ゾイド-ZOIDS- “シールドライガーZERO” 作:MONO猫
本編に入る前に記者の対談の記録です。
伝説の三銃士と呼ばれていた内の一人、ワグナーが語るバン・フライハイトとその遥か以前に出会ったゾイド乗り。
そのゾイド乗りについての情報が少しずつ明らかになっていく。
長文を作っていく程の技術は無いので気軽に読める程度の文字量で投稿していきたいと考えています。
その老人は記者からの質問に怪訝そうに答える。聞き出したい内容はすでに決まっている質問だからだ。復活したデスザウラーを2度も討滅せしめたゾイド乗り、バン・フライハイトが以前にガイロス帝国の三銃士と戦って勝利していたという記事をまとめたいのであろう。
「最強のゾイド乗り、バン・フライハイトについて・・・か。」
そうです。と彼女は答える。一語一句書き取ろうと躍起になっている彼女の手に持つメモ帳はミミズの這ったような文字が書き込まれている。まるで呪文でも書いているようだと老人は想像し口元が綻ぶ。
「今から3年近く前に彼・・・バン・フライハイトが勇者の谷を訪れ、腕試しとしてガイロス帝国が誇る伝説の三銃士に挑み、勝利していたと聞いております。その時の戦いについて教えて頂きたいのです。三銃士の一人であるワグナー様。」
彼女の名はリン・ヘンリー。細身で小柄な彼女の頭の後ろで軽く結った金髪は、彼女がメモを取るため下を向くたびにまるで馬の尾のように上下左右に振られていた。共和国出身の見習い記者であり、英雄とその関係者の過去について取材をして廻っているらしい。
「確かに私は彼と戦い、敗れた。だが彼は腕試しできたわけではないのだ。当時、暗殺されたと言われていた現ルドルフ皇帝が帝国首都へ戻るための護衛をしていたんだ。しかし当時の彼はまだゾイドで戦うための腕前は十分ではなかった。戦闘の仕方だけ見れば訓練を終えたばかりの兵士にも満たないだろう。しかし私は彼に敗れた。彼にはあって私や他のゾイド乗りとは決定的に違っていたことがあった。それが何か分かるか。」
「え。」
急な問により、普段の聞く側から聞かれる側に回ることに慣れていない彼女は言葉に詰まる。困惑した彼女は言葉が出ずに首を横に振る。
「彼の戦う理由だよ。強くなるためではなく、誰かのために戦うんだ。しかも軍人のように漠然と国民を守る訳ではなく、目の前にいる人のため、時には相手のために戦うのだろう。それが彼をゾイド乗りとして1段も2段も向上させていると私は考えている。だから私は彼を一人のゾイド乗りとして尊敬しているよ。・・・こんな感じで良いかな。」
その言葉を聞きハッとしたリンはバツの悪そうな顔をしながらペンを走らせる。
「気を使って頂き、ありがとうございます。では、ワグナー様はどなたが最強のゾイド乗りだとお考えですか。」
リンの質問である男と対峙した時の事を思い返す。背筋が凍るような感覚を覚え、身体を身震いする。いつの間にか呼吸も浅くなっていた。「ワグナー様。」そう聞きながら覗き込んでくる彼女を見てハッと我に返る。
「すまない。あくまで私が知る限りでの話だ。私が軍の演習では満足できなくなり、勇者の谷に入り浸っていた時に出会ったシールドライガー乗りだろうな」
リンのピクリと耳が動き、先ほどまでと表情が変わるのが分かる。
「シールドライガー?その方はどのような方ですか?戦ったのですか?」
いきなり食いついてきたことで、リンの目的はバン・フライハイトだけではないという事が分かる。
「そうだな彼についての話をしようか。だが、彼はバン君とは全く関わりは無いぞ」
「良いんです。お願いします。」
即答するリンに彼女の興味がそのゾイド乗りに移っている事を感じ、記憶を辿りながら話し始める。