言葉の壁はノリで超えてゆく!   作:おおっさん

5 / 5
今日のコンディション:もう帰りたい
今日のやる気:うわーーーーん
今日の童貞力:100/100
今日の一言:チーン


五日目

留学も今日で五日が終わる。授業をやったのは二日だが、俺の頭の処理能力はもう限界に達している。つまり、軽いうつ状態というわけだ。韓国人の留学生達は悩みを共有できる仲間たちがいて少し羨ましい。最近気づいたことだが、どうやらこの学校に日本人は俺だけのようだ。国籍を生物の種とするならば、俺は世界に取り残された最後の一匹。希少な絶滅危惧種といえるだろう。しかし、俺は希少でもなんでもない、中国語すらまともに話せないただの劣等種だということを再認識すると、泣けてくるね。そんなことを気にしても何も変わらないので今日も楽しく元気に五日目の日記を書いていきますかね。

最近夜には必ずエアコンがつくようになっている。なぜかはわからないが、夜に部屋に戻ると涼しくて気持ちがいいのだ。台湾人もこの暑さにはやはり勝てないのだろうか。俺にとっちゃオアシスみたいなものだから全然かまわないけどな。ここで問題があるんだが、エアコンを使うには金がかかるんだ。病院に入院するときにテレビカードってのを買ってテレビを見るだろ。あれと同じ要領だ。カードに金額をチャージして、それを機会にセットしてチャージした料金分使えるようになる。当たり前といってはなんだがこれが結構高い。俺のルームメイトは基本的には昼間にエアコンはつけない。にもかかわらず、エアコンをつけると一日で24台湾ドル持っていかれる。計算したい人はレートを自分で調べてみてくれ。「台湾ドル レート」で調べればきっと出てくるはずだ。金はかかるが絶対にエアコンはつけろよ。俺は熱中症になりかけたからな。医療費の方が高くつくから体調が悪くなる前にエアコンをつけることを推奨する。

今日は二限から講義が始まる。実際何の講義をとったか忘れたが、昨日の語学みたいな講義になると思うと憂鬱だ。多分俺が講義中に理解できている内容は全体の1%ぐらいだろう。小数点以下切り捨てなら0%にのぼる。ただ時間を無駄にしているだけなのだ。こんなことなら寮を拠点にしてどこか別の場所に旅行へ行ったほうが有意義だと思われるが、それはやってみないとわからない。だが、俺は今この時間を大事にしたいのかもしれない。何もわからず右往左往して、周りからはダメな日本人だと思われているのかもしれない。この最低の中で俺がどこまで最高に近づけるのか、限られた時間の中で自分の能力をどこまで研ぎ澄ませるのかを試したいからこそここにいるのかもしれない。とまあ、こんな格好いいことを言っているが、俺は中国語の知識0の英語も喋ることができないダメ男なわけで、皆さんに偉そうなことは面とむかっては言えないだろう。だからこそこの書面でそれを感じ取ってもらいたい。アニメの主人公さながらのセリフもこの程度にしよう。もうすぐ講義が始まる。

講義の内容は始まった習慣から意味の分からないものだった。何をすればいいのかもわからないし、レポートも書くらしいが、内容がわからない。しかし、救いだったのがあまりディスカッションしない講義だったということだ。外国の大学は日本よりも多くディスカッションさせて自分の意見を述べさせるというものが多いと聞いた。しかし、今回はハズレを引かなかったのでよかった。しかし、この後問題が起こるのは言うまでもないだろう。こうして必ず一日に一回はトラブルが起こるのだ。勘弁してほしいぐらいにな。

台湾の大学では出席は教室で点呼をとることになっている。そこでばれてしまった。私が日本人だということに。

「日本人要去这里」→あってるかわからない

たぶんジョークで言ったのだろうが俺は行くほかなかった。教室は笑いの渦につつまれる。その後先生が何かを質問してきた。

「~来这个大学?」

「为什么?」

たぶんなぜこの学校に来たのかを聞かれているんだなと思って、聞き返したらそのようだった。ここに来て二回目のコミュニケーション成立のプレイ実績を勝ち取ることに成功した。それ以外の質問はダメダメだった。たぶんこれで見限られただろうな。俺はそう確信したが、どうなるかは神のみぞ知る。因みにもう一人韓国人の留学生がいて、彼はかなり中国語がうまい。劣等感を感じてもう爆発しそうだが、これもまた勉強なのである。たぶんそうだろう。

講義中は何をいっているかわからず時計とのにらめっこ状態だった。語学の講義よりいくらか楽だが、レポートがあることを考えると単位を落とすことは容易に想像できる。ここまでくると焦りというよりも、諦めがつくといったほうが正しい。とにかく理解できるのは「我」とか「你」とか「没有」などの簡単な言葉や「毕业」とかの動詞を断片的にしか理解できない。ときどき起こる教室の笑いもなぜ起こるのか理解ができず、一人黙々とご愁傷さまとなっているわけだ。講義が終わるとみんな一斉に散る。この時間に食堂へ行っても混雑していて無駄な時間をとるだけなので一時寮に避難した。語学の講義といい、わけわからん講義といい早く日本に帰りたい。ここまで母国が恋しくなったことは未だかつてない。そんな愚痴をもらしたところでどうにもならないので俺の愚痴大会はここらへんにしておこう。

今日の昼食はルームメイトの太っちょが誘ってくれた。

「在去午饭吧」

「OK」

たぶんこんな会話をしたと思う。今日の昼食は手巻き寿司。楽しい楽しい昼食の時間にもアクシデントは起こる。なんとこの手巻き寿司にはマヨネーズが入っているのだ。俺はこの大学の語学の講義は嫌いだが、それよりもマヨネーズのほうが嫌いなので、急いでルームメイトにそれを伝える。スピードならグーグル翻訳に限る。俺はすかさず「マヨネーズが嫌いです。抜いてもらえますか?」と翻訳したものをルームメイトに見せた。ルームメイトは「不知道」と言って笑っていた。俺には死活問題なんだ。しかし、さすが太っちょ。すかさず店員にマヨネーズを抜いてくれとお願いしてくれる。店員はマヨネーズをぬいてくれた。ありがとう太っちょ。

寮に戻ってきて昼食をとる。ほかのルームメイトはみんな講義に出てしまったので一時的に部屋に一人になる。そういえばこっちにきてから一度もオナニーをしていない。だが、この暑さの中でムラムラするのも無理な話だ。エロサイトを漁ってはみたものの全く興奮しなかったので、オナニーはそこで終了した。そしてルームメイトの一人が返ってくる。今夜は彼と俺の二人きりだ。他の二人は中秋の名月だかなんだかで実家に帰るらしい。だから夕食は太っちょととることになるんだろうなと思っていたが、太っちょは既にお弁当を買ってきていた。まじか太っちょ。仕方ないので、夕食をとりに一人ででかける。

今日は麺類にしようと思い麺の食堂へ行った。しかし何が書いてあるかわからないのでテキトーに一番安いやつにした。番号が呼ばれるまで待つ。しかし呼ばれない。しばらくしてから麺屋のカウンターを見る。一つだけ丼が取り残されている。もしや、あれはおれのでは。少し待っても番号が呼ばれる気配がなかったので、カウンターに行ってみた。やはり俺の麺だった。食ってみるとうどんだった。うどんだった。美味かった。

夕食はこれでお終い。あとはシャワーを浴びて、歯磨きをして寝よう。これからのために少し勉強しておこうかな。とゆーわけでおやすみ!明日の俺も頑張れよ。

 




寝る前に一言:明日を頑張れる気がしない
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