Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
妖精騎士杯・・・鬼周回は始まったばかり!!
孔明先生やキャストリアには頑張ってもらってます。
他にもコヤンやスカディ様などなど…またも過労死が!!
…オベロン君もだ。


ついに始まった魏と呉の戦。
今回では原作で身震いしてしまう雪蓮の命を燃やすシーンがあります。
あのシーンは熱いです。


魏と呉の戦-命を燃やす-

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明けて翌朝。呉軍の目の前には北方より攻め入った魏軍の陣が広がっていた。まさにこれから天下分け目の戦が始まろうとしている。

 

「流石の威容ね。董卓の時も思ったけど何だか末端の兵士まで自信に満ち溢れているような気がするわ」

「それは孫呉も同じだ。兵は将を映す鏡だからな」

 

魏軍の威容に呉軍は負けていない。来るなら来いの精神である。

 

「ここは私たちの土地よ。誰かの好きになんてさせないわ」

「そうだな」

 

雪蓮と冥琳の背には胸が締め付けられるほどの悲壮感がある。必ず勝つという気迫だ。

いつもと違う気迫に臣下たちも違和感に気付く。

 

「ねえ…なんだか姉様おかしくない?」

 

妹である小蓮は誰よりも気付く。

 

「むむ、言われてみればいつもの熱い感じとはちょっと違いますね」

「やっぱり怪我が痛いのかな」

 

王の違和感に気付くが、原因は分からない。

雪蓮が自分の現状を隠しているがバレるのも時間の問題だ。しかし開戦の号令までは耐えねばならない。戦が始まる前から士気を落とすわけにはいかないのだ。

 

(…雪蓮様)

 

雪蓮の顔色の悪さはもう隠しきれていない。色々な意味で限界が来ている。

粋怜は何か嫌な予感を感じている。それは炎蓮を失う前の戦の時のように。

 

「さて、ビビってるわけにもいかないし、みんなに気合を入れてこないとね」

 

自分が限界なのには既に分かっている。

開戦の号令をかけるべく、場を離れて陣の先頭へと向かった。

 

「肩を貸そうか?」

 

もう歩くのも辛い。辛くとも我慢して足を動かすが冥琳から声を掛けられた。

 

「駄目に決まってるでしょ。もう…ついてこなくてよかったのに。せっかくの演技が台無しになっちゃうじゃない」

 

彼女の腕から血が流れている。もはや演技どころではない。

傷口が開いたのか、まともに閉じきっていなかったのかもう分からない。血が止まらない毒。傷が簡単に塞がらない毒。もう考えても遅い。

 

「はぁ…はぁ…もう時がないみたいね」

 

もうお喋りの時間は終わりだ。

雪蓮は南海覇王を抜き放った。呉の大軍勢を前に傷をものともせず、堂々たる仁王立ちをした。そして敵陣めがけて剣を振りかざす。

 

「呉の将兵よ。我が朋友たちよ!!」

 

今の自分の最大の声を出す。

 

「我らは亡き孫文台が悲願、揚州統一を成し遂げた。この地を袁術の手から取り戻したのだ!!」

 

彼女の声は全軍に響き渡っていく。

 

「だが。今、愚かにもこの地を欲し、無法にも大軍をもって揚州の安寧を脅かさそうとする輩がいる。曹操は傀儡の皇帝を奉じ、自らは魏国の王を名乗り、この天下をほしいままにしようとしている。天を欺く所業はまさに董卓の再来!!」

 

雪蓮は今、自分の命を燃やしていると実感している。

 

「左様な逆賊の徒にこれ以上、一歩でも我らの母なる大地を穢されるわけにはいかん。我らが孫呉の血脈を継ぎ、大陸に覇を唱えられるかは、まさにこの一戦にかかっている!!」

 

命を燃やし続け、呉の全軍に発破をかける。

 

「皆、死力を振り絞れ。逆徒を撃ち滅ぼし、地平の彼方へ追い返すのだ!!」

 

敵は強いが今の呉軍の方が強い。負ける事は無い。

 

「我らには代々の英霊の加護がある。己に誇りを持て。魂魄を猛き炎と燃やせ!!」

 

孫呉は負けない。己の命を本当に賭けて全てを託す。

 

「いざ勝利へ。方向せよ。孫呉の魂は不滅であることを曹操に、いや天下に知らしめるのだ!!」

 

雪蓮の本当の意味で命を燃やした号令は呉軍全体を最高の士気へと昇華させる。彼女の咆哮とも言える号令に呉の全兵士たちは同じく腹の底から咆哮を上げた。

 

(…………雪蓮っ)

「す…すごい。鬼気迫る号令でしたね。わたし…鳥肌が立ってしまいました」

 

穏は身体全体がゾワリと鳥肌を立てた。その鳥肌は過去最高のものであった。

彼女だけでなく他の臣下たちも同じであったのだ。祭たちでさえ炎蓮の号令を超えたのではないかと思ったほどである。

 

「でも…なんだか」

 

過去最高の号令であるのだが雪蓮の鬼気迫る表情に不安を感じてしまう。

 

「穏」

「は、はい?」

「この戦、軍師はお前に任せる」

 

魏軍との戦いは天下分け目の戦だ。呉の筆頭軍師が交代するとはおかしい。

 

「とても私は…冷静でいられそうにない」

 

冥琳はこの戦でまともな判断がもう出来ない。

 

 

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魏と呉の決戦地がよく見える崖の上にて。

 

「ああ…なんて素晴らしい号令だったの。凄いわ孫策」

 

曹操とうり二つの女性が雪蓮の命を燃やした号令に対して恍惚な表情をしていた。

彼女は骸骨仮面の怪人の正体。女カの右腕的存在である曹操(暗影)だ。同じ名前で同じ顔であるが違うのは肌の色などくらいである。

 

「あれこそ本当の意味で命を燃やした人間の輝き…ゾクゾクしちゃうわね」

 

もはや感動でしかない。そして二度と見れない雪蓮の命の輝き。

 

「ああ…これが見れただけでもこの戦を見に来た甲斐があったわ」

「休暇を楽しんでるようですね曹操(暗影)」

「貴方が来たおかげでせっかくの感動が台無しになったわ」

「本当に私に対して冷たいですね」

 

曹操(暗影)の背後に現れたのは于吉であった。そして敵意マシマシなのか曹操(暗影)の腰に装着している六爪が向けられている。

 

「何故か貴方に嫌悪感があるのよね。あの左慈って奴にも」

「ん~~……何故でしょうね?」

 

于吉は彼女が己に向ける嫌悪感に対して大体察した。

 

「それよりも孫権(暗影)が居ないんですね。魏と呉の戦ですから彼女も居ると思いました」

「彼女なら居ないわ。一緒に見に行こうと誘ったけど…つまらない戦になりそうだから遠慮するって」

「そうですか」

「確かに見応えがない戦になりそうだけど、あの孫策の号令だけは良かったわ」

 

心の中で「最後まで残っていればよかったのに」とこの場に居ない孫権(暗影)に呟いた。

 

「この戦は呉の勝ちよ。あんな慢心してて周囲が見えてない曹操が士気の高い呉軍に勝てるはずがない」

「ほう…」

「こっちの曹操は上手く行きすぎて慢心しちゃってるのね。私と全然違うじゃない。私の時も上手く行きすぎてたけど慢心なんてしなかったわ」

(おや…この彼女は以前の記憶が多少残っているのですかね)

 

優雅にお茶を口に含む曹操(暗影)。よく見ると完全に魏と呉の戦を観戦するためにお茶菓子まで用意されていた。

 

「で、このつまらない戦に貴方は何を仕込んだのかしら?」

「私は何も仕込んでませんよ」

「私は……ねえ」

「はい。仕込んだのは飛燕ですよ」

 

飛燕という名前が出て曹操(暗影)は一瞬だけ考え込んだ。

「ああ…顔は忘れたけど八傑衆の」

 

「そうそう」

「………」

「たまたまです」

 

ギャグを言ったわけではない。

 

「飛燕は曹操暗殺計画の他にも魏軍の中で裏切り者を出そうとしていました。魏軍の中で不和を起こし、徐々に内部から崩す計画も立てていたんですよ」

「それが許貢だと?」

「はい。飛燕は魏の中で今の現状に不満があり、曹操にそこまで忠誠を誓っていない者に声を何人かに掛けたそうです」

「それが許貢だと?」

「はい」

 

同じ事であるが2回聞いた。

 

「今の魏軍は粗悪品が多いですからね。そんな粗悪品たちの不満が爆発すれば魏は勝手に大きい痛手です」

「ふーん…悪くはない手ね。こっちの曹操は急激な領地拡大と共に多くの人材を集めた。けどその人材全てが良いとは限らない」

 

集めた人材の中に裏切りの種があり、気付かず育っているのは国として爆弾を抱えているようなものだ。

そのおかげで今の曹操は知らない事が起きている。それは彼女が望んでいない事で彼女の顔に泥を塗っている事とも気付いていない。

 

「本当ならもっと曹操に対する不満を大きくしてから爆発させてクーデター…反乱を起こす作戦でしたが許貢が先走りましたね」

「今の魏軍に裏切りの種がいくつあるのかしらね。いずれにせよこの戦いで生き残ったら曹操は軍を一度解体させて再編成しないといけないわね。それが出来ないならもう終わり」

 

茶菓子をガリっと齧る。

 

「飛燕も策を途半端に残したものですよ」

「飛燕はただ許貢を唆しただけ?」

「どうやら妖魔の力も与えたようですよ。中々のモノを与えたそうです」

「ふ~ん」

 

于吉が中々のモノと言うのだから強い妖魔だ。

 

「じゃあ今回の黒幕は許貢って事ね」

「孫策暗殺はですね」

「孫策暗殺は…て事は他にも?」

「実はもう1人動いているようです。そっちの方は許貢よりも慎重に動ているみたいですよ。そっちも妖魔の力を貰っているそうです」

「へー」

 

興味無さそうに曹操(暗影)は返事した。

 

 

795

 

 

魏と呉の決戦が始まった。

 

「行けーーーーっ、突撃ーーーー!!」

「「「おおおおお!!」」」

 

太史慈隊が楽進隊へ突撃していく。

 

「くっ…!!」

「凪、こらアカンで。いっぺん、後ろに下がった方がええわ」

「うん、敵の勢いはすごいの。とても止められないのー!!」

 

太史慈隊の勢いに楽進隊は苦戦していた。一番槍であった王朗隊は既に半壊状態である。

 

「馬鹿を言え。ここまで攻め込んできてハイ無理でした、で済むと思うのか!!」

「だけどこれ以上は被害が甚大になるのー。王朗は討ち取られたのかもう影も形も見えないの」

「くっ…」

 

雪蓮の号令は呉軍の士気を最高潮にしている。もはや呉の兵士たちの勢いは止められない。

 

「申し上げます。正面より太史慈の率いる一万が王朗様、楽進様の部隊へ猛烈に攻めかかっております!!」

「ご苦労、下がって」

 

魏軍の伝令より報告を受けた曹操は状況を分析する。

 

「太史慈か…支えきれるでしょうか?」

「いえ、難しいでしょう。そもそも両名の部隊は編制したばかりです。未だ訓練の行き届いていない兵士も多い」

 

荀彧と郭嘉も素早く分析し、次なる手を考える。

 

「張遼を後詰めに」

「はい」

「畏れながら曹操様。張遼隊ではなく夏侯惇、夏侯淵将軍のいずれかの部隊を敵正面に向かわせるのが上策かと」

「いえ、夏侯惇、夏侯淵にはこのまま両翼から敵を突破させ、孫策の本陣を突かせる」

 

郭嘉の分析によればこのままでは正面を破られる。すぐさま夏侯惇姉妹のいずれを援軍として出した方が良いと判断したのだ。

 

「それでは正面が危険ではないですか。下手をすればこちらが太史慈さんに本陣を突かれかねないです」

「それくらいの危険は承知よ。でも、楽進はきっと持ち堪えてくれるわ。呉軍の攻撃が正面に集中している間に夏侯惇らが敵本陣を落とす。作戦に変更はない」

「…ハッ」

 

曹操のらしくない策に引っかかりを覚えてしまう。

 

「ふふ…呉軍はやはり手強いわ。こうでなければね」

 

呉との戦を楽しんでいる。しかし彼女は望んでいない結末へと近づいている事にまだ気付かない。

曹操は気付いていないが戦線に出ている者たちは妙な違和感に気付き始めている。

 

「ぐぬぬぬ。なぜ敵を突破できん!!」

「敵のやる気はすごいっすね。いくら攻めても全然、疲れてくれないっす」

「感心している場合か」

 

夏侯惇率いる部隊もまた押されている。相手は粋怜率いる程普隊だ。

 

「…怒っているみたい」

 

ポツリと徐晃が呟く。いくつのも戦争を体験している彼女は敵である呉軍から怒りを感じていた。

何故、怒っているのか分からない。揚州に侵攻した怒りも含まれているが別な怒りも含まれていると感じている。

 

「ああ、わたしは怒っているぞ。華琳様が見ていらっしゃるというのに、かように腑抜けた戦ぶりでは」

「春蘭さまじゃなくて」

「んん?」

 

夏侯惇は徐晃の言っている意味が分からない。

 

「しゅ、春蘭さま。前衛が突破されましたー!!」

「なにぃッ。我らが押されてどうするか!!」

「でも、色んなところに伏兵が…それに罠もー…」

 

程普隊だけで夏侯惇隊を押しているわけではない。伏兵や罠も含めて夏侯惇隊を苦戦させているのだ。

 

「兵法ってやつっすか。華琳姉ぇはそれを読んでなかったす?」

「く…ここは敵の庭みたいなものだからな」

「でも普段の華琳姉ぇなら、もっとちゃんと調べておくっすよね?」

 

普段の曹操らしくないと頭を過る。

「そんなことを言ってる場合…」

 

「進めーーーっ。ここは我らが魂の地。曹操の蹂躙を許すな!!」

 

呉軍の咆哮が聞こえてくる」

 

「わ、きました!?」

「くっ…ええい。押し返せーーーー!!」

「…あの隻眼。夏侯元譲ね」

「応。我こそが鬼の夏侯元譲よ。貴様の名は!!」

「私は呉の程普徳謀よ!!」

 

夏侯惇の前に現れるは粋怜。彼女の顔には怒りが滲んでいた。

 

「ほほう。貴様が程普か。はっは、これは良き敵に巡り合えた」

 

剣を構える。押され気味であるがここで程普隊の将を討ち取れば一気に形勢逆転だ。

 

「さあ、かかって参れ。相手に不足なし。いざ尋常にこのわたしと勝負しろ!!」

「……一騎打ち。冗談じゃないわ。あんたたちみたいな卑怯者と誰がそんなことするもんですか」

 

粋怜は夏侯惇に対して冷たい視線と冷たい言葉を投げかける。

 

「んなぁっ、誰が卑怯者か!!」

「あんたたちの総大将。曹操は見下げた卑怯者だと言っているのよ!!」

「なな、何をーーーーー!!」

 

曹操の侮辱こそ夏侯惇にとって神経を逆撫するほどのものはない。

 

(怒ってる…やっぱり)

「ふん、つまらん言いがかりをつけおって…忌々しい口をきけんようにしてくれるわ。かかれーーー!!」

 

夏侯惇の部隊と粋怜の部隊をぶつかる。呉軍の気迫に夏侯惇は押されてしまう。

 

「申し上げます。中央の見方が敵に押されている模様!!」

「やはり王朗、楽進には荷が重かったか」

 

夏侯淵は自分が任されいる場所以外での状況を分析していた。

 

「張遼様が援軍に向かっておりますが…敵将太史慈の勢いはすさまじくこのままでは本陣を突かれる恐れもございます」

「華琳様はなんとおっしゃている?」

「ハッ。あくまで当初の作戦通り、夏侯淵将軍は左翼から敵の本陣を攻めよと」

「…分かった。下がって良いぞ」

 

兵が下がったあと、曹洪と曹純が話しかけてくる。

 

「秋蘭さん、どうされますか?」

「難しいところだな。我らの正面はあの黄蓋。容易く抜くことはできん。姉者の部隊も程普によって苦戦させられている」

 

孫呉の両翼である1人を相手する事は簡単に勝てない事を意味する。

 

「敵はこちらの動きに合わせて春蘭さま、秋蘭さまにそれぞれ呉の両翼をぶつけてきたようですね」

「部隊配置の妙なものがあるがそれ以上に士気が高い。呉軍の兵は勇猛だと聞いていたが、これは異常だ」

 

夏侯淵もまた呉軍の異様な気迫と空気に違和感を感じていた。

 

「この狂奔振りはどういうことだ。まるで自分の命を惜しんでいないかのような…何が奴らをそこまで突き動かしているのだ」

「秋蘭さま」

「流琉か。如何した?」

「敵の伏兵が西の森から攻めてきました」

「また伏兵ですの!?」

 

決戦地が孫呉の庭とはいえ、相当苦戦させられている。簡単な相手では無い事は理解しているが押されているのが魏軍の現状だ。

 

「柳琳。お前は虎豹騎を率いて側面の敵に当たれ」

「はい、ただちに」

「流琉、お前は兵五千を率いて中央の部隊を掩護しろ」

「はい」

 

状況をすぐに分析して的確に指示を出していく。それが曹操の出した指示とは外れていても。

 

「えっ…ちょっと待ってください。お姉様はわたくしたちにこのまま敵本陣を攻める様におっしゃっていますわ」

「あ、えっと」

 

ピタリと止まる典韋。

 

「いや、このままでは中央がもたん。我らも黄蓋に一撃加え、本陣の守りにつく。流琉急げ!!」

「は、はい!!」

 

再度、走り出す典韋。

 

「よろしいのですか。命令違反ですわよ」

「罰は覚悟の上だ。だが敵を討つよりも華琳様をお守りする事こそが我らに課せられた最も大切なお役目だろう」

「…ええ、そうですわね……っ、敵が!?」

「ここまで攻め込んできたのが運の尽きじゃ。卑劣なる輩に我が矢を馳走してくれるわ!!」

「黄蓋か!!」

 

夏侯淵の前に現れたのは呉の両翼である祭。彼女もまた顔に怒りが滲んでいた。

 

「卑劣とは聞き捨てならんな。我々は大陸統一、民の安寧のために戦いをしている。呼びかけを蹴ったのはそちらではないか!!」

「はっ、何が安寧か。意に沿わん者には刺客を差し向ける者など誰が信用するというのじゃ!!」

「刺客だと…?」

 

何を訳の分からない事を言っているのか理解不能な2人。

 

「ゆけいっ。武人の風上にもおけぬ魏の賊どもに我ら孫呉のまことの戦を見せるのじゃ!!」

「んまぁっ、とんだ偽りですわね。兵を鼓舞するためとはいえ、言っていい事と悪い事がありますわ」

 

曹洪は祭の侮辱に怒りを発するが夏侯淵だけは冷静に考える。

己の主である曹操が好敵手である雪蓮に刺客を差し向けるとはあり得ない。誰かの独断ではないかと予想する。

 

「…栄華。お前の手の者に刺客について調べさせよ」

「え、ええ…あんな虚言を真に受けてどうなさるのですか。刺客だなんて…華琳お姉様がそんな卑怯な手段を用いるはずがありません」

「その通りだ。今回の華琳様は我々が危惧するほどに正面から力押しに個執していらっしゃった。しかし敵は刺客を向けられたと主張し、事実あの孫策がまだ前線に出てきていない。これが単なる敵の策であれば良いがもしも何か裏があるとすれば…それも華琳様の顔に泥を塗るような何かが…ともかく調べるのだ!!」

 

嫌な予感が夏侯淵の背中を突き刺していく。

 

「承知いたしましたわ!!」

 

すぐさま刺客について調べ上げる為に走り出す。

 

「私が相手だ黄蓋!!」




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新も未定


793
雪蓮の命を燃やすシーン
呉ルートでも屈指の名シーンだと思います。
挿入歌の「あさきゆめみし」も相まって目が離せないシーンでしたね。


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于吉と曹操(暗影)
魏と呉の戦を観戦中。

曹操(暗影)と言わず、他の2人にも過去があります。
どのような過去かはいずれ…。

実は八傑衆である飛燕が曹操軍に不和を仕込んでました。
まあ、中途半端な感じになってますが。

そして今回はあと1人が許貢に乗じて動いてます。


795
ほぼ原作と流れは同じ。
魏と呉の戦はどうにも天下分け目の戦…というものではない。
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