人の思いは色々ある。同じ組織にいたとしても、希望や理想は実は違っているものだって教えられた。
並んで戦場に立った戦友が、ある時を境に敵になるかもしれないって。
昔さ、そんなことを師匠が語ってくれたよな。
『でも敵であっても、『好敵手』にしてやる』?
ティス、それって師匠がよく言っていたことじゃないか。
シンは思わず、地面に蹲った。
足元の感覚が曖昧で、とても立っていられない。
息苦しい、心臓の鼓動がうるさい。自分が精神的に追い詰められていることを自覚しながら、何とか顔を上げる。
「場所を移すか?」
「はい」
ハイネの提案に何とか頷いて、シンは立ち上がる。隣にいるティスが不安そうな顔を向けてくるので、大丈夫だと頭を撫でてやる。
「そうだな、十キロでどうだ?」
「十分です」
言い終わる前に、ハイネの姿が消える。同時にシンも地面を蹴とばして、学園の外へと移動した。
十秒ほどだっただろうか。移動した先は海岸線、誰もいない岩場のようなところに辿り着き、ハイネが振り返る。
一瞬、お互いの視線が周り中を見回した後、彼は小さくため息をついた。
「最初の出来事は、技術流出だ。許可されたものじゃない技術や現物が、他の場所へ流れていったことが確認された」
事の顛末を語る彼は、とても嫌そうな顔をしている。
相転移エンジンは真空を低位な真空に入れ替えることでエネルギーを得る機関で、宇宙空間で使うならばエネルギー切れの心配がほぼない。
太陽炉は無限機関としては優秀な部類だが、人型兵器に使用するとエネルギー切れを起こす可能性が極めて高い。生産と消費のバランスが微妙なのだが、ツイン・ドライブなどで補うことができる。
それに、発生したGN粒子を機体や武器に纏わせることで剛性をかなりあげられる便利なものだ。
「その二つの動力炉に関連したエネルギー機関やそれ関連の動力パイプなどの技術が流出していた」
「第二級技術は、元々管理が甘い部分があったんじゃないですか?」
「情報局のほうでも、その指摘には『同意』している。帝国では『漏れても問題ない技術』だからな」
「第一級や特級には触れずに?」
「ああ、そこもな」
ハイネの顔色が変わる。
ラウ・ル・クルーゼの立場ならば、その二つを持ち出すチャンスはいくらでもあったはずなのに、第二級技術をわざわざ選ぶなんて。
「しかも、痕跡を消し切れていない。いくらあの人のマテリアルが電子戦特化じゃないにしても、お粗末すぎる」
「最初から隠す気がなかったとか?」
まさかという顔でシンは言っておいて、嫌な予感がしてきた。
「そもそも、だ」
ハイネは質問に答えることなく、盛大に溜息をつきながら、『皇帝以外の帝国上層部の考え』を口にした。
「あの陛下が、見逃すと思うか?」
「思いません」
迷わずシンは即答した。
裏切りには理由を調べて先回り、仲間の脅迫にはそんなことさせるかと防衛戦を構築、スパイなんて潜り込ませようとした瞬間に現場にいる。
それがテラ・エーテルという人物。
ジョーカー銀河帝国の周りの国々において、『帝国以上の職場環境を提供できる国家があるのか』というのも、疑問に感じる部分だ。
難しい問題、実験にかかる費用、周辺からの許可等など。皇帝を見つけて話を通せば、『人体実験などといった非人道的』なもの以外はすんなりと通る。
帝国は楽園である、なんてことを言うつもりはないが、かなりの自由度を人民に約束するのが『ジョーカー銀河帝国』。
それを蹴って他の国に行ったところで、色々なしがらみの結果、自分のやりたいことなどできずに終わる。
「もし仮に、陛下が気づかなかったとして、あの『巫女』が見落とすわけがない」
「ルリさんは、苛烈で強烈ですからね」
上層部の最大の懸念に対してい、シンは『今は温和だが昔は冷酷だった』人物の名を口にした。
テラが進む前に立った者は、星や星系ごと消す。冗談や嘘ではなく、本当に星系ごと消滅させたのが、ホシノ・ルリという『神帝の巫女』。
あの二人がそろっているのに、出しぬけるなんてことはない。
「じゃ、やっぱり」
シンは最初に感じた喪失感、あるいは絶望感が間違っていて欲しいと願いつつハイネを見つめる。
けれど、現実は無常だ。
「ああ、おまえの考えている通りだ」
「・・・・・師匠?! 今度は何をたくらんでいるんですか?!」
「やっぱおまえもそう思うよな?! 全員がそう思ったんだよ!」
「絶対にそうでしょう! あの師匠がクルーゼさんの相談を受けて『悪だくみ』って調子に乗ったんですよ!!」
「ちっくしょう! あの人はまったく! 問題を馬鹿騒ぎにしないと気が済まないのかよ! 今、アイリスさん達が全力で行方を追っている」
「はい、なら俺もですか?」
皇帝追撃隊の結成となれば、一番に名前が挙がるのがシンだ。何度も追撃を行って寸前で回避されて、政庁に馬鹿真面目に戻った皇帝が吊るされるが今までのパターンだが。
今回ばかりは捕まえられそうな気がする。
「いや、おまえはここにいろ。あっちはルルーシュとのび太さんが参加してくれている。キラの奴も『今回は怒った』とプログラムを組んでいるからな」
豪華追撃部隊の立ち上がりを知り、シンはほっと安堵した。
「ハイネは、それを言いに俺のところに?」
「最終確認のためにもな。皇帝陛下の思考を読めるのって、おまえかアイリスさん、アセイラムさんくらいだからな」
そうなのだろうか、とシンは疑問を感じる。
他にもいそうだろうと考えかけて、『あの馬鹿のことが読めるわけがない』と結論を出す。
予想して追い詰めても、何だかよく解らない手段で回避するのが、テラ・エーテルなのだから。
「それと、だ。アイリス宰相殿から伝言がある」
「はい」
やぱり、ここに残った場合の追加任務があったか。背筋を伸ばしたシンの視界に、『悪い顔をした』ハイネが映った。
「ディガーターの言い訳、期待しているそうだ」
「・・・・・・」
瞬間、シン・アスカは二度目の足元が崩れさる感覚を覚えたという。
今日は珍しく一夏は一人だった。
セシリアとシャルロットは、リンや箒、ラウラ達と『女性同士の親睦会』をしている。
女の子らしいとは何だとラウラが言い出して、他の皆が食い付いた結果らしいが、賑やかなのはいいことなのだろう。
剣道場にて木刀を構えながら、一夏はちょっとだけ寂しいと思っている自分に苦笑してしまう。
シンも今日はまだ見ていない。アリーナの整備室に行ったようだが、まだ戻ってきていない様子だ。
彼も彼なりに用務員として忙しいのだろうか。
木刀を持ち上げ、振り下ろす。剣道場には他の生徒の姿はない、今の時間は大半がアリーナでISの訓練をしている。
先日、次の行事の発表も訓練に拍車をかけているかもしれない。
今度もトーナメント戦、学年ごとにISを纏って戦うもので、先日に襲撃を受けてうやむやになったトーナメントのやり直しも兼ねているらしい。
木刀の切っ先が空気を裂く。素早く振り下ろした刃は、床の寸前で止まって、再び上へと持ち上げられる。
シンの戦い方を一夏は思い出す。
両手に持った剣を振り回す。相手の動きの先を読みながら、相手が自由に動かないように先回りして剣線を置く。
攻撃も防御も、彼の足を止めることができずに、相手は次第に追い詰められて撃墜されるしかない。
まだまだ遠い、けれど動きは目で追えた。ならばもっと訓練すれば、彼に追いつけるのだろうか。
力一杯に振るった木刀は、風切りの音を剣道場に響かせた。
「ほう、中々ではないか」
声に一夏は鋭く振りむく。誰の気配もなかったはずなのに、道場の入口のところに金髪の男が立っていた。
「あの」
「ああ、すまない。見事な立ち姿に、つい声をかけてしまった。邪魔をしてしまったかな?」
温和な笑顔を浮かべながら、男は道場に一礼して中に入ってくる。
外国人なのに、入口で靴を脱いでくる作法は、とても様になっていて普段からしているような錯覚を受ける。
道場での作法も心得ているようだ。剣術をやったことがあるのだろうか。
「いえ、大丈夫です。貴方は?」
「通りすがりの者だ。人を探していたら、道場から見事な音がしていたのでね。つい覗きをしてしまった。すまない」
一夏に近づき、後五メートルというところで、深々と頭を下げる。
年上なのに年下の一夏に素直に謝罪するところに、相手の懐の大きさが垣間見えた。
「大丈夫です。でも、まだまだ俺は未熟なので恥ずかしいのですが」
「いや、自分が未熟だといえるならば君は見どころがある。君くらいの年の若者は、『俺は強い、だから偉い』と増長するからな」
穏やかに微笑みながらも、男は視線を左右に向ける。周りに誰もいないことを確認していた様子だが。
「君一人かね?」
「はい、今は。友達は、色々と用事があるようですので」
「そうか・・・ところで、君は『刀』を使うのではないか?」
いきなりの話題に、一夏は言葉に詰まる。相手が何故そんなことを言ってきたのか、理由が解らずにいると相手は苦笑を向けた。
「これは失礼をした。つい、見所のある若者をみつけると余計な口を出してしまう」
「大丈夫です。俺が刀を使うとどうして解るんですか?」
「カン、というものだがね。しかし、君に教えている人物は『剣』を使うのではないか?」
当たっている。彼はシンのことを知っているのだろうか。疑問が一夏の中で生まれて、それが口を伝う前に彼が思考を遮った。
「強い者だが、彼の戦い方を追うのでは君のためにならない。戦場での立ち回りの参考にするのはいいかもしれないが」
「どうして、ですか?」
「ふむ、そうだな。君は剣と刀の違いについて、知っているかね?」
「片刃と両刃の違いですか?」
質問に質問を返す形になったが、相手は不快な表情を浮かべることなく、小さく首を振った。
「そうではないな。使い方の違いだ」
男は、それを貸してくれないかと一夏に告げる。
一瞬、見知らぬ男に木刀を貸すことに危機感を持ったのだが、相手の穏やかな雰囲気に流されて、一夏は木刀を渡すことにした。
彼は語る。
剣は本来ならば、『押しつぶして』斬る。重量に任せて切断するので、剣によって切られた切断面は細胞が潰れて綺麗なものではない。
返って刀は、『引いて斬る』ものだ。達人になればなるほど、その切断面は綺麗であり、斬られた本人さえ自覚できないほどに、あっさりと斬られてしまう。
「例外はあるが、そう言ったものだ」
言葉を紡ぎながら男が振るう木刀は、その動きが根本的に違っていた。
剣の説明では直線的に振り下ろされ、鋭角的に曲がって戻される。
対して刀の説明では曲線的に振り抜かれる。横から見ていれば解るが、円運動のように刃が通り抜ける。
「私個人としては剣は前に突き進む、刀は後ろに流れる。と言ったところか」
「凄い」
「なに、昔からやっているだけだ。こういった武器は修練を重ねた時間が多ければ多いほど、体に染みついて強さになってくれる。君も毎日、振っているのだろう?」
「はい。言われた通りに。シン・アスカって人に言われて、毎日やっています」
つい名前を出した時、彼は『とても懐かしいような表情を浮かべた』。
「知っていますか?」
「さて。では次は君が振るってみるといい。私が見てあげよう」
「お願いします」
言葉の先を誤魔化されたようだが、こんな機会はめったにない。達人級が見て教えてくれるなんて。
シンの場合、『くらって覚えろ、感じろ』だったから。
一つの動作に対して、一つの助言。こうしたほうがいい、こうやったほうが鋭く動ける。理屈も少し織り交ぜた言葉は、徐々に一夏の動きを鋭くしていく。
「さて、そこまでだ」
「え? でも、まだ」
唐突に止められ、一夏は時計を見上げる。
「集中し過ぎると周りが見えなくなる。君の集中力はとても素晴らしいが、同時に欠点にも成り得る」
かなりの時間、木刀を振っていたようだ。止められて始めて、全身の疲労を感じてしまった。
「極度の集中力は、危機的状況を打破するカギとなる。しかし一方で、自分の身体の状況を忘れさせてしまい、危機的状況を悪化させる罠にもなる。覚えておくといい」
「は、はい」
肩で息をしながら、一夏は彼を見つめる。
「ふむ、やはり、教えていなかったか。彼は昔から体力も同時に上げていたからな」
「え、あの?」
「こちらの話だ。すまない。さて、私もそろそろ戻るとしよう」
チラリと遠くを見た後に、男は道場を後にしていく。
「あの! また教えてくれますか?」
「機会があればまた教えられるだろう。君はとてもいいものを持っている。いい剣士になれるさ」
褒め言葉のはずだ。純粋に褒められたというのに、一夏は少しだけ嫌な気持ちになってしまった。
「・・・・・騎士にはなれませんか?」
不意に、一夏本人も意識していない言葉が零れ落ちた。
男はその言葉を聞くと、小さく悲しそうに笑った。
「騎士か。君は騎士になりたいのか? ならば止めておくことだ。騎士とは何処までも強く高く、そして何よりも業の深い存在だ」
「え?」
「かつて、騎士王より先、騎士の始まりを示した者がこう告げた。『騎士は決して増えることがない。何故ならば』」
男は背を向けながらポツリと、最後の悲鳴を落とす。
「『騎士一人を育てるには騎士一人の命が必要だから』だと」
重くのしかかるような言葉に、一夏は何も返せずに彼を見送った。
騎士の業。騎士の命で一人の騎士が育つならば、だ。目の前の彼はどれほどの命の上に成り立っているのだろうか。
一夏は不意に、シンを見ながらそんなことを考えていた。
何時もと変わらないアリーナでの訓練、変わらない仲間の中にラウラが入ってきたことで、色々な特訓が出来るようになったのだが。
やはり基礎的な体力は遠く及ばない。ISを解除した一夏は地面に座り込んで大きく肩で息をしている。
「一夏、誰かに教えられたか?」
「え? なんだよ、シン?」
「前よりも太刀筋が良くなっているなって。刀の使い方をしっかりと学んだみたいなんだが」
歯切れの悪いシンの言い方に、一夏は顔を上げて彼を見上げた。
「前よりも綺麗に流れる動きだったよ」
「シンさんの動きとは違いますが、洗練さを感じますわ」
シャルロットとセシリアからの褒め言葉に、一夏はそうなのだろうかと右手を握ってみた。
自分自身としてはまだまだ追いついてないつもりなのだが、褒められると悪い気はしない。
「ちょっと教えてくれた人がいたんだ。刀と剣の使い方の違いとか、な」
「へぇ、それは俺も聞いてみたかったな。俺は剣は使い慣れているけど、刀って使い慣れてないからな」
「そうなのか?」
意外だった。シンならば刀も剣も使えると思っていたのに。
「使えないことはないけど、どうしても生粋の刀使いに比べたら稚拙なんだ。特に抜刀術になると、まだまださ」
「意外でした」
ラウラが驚いた顔を向けてくるので、シンは『俺も人間だからな』と答える。
「で一夏、どう教えられたのだ?」
箒の問いかけに、一夏は思い出すように口を開く。
「『剣は前に突き進む、刀は後ろに流れる』だったな」
「え?」
流れた言葉に、シンが目を見開いた。まるで、それを『知っていた』かのように。
「どんな人が、それを言った?」
少し鋭くなった目線を向けたシンに、一夏は怪訝な顔で思い出す。
「金髪で、ちょっとウェーブが入ってたな。年は三十歳くらいだったと思うけど」
「他には? 何か言っていたか?」
切り返すように質問してくるシンは、前のような凄味はなかったが、何処か焦ったように見えた。
一夏は妙な不安を感じながらも、彼のことを思い出して、最後の言葉を口にする。
「騎士になれませんかって聞いたら、騎士とは何処までも強く高く、業の深い者だって。後、『騎士は決して増えることがない。何故ならば、騎士一人を育てるには騎士一人の命が必要だから』とか」
瞬間、シンが浮かべた表情を一夏は生涯、忘れなかった。
悲しむような、懐かしむような、そんな曖昧な表情の後に浮かべたのは、真っ直ぐに見詰める決意だった。
「そっか」
「ああ・・・・・シンは人を殺したことがあるのか?」
冷たくなった空気に耐えられず、何とか話題を変えようとした一夏が口にいたのは、とても残酷な質問だった。
彼自身、後になって何故そんなことを聞いたのか、解らなかったという。
「ある」
即答で答えるシンに、一夏の心の中で何かが叫んだ気がした。
「どうして? なんで殺した?」
「俺が『殺す』と決めたからだ」
あっさりとした、ではない。強烈なほどの決意と意思の重さに、呼吸が苦しく感じる。
「後悔してないのか? 家族とか、その人の大切な人とかに、悪いとか」
「思ってない。と、言えばウソになるけどな。でも、その人たちを殺したことを今も悔やんでない」
「どうしてだよ?」
つい強く言ってしまってから、一夏はこれは違うと思った。まるで八つ当たりではないか、と。
彼は自分を捨てた両親でもなければ、戦争を起こして笑う犯罪者でもないのだから。
「悔やんで何かが変わるわけじゃない。殺した事実は消えない。なら、俺ができるのは死者に対して、『我が背を見せ誇れるものであること』だけだからだ」
ジッと見つめる彼は、何処までも自然体でありながら、決意で微塵も揺るいでいない。
人殺しは最悪の罪だ。社会性の生物である人間の世界において、同族殺しは最も忌避するべきものだ。例外はない、一つであっても例外があっていいものではない。
ならばこそ、自分がしたことを許されると思ってはいない。許しがあると考えてはいけない。
罪深く業を背負いながらも、立ち止まって悔み泣き叫ぶよりも、前に進む道を選ぶ。
「『命を奪う武器を持つ者は、命を護る。その一点においてのみ存在を許される』、よく師匠達が言っていたことだ。だからこそ、俺は奪った命の分まで命を守り続ける」
「だからって、それで死んだ人に言い訳出来るのかよ?」
「言い訳はしない。俺が殺したと蔑んでくれていい。人殺しだと憎んでくれて構わない。俺はそれらもすべて背負って、強さを示し続ける」
シンの表情は揺らぐことなく、真っ直ぐに見詰める姿勢に僅かな動揺もない。
「俺は騎士だからな」
「そっか」
穏やかに微笑むシンに向けて、一夏は『これが騎士と一般人の差なのか』と漠然と思った。
軍人が殺人に対して『命令だから』と逃げられるのに対して、騎士は逃げ道などない。
すべての事実を受け入れ、それを背負いながらも、ただ前に進む。
そうか、と一夏は最後にもう一度だけ、呟いた。
昔、師匠がある敵に向けていったことがある。
誰かの受け売りだけどなって笑っていたけど。
『これから倒れゆく貴公と倒れていったすべての者達に敬意を示し、我が名を名乗ろう。これから先、我と戦ったことを誇りとせよ。我は貴公らすべてが誇れる騎士であり続けよう』って。
俺もそうありたいと願って、ここまで来たんだよな。
だからさ、ティス。まだまだ俺は先に行かなくちゃいけない。
例えあの人を、ラウ・ル・クルーゼを殺すことになっても、だ。