ティファ達が異世界から無事帰り、一月後の世界会議から更に二月経った頃、カールの山間部にある山奥村に一人・・・一頭・・・一体のモンスターがその村に住む事になった!
「あ〜その〜、フローラ女王様とアバン王配様の指示で今日からー俺ーと共に山奥村の駐在になるーデルムリン島ーから来たゴーレムのゴレ君だ・・・」
現カール騎士団の副団長・セインと共に
セインは騎士団の隊服を着ているが副団長の服よりはラフであり、騎士に慣れていないであろう村の人達の心情をなるべく刺激しない様にするべく四苦八苦しながら駐在挨拶を村の真ん中で開いてもらい!しどろもどろになりそうなのをなんとか堪えてだ!!
セインは一通り挨拶と説明をする
曰くこれは人とモンスター達との共存が可能なのかを実際に知るべく、各村や街、はては城下街や王城内でも今日から一斉に同様の事が起こっていることを。
なにもこの村だけではなく王の御前でもしているという言葉に、セインがあるとはいえモンスターが堂々と白昼の村の真ん中にいる事に不安を覚えていた村長をはじめとした村人達は少しだけほっとして、硬かった空気がほんの少しでも緩んだ事にセインこそが崩れたくなるほど安堵する。
「なんで俺なんですか!!!」
王配・アバンより直々に今回のー人とモンスターの共存第一歩計画ーの、街中・村中で働くモンスター達の動向及び、人とモンスターの互いの安全を守る騎士の一人に任命されたセインは即座に声を荒げ拒否しようとした。
セインは過去のハドラー大戦時に両親も兄弟もモンスターに殺されて以来、モンスターに憎悪を向け魔族も憎み、半魔すらをも討伐対象すべきだと考え、それが昂じてバーン大戦の最終戦の時、ティファをも殺そうとした事すらある。
セインにも言い分はある
確かに魔界を擁護し、尊敬すらしている事を匂わせたティファの言動に心が掻き乱され憎んだ事にも間違いはないが、それだけがティファを殺そうとしたことではないのだと
敵の中で捕虜としてではなく高待遇で遇され、遂には敵から様と敬称をつけられるほどになった、大魔王の魂を持ち魔界に同情する勇者一行の者など害悪にしかならないとの八割の判断はあったのだ。
そんな味方殺しにもなり得るミストの離間策はアバンの出現により食い止められ、ティファもセインも同時に諭され叱られ、双方思うところを反省したが、だからと言ってセインの中にあるモンスター嫌いが数年で消えるはずもなく、今回の計画を横目で見つつ勝手にしていろ邪魔はしないでいこうとしたのを!
「あなたにもぜひ参加してもらいますよセイン。」
なんて!ノホホン顔で言ってきたアバンの顔ぶん殴らない自分は偉いとセインは本気で自分の忍耐を誉めた。
セインはアバンとロカよりも二つ年上で、ロカの無鉄砲の後始末・アバンの本の虫からの鍛錬サボりのその後の面倒を見るなど物凄く苦労したのだ!
そんな阿呆な苦労は二度となかろうと思っていたのに!特大級の面倒ごとを命じてきやがったアバンをどうしてやろうか!?
・・・反逆罪になるし面倒見ていたアバンの可愛げも思い出しつつセインは耐えて
「お断りさせていただく。私よりも若く理想に燃える騎士はいくらでもいるでしょう。」
お前も自分のモンスター嫌い知ってるんだから他当たれたと丁寧に言った自分は偉く、その通りですねとアバンが受けて立ち去る事を願ったのだが
「この件はセイン、貴方に頼みたいのです。」
とか!アバン王配も真剣な顔で前屈み気味になりながら命がくだされ、かくして会議の半月後にセインは名を受け、そこから他にも同様の命が降った者達、各持ち場と担当になるモンスターの勉強会が待ち受け、一月後に実際に担当モンスターと顔合わせ(?)をした。
一対一ではなく、城内の広間で
各国の王室も、現場任せにはせず自分達もこの計画の一部に組み込むべく、今回派遣されるモンスターの勉強と実際に会う事になりそうなったのだが、セインとしては大量(?)のモンスターを城内に入れるなと内心で大いに怒鳴りながら、担当のモンスターとの対面となり、三日を城内で、残りは家での共同生活を経てのそれぞれの持ち場への派遣となった。
今回はベボのようなベホイムスライム・癒し系のスライムと一角ウサギ・力持ちのゴーレムが選ばれ、セインはゴーレムのゴレ君が相棒になった。
人おじせず、自分を見て頭を深々下げてきたゴーレムにセインの毒気は抜かれて悪い奴(?)では無いなと本気で安堵しつつも、うまくやっていけるのかとの不安が拭えない中での山奥村への就任となったが果たしてどうなるのか、挨拶と説明を終えたセインはため息を飲み込みつつ冬空を見上げるのであった。
明けましておめでとうございますと、お久しぶりです。
また不定期ながらもエピソードと以前言ったダイ大の魔界編と主人公のゴールを最後まで書こうと思います。
よろしくお願いしますm(_ _)m