ナガレモノ異聞録 ~噂の都市伝説召喚師、やがて異世界にはびこる語り草~ 作:歌うたい
異能力【World Holic】
パラメーター解説
『再現性』
ワールドホリックで都市伝説の再現した際、どれだけオリジナルの現象に近付いた再現が出来ているかによって定まる部分。
再現される都市伝説の基礎となる部分なので、再現性があまりに低いと能力そのものが発動しない。
また、本編には記載していないがこの能力が低いことによる弊害は、再現者(=ナガレ)に対する負担が大きくなること。
『親和性』
再現の基となった都市伝説が発祥し、浸透していった国や地域と再現者が生まれ育った場所が近ければ近いほど親和性が向上する。
日本で広まった都市伝説であれば、日本人との親和性が高くなり、逆の場合も同様。
つまりは相性の良し悪しであり、これが高いとワールドホリックによる再現者への負荷が大幅に軽減される。
コントロール性とも言い換えれる部分であり、本編には記載していないが、これは再現した都市伝説との『交流』によって変動する(=好感度)
『浸透性』
再現した都市伝説がどれだけその世界で有名であるか、といういわば知名度パラメーター。
これが高ければ高いほど再現される都市伝説が有する戦闘力、効果の範囲や持続性に関わってくる。
また、それが都市伝説であるかどうかにも関わっており、妖怪や民話という側面が強い場合は浸透性が分散されるので効力が弱まってしまう上、内容によっては再現が出来ない。
『保有技能』
再現した都市伝説が持つ固有の特殊スキル。
未提出と表示されている部分は、基本的にナガレが観測する事によって開示される。
『同時再現』
同時再現とはその名の通り複数の都市伝説を同時に再現すること。
通常の再現より負荷が激しいので、余程親和性の高い都市伝説でなければ長時間の同時再現はナガレの身が保たないので危険。
以下、再現した都市伝説についてのパラメーターランクと都市伝説の解釈
最高値 『S』
最低値 『E』
No.001
【メリーさん】
・再現性『B』
・親和性『A』
・浸透性『A』
保有技能【背後より来たりて】
・背後からの奇襲の際、強さに補正が掛かる。
保有技能【依存少女】
・物質を依代にして憑依する能力。
主人公のナガレが一番最初に再現した都市伝説。
元はフランス人形であるが、今作では12、13歳ほどの金髪美少女として顕現している。
親和性の高さから、彼女自身もナガレを非常に慕っており、ナガレの相棒と自ら称するほど。
実は嫉妬深く、他の再現した都市伝説がナガレと仲良くしていると拗ねるし、ナガレに危害を加えようとした人物や魔物には容赦しない。
怒らせると色々と面倒。
気に入った人物の背後や背中に回ったりくっついたりするのは彼女なりの愛情表現。
ナガレが買ってくれたハニージュエルが好物になった。
ハサミを武器にした近接戦闘を行える上、空中に浮遊することも出来るので立体的な戦闘も出来る。
【依存少女について】
物質を依代にして憑依する能力。
命や魂が介在していない、というのが憑依の条件。
メリーさんいわく、憑依する対象にも居心地の良し悪しというものがある。
居心地の悪いものは短い時間しか憑依出来ないらしく、操作もほとんど出来ない。
反対に、居心地の良いものは多少操作をする事が出来るらしい。
メリーさんいわく、ナガレのスマートフォンはかなり快適らしく、スマートフォンから電話を掛けたり、アラームを鳴らしたりする事も可能。
スマートフォンに憑依する場合、ナガレとのリンクは遮断される
No.002
【ブギーマン】
・再現性『D』
・親和性『E』
・浸透性『S』
浸透性の高さから察せられる、世界規模の都市伝説。
発祥はスコットランドとされてはいるが、それはあくまで一節でありブギーマンに関しての資料や民話は挙げればキリがない。
言うことを聞かない子供を躾する為に語られる民間伝説であり、その姿形は各々の家庭によって千差万別に変わる、恐怖の代名詞。
子供(=メアリー)の恐怖心をベースにナガレが再現した最凶クラスの都市伝説であるものの、ナガレとの親和性は最底辺である故か、ナガレがブギーマンを再現した際にはまともに立つのも苦労するほどの負荷に襲われた。
その分戦闘力はメリーさんすら凌駕するほどで、先端がドリルみたいにネジまがった鉤爪を有する長い両腕と、長い両足を駆使して蜘蛛の様に動き敵を屠る。
分かり易く例えればメリーさんが長期戦用の少数戦闘型であるのに対し、ブギーマンは短期決戦用の広域戦闘型であり、戦況を傾かせるほどの威力を発揮する怪物。
強力な都市伝説ではあるものの、その危険性やブギーマン自身の狂気性から、セリアに極力使わないように約束させられた。
No.003
【食べてすぐ寝ると牛になる】
・再現性『A』
・親和性『B』
・浸透性『D』
メリーさんやブギーマンのようにその都市伝説の
元々は太りやすくなる、病気の誘発を防ぐ為の教訓からそっと尾ひれがついて、そこから怪談として仕上げる為に【第一次世界大戦のとある農村】という背景をつけただけのもの。
当然その都市伝説的怪談はネット上に作られたデマであり、その怪談自体の知名度も高くない。
効果自体は強力な現象再現ではあるが、再現の段取りがなかなかシビアなのは言うまでもない。
本編では触れられなかったが、この再現の効果は長時間持続することはなく、精々15分辺りが関の山。
もしくはナガレが負荷により意識を失ったりすれば自動的に解除される。
No.004
【鎌鼬】 ※筆者の独自解釈を含みます
・再現性『B+α』
・親和性『A』
・浸透性『B+α』
保有技能【─未提示─】
保有技能【二尾ノ太刀】
・二本目の尾を鎌に変える
保有技能【─未提示─】
ナナルゥの風精魔法によって引き起こした旋風を対象に再現した都市伝説。
都市伝説とはいうものの、鎌鼬とは非常に複雑な存在で、妖怪という面が一般的だが、本作では民承伝説という側面、そして都市伝説という側面も持つとしている。
昔、寒い地方で稀に引き起こる、身に覚えのない裂傷を妖怪の仕業としたのが発端であり、そこから鎌鼬という名前の妖怪が生まれた。
そして時が進むにつれ、『空気中で起きた真空が刃物のように人を傷付けるから』という解釈が広まり、日本ではカマイタチ現象、海外ではソニックブームなどの解釈をされるようになった。
これは現在でも大半の人々に浸透しているだろう。
しかし、現代科学によってこの説は立証足り得ないとされ、現在では鎌鼬の正体は『寒帯と乾燥によって出来たあかぎれ』という説が一番有力視されている。
それに伴い、寒帯以外でのカマイタチ現象の発生報告や鎌鼬そのものを見たという意見も増加。
当然、その報告に対して科学側からすれば単なるでっち上げという意見も出ている。
それはまるで古来より語り継がれた存在は神秘のままであって欲しいとする願いと、人が極めんする科学による探求との唾競り合い。
さながら鼬ごっこのようなこのレアケースな側面を、本作ではその一連ごと『都市伝説』らしいとしており、主人公のナガレは再現に組み込んだ。
彼としては【カマイタチ現象】そのものが再現されるかと予想していたが、ワールドホリックにより再現されたのは妖怪としての鎌鼬だった。
それに関して、恐らく【カマイタチ現象】というものに対する大衆のイメージの混同、カマイタチと聞けば妖怪を連想するのが大半、という浸透性の影響によるものではないかとナガレは分析している。
再現された鎌鼬の外見は、量の多い銀色の毛並みと真っ赤な瞳、そして三本の尻尾を持ったイタチであり、『キュウ』と鳴くことから『ナイン』という名前が付けられた。
その中心の尻尾は強靭な鎌の刃に変えることが出来、その威力は高ランクの魔物であるミノタウロスの角を容易く両断するほど。
再現性と浸透性については魔力による再現という部分から、鎌鼬の神秘性を引き上げた為にパラメーターランクが水増しされている。
人懐っこい性格で特にナガレの首回りにマフラーみたいにまとわりつくのが大好き。
そのベタベタぶりからして、メリーさんの怒りを買ってしまっているのだが、開き直ってよりくっついたりしていた事から愛らしい外見とは裏腹に肝の太いらしい。
また、寒い地方発祥という部分が起因してか、氷精魔法を扱うセリアにもなついている。
再現に協力した風精魔法使いのナナルゥも同様。