邪神は幻想の果てに何を見るか   作:トキハラ

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未知との遭遇

彼との出会いは突然だった。

 

ある時、前線である灰の集落が妖魔に襲撃された。

それも一度ではない、立て続けにだ。

 

ここは永琳の息がかかる集落であり”都市”から見ても重要度が高い場所だ。

しかし、度重なる襲撃に穢れの除去が間に合わず戦える兵がいなくなる。

そのため永琳までも前線に出る事態となったのだ。

 

神族は強力な能力を持ち、穢れにも耐性がある白の民である。

もちろん永琳も神族だ。

 

妖魔の十匹や二十匹程度なら問題ない

しかし、数百を超える量となるとそうはいかなかった。

穢れに体を蝕まれ徐々に追い詰められていく。

都市から応援に駆け付ける神族も間に合わず皆これまでかと思った時だ。

 

「すたーらいとうぉーる!」

 

間の抜けた声が空から聞こえたと思うと

巨大な城壁のような光が降り注ぎ、妖魔達を消し去っていく。

 

圧倒的だ。

 

集落のものは最初、目の前で起きたことが理解できずぽかんとしていたが。

思考が追いつくと歓声が上がる。

 

“俺たち助かったんだ!”  “都市は僕らを見捨てなかったんだ” “あのお方はいったい?” 

 

 

皆の視線がこの勝利をもたらした人物へと向くと緊張したように

「こ、こんにちは」

たどたどしく挨拶し空からゆっくりと降りてくる。

 

 

彼いわく、

自分は漂白者だと言う

 

 

永琳には一発で嘘だと解る。

今の時代に一人でさすらう旅をする?

 

それは絵物語りだけの話で実際は自殺と変わらない行為だ。

もう少しつくならましな嘘をつけと。

 

だが、人々は歓迎し出迎えていた。

 

 

その光景に、永琳は胸が締めつけられる。

”都市”の人々ならば絶対に受け入れはしないだろう。

そして、私はある計画のために希望はあるのだと皆に演出し信じさせた。

 

戦力が減り情勢が安定しない今、

その計画を完遂するには、目の前にいる漂白者とやらを引き込まねばならないだろう。

 

意を決してそれを見る。

 

幼い容姿だ。

くせ毛のある赤い髪に深紅の瞳、顔立ちは愛らしいが中性的だ。

声も同じで彼?彼女?性別の区別は難しい。

小柄なのに、体のサイズに合ってなさそうなダボっとした赤いローブを身にまとう。

 

様子を見ると、普段は褒めなれてないのか人々から勇姿を讃えられ恥ずかしそうに身を捩っている。

はたから見ると愛らしい子だ。

 

 

だから異様さが目立つのだ。

あれだけの戦闘を行っても穢れの影響が一切見当たらない。

それだけで彼は白の民ではない未知のナニかなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、出合いから数年ほどたつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えいりんさまー」

トテトテと赤い物体が駆け寄ってくる。

いつものように頭を撫でるとご満悦の様子だ。

 

初めてあったあの日、私達を助けてほしいと乞うと「いいですよー」と拍子抜けなくらいに軽く了解を得られた。

 

何か企んでるのかと思い警戒もしたが、心配されていたトラブルなどは起きてはいない。

今ではヒポクリトは防衛になくてはならない存在だ。

 

むしろ、素直すぎて問題があるくらいだ。

対人関係がほとんどなかったのであろう。

 

本当にわかりやすい。

質問でも答えられないことに真正直に謝るくらいだ。

うまく虚実を混ぜないと”はい”か”いいえ”で答えてるのと同じなのよ?

 

ミニオン ヒポクリト

彼のおかげで私の研究は進んだ。

この大地の成り立ち。

そして穢れについてだ。

彼の血からは白の民が穢れを越える可能性がある。

 

彼の主にも興味がある。

旧世界最後の神サルーイン

助力が得られれば私達はあんな計画に縋る必要もなくなるだろう。

 

もうすぐ、研究の成果もまとまる。

早く、月夜見様にご報告申し上げなければ。

 




いつもお付き合いありがとうございます。


うれしいことがありましたので急ぎ投稿させていただきました。後で修正するかも?

確かに、ルーミアは闇術使いっぽいですよね。



永琳を神族に分類するのは最後まで悩みましたがオモイカネ説を採用します。


そして、今回は聞きなれない単語があるかもしれません。

"漂白者"

私は萩原朔太郎の漂泊者の歌が好きなのですがイメージに合いそうなので使用してます。

興味のある方は「漂泊者の歌 詩の解説」でググるとヤフー知恵袋でわかりやすい触りがあるみたいです。

では次回
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