カエルの歌が聞こえてくるよゲロッゲロッゲロッゲロッグワグワグワ

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蛙の歌

話をしよう

 

 

 

1988年7月7日午後3時

 

それは僕が生まれた日だったあの日は母が言うにはとても暑い一日で僕を生む時には汗が大量に溢れ母は熱中症になってとても危ない状況だったらしい。

 

それでもなんとか無事に生まれた僕にその日の雲ひとつない晴れた空から名前を晴人とつけたらしい

 

それから三年後

言葉を話せるようになって

 

一番最初に発した言葉はママだったらしい

まぁいまでは確認もとれないような事

 

どうでも良い事だが

 

さて…話を変えよう

 

こんな誰の興味も引かない話をしているのには訳がある

主に俺の為だが。

 

痛みで記憶が飛びそうなんだ。

 

俺の体は今八つに別れている傷跡から見るにたぶん爆破たとかそういうのに巻き込まれた痕だろう

 

まぁこうなってしまったのは………あー思い出せない

 

記憶がぐちゃぐちゃなんだ。 それこそ、今まで起きた記憶が洗濯機にぶちこまれて洗われてるような。

 

寒い 体が 凍るように 冷たい 冷たい? 何もわからなくなってきた

 

果てる……逝きそうだ

 

そうだ、数字を…数を考え…よう…

 

1 2 3……4?…5…ろく…な…な?………………8 9…

 

……………

 

 

 

 

 

 

雨が降っていた。

 

晴れていたのに彼の顔のみを降らす雨が

暖かい手が彼を拾い上げ抱き締めていた

 

空は赤く血のように淀み、辺りは瓦礫に囲まれている。

 

余談だが、彼は救ったのだ。死に至る運命にあった子供を

 

 

それはきっと。端から言ったら英雄だろう

 

だが違う彼は巻き込まれたのだ。

 

 

糞と泥水を混ぜ混ませた。肥溜めより汚く、醜悪な世界に

 

 

 

 

始まりはその光景を外側から見ていたお節介の一つの言葉だった

 

「彼を助けてあげよう」

 

この一言

 

それで始まり 与えられ 投げ出され 飽きられた。

勝手に

 

 

 

まぁ…ある意味幸運なのだろう……彼は。何であれ生きているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

ここは何処だ…?意識が。

 

何で体が…それに俺なんだこの格好…

 

彼は意識が朦朧とするなか全身を見渡しすぐに異変に気づいた

彼の体は確りと間接により強固に繋がれ傷一つ無いことに。それと右手に持つ、おおよそ自分が…それこそ一般人が持ち合わせることなど決してないような代物に

 

 

「これは小銃?」

 

小銃 ハンドガン 型名は不明 知識は無し、ついでに触った経験もない。

 

……

 

「起きろ!新人!死にてえのか!」

 

ッ!

 

目が覚める意識が覚醒しまず。目の前に見たそれは球体…否…荒野…不毛の大地…禿…ハゲだった。

 

禿げた良い感じに焼けたおっさん…たぶん35くらい結構鍛えているのが服の上からもわかる。

 

「とっとと起きろ!死んでも2連休しか休みは、もらえねぇんだぞ!」

 

ハゲが何やらほざいてる間に。辺りを見渡すと

状況はだいたい掴めたと言うより、嫌でもわかった。

 

……一目でわかるここは戦地だ

そして敵は人じゃないことも

 

黒く四足の虫 大きく そして鋭い

 

状況は最悪、本当に最悪の一言

 

敵が物凄い勢いと数でこちらに向かってきているのだ

 

およそ数は200程 たいして、こちらは10ちよい

 

無理だ 詰み

 

「射て!死ぬならマガジンを空にしてから死ね!」

 

おっさんが更にほざき、それに合わせるように他の人も構える。それに追うように自分も構え、引き金を引いた。

 

ところで、彼は元は一般人で銃の扱いなど存じ上げなく序でに童貞だ…そんな平和ボケな童貞野郎が仮に戦場に、それも寝起きどっきりのようなシチュエーションで放り投げられたとする。

 

結果は酷いものだった

 

打ち出された弾丸はヘッドに当たった真っ直ぐ的に…不毛の的に…名前も知らぬオッサンに

 

「あ」

 

場が静かになり温度が下がった

 

ドサッと力無く倒れる体

 

同時に体が反射的に動いた

 

見事なまでの逃走

 

それに反応できる者は、0…と言うよりは、前方の敵により襲われ、その暇なく命を皆数秒で散らしていた。

 

「シット!オーマイ ガッ!」

 

逃げる 逃げる 全力で

 

しかし努力虚しく ふと前方を見た。

 

見てしまった

 

最悪な状況に拍車がかかった。

 

仲間がいたのだ。

 

後方部隊が

 

それがこちらに銃口を一斉に向けている

 

「嘘だろ」

言葉と共に動きも止まり、後方にいた化け物が覆い被さってくる

 

瞬間 爆発音 着弾は足元

 

宙を舞う合間、目に写ったのは黒い化け物の群れ

 

 

それらが真っ直ぐこちらに、漏れなくこちらに向かってきている

 

「死ぬのか…俺」

 

後ろから猛々しい足音が聞こえ、そして意識が飛んだ。

 

 

 

 

 

 

カエルの歌が聞こえてくるよゲロッゲロッゲロッゲロッゲロゲロゲロゲロ グワ グワ グワ

 

カエルの歌が聞こえてくるよゲロッゲロッゲロッゲロッゲロゲロゲロゲロ グワ グワ グワ

 

カエルの歌が聞こえてくるよゲロッゲロッゲロッゲロッゲロゲロゲロゲロ グワ グワ グワ

 

 

…カエルが頭のなかでダンスしている。何匹もの数で、俺を囲うように、見てても気味が悪く、魅入れる物でもない。

 

でも目をそらす事は叶わない。これは夢、悪い夢

 

テンポも動きも少しずつ早くなる

 

それにつられ俺も踊る。

 

テンポよく軽快なステップで歌に会わせて足裏と地面で熱いキスをさせる

 

 

カエルの歌が聞こえてくるよゲロッゲロッゲロッゲロッゲロゲロゲロゲロ グワ グワ グワ

 

カエルの歌が聞こえてくるよゲロッゲロッゲロッゲロッゲロゲロゲロゲロ グワ グワ グワ

 

歌が早くなる…それと同様に踊りも

 

早く 早く 早く 早く 少しずつ早く

 

そして最後には…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッツハ」

 

起こされた。まぁ、あんなカオスな夢願い下げだから、それは感謝したいものだが、起こされかた が、あまりにも雑過ぎた。

 

自分の目の前、今 自分の頭と服が濡れている、大元の原因である空のバケツを、手に引っ提げている男にキツメに睨みをきかせてから、自分の周辺と自分自身の四肢を見た。

 

 

一番最初に目に入ったのは自分の身体だった。それは錠と重石だった。

 

圧倒的な重量感 圧倒的な規格外

 

それがさらに地面とピンの間を鎖で縫うようにこれでもかと言うほど固定されている光景に目を疑う

 

もろん身動きは…

 

 

瞬間 室内に ズダン!と銃声 唸る

 

 

 

 

犯人は目の前にいた男 その男が天井に小銃を向けて発砲した

 

静まる空気だがそれよりも異様なのは周りだった。

向けているのだ。周りが、銃口をそれも全員。

 

目の前の男と自分を囲うようにいたギャラリーは皆、こちらに銃口を向けていた。

 

「馬鹿な真似はよせ、全員銃を下げろ」

 

目前の男がそう告げると、ギャラリーは渋々と一人また一人と銃を下げていく。

 



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