0が一個多かったので修正しました。
全GGO凸砂の会、それはガンゲイルオンラインの狙撃手達が集い情報交換を行うチャットグループである。
凸砂であるかは別としてかなりの人数が参加する結構な規模のグループチャットだ。最初は定期的に凸侍が凸砂の良さとアドバンテージを説き、成長の仕方のアドバイスをしたりした凸砂養成の為のチャットだったが、ゲーム発売からしばらく経ち成長指針がおおよそテンプレ化したため単純に狙撃銃を持ってるヤツに凸侍が片っ端から勧誘し今のグループとなった。
ちなみに凸砂英才教育を受けた奴はショットガンにスコープを着けてスラッグ弾で狙撃する奴とグレネードランチャーでヘッドショットを狙う奴の二人を除いて立派な狙撃手になった。
そんなグループ創設者である凸侍、ヒエラルキーにおいては今、最下層である。
『凸侍さんがチャットグループ名を全GGO凸砂の会に変更しました』
『あ、同率3位さんが来たぞ』
『こんばんは同率3位さん』
『早速だけれどサークルスイッチの練習に付き合ってもらえない? 同率3位さん』
「その言い方はヤメロォ!!」
凸侍がGGOにログインしたところ、チャットグループ名が狙撃手情報交換会に変わっていたのですぐさまいつもの名前に戻すと同率3位でいじられ、マイルームの床に空中三回転してから倒れこみ打ち上げられた魚のようにビタンビタンしているこれが凸侍である。
第三回BoBの終盤、都市部で闇風とのドンパチの小休止中にシノンとキリトなる人物が洞窟で芋っていることに気付き、凸の真逆をいくそれに天誅を下すべく闇風の追撃から逃げ回りながら砂漠地帯までやって来たのだ。
そこでシノンと相打ったので同率3位といじられているのである。
初めは
『ンンwww凸砂がスナイパーに接近戦で相討ちとはアリエナイですぞwww』
とか言われたので大分落ち着いた方である。
憐れ凸侍、第四回BoBで優勝でもしない限り延々と同率3位と言われ続けるだろう。
不運はまだあった。
芋かと思いきや第三回の最後でアイアンサイトで凸砂のムーブをしたシノンに気を良くした凸侍は、篠突く雨だの燕返しだの呼んでいたシステム外スキルをチャットグループに提唱してみたのだ。
凸砂はシノンだってできるんだハードルは意外と低いぞというアピールである。
しかし想いと裏腹に名前がダサいと何故かスキルの命名合戦に発展した。
ショットガンラインだのクズ優先だのいろいろな名前が出たが結局はシノンが提示した『サークルスイッチ』という常識的な名前になった。憐れ凸侍。
しかもやり方を教えてと申し込んで来たのは二位の光剣ガールに斬殺された銃士Xだけである。名乗りを妨害され問答無用で切り殺された怨念が先日の練習中にも吹き出ていた。
今日もログインしたら早速練習を手伝えとお達しが来る辺り相当である。
噂では二位の光剣ガールとシノンが洞窟で百合ムーブをかましたらしくガンゲイルオンラインに百合の花とキマシタワーが建設されたらしい。
そのせいか二位はあれ以来ログインしていないらしいのだが、銃士Xが負ける未来しか見えない。試射場で合流して、銃士Xの頑張りを眺めつつ凸侍は思う。
まさか背後から撃った50BMGが切られるとは思わなかった。思わず心のなかで俺の50クレジットがっ!? と思う見事な剣捌きだった。
あの様子を見ると銃士Xは今からひたすらAGIをあげ続けないと厳しいのではないだろうかM14EBRがセミオートとはいえ、むしろセミオート程度では正面からだと全部切り落とされる気がする。
正面からぶち破るならベヒモス位じゃないと無理じゃないだろうか。それ以外の生半可な連射速度では切り落としからの接近されてアボンだ。
闇風、いやAGI型なら追い付かれることなく一方的に撃ち続けられるから平地でなら負けることはないだろう。
唯一の遠距離攻撃手段であるファイブセブン位なら凸侍の防弾装備である程度防げる。
だが、隣で一生懸命やってる彼女。ビキニホットパンツとかいうヤベースタイルで今まさに撃つ度にビキニに包まれた胸が小刻みに揺れる、こやつ、防弾性能ゼロではあるまいか。
「マスケティアって俺よりヤバくない?」
「なにそれどういう意味!?」
ヤベーヤツからヤバイ認定されそうになる理不尽に銃士Xが狼狽えた。
ちなみに銃士Xの装備、防御をかなぐり捨てた代わりに非常に静穏性が高く、走ってもほぼ音がしないスナイパーなら喉から手が出るほど欲しい装備なのだ。
凸砂には正直要らない。防御を捨てて足音を消すならまず凸砂を辞めてスナイパーになるべきである。
「そういえば、今度ミニ大会があるらしいんだけどだれか誘って出てみるかな」
「トップ勢が行ったら荒らしになるわコンセプト的に」
「荒らしは……良くないな同率3位より辛いいじりが始まりそうだ」
やーい荒しー! 士道不覚悟ー! とチャットグループ内でいじられるのが目に見えてる。精神に来て膝をついた。
「というか貴方開催毎に順位落ちてない?」
唐突な追撃である凸侍は倒れた。
「イヤーソレヨリソノミニタイカイグループノヤツラデアツマッテカンセンスルノタノシソウダナー」
「確か同率1位から準優勝で今回同率3位……じゃあ次は4位?」
「ヒャメロン!!」
話題誘導も無視される無慈悲な攻撃に凸侍は死んだ。
「それはさておき、チャットにその話出しておくわね。皆で見る方が楽しいもの」
試射場で浜辺に打ち上げられたアザラシのようになった凸侍に管理NPCのパツキンハートマム軍曹が蹴りを入れてくる。もう凸侍のライフはゼロである。こんなでもトッププレイヤーの1人である。
「練習見てくれたお礼も何かしないとね。じゃあ今日はありがとう」
「あ、ハイ、オツカレッシタ」
凸侍が蹴られるのを無視して出ていく銃士Xだった。
全GGO凸砂の会
けっこう大規模なチャットグループ。実力は変態から混沌までで狙撃銃で突撃する奴から狙撃手??な装備で狙撃する奴まで多岐にわたる。
サークルスイッチ
違う照準を装備することでバレットサークルもスイッチされることからサークルスイッチと名付けられた。
篠突く雨や燕返しは提唱者除き全会一致で否決された。