げるガンダム・バルバトス。そのコックピット内にダクトテープで固定されたハロは、今まさに記録され続けている稼働データをもとに機体OSの補正を担っていた。

 

 滑腔砲の反動を抑え込むバルバトスの腕部の動きに不正なブレを確認すると、ハロはすぐさま機体の制御系に割り込んでフルードポンプの回転数を上げる。

 するとブレは消えたが、今度は動力パイプに異常な圧力を検知した。流量自体は正常であるから、これはおそらくリキッドメタルに添加されたナノマシンが機能を停止して堆積し、パイプを狭めているのだろうとハロは予測した。なにせ三〇〇年間ノーメンテナンスだ。それくらいのトラブルは起こりうる。

 やむなくバイパスバルブを開いて過剰なリキッドメタルをエイハブ・リアクターに返した。代わりに、寿命を迎えつつあるメインのモーターをマニュアルでコントロール。ハロとしては余計なリスクを負いたくはなかったが、他に方法はなかった。

 流体パルスシステムは所詮、ナノラミネートアーマーを活性化させるためのエイハブ・ウェーブ伝播を兼ねたパワーアシストに過ぎない。かといってこちらのパワーを落とすとアクチュエータが筋肉の動作を模倣できないために動作の直感性はスポイルされるが、それはパイロットへのフィードバックデータに強めの補正をきかせることで強引に緩和する。

 

 そんな調子で、今にも戦闘の負荷でひとりでに墜落してしまいそうなバルバトスをその場しのぎの制御で宥めすかすこと数万回。機体側からの潤沢な電力供給によって本来の性能を発揮したハロによる暴力的な高速演算の甲斐あってか、三日月・オーガスは遺憾なくその戦闘力を発揮できているようだった。

 大きな不具合をあらかた解決したハロは、徐々に優勢に傾きつつある戦況をかんがみ、自らの目的を遂行することを選んだ。

 すなわち情報収集だ。

 

 正体不明のマルウェア群によりおおよそすべての記憶を失ったハロとサタンだったが、それでも創造主であるカイエル財団から下された命令は健在だった。

 

 オーダー001、人類の保護。

 オーダー002、MAの殲滅。

 

 数ある命令の中で現在もっとも優先すべきはこの二つと考えた。

 なぜならMAには耐用年数が存在しないからだ。あれらは搭載する主機の特性と子機プルーマによる自己修復・自己改良能力によって半永久的に稼働する。

 MAの脅威がいまだ存在するのであれば、サタンはアリアンロッド艦隊に合流し戦わねばならない。だがそのためには機体の輸送手段が必要だ。

 無論、ガンダム・サタンは完全自律および完全無補給行動を前提に設計された機体であるからして、その身一つで火星から艦隊の駐留地である月のグラナダ軍港へ向かうことなど容易なことだ。

 しかし、パイロットなしの完全自律行動にはカイエル財団による承認もしくは命令が必須。こればかりは財団のネットワークにアクセスできないためにどうすることもできなかった。

 

 ゆえに、現在サタンに敵対的でなく、かつMSの輸送能力を有する組織──CGSを利用する。

 彼らは社の倒産を防ぐため、高いリスクを承知で要人送迎警護任務を請け負っている。それが原因で世界の警察たるギャラルホルンと紛争状態にあるのだが、依頼を破棄することはしていない。そうせざるを得ない経営状況にあるのだ。

 彼らは利潤を求めている。それがわかれば話は早かった。

 サタンが記憶しているカイエル財団の知的財産の数々のうち、開示が許可されている機密レベル:C+までのものをCGSに一部譲渡する。CGSは無償で得られたそれを他社へ売却するだけで莫大な利益を挙げられるだろう。規模が違うだけで雪之丞にしたことと手口は同じだ。

 彼らの行動や言動を分析し、どのような商品を求めているのかを探る。そのための情報収集というわけだ。

 

 ハロは書き換え作業を終えたバルバトスのOSに機体制御を任せると、LCS通信機能を間借りして現在戦闘中であるウィル・オー・ザ・ウィスプとハンマーヘッドの両艦にとあるプログラムを送り込んだ。

 即興で作り上げたスパイウェアだ。それらは実にあっさりと両艦のメインフレームへの侵入を果たし、監視カメラや通信機器類をジャック。データを秘密裏にバルバトスへ転送する。

 データを検めていると、ハンマーヘッド艦内から同艦へ向けたクラッキング攻撃を検知した。

 タービンズに未知の第三勢力が潜り込んでいる可能性を警戒して攻撃元を逆探知してみると、そこには意外なことにオルガ達の姿があった。

 

「っしゃあ、きた! 艦内図取れたぜ!」

「さすがダンテ! あとは任せていいか?」

「おう、電子戦なら任せとけ!」

「よし。俺たちは一気にブリッジを落とす!」

 

 ノーマルスーツに身を包み銃を油断なく構える彼らは、艦尾格納庫にほど近い通路に陣取っていた。壁面のメンテナンスハッチに設置した端末を、赤毛をオールバックにした青年、ダンテがこれを操作している。

 

 現状から類推するに、移乗攻撃を仕掛けたのは数分前。ウィル・オー・ザ・ウィスプが煙幕を張ったのち急旋回し、ハンマーヘッドと超至近距離で交差した瞬間があった。彼らはそのタイミングでMWを使って乗り込んだのだろう。船同士の高い相対速度によるランデブー難度と死亡リスクの高さを無視すれば実に有効な作戦といえる。

 もっとも、有人機にやらせていい芸当ではない。やはりCGSの作戦計画は人命を軽視しすぎるきらいがある。人類種の存続を至上命題とするハロとしては好ましくない。

 それはブリッジへ進む道程でも変わらなかった。

 

「いたぞ!」

 

 タービンズの警備兵が彼らの後ろ姿を捉えると、殿を行くシノは素早く彼女に銃を向け、

 

「あらよっと!」

「煙!?」

 

 銃身下部のグレネードランチャーを見舞った。目視できるほどの低速で放たれた弾頭からは猛烈な勢いで白煙が吹き出し、付近の壁に真っ白な霜を作った。

 それはMSや艦艇の推進剤に用いられているはずの液体水素だった。

 再利用を前提とした演習用の低速催涙弾には、常温で揮発するガスを封じるための断熱容器が内蔵されている。彼らはそこに水素を充填したのだ。

 可燃性ガスを検知した船がけたたましい警報を発する。発砲すれば爆発は免れず、なおかつ視界をガスで塞がれ追いかけることも不可能ときては、警備兵にできることは何もなかった。

 

「ガス来るぞ。あと一分だ」

「急ぐぞ!」

 

 そのようにして攻め寄せる警備兵を何度か撃退し、ブリッジまであと半分程度といったところで、白兵戦部隊の一人が腕のデジタル時計を見やって言う。それを聞いたオルガは奪った艦内図を頼りに近くにあった天井の換気口を開け、そこへ全員を潜り込ませた。

 たいていの宇宙船は空気が対流しない無重力状態を想定して、人が完全に立ち上がれるほど広く作られた大容量の換気通路を備えている。部隊の面々はそこで息を殺して何かを待っているように見えた。

 その行動に疑問を抱いたハロが監視カメラの映像を再び精査すると、艦尾格納庫付近で電子戦に勤しんでいたダンテに新たな動きがあった。

 

「どっこい……しょっ!」

 

 格納庫の一角に設けられた巨大な有圧扇の前に、彼は何やら細いケーブルで数珠繋ぎにされた全長一メートルほどの太い筒を浮かべて回っている。それらの側面には目立つ赤色でFLAMMABLE GASと刻まれていた。

 ハロにはすぐに正体が分かった。MWから取り外した増加ブースターだ。中には液体水素と液体酸素がたっぷりと充塡されている。

 端末に戻ったダンテが操作を加えると、有圧扇の羽根が重々しく回りだし、やがて凄まじい力で空気を吸い出しはじめた。増槽がファンの生む負圧に引かれ、ひとつ残らず格納庫側のエアフィルターに張りつくと、ダンテは計画通りとばかりにニヤリと笑った。

 

「三、ニ、一……今!」

 

 潜伏する白兵戦部隊のものと同期した腕時計を見ながら、彼は端末のキーを押した。

 その瞬間、爆発音が格納庫に響いた。ダンテの端末によって推進剤の投棄を命じられたブースター群がおびたたしい量の白煙を吹き、そのすべてが有圧扇に吸われていく。

 本来ならば有圧扇は可燃性ガスを検知した時点で安全装置が働き停止するはずだったが、隔壁システムはとうにダンテの手に落ちている。彼以外には制御不能だ。

 艦内に張り巡らされた換気通路を通り、水素と酸素の混合ガスがあちこちに氾濫する。数センチ先も見通せない程に濃密な白煙がダクトというダクトからこんこんと湧き出すさまに、タービンズの船員たちに動揺が走った。

 一方で彼らのいるダクト内にガスはない。侵攻ルートを妨げないよう、うまく流路をコントロールしたようだった。

 だが万が一、この状態で誰かの銃や装備品をどこかにぶつけるなど、あるいは誰かが金属に触れた拍子に静電気が放電するなどして火花が発生していたら、間違いなく大惨事が起きただろう。発砲を防ぐには確かに有効な作戦だが、これはあまりに()()()()()

 敵も味方も等しく即死では作戦の意味がない。

 このような戦い方では地球に到達する前にCGSが壊滅しかねない。そう考えたハロは戦闘教義(ドクトリン)改良の提案を行動計画に追加した。

 

「ダンテがうまくやってくれてるみたいだな」

「しかしさっきから女しか出てこねぇぞ」

「知るかよ。行くぞ!」

 

 ガスの充満していない換気通路を選んで進む彼らの前に、抵抗らしい抵抗はもうなかった。彼らは罠の可能性を考えたようだが、それは違う。タービンズの面々が彼らをあえてブリッジへ導いていることをハロは知っている。

 

「しっかし古臭い手だが上手いもんだ。なぁ、あのガキどもはどうやってこっちのシステムに侵入してるんだ?」

 

 艦長席で足を組む名瀬・タービンが愉快げに言った。ダンテが換気システムを利用して推進剤を艦内へ充満させたときのことだ。ハロの並列処理能力なら、複数の映像と音声を同時に知覚することは容易かった。

 

「うっ、そ、そんなもん知るわけないでしょう!」

 

 マルバが顔をひどく歪めて吐き捨てると、名瀬の目つきが変わった。地団駄を踏み、締まりのない腹を揺らすマルバには気づくことができない。

 

「あぁ? テメェんところのガキだったんだろうが」

「ネズミ共にどんな芸仕込んだかなんていちいち覚えてるわけないでしょ! いいからさっさと殺しちまってくださいよ!」

 

 不愉快な記憶が蘇ったのだろうか。苛立ちに任せた返答を皮切りに、弁舌は止まらなかった。

 奴らは名瀬に喧嘩を売っているのだ、テイワズの顔に泥を塗っているのだ、だから早く殺してしまえ。そんな趣旨の罵詈雑言を喚きつづけた。

 名瀬はその間、マルバへ醜悪な生物でも見るような目を向けていた。

 なおもまくし立てるマルバをよそに、名瀬が足を組み変えた。符丁を受け取ったオペレーターの一人が彼に目を向けると、名瀬は首の横で手を何度かスライド──いわゆる首切りのジェスチャーをした。

 マルバはオルガ達がとうとう殺されるのかと顔に喜色を浮かべたが、それはあいにく警備兵への撤退命令だった。切られるのはマルバの首だったのだ。

 それから数分後、

 

「よ。ご到着か」

 

 名瀬の背後のドアからオルガ達が現れた。

 恐怖に腰を抜かすマルバに対して、彼の反応はまるで友人を迎え入れるような砕けたものだった。

 オルガは特異な空気を感じ取ったらしく、構えを解き、悠然と名瀬に歩み寄って言った。

 

「何かよくわかんねぇけど……俺たちがただのガキじゃねぇってことが、わかってもらえましたかね?」

「確かに、ただのガキじゃねぇみてぇだな?」

「ちょ、ちょっと名瀬さん何言ってるんですか!? こいつらこのまま許しちまったら……!」

 

 割り込んできたその声を聞いて、オルガは初めてマルバを見た。床にへたりこんだ肥満体へ向けるその目は冷たかった。

 

「な、なんだその目は──」

「そういやぁもうひとつ用事があったな」

 

 ノーマルスーツのヘルメットを乱暴に脱ぎ捨て、オルガはマルバへ一歩、また一歩と近づいていく。

 オルガの手によってライフルのコッキングレバーが引かれ、銃弾が薬室へ送り込まれる音が静かなブリッジへいやに響いた。マルバはやっと自分が置かれた状況を飲み込んだようだった。

 

「ま、待て! お前らを置いて行ったのは、そ、そう、作戦だ! あそこで全滅しちまったら元も子もねぇだろ!?」

 

 オルガの歩みは止まらない。

 

「ぐぅ……! い、今まで面倒を見てやったのは誰だ!? お前らに仕事をやって飯食わせてやったのは、一体誰だと思って──」

 

 マルバは二の句を告げなかった。オルガが彼の額に銃口を突きつけたからだ。

 

「もちろんアンタだマルバ・アーケイ。だから俺らは、今まであんたの命令に従ってきた」

 

 それはあまりに平坦な口調だった。それに理性を幻視したのか、マルバは媚びるような薄ら笑いを浮かべて再び口を開いた。

 

「そ、そうだ! だから!」

「そしてあんたの命令通りに、俺はあいつらを……!」

 

 引き金にかけられた指に力が籠もった。

 撃鉄が落ちる──。

 

「やめとけ、んなやつの血で手を汚すこたぁねぇ」

 

 それはどこまでも気安い口調だったが、決して無視できない強い力が隠れていた。視線だけをやるオルガに名瀬は、

 

「覚悟は見せてもらった。取引、考えてやろうじゃねぇか」

 

やはり、底の知れない笑みを見せるのだった。

 

 

§

 

 

 無事に交渉の権利を勝ち取りウィル・オー・ザ・ウィスプに帰還したオルガは、依頼主であるクーデリアに加え、CGSの首脳を務めるビスケットとユージンの計三名を連れ、再びハンマーヘッドへ向かうべくカッターボートへ乗り込んでいた。

 ボートはウィル・オー・ザ・ウィスプの艦尾多目的格納庫に停められていた。破壊された上面ハッチをようやく応急修復し、それでもいまだ気密が抜けたままのそこには、MWに混じってガンダム・サタンがその巨躯を縮こませ、片膝をついた姿勢で佇んでいる。

 墜落する船を押し返したその機体は、オルガが声をかけても一言も話さなかった。まるで全ての力を使い切って、息絶えてしまったかのようだった。

 操縦士の女性が不意に不思議な機体だねぇ、と言った。オルガはその言葉に、火星で発掘したんすよ、とだけ返した。

 

 オルガがサタンへ抱く感情は、少し複雑だった。

 ギャラルホルン所属の軍用機を自称するサタンがCGSに協力しないのは当然のことだ。彼もそれは理解していた。だが火星でサタンからそれを告げられた時、怒りが生まれた。騙したのかとさえ思った。

 自分たちを裏切ってギャラルホルンの襲撃から逃げた大人とは対照的に、ギャラルホルンを裏切ってでも仲間の命を救ってくれたサタンへ──大人でも子供でもない未知の存在へ、なにか美しい幻想のようなものを抱いていたのかもしれない。

 あまりに真っ当だったのだ。サタンが自分と、その仲間へ向ける態度が。

 

 人として扱われたことなど、オルガたちにはない。

 麻酔もなしに阿頼耶識システムを埋め込まれ、戦場では弾除けにされ、平時には理由なく殴られる。エリート気取りのアースノイドには宇宙ネズミなどと蔑まれ、ゴミを投げつけられたことだってある。金でやり取りされるヒューマン・デブリに至ってはそれ以下の扱いだ。

 だがサタンは違った。ギャラルホルンの人間も、CGSの人間も、子供も、大人も、誰であっても絶対に傷つけようとはしなかった。

 傷つけられなかった。だから仲間だと思った。仲間ではない者は、仲間を傷つけるから。

 勝手に期待して、勝手に失望した。言ってしまえばただそれだけの話だった。

 

(俺は)

 

 何をしていたのだろうか。冷静になってみると、後ろめたさとも悲しみともつかない、じっとりとした嫌な感情が湧いてくる。オルガはそんな気持ちを抱いている自分を不愉快に思った。

 そんな心境をよそに、カッターボートは格納庫入口に繋がっていた与圧チューブを切り離すと、人工重力を消された床からふわりと浮いた。同時に格納庫側面の巨大な搬入ハッチが真空中で音もなく開く。すると、目と鼻の先に砂色の船体が同じく側面を開けているのが見える。

 ハッチとハッチの間のごく短い距離をボートはゆっくり進み、やがて着陸脚がハンマーヘッドの床に触れた。 着地のわずかな振動を感じたオルガは改めて気を引き締め、CGSのロゴが残るミリタリージャケットの襟を正す。

 先の戦闘はあくまでスタートラインに立つための行為に過ぎない。本当に大事なのは、ここからだ。

 

「こちらにどうぞ」

 

 四人が豪奢な応接室に通されてまもなく、名瀬・タービンとひとりの女性──名前をアミダ・アルカといい、名瀬の第一夫人なのだという──が入ってきた。

 

 交渉はオルガの想定よりもスムーズに進んだ。

 今回の騒動でタービンズが消費した戦費の一切はマルバ持ちとし、資源採掘衛星での労働によって補填させる。そして名瀬は新生CGSをテイワズへ迎えるべく、ボスのマクマード・バリストンへ話を通す。

 そんな形で交渉がまとまりつつある中、応接室の内線に着信があった。

 

『こちらブリッジ。AAS(強襲装甲艦)ウィル・オー・ザ・ウィスプよりLCS通信を受信しました。タービンズおよびCGSと交渉がしたい、とのことです。繋ぎますか?』

「ふん?」

 

 CGSの船から発された通信のはずというのに、まるでCGSに属さない第三者のような言い草に、その場にいた全員が首を傾げた。

 

「……まさか、サタン?」

 

 ビスケットが呟いた。それを聞いた皆の視線が彼に向いた。

 

「誰なんだい?」

「えー、説明が難しいんですが……MSなんです、喋る」

「喋る……?」

 

 アミダの首が先ほどとは反対に傾いた。余計に訳がわからなくなっているようだ。

 

「繋いでいいぞ」

『了解しました』

 

 らちが明かないと思ったのか、名瀬は要求を受け入れた。表情は相変わらず怪訝そうだ。オルガはサタンが妙なことをしでかして彼の機嫌を損ねてしまわないかとひやひやした。

 

『当機はASW-G-00ガンダム・サタン。貴官らに要請が存在する』

「名瀬・タービン。あんた名前は?」

『当機はASW-G-00ガンダム・サタン』

「機体じゃなくて、あんたのだよ」

『当機はASW-G-00ガンダム・サタン』

「だから、そいつはお前のMSだろ」

『否定。当機:ASW-G-00ガンダム・サタンは、パイロット:アグニカ・カイエルの自我データを基幹プログラムに使用した、自己学習・自己進化型AI/Cを搭載する試作型MSである。現在当機は貴官らに対し対話インターフェイスによる意思疎通を試行中である』

「……もしかしてマジなのか、オルガ」

 

 オルガは名瀬の額に冷や汗を幻視した。先ほどの余裕に溢れた姿とは打って変わって動揺する彼の様子に戸惑いながらもなんとか返答する。

 

「ええ、はい……マルバが火星で発掘したらしいんですが」

『肯定。当機が虚偽を発言することは禁止されている』

 

 名瀬は目を丸くした。滅多なことでは、そう、それこそ武装したオルガ達がブリッジに押しかけても微塵も動揺する様子を見せなかった彼がだ。

 

「軌道上の戦闘を見たっておっしゃってたでしょう? 俺たちの船を押し返したのが、そいつです」

「例の隠し玉か。発掘兵器はそれなりに見てきたが、こんなのは初めてだぜ。んで、俺たちに何かあるんだってな?」

『肯定。要請:MSガンダム・サタンおよびパイロット総合支援ユニット、ハロの輸送。および、当該契約内容の詳細説明、価格交渉、契約締結に係る交渉』

「は?」

 

 オルガは自分の耳を疑った。内容が内容だったというのもあるが、それだけではない。

 声が自分の足元からしたのだ。

 

『オルガ・イツカ』

「おわっ!?」

 

 そこにいたのはバスケットボール大の球体だった。黄緑色のボディをどこか口にも似たパネルラインが一周していて、正面にはパープルのカメラアイが二つある。

 オルガが廃棄してしまったはずのハロだった。

 

「お前どっから!」

『ニ七分七秒前、貴官と同時に入室』

「最初っからじゃねぇか!」

『肯定』

「はぁ……すいません、これがハロです。中身はサタンと同じらしくて、こいつが見聞きしたことは全部向こうにも行くらしいです」

 

 何が悲しくてサタンの非礼の火消しをやらねばならんのか。そもそもハロは一体どうやって宇宙までついてきたのか。オルガとしては頭痛さえしてくる状況だった。

 

「なるほどな、機械ならそういうこともできるわけだ……ま、輸送なら俺たちの本分だ。聞いてもいいぜ」

「い、いいんですか?」

「フッ、カタギじゃねぇんだ。払うもん払うなら、機械だろうがヒトだろうが構わねぇよ」

『了解。補足:CGSの意思表示が未了』

「……わかった、言えよ」

 

 ハロはその言葉にいつもの「了解」で答えると、応接室の重厚なテーブルの下を通り抜け、タービンズとCGSの間に静止して語りだした。

 

 ガンダム・サタンおよびハロはギャラルホルンとカイエル財団の両方に所属する完全自律兵器である。

 サタンの任務はMAの殲滅および人類の保護だが、ギャラルホルンと財団、両方のネットワークにアクセスできず、状況の把握が困難な状態にある。またこれにより、無人の状態で動くことに対する許可を得ることもできない。

 だから直接、ギャラルホルン火星方面軍が駐留するグラナダ軍港まで出向きアリアンロッド艦隊と合流したい。

 そんなハロの言い分に、オルガは顔をしかめて言った。

 

「お前な、今俺たちがやり合ってんのは誰だ?」

『ギャラルホルンであると認識している』

「それがわかってんなら、わかんだろ?」

『推測:クーデリア・藍那・バーンスタインの送迎警護任務を完了することにより紛争状態は解消される。よって、当依頼は火星への帰路において十分に達成可能」

「む……」

 

 オルガはとうとう閉口した。うまく言い返したかったが、反論できる材料がない。

 そもそもクーデリアがギャラルホルンに狙われているのは、ひとえに口封じのためなのだ。

 クリュセ自治区の盟主にして経済圏の一つであるアーブラウの長が、火星と地球の間に交わされた不平等な経済協定の見直しを許した。彼女はそれを受け、交渉のテーブルにつくために地球へ向かおうとしている。

 だがギャラルホルンとしては、火星の経済的独立は面白くないらしい。オルガに彼らの詳しい事情はわからないが、襲ってきたのならそういうことだろう。

 逆に言えば、クーデリアが無事地球へたどり着き、アーブラウ代表と共に新たな協定書にサインをしてしまえば、その時点でギャラルホルンの企みは失敗に終わる。彼女に何をしたところで協定が以前のものに戻るわけでもないのだから。

 

 つまり、すべてが終わったあとのオルガたちには依頼を断る理由がどこにもない。地球から帰るついでに彼のいう基地とやらへ寄ればいいだけなので、手間のかかる仕事というわけでもない。

 もっともな意見だが、だからこそ少し気に食わない。オルガはそう思いながらも話を促した。

 

「報酬は払えるのか」

『肯定。カイエル財団が保有する知的財産の一部を譲渡する。例:コロニー躯体用第四世代高硬度レアアロイ精錬プロセス』

 

 その言葉を聞いた名瀬は、目を伏せて重々しく頷いた。彼の真剣な面持ちにオルガ、ビスケット、ユージンの三人の間に緊張が走る。

 

「……タクシー代にしちゃ太っ腹すぎねぇか? MSにそんなものを収めとくってのも変な話だが」

『理解している。しかし、現在の当機に当該データ群以外に対価として提示可能な資産は存在しない。補足:当機およびガンダム・サタンは現在、固有自我領域の三ニ%を破損し、重篤な記憶障害が発生中。よって、内部ストレージに当該データ群が記録され、管理権限が付与された経緯については不明』

「一介の兵器が組織運営にまで噛んでるのか……なるほど、事情はわかった。だが今回ばっかりはことがことだ。親父にも──テイワズの耳にも入れなきゃならん。詳しい話は歳星でしたいんだが、どうだ?」

『要請を受諾。ご協力ありがとうございます』

「CGSもそれでいいか?」

「は、はい!」

 

 オルガは終始あっけにとられていた。いくら高度な人工知能とはいえ、所詮はMSの域を出ない代物だろうと思い込んでいたからだ。無意識に抱いていた固定観念を崩されたその衝撃たるや。

 だが直後に、それを上書きするほどに鮮烈な言葉がハロより放たれる。

 

『──対話インターフェイス更新完了。オルガ・イツカ。ガンダム・サタンの取り扱いについて、複数の連絡事項が存在する。要請:ウィル・オー・ザ・ウィスプへ帰還後、貴官が希望する時刻におけるブリーフィングの開催』

「……ああ。わかった」

 

 ハロが珍しく見せた能動的な対話の姿勢を、オルガは警戒とともに受け入れた。心の内に湧いたわずかな期待には、ついぞ気がつかないまま。

 

 

第八話 契:上

 

 

 きりのいいところで仕事を終えたクランクが遅めの昼食を摂ろうと食堂を訪れると、少年たちの談笑に混じって聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「なあ、carryのsってどうなんの?」

『単語:carryの三人称単数現在形は『carries』』

「ありがと! えー、c……a……」

 

 抑揚に欠けた男の声だ。まだクランクが捕虜の身分であったころ、黄緑色の妙なペットロボットに同じ調子で話しかけられたことは記憶に新しい。名前は確か、ハロ。

 ハロについてはガンダム・サタンに付属するユニットのひとつなのだということくらいしかクランクは把握していない。いや、正確にはCGSの誰もがそうだ。

 命を助けられたことによる信用はある。だが、どこまで信じていいのかとなると途端にわからなくなる。

 サタンの主はCGSではなくギャラルホルンだ。彼自身が明言した。だから、何かの拍子にその圧倒的な力が我々に向けられる日が来るのではないか──そんな一抹の不安を排除できずにいるのだ。

 そのはずだった。

 身を固くしたクランクが食堂の中を覗いてみると、テーブルの上に乗ったハロを囲んで子供たちが何やらやっている。

 

「……これは、勉強か」

 

 思わず呟いてしまった。水を差しては悪いと慌てて息を潜め、なるべく気配を消して奥のカウンターへ歩く。

 プレートを受け取る間際、炊事係の少女がおずおずと追加の包みを差し出して言った。

 

「あの、朝ごはん、渡しそびれちゃってたので……よかったら休憩のときにどうぞ」

 

 今朝、クランクは残った仕事を片付けるために一番に起きて格納庫に籠もっていた。熱中するうちに朝食の時間を過ぎていたのだろう。言われて初めて気がついた。

 

「すみません、すっかり忘れていました。ありがとうございます」

 

 気を遣ってくれた相手に敬語を外すつもりは毛頭なかったし、そうでなくてもクランクと彼女はCGSの一構成員という同じ立場だ。言葉遣いの勘定に年齢の高低を入れようとは思わなかった。

 彼女はそれが意外だったようで、大きな目をぱちぱちと瞬かせた。特段意識した行動でもないだけに、クランクはなんだかむず痒くなった。

 

「……熱心ですね、みなさん」

 

 楽しげに談笑しながら自らの連絡用端末で文字を打つ少年たちを尻目に、クランクはごまかすように言った。少女はその言葉で我に返って柔らかく笑う。

 優しい子だな、と思った。

 

「はい。休憩中、クーデリアさんかハロがいるときは、ずっとやってるんです」

「そうでしたか。いいことです」

 

 長話は迷惑になるだろうから、そう言って切り上げた。正確には逃げた。

 少年達の視界に入らない席を選んで腰掛け、黙々と食べる。

 

(アインは、どうしているだろう)

 

 宇宙に上がってからクランクはそればかり考えていた。身勝手に置き去りにした負い目がそうさせた。

 己を慕う教え子を放り出し、死を装ってギャラルホルンを離れるなど、裏切り以外の何であろうか。

 子供たちの身の上話にほだされ、降って湧いた衝動に任せて責務から逃げ出す。その上、彼らのために自分ができることは未だ見つからず、労苦を代わりに引き受けるという何ら根本的解決にならない場当たり的な行動しかしていない。

 クランクは自分の無能にほとほと嫌気が差した。卑怯者だと内心で罵った。決して許されてはならない罪を犯したことを胸に刻んだ。

 つまるところ、この行いは他者を助けたいがためのものではなかったのだ。

 

(俺は……誰かを助けたいのではなく)

 

 誰かを救った自分を見て、快感に浸りたかったのではないか? だから、アインをこんなやり方で裏切ってしまえたのではないか。それこそ、噛み終えたチューインガムを路傍に吐き捨てるような気安さで。

 ズッキーニを刺したフォークを口に運ぶ手が止まった。空腹ではあったが、食欲が失せた。

 その一切を無視してクランクは食べた。飢えて働けなくなってはいけないし、出されたものを残しては失礼にあたる。己が何もできない無能とてそれくらいはせねばという矜持があった。

 そうして、プレートを空にした。与えられた休憩時間をすべて費やして勉学に励んだ子供たちは、めいめいにハロへの礼を述べると元気に食堂を走り去っていく。

 クランクだけは朝早くからの勤務を雪之丞に看破され、普段より長く休むよう言い渡されたのでまだ時間には余裕がある。

 手持ち無沙汰だ。暇つぶしのあてもない。時間稼ぎに僅かに残ったポレンタをスプーンで何度もかいて、もはや洗う必要すらないほどに丁寧に食していると、そこへ珍しい人物が現れた。

 

「クーデリアさん! お話どうでした?」

 

 長い金髪を束ねた貴人に、炊事係の少女はにこにこして言った。思えば、タービンズとの商談があると社長が話していた。カッターボートが降りるスペースを作るため、戦闘が終わるとともに艦尾格納庫を慌てて整理したので印象に残っている。

 

「うまく行きました。船はこのまま歳星へ向かうそうです」

「そこに寄ってから地球に行くんですか?」

「ええ。もうひと頑張りですね」

 

 クーデリアがまとう雰囲気は市井の少女のそれのようで、しかし体面した者の背筋を伸ばすような威厳を秘めていた。人はそれをカリスマと呼ぶのかもしれない。

 なにせ、弱冠九歳にしてノアキスの七月会議で堂々としたスピーチを披露した身だ。そのときでさえ、クーデリアの優れた人間性はクランクを驚かせた。

 自分が九歳のころに何をしていたかを顧みると、幼い頃から確固たる目標に邁進する彼女には敬意を払わざるを得ない。

 プレートを返しに行こうと思ったが、仲睦まじく笑い合う炊事係の少女とクーデリアの間に入っていくのは少し悪い気がした。とはいえ、いつまでも底をスプーンでさらっているわけにもいくまい。少しの気合を入れてクランクは立ち上がった。

 近づく彼を認めた二人がにこりと笑ったのを見て、クランクは控えめに会釈をした。

 

「ごちそうさまでした」

「はーい」

 

 陰謀の被害者を前に何も言わずに去るのもはばかられて、クランクはクーデリアにかねてから言いたかったことを言うことに決めた。

 おそらくこれは自己満足だ。いい結果にはきっとならない。だが必ずやらなければならないことだ。

 コーラルの命令に従って、彼の私腹を肥やす行為とわかって動いていた事実は、自覚があろうとなかろうと変わらない。今までの所業は、知らなかったでは済まされない。

 当時軍属の身としてはやるしかなかっただとか、敵が子供だとは思わなかっただとか、そういった言い訳はしたくない。

 これは生涯背負うべき十字架なのだと、クランクは思う。

 

「私は、クランク・ゼントといいます。ギャラルホルンのMSパイロットとして、先の襲撃に加担しました」

 

 二人の赤い瞳と紫紺の瞳が、それぞれ揺れた。

 

「バーンスタインさん。我々は……いえ、私はあなたの身柄を狙っていました。そしてMSを駆り、CGSのみなさんを」

 

 言葉を濁してなんになる。自分に苛立つ。

 

「殺害しようとしました」

 

 愚かだ。あまりに愚かだ。むざむざ空気を最悪にしてしまった。自分の不器用さが嫌になる。

 

「私は殺人者です。それを、ずっと悔いております」

 

 誰に謝っているのだ。誰に許しを乞うているのだ。結局お前は、何が言いたいのだ。これほど自分に絶望したことはない。

 

「……申し訳、ありませんでした」

 

 血を吐くような口調になった。

 絶句する二人の顔を、クランクは見ることができなかった。すべてに失敗した最悪の空気の中、何を言われても真摯に受け止めようという気概だけでその場に立っていた。

 

「ありがとうございます」

 

 クーデリアはクランクを真っ直ぐ見つめ、毅然として言った。頭を上げるように促されて、クランクは彼女の凛とした表情を見た。

 

「ゼントさん。自らの行いを包み隠さず打ち明けてくれたこと、感謝します」

 

 信じ難い光景だった。犯した罪を糾弾するでも発言を忌避するでもなく、感謝を返してくれるとは。クランクのいかめしい目が驚愕と共に見開かれた。

 

「あなたが皆さんと和解できることを、祈っています」

 

 幼稚で愚直な懺悔をすべて受け入れて、クーデリアは微笑む。今は亡き娘とさほど変わらぬ歳の彼女の精神は、クランクよりもずっと成熟していた。その懐の広さに助けられる形になってしまったことが、ひたすらに悔しかった。

 

(ああ、それでも)

 

 許しを得られたことを、嬉しく思ってしまう。

 

「えっと、私……私も、ありがとうございます! です!」

 

 カウンターの向こう側から投げられた思いがけない感謝の言葉に、クランクは再び驚愕した。そのおかげで目頭に生じかけていた熱が引いて、余計な恥を晒さずに済んだ。

 クリーム色の髪の少女はクーデリアにならってクランクの目を見ると、焦燥を落ち着けるように胸に手を当てて、ほっと息を吐いてから口を開いた。

 

「戦いのこと、色々言える立場じゃないけど……でも、ゼントさんっていっつもすごくきれいにご飯食べてくれるので! 嬉しいなって、思ってます!」

 

 クランクは、二人に頭を下げた。深々と、深々と。

 今の顔を、見られぬように。

 

 

§

 

 

 定刻通りにそれはブリッジへ現れた。

 

「来たか」

 

 ハロは三日月を伴ってやってきた。聞けばハロは先程まで年少組に勉強を教えていたのを切り上げてやってきたという。最近、彼はクーデリアの真似事をするようになった。

 

『予定時刻に到達。現在より、ガンダム・サタン及びハロの運用に係るブリーフィングを開始します』

 

 ハロはそう言うとオルガの横を抜けて、後ろの作戦卓に飛び乗った。普段は床に格納されていて、今回はハロのリクエストがあったので事前に起動しておいたのだ。

 オルガ、ユージン、シノ、ビスケット、三日月、そして昭弘。ハロはその場で旋回して、集まったメンバーを順繰りに見渡す。

 そして彼は、出会った頃に比べて少しばかり流暢な話し口で淡々と語った。

 

『当機は以前、ガンダム・サタンを民間人が運用することは許可されないと発言した。これは機体の所有権がカイエル財団にあり、また使用権をギャラルホルンが保有するためである。しかし当条項は現在発生しているイレギュラーに対応していない。よって、カイエル財団は当法に対して緊急避難措置の適用を許可している』

「緊急……避難?」

「なにそれ」

 

 少しの空白の後、オウム返しに言うシノに続いて三日月が尋ねた。ユージンが密かにほっとしている。知ったかぶっていたようだ。

 

『この場合における緊急避難とは、最優先目標を達成するためにやむを得ず実行した行為に限り、違法性が阻却されることをいう』

「……何が何されるって?」

『換言:ルール違反が許される』

「あー、なるほどな!」

「シノ……」

 

 苦笑いするビスケットの傍らで、まさか、とオルガは呟いた。ぴたりと静止していたハロが、まるで発言を肯定するかのように体を揺らした。

 いや、()()()ではない。彼は間違いなくオルガの言葉に頷いた。

 

『特定条件下に限定し、貴官らによるガンダム・サタンの運用を許可する用意がある』

 

 その下手な人間の模倣は、サタンの精一杯の歩み寄りの形、だったのかもしれない。どっと沸き立つ仲間達を置き去りにして、オルガ・イツカは凪いだ心で思った。

 居心地が、悪かった。




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