淡-Awai- あっちが変   作:おこそとのほもよろを

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流れ十三本場:淡、監督と部長とエースを宇宙に連れて行く

 淡達を乗せた宇宙船が白の星に帰還した。

 宇宙船が白の星に着陸すると、淡はハンニャ達の手で病院に担ぎ込まれた。

「ちょっとハンニャ。大げさだってば!」

「万が一のことがあっては困ります。数秒とは言え、あれだけの超能力攻撃を受けたのです。脳に異常がないか確認させていただきます。万が一、損傷があった場合は、私達が責任を持って治します。」

 ハンニャの超能力で拘束され、淡は身体の自由が利かない。

 ベッドに寝かされ、良く訳の分からない機材で淡は髪の毛の先からつま先まで丹念に検査された。

 この様子を、ずっと心配そうな目で見つめているハンニャ。

 むしろ、心配かけて淡のほうが申し訳なく感じてきた。

 検査は30分もかからず終わった。

 その結果、

「性格以外は異常ありませんね。ただ、高校の授業についてゆけるかどうか本人が心配しているようですので、まあ入学祝いと言うことで、すこ~しだけ脳力アップしておきましょうか。」

 とサンムーンに言われた。

 そして、淡は、はじめて白の星に来た時と同じようなヘルメットをサンムーンに被らさられた。

「あの後、さらに安全性を確認しましたので安心してください。脳細胞を破壊したりはしませんから。」

 電子機器が起動するような、

「ギュイーン…。」

 と言う音が聞こえてきた。

 開始から十数秒後、淡はヘルメットを外された。

 なんか、頭の中がスッキリする。

「では、大星さん。この紙に書いてある問題を解いてみてください。」

 淡は、起き上がるとサンムーンからB4サイズの紙を五枚受け取った。

 それは、先日学校で受けた新入生校内一斉テストだった。見直しをするのも嫌になったくらい難しく感じたヤツだ。久々の拒否反応だ。

 しかし、今なら全問正解には到底及ばないが、前回受けた時よりも答えが分かるし、拒否反応も出ない。たしかに脳力アップはされているようだ。

「嬉しい。これなら平均点を余裕で超えられる気がする。」

「まあ、白糸台高校に合格した人だけで平均点を出し、偏差値を算出するのですから、高校受験の時よりも相対的に偏差値が悪くなって当然なのですけどね。」

「えっ? あっ!」

 少し頭の回転が良くなったからか、

「そう言うことか!」

 淡はサンムーンが言ったことを理解できた。

 母集団が高校受験の頃よりも優秀なほうに偏ったのだから、それだけ平均点を超えるのは難しくなるし、相対的に偏差値は下がるのだ。

「じゃあ私、別に馬鹿になったわけじゃかったんだ。」

「勿論です。」

「そうすると、もしかして脳力アップの必要は無かったんじゃ…。」

「たしかに、そうなんですが…、でも、これで心に余裕が持てるのでしたら、まあ、それはそれでイイかと思いまして…。」

「それは…そうだけどね…。」

 おっしゃるとおり精神的には楽になった。

 ただ、自分だけ楽をして脳力アップした感じだ。

 地球では絶対に不可能な話だ。同じくらいの点数だった麻里香やみかんには、ちょっと申し訳ない気がしてきた。

 しかも、まさかの二度目の能力アップである。そもそも高校受験からして、麻里香やみかんほど努力していない。

 宇宙での仕事との引き換えだから、ハンニャもサンムーンも気を使ってくれているのだろうけど…。過剰サービスな気もする。

 それに、今回の戦いは、割りと平和に解決できたほうだ。以前ほど死を覚悟するようなレベルでもない。

 これで、さらにハンニャ達に頭が上がらなくなった。そう思えてならない淡だった。

 

 

 それから数日が過ぎた。

 今日、淡達のクラスでは、体力測定が行われた。

 淡と麻里香は、まあギャグにならない程度には身体を動かせたが…。正直なところ記録には『まったくもって』自信はない。

 ただ、みかんが何故か結構良い成績を出している。

「「(あの細い身体でどうして?)」」

 別に、裏切り者とまでは思わなかったが、淡も麻里香も、みかんが自分達と同類と勝手に思い込んでいた節があり、正直二人は驚いていた。

「みかん。凄いじゃん!」

「そんな、たいしたことじゃ…。」

「でも、見た目よりもずっと体力あるじゃん。私なんか、こんなだよ。麻里香もだけど。」

 淡が自分の記録をみかんに見せた。

「細いけど、なんか凄く健康的に引き締まった感じだし。みかんって、何か運動とかやってるの?」

「一応、体型を維持するために毎日腕立てと腹筋とスクワットを50回3セットずつ寝る前にやってるくらいだよ。」

「スゴッ! マジで?」

「だって、文科系の部活だから身体がなまっちゃいけないと思って。でも、淡ちゃんも麻里香ちゃんも体型維持に何かやってるでしょ。」

「「まったくもって!」」

「(むしろ、何もしないで綺麗でいられる二人のほうが、私からすれば、よっぽど羨ましいんだけどな。)」

 これが、みかんの本音だった。

 そもそも、みかんが体型維持に気をつける背景には姉の佐々野いちごの存在があった。

 

 二年半前。

 みかんが中学二年生の夏のことだ。

 麻雀の実力も然ることながら、整った容姿から、姉は高校一年生の時から女子高生アイドル雀士としてマスコミに大きく取り上げられていた。

 周りの人達は、みかんに姉のことを色々聞いてくる。アイドル雀士として騒がれているのだから当然のことだろう。

 同級生…特に男子達は、それが顕著だった。

 最初は、みかんにとっていちごは誇りだった。自慢の姉だった。

 ただ、そのうち周りの反応がウザくなった。

 それに、自分のことは誰も眼中にない。姉に近づくためのコマのようにしか思われていない。

 みかんは、徐々にそう感じるようになっていった。

 そして、決定的だったのは、みかんが好きだった男子までもが、いちごのファンになっていたことだ。当然、彼は、みかんに話しかけてきても、みかんのことを見ていない。いちごのことしか頭にない。

 口を開けば、

「お前の姉さんってさ…。」

「いちごさんってさ…。」

「ちゃちゃのんってさ…。」

 いちごのことばかり。

 しかも、日を追う毎に好き好きオーラが増しているように思える。これには、さすがにみかんも辛いし、耐えられなくなった。

 そして、決定的な発言…。

「ちゃちゃのんって、あんなに細身で綺麗なのに、みかんは、どうしてそんななの?」

 その男子にとっては何気ない一言だったかもしれない。しかし、この一言で、みかんは酷く傷ついたし、これが姉妹が不仲となるトリガーとなった。

 みかんの中で、姉への嫉妬と憎悪が生まれた瞬間だった。

 この日を起点に、みかんにとっていちごは、『姉』ではなく『あの女』になった。

 当時のみかんは、今よりも、ずっとふくよかな感じだった。細身の姉と並ぶと、より一層…と言うか、必要以上に太く見えた。

 相対的に、そう見えてしまうのだが、これは仕方がないだろう。そして、いつしか、みかんの中で、

「自分は引き立て役ではない!」

 そう言う気持ちも芽生えていたし、

「私も痩せてやる!」

 と思うようにもなっていた。ただ、今までは、姉との関係が良好だったため、思っただけで終わっていた。一瞬不快に思っても、時間が経てば水に流せていた。

 しかし、良好な関係が崩れた以上、思うだけでは終わらない。

『あの女に負けるもんか!』

『見返してやる!』

 そう決心して、みかんは、体重を落とすために食事を制限し、トレーニングもするようになった。今では、目標値まで体重を落としているが、体型維持のため食事制限とトレーニングは毎日欠かさない。

 細身だけど頑丈そうな身体を維持している。昔の面影はない。まるで外国人モデルのようだ。常日頃の努力の賜物と言える。

 しかも、胸の大きさだけは、ふくよかだった頃と余りは変わらない。これだけは、逆にいちごが密かに嫉妬するほどでもあった。

 また、みかんの中では、

「姉とは距離をおきたい!」

 と言う気持ちが日に日に増してきた。

 たとえ姉妹といえども、必ずしも仲が良いわけではない。好きな男子の心をいちごに奪われた恨みは、どうしても拭えない。

 別に、その男子がいちごと付き合ったわけではないし、今となっては、その男子のことなど、どうでもよいのだが…。

 

 それで、広島県外の高校に進学することを決めた。姉と顔を合わせないようにするために家を出る決心をしたのだ。

 狙うのは学生寮のある高校。

「どうせなら、チャンピオンのいる高校で強くなりたい。」

 みかんは、そう考えて白糸台高校を受験した。

 そして、みかんは、白糸台高校に無事合格して上京することになった。

 もし白糸台高校に入学できなかったとしても、実家から通える範囲の高校に進学する気は、さらさら無かったが…。

 白糸台高校に入学してから、誰にも姉のことは話していない。

 いずれは、どこかからバレるだろうが、積極的に話す必要もない。

 でも、もし自分が淡のように麻雀が化物級に強かったら。

 もし麻里香のように打ち回しの巧い麻雀ができたら。

 もし二人のように何もしないでも細身で綺麗でいられるのなら。

 恐らく姉の存在を何とも思わなかったかもしれない。むしろ、広島にいながら姉を超えることを目標にできたかもしれない。

 その一方で、麻里香からすれば、みかんの方が、麻雀が強くてずっと美人でうらやましいと思っているし、淡だって、みかんには麻雀は勝てても美貌では勝てないと思っているのだから、他人の畑は青く見えるとは良く言ったものだ。

 

 麻里香も、姉の多治比真祐子とは別の高校に敢えて進学した。

 姉は、一年生の時から松庵女学院で大将を任されている。

 昨年のインターハイ予選と秋季大会では、西東京で大将といえば、宮永照と戦うことを意味していた。

 つまり、大将にはエースを配置するのが西東京では常識的になっていた。

 松庵女学院に進学しても、エースの姉と比較されるだけだし、照が白糸台高校にいる以上、西東京での優勝はない。

 ならば、いっそのこと照と同じ高校に進学して強くなることを目指してみては?

 そう思うようになった。

 それに、白糸台高校は照の影響で麻雀が強い学生が多数入学するようになっている。

 今年も多分、とんでもなく強い娘が白糸台高校に入学するだろう。ならば、西東京では暫く白糸台高校の天下が続く可能性がある。

 淡ほどの化け物がいるとは思っても見なかったが…。

 いずれにせよ、松庵女学院に進学しても全国大会にコマを進めるのは難しいし、メリットが感じられない。

 それで白糸台高校を目指すようになった。

 結果として、淡と麻里香とみかんが揃うことで、白糸台高校は照と菫が抜けた後も全国大会には常連高として出場することになる。これはこれで、麻里香にとってベストチョイスだったと言えよう。

 

 今のところ、みかんと麻里香に姉のことを聞いてくる人間はいなかった。

 もっとも、淡の場合は、高校麻雀界のことを何も知らなかったので、佐々野いちごの名前も多治比真祐子の名前も頭に無かったが…。

 白糸台高校麻雀部では、家庭内のこと…特に姉妹の話はタブーだった。これは、エースの照が言い出したことだ。

 天井人である照が言い出したのだから、これは絶対であった。姉妹の話を照に振っても平気でいられるのは菫くらいだ。

 もっとも照と菫の引退後には、みかんも麻里香も、インターハイ個人戦でのいちごと真祐子の失禁事件のことでレギュラーになれなかった先輩達からイジラれる…と言うか苛められるようになるのだが…。

 

 

 時が過ぎ、4月下旬になった。

 例年、麻雀部はGWも毎日部活動が行われていたが、今年は全休になった。

 しかし、この日、何故か淡は白糸台高校麻雀部監督の貝瀬麗香の居室に呼ばれていた。

 そこには、麗香以外に照と菫の姿もあった。

 淡の頭に直接ハンニャの声が響いてきた。テレパシーだ。

「ドアを開けてください。白の星と繋ぎました。」

「分かった。」

 淡が監督居室のドアをあけると、白の星の高層ビルの一室に繋がっていた。

 このようなことは、淡には毎度のことだが、麗香、照、菫の三人は、いつもとは別の空間が、そこに広がっていることに驚かされた。

 四人は、ドアを通り抜けて一気に220光年先の白の星へと足を踏み入れた。

 菫の視界にハンニャの姿が飛び込んできた。

「(カ…カワイイかも…。)」

 たしかに、そこには照に言われていた、ぬいぐるみみたいな者が存在していた。

「貝瀬麗香さんに、宮永照さんに、弘世菫さんですね。」

 三人の頭の中に、男の声が響いてきた。

「「「(えっ?)」」」

 ハンニャのテレパシーだった。

 テレパシーを受けることなんて、三人とも生まれて初めてだ。当然驚いた。しかし、それ以上に、

「「「(誰の声?)」」」

 その渋い声質に驚いていた。一体誰の声なのかと辺りを見回した。

 少なくとも、目の前にいるハンニャのものとは到底思えなかった。

「淡さんから聞いているかと思いますが、私は、ハンニャと申します。」

「「「(えっ?)」」」

 これがハンニャの声?

 余りにも見た目とのギャップがあり過ぎて、三人とも目が点になった。

「お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」

 三人は、ハンニャに連れられて部屋を出ると、通路を挟んで反対側にあるエレベーターに乗せられた。

「じゃあ、ちょっと私は準備があるから。」

 淡は、エレベーターには乗らず、さっきいた部屋の隣の部屋に入っていった。

 照達三人は、そのエレベーターで一気に地階に降りた。

「この宇宙船に乗ります。」

 それは、いつも淡達が使っている宇宙船だった。

 操縦室に入ると、操縦席でサンムーンが、指令席の隣の席でタムタム王子が既にスタンバイしていた。

 操縦室中央には、普段タムタム王子が使っている大きなソファーが置かれており、

「こちらにお掛けください。」

 麗香、照、菫の三人は、ハンニャに言われて、そのソファーに静かに腰を降ろした。今日はタムタム王子用ではなく来客用として、そのドファーが使われると言うことだ。

 ソファーの前には、何故か天体望遠鏡が二台置かれていた。

 少しして、照達が入ってきたドアとは別のドアが開き、淡とウルウルが入ってきた。

 ウルウルは、そのまま通信・レーダー担当の席に着いた。

 この時、淡は、お姫様バージョンに着飾っていた。白いドレスを着ると、随分と、おしとやかに見える。

 特に菫の目を惹いたのは、淡の胸を飾るブローチだった。

 中央で輝くのは直径4センチくらいのピンクの宝石で、ブリリアントカットが施されていた。恐らく、ピンクダイヤモンドだろう。こんなに大きなピンクダイヤモンドは見たことがない。

 しかも、その宝石の周りを、小指の爪くらいの大きさで透明な十二個の宝石で取り囲んでいた。これらも、多分、ダイヤモンドだ。

「淡。いつもと随分雰囲気が違うな。」

「一応、この宇宙船に乗る時は、白の星の第一皇女って設定になっているからね。」

「それと、その胸に着けている宝石…。」

「ああ、これ?」

「そう。」

「綺麗でしょ。ハンニャ達にもらったんだ。第一皇女役の時に着けるようにってね。私から半径1メートル以上離れると私のところに瞬間移動で戻ってくると言う優れもの。」

「なるほど。それなら無くすことはない。素晴らしい措置だな。」

「私もそう思う。あと、金属部分が、私の位置をハンニャ達に知らせる発信機になってるんだけどね。まあ、地球では誰にも見せてはいけないって約束だけど。」

「もしかして、それ、ピンクダイヤじゃないのか?」

「なにそれ?」

 淡には、菫の言っている意味が分からなかった。

 代わりにサンムーンが答えた。

「さすが、ご令嬢だけあってお目が高い。中央の大きな宝石がピンクダイヤモンドで、その周りを囲っているのは、カラーグレードがD、クラリティがFlのブリリアントカットダイヤモンドです。小さいほうのダイヤモンドは、大きさを、全て丁度1カラットに統一しています。」

「…。」

 絶句。

 淡にはもったいない。

「まあ、全て人工ダイヤモンドですけどね。白の星では簡単に作れます。」

 ちょっと待て。こいつらは、人工ダイヤモンドとして、これだけのものを余裕で作れる技術を持っているのか?

 しかも、淡に持たせるくらいだ。多分、ハンニャ達にとっては、ガラス玉と同じ程度の価値しかない可能性がある。

 菫は、かまをかけた。

「非常に高価なものではないのですか?」

「そうですね。まあ、我々からすればカップラーメン1ダースのほうが、価値があると思いますが。」

「…。」

 菫は、再び言葉が出なくなった。

 すると、淡が、

「私に、ホイッとプレゼントしてくれるくらいだよ。安物に決まってるじゃん!」

 と笑いながら言った。全く価値が分かっていないようだ。

 やっぱり、ブタに真珠だ。

「なら、一度鑑定に出してみるか?」

「ええ? イイけど…。」

 淡がそう言うと、ハンニャが、

「やめておいたほうが良いでしょう。ニュースにでもなったら面倒です。」

 と釘をさした。たしかに、地球で下手に騒がれたら後々大変なことになりそうだ。

 ハンニャは、この宝石の地球での価値を十分理解しているようだ。とんでもない値段が付くだろう。

 淡がハンニャの隣の席に腰を降ろした。

「じゃあ、ハンニャ。そろそろ。」

「そうですね。では、サンムーン。予定の位置に瞬間移動を御願いします。」

「了解。」

 サンムーンがボタンを押すと、宇宙船が少し揺れた。そして、その直後、外が急に真っ暗になった。

 ただ、ところどころに煌びやかな輝きが見える。

 サンムーンが、二台の天体望遠鏡を操縦窓付近にセットした。

「こちらの望遠鏡を覗いてください。」

 そうサンムーンに言われて、麗香が向かって左側の望遠鏡を覗き込んだ。

「渦巻き型の星雲が見えるわ。これって、何星雲?」

「貴女方が暮らしている天の川銀河です。」

「えっ? 嘘?」

「嘘ではありません。言いそびれましたが、ここはアンドロメダ星雲内です。それと、もう一つの望遠鏡から見えるのが大マゼラン星雲です。」

 まさか、銀河系を外から見る機会に恵まれるとは…。

 いきなりの想像を超えた展開に、麗香は言葉を失った。

 照と菫も麗香と同じ望遠鏡を覗き込んだが、これが銀河系であることにピンとこなかった。さすがに想像の範囲を超えていた。

 ただ、望遠鏡を覗かなくても、普段見られないモノを見させてもらえている。

 例えば、窓の外には漆黒の闇に輝く宝石をぶちまけたような空間が延々と続いている。地上では…少なくとも東京では見る事のできない美しさだ。

 この光景が見られる素晴らしい機会に恵まれたことに、菫は感謝感激していた。

 まさにハンニャ達サマサマ、淡サマサマであった。

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