後個人的には最近が怒涛過ぎたので今回は見どころさんが息してない。
20xx/B/D てんき:オオユキ
今日は凄い大雪だったのだが、これが視界もマトモに取れなくて参った。416が彼を盾にして進む、なんて狂気の案を出したからやんわりと止めたんだけど――――――今思えば盾にしたほうがマシだったかも。
流石の404小隊もアホ集団じゃないから、今回ばかりは立ち往生を認めざるを得なかったんだけどこの後が大変だ。
ちょっとした興味本位だった。彼の狩りの監視を45に任せたんだよ、いやあだって3人が合図もなしに息を合わせた瞬間だよ? これを活かせないなら45はもう駄目だしね。
――――――結果、思ったよりロマンチックな結果で終わってしまったようで、右腕から夥しい出血をした彼が帰ってきた。
おぶってきた45は柄にもなく完璧に焦って駄目になっちゃったし、仕方なくあたしと416が彼を見たのだが――――――――結構やばかったね、アレは。
むしろ息をしてるのが怖いくらい。取り敢えず衛生管理と簡易の止血、これを二人がかりで何とかするにはした。こんなやっつけ仕事でも何とか落ち着きを取り戻して安心したよ。
そう言えば手にいっぱい不自然な傷とか火傷の痕が有った、何だろうアレ。虐待でも受けてたのかな。
今日は寝るに寝れなかった。彼の状態は刻一刻を争う状況だ、下手をすれば死ぬ。問題は45に伝えれば間違いなく更に動揺するし、9は何かアテに出来ないし、416も単独ではビミョーに放っておけなかった辺り。
45なんか自分が介抱を全面的に請け負う算段なんてつけ始めるし困ったなんてもんじゃなかったね、416に横入りしてもらおうと思ったけど失敗。この人形独占欲が地味に強い…………いや、責任感が強いのかな? 好意的に捉えようか。
結局416と状況については秘密にしていたのだが、彼はあっさりと起き上がってしまった。尋常じゃない回復速度に加えて、リカバリーも速い。本当に人間じゃないんじゃないのこのお兄さん。石仮面とか被らなかった?
あっさりまた狩りに出て持って帰ってくるし、あたし達は目を点にしてたよ。しかも45曰く腕の衰えもなし、あの出血量だったのに目眩も収まっちゃったって? もう手に負えない、化物だ。
目がすっかり冴えちゃったし、柄にもなく45の観察を始めた。
デレデレしてるよね正直。「はい、あーん」とかニコニコして言い出した時は9がゲタゲタ笑うのを堪えてたし、416は何か冒涜的なものでも見たみたいに吐き気に口元を抑えてた――――――ん? 当方は目を見開いた、以上。
腰に手を回す45には「うわっ…………」って思わず言っちゃったけどね、聞こえてなくて安心したよ。触らぬ神に祟りなしだ、彼も手を払ってて安心だよ。その動きが完遂されてたら弱めの呪いか何かが纏わり付いてたね、多分。
「45が男に手を回すと蛇が蛙を絞め殺す三秒前を錯視する」っていうのは416とも共通した意見。つまり、人形らしからぬ生理的恐怖を覚えちゃうんだ。
夜も代筆をしてニコニコニコニコ。416と一緒に「正直お腹痛い…………」と互いに互いを慰めあった、416が45に気取られないように彼に忠告はしてたけど多分わかってない。
今日ばかりは何というか、気が立って寝るに寝れなかった…………。416と月を眺めながら「もとに戻って…………」ってもう何かに縋るみたいな口調で呟き合ってた。45が壊れちゃった、どうしよう。
20xx/C/E てんき:カイセー
45が…………添い寝!? ヘリアン不味いよ、ふぁんとむ君は多分ウイルスを45に仕込んでる!?
416とずっと45をジロジロ見てる一日になった――――――とかじゃなくて、416は切り替えが速かった。裏切り者め! この恐怖を一人で味わえっていうのか、あのポンコツ自意識過剰銀髪人形!
何時も通り416に叩き起こされた。ああ、何だか最近立場逆転してた気がするのに不思議だ。
起き抜けに45が彼のマントを目一杯匂ってて、目を五回ぐらい擦ったから軽く痛めた。416が焦って止めるまで何回も目を擦ってしまった、何あのド変態。うちの小隊にあんな変なの居なかったよね?
あ、でも匂いが良いっていうのは周知の事実だしまあ分かる。何故そんな狂ったように嗅ぐのか、コレガワカラナイ。途中で彼に何か聞かれて気がするけど、反射で答えちゃった。眠い。
昨日気を張ってたせいで、今日はいつもよりぼうっとしてた。416に手を引かれながら朝が始まったけど、ちらりと45が彼のザックをひっくり返して説教をしている絵面が見えた。目が冴えた、彼女面してない?
416はいつもよりテンションが高くて、あたしがぼうっとしてるとご飯を無理やりスプーンで口に突っ込んできた。今は45に世話してもらいたいよ…………今有頂天だろうし、絶対優しくしてくれる。
食事が終わるとすぐ出発したんだけど、まあ45と彼は遅いよね。差が開いた頃、何かこみ上げる的なへんてこな笑いを416がし始めた。コイツもか。
「これはチャンスよ!」
「静かにしてよ、M16オタク」
「なんですって!?」
その禍々しい笑顔と下らない戯言を辞めたら訂正も吝かじゃないよ?
416がこのゲス笑いを浮かべたときは大抵こちらも巻き添えを食うポンコツアタックを仕掛けるんだ。もう学んだよ、416も結構馬鹿なんだって。
手をワキワキとさせ始める。これは駄目なテンションだ。
「45で霞んでいる今こそチャンスよ、攻めれば私はアイツを落とせる――――――ッ!?」
「どっから突っ込めば良いんだこれ」
9はニコニコとしてこちらを傍観してる。この馬鹿騒ぎ好きなところは姉譲りで本当に困る、いつもあたしが止めざるを得なくなるんだ。
416はもう止まらない。インマイワールドを決め込むとボソボソと何かを呪詛のように呟き出す。
放置して9と喋ろう、その方がまだ楽しいし。
「ねえねえ、アレって恋愛なのか対抗意識なのか賭けない? あたし対抗意識で」
「分が悪い賭けだよそれー、まあ良いや。何賭ける?」
「そりゃあこっそり彼から拝借した毛布、これ良いよ」
「乗った」
即答する辺り9もすきものだよねえ。
まあ416の事だしどっちでも全然有り得るとは思うんだけど、9が敗色濃厚な賭けはしないからこれ多分負けるね。9はおバカを装ってるけど姉同様、そこそこキレ者だし。
たぶん今のは「G11にとって分が悪い」という意味だ。
416がようやっと無視されてることに気づいた。
「ちょっとG11! あんたも何か案はないわけ!?」
「ええ? 面倒くさいなあ416は…………じゃあ添い寝はどう」
「無理」
「無理かあ」
初心に色仕掛けはやっぱり無理があるよね。
当てにならないと早々に切り捨てられたみたいで、また一人で親指の爪を噛みながら416がボソボソつぶやく。
「でも416ってさ、流れ的に45姉に一番を譲る姿勢は感じるよね」
「まあそうだろうさ。此処はかなり416の中では大きな落とし所だと思うよ? M16に勝てれば良いって訳でもないしね、45が特別なんじゃない?」
まあ要するに。
「「何だかんだ好きなんだな~って」」
416の方を見てみるが、当人ときたら「名案が出たのかしら!?」と血走った目でこちらに走り寄ってくるっていうか怖ぁ!?――――――――が、ズッコケた。
思いっきり枝で肌を掠めたようだ、少しだけ目を赤くしている。
「まだ雪も残ってるのに走るからだよ」
「うるさいわね…………痛っ」
まあ紆余曲折有って416はずっこけたんだけど、人工皮膚がちょっと剥げちゃったみたい。彼が「右腕が治ってりゃそれぐらい何とかしてやるんだが…………」とつぶやいてたけど、それ何気に専門技術だよ。何者なんだい、彼。
仕方ないからと彼は絆創膏を416に貼ってあげていた。顔が近いから416が恥ずかしがってたよ、アレは写真に収めて脅しに使いたかったレベル。
45がすごくデレデレしてる、あたしと416は見てるだけで腹痛がするレベルで怖い。こう、何ていうんだろう。すごく人懐っこいゴキ○リを見たような恐ろしさ。狐につままれたようなってやつだね。
416が45に肩貸し役の交代を申し出たが45の決死の弁舌で言いくるめられてしまった。しかしアレは416の個人的な欲望も有るけど、実際45に気を遣った打診でも有ったんじゃないのかなと個人的には。
とうとう彼に「お前はママか何かかよ」と言われた45だったが、何で嬉しそうなんだろう。あたしもうこれに関して触れなくていい? やっぱり怖いよ。
――――――とは書いてみたけど、慣れてくるとかなり面白い絵面なのが分かってきた。
とうとう同じスプーンで食事を取り出した、エスカレート甚だしい。「絶対頭の上に回想風に『でもこの後ハメられたんだよね…………』ってフキダシ出てると思わない?」という9の発言には流石に笑ってしまった。これが美人局の風格なんだぁ。
416は終始機嫌が悪かった。譲って欲しいならそう言えばイイじゃん、って言ったらほっぺた引っ張られた。痛い。
しかも9が悪乗りでもう片方の彼の脇も埋め始めたから絵面がぼったくりバー的なそれ。
そう言えば45のきたな――――――達筆だけど、彼はその代筆が気に食わなかったみたい。45は結局丸っこい、至って普通の女性規格の字体に変えていた。頭を撫でる男って賛否両論有ると伝え聞くけど、アレほど撫でられた本人が犬みたいに擦り寄ってる場合は問答無用で良いと見なしていいんじゃないだろうか。45デレッデレだなあ、面白い。
――――――多分だけどさ、面白く見え始めたのは適応しただけで絵面は地獄だろうね。要するに異常現象を目の当たりにしすぎて感性がおかしくなったんじゃなかろうか。
あ、9も代筆してたよ。45との時とは別の方向で賑やかだった。
えー、皆様の高評価を元にランキングに入る流れだったと思うのですが――――――ふっつうに無理でした(観客席から空き缶が飛んでくる)。
実力不足で申し訳ね―気持ちがちょっぴりです(それが謝る態度かオン!?)。
まあ過去に類を見ない伸びが見れたのでそれでご勘弁いただければとね。
さてさて、そろそろ纏めに入ろうかと思っています(およそ10話以内という意味)。そろそろファミチキ野郎にも「肩書」ってもんを与えてあげよう。
まあこの謝罪会見したかっただけであんまり悪びれてはいないんだけどな(クズ)。実は主人公じゃなくて俺がクズだった…………?