また、団体戦決勝戦と個人戦で記載した内容は、基本的に『みなも -Minamo-』と同じです。『みなも -Minamo-』からのスピンオフですので、大きな不整合は作りたくないと考えました。
詳細は『みなも -Minamo-』第三局と第五局をご覧ください。
タイシン星との戦いから帰還した後、淡を待ち受けていたのは期末試験だった。
入学直後の試験よりは出来たと淡は自負できた。それもこれも、脳力アップヘルメットのお陰である。これには感謝しかない。
普段はアホの子を装っているが、一応、平均点は超えていた。これには、
「「なんで淡が!」」
みかんも麻里香も驚いていた。
夏休みに入った。
そして、今日は待ちに待ったインターハイ初日。淡は、開会式に参加した。
『宮永咲は…、あそこにいた!』
マークすべき相手だ。ブロックは別なので、会うとすれば決勝戦。
白糸台高校は第一シードで一回戦免除。二回戦からの参戦になる。つまり、大会五日目まで試合はない。
淡は、大会三日目の試合をテレビで見た。長野県代表清澄高校…あの宮永咲のいる高校の試合だ。しかし、中堅戦で清澄高校部長の竹井久が弱小校をトバして終了。咲の試合を見ることはできなかった。
大会五日目は、自分達の二回戦。照がどこかをトバして終了するかと思ったが、大将戦までズルズルと続いた。
大将戦では、新道寺女子高校の鶴田姫子に、淡は絶対安全圏を何回か破られた。
『これがリザベーション…。すっごい! でも、誠子が白水哩の和了りを阻止すればイイわけだし…。誠子次第なのは、ちょっと不安だけど、まあ、なんとかなるでしょ。』
淡は、そう思っていた。
その翌日、待望の清澄高校の試合が行われた。今日は大将戦まで回った。
大将戦では、咲以外にも面白い打ち手がいた。
宮守女子高校の姉帯豊音…複数の能力を持つ。
永水女子高校の石戸霞…最高状態の淡でも胸で負けた…じゃなくて、なんか特別な力で染め手を作り上げる不気味な存在。
姫松高校の末原恭子…能力者ではないけど、麻雀の秀才かな?
色々と考えながら、あの手この手を試してくる。ある意味、淡としても対戦したくない相手かもしれない。
この対局は、最終的に咲が点数調整して永水女子高校を僅差で3位に落とした。多分、後半戦の東一局二本場で、霞が胸で牌を倒したからだ。あの時は怖い目をしていたし…間違いない。
しかも、前半戦も後半戦も、25000点持ち30000点返しで考えたら共にプラスマイナスゼロ。それでいて1位抜け。
「やるジャン。」
この化物見本市でも点数調整して遊んでくるとは…。やはり、点棒の支配者だ。
そして、大会七日目は淡達の準決勝戦。
「(相手は千里山女子高校の清水谷竜華ってヤツと新道寺女子高校の鶴姫。それと、阿知賀女子学院の…こいつ、名前なんだっけ? 高鴨穏乃か。)」
最初は、こんな感じで淡は対戦相手を舐めていた。咲以外は敵ではない。そう思っていたからだ。しかし、
「(楽勝と思っていたけど、なんか意外と苦戦してる?)」
竜華も姫子も意外とやる。自分一人の力じゃないっぽいけど、絶対安全圏で勝負する淡と互角の戦いを展開してきている!
「(ああ…もう…。関西最強だか北部九州地区最強だか知らないけど………、どんどこずんどこ和了ってくれちゃってっ! そろそろ耐えるのも限界かも…。)」
この力、決勝戦まで隠しておきたかった。
でも、それで負けたら意味がない。なら…、
「(やっちゃってもイイよねっ!)」
淡が、とうとう本気になった。
前半戦オーラス。淡の親番。
サイの目は7。最後の角から先がもっとも長いパターン。
「リーチ!」
絶対安全圏プラスダブルリーチ。ハンニャ達にもらった力。これで点棒を奪い返す。
9巡目、
「カン!」
淡が{8}を暗槓。その次巡、姫子が捨てた{9}で、
「ロン! 18000!」
親ハネを和了った。ダブルリーチ槓裏4だ。これで1位に返り咲き。
「まだ、親やめる気ないからね。」
オーラス一本場もダブルリーチをかけた。ただ、サイの目は2。最後の角の位置が比較的深いところにある。
角の直前で、
「カン!」
淡が{③}を暗槓。しかし、その後は何故か和了れない。
「(おかしいコレ…。まさか、ハンニャからもらった力が打ち消されてる?)」
そして、淡が切った{[⑤]}を、
「ロン。7700の1本場は8000です。」
「(阿知賀女子! こいつ…。)」
それは、淡にとって、まさかの振込みだった。
淡は、一先ず外の空気を吸いに対局室を出た。頭を切り替えるためだ。
「(もしかして、阿知賀女子のあいつが深山幽谷の化身? いや、それはナイナイ。二回戦ではラス前に不用意な振込みをしていたし…。あの程度のヤツが私のライバルなわけがないって!)」
今は、とにかく勝利を目指して攻めよう。淡は、気合を入れ直した。
後半戦。東一局は穏乃の親。
「リーチ!」
淡がダブルリーチをかけた。そして、{②}を暗槓。これに姫子が振り込む。
「ロン! 12000!」
問題なく和了れるし、槓裏もモロのり。ちゃんと能力は発動している。大丈夫だ!
しかし、場が進んで東四局。ここでも淡は、
「リーチ!」
ダブルリーチをかけた。しかし、和了れない。前半戦と同じだ。結局、
「ロン。2600。」
穏乃に淡が振り込んだ。
「(そう言えば、前半戦の南場あたりからだ。その局が進んでツモが山の深くに行けば行くほど、何かモヤがかかったように視界が悪くなった。しかも、そこには何かがいるんだ。あぁ、もうっ。そんな得体の知れないものに負けてたまるか! でも、深山幽谷って言葉からすると、やっぱり、もしかして?)」
南一局も淡はダブルリーチをかけた。そして、角の直前で、
「(これでカン………できない?)」
淡がツモ切りした牌で、
「ロン。11600!」
穏乃に和了られた。
ここで淡は、全てを受け入れた。既に理解していたが、それをどうしても認め切れていなかったことだ。
「(やっぱり、こいつなのか…。阿知賀女子の…。こいつがプルプルの言っていた深山幽谷の化身!?)」
認めざるを得ない。終盤になれば相手の能力を無効化できる。しかも、終盤の牌を穏乃が支配している影響が序盤にも出てくる。これが深山幽谷の化身の力!
決勝戦で、こいつと点棒の支配者の両方を相手にするのはムリがある。こいつだけでも準決勝戦で落さなければ…。白糸台高校の優勝が危うくなる。
しかし、淡の思い通りには行かない。オーラスを迎えて阿知賀女子学院が111500点でトップ。対する白糸台高校は87500点でラスだ。
穏乃からハネ満を直取りしても阿知賀女子学院と白糸台高校が同点になるだけ。それでは現状2位の千里山高校(102100点)が1位になり、上家取りで阿知賀女子学院が2位、白糸台高校は3位敗退となる。
そんな調整までやってくるとは…。
せめて一太刀浴びせたい。ならば、このオーラスは、
「(せめて1位で抜ける!)」
淡は、絶対安全圏プラスダブルリーチの能力を使った。勿論、フルパワーだ。
しかし、それも無効化された。結局、数巡かけて何とか聴牌。そして、
「カン!」
{中}を暗槓して次巡にリーチ。そして姫子から出てきた和了り牌を見逃し、ツモ和了りした。しかし、
「残念だけど大星さん。そこはもう、あなたのテリトリーじゃない。」
槓裏は乗らなかった。
淡は、ハンニャに能力をもらってからは、照以外には負けたことが無かった。
まさかの敗北。
プルプルが予言した深山幽谷の化身は、淡の天敵かもしれない。ならば、今日明日で能力のエネルギーを満タンにして、さらに強いパワーで押し切るくらいしか打つ手が思いつかない。
そう。準備満タンにするのだ!(万端じゃないのか?)
そして、淡の胸は、宇宙のエネルギーを蓄積して徐々にバインバインになっていった。
翌日、淡は咲の試合をテレビで見た。
まるで恭子に目の敵にでもされているような感じを受けた。多分、先日の二連続プラスマイナスゼロで怒りを買ったのだろう。
意外と咲が苦戦している。
しかし、後半戦のオーラス。
「ツモ。6000、12000!」
ネリーが高目をツモ和了り。しかも裏ドラが乗って三倍満となった。
これにより、たった100点差で清澄高校が逆転2位、姫松高校が3位転落となった。
「ねえ、テルー。これって、もしかして?」
「多分、本人も無意識だろうけど、咲の点数調整で間違いないと思う。高目ツモと裏ドラが無ければ咲は3位だったからね。高目をツモらせ、しかも裏ドラを乗せさせた。」
こんなことを意図的にできるのだろうか?
さすがに隣で聞いていた菫には信じられなかった。
大会九日目。団体戦決勝戦の日。
前年度優勝校の西東京代表の白糸台高校は、長野県代表の清澄高校、東東京代表の臨海女子高校、奈良県代表の阿知賀女子学院と対戦した。
先鋒戦は、起家の清澄高校片岡優希のダブルリーチ、天和、ダブルリーチから始まった。まさに、波乱の幕開けともいえる展開だった。
次鋒戦、中堅戦は、大きな和了こそあったが、先鋒戦に比べれば大波乱と言うような展開ではなかった。
しかし、場は副将戦で再び大きく荒れた。
東三局、先制リーチをかけた和が、筒子多面聴の最高形、灼の筒子純正九連宝灯に振り込んでしまった。
親の役満直撃には、さすがの和も心が折れた。和は、ここから普段の彼女からは信じられないような振込みを連発し、準決勝Aブロックで誠子が記録した大失点を更に大きく更新する超特大失点を前半戦だけで記録してしまった。
後半戦では、和は落ち着きを取り戻したが、いわゆる『ツモられ貧乏』の状態が続き、さらに点棒を削られ、全国放送を忘れて派手に涙を流した。
そして大将戦でも、前半戦は和の不運を引き継いだのか、清澄高校大将宮永咲は殆ど和了れず、3校のツモ和了りにより、さらに削られる結果となった。
ところが、後半戦東四局から様子が変わった。
東四局開始の点数は、
東家:阿知賀女子学院 120100
南家:白糸台高校 96800
西家:臨海女子高校 133900
北家:清澄高校 49200
清澄高校のダンラスであった。しかし、ここで、
「カン! 嶺上開花、中ドラドラ!」
咲が嶺上開花による満貫を和了った。
続く南一局では咲が嶺上開花でハネ満を、南二局では咲が嶺上開花による倍満を和了った。この打点上昇を伴う追い上げで、清澄高校が3位に浮上した。
しかし、南三局の咲の親番で、淡に奇跡の手が舞い込んできた。
「(ここで、この和了りは助かるよ! ありがとう、ハンニャ。)」
配牌で聴牌。しかも第一ツモでの和了り。
「ツモ!」
地和だ。
ダブルリーチの能力を持つ淡だが、地和は生まれて初めての和了りだった。淡は、この和了りがダブルリーチの能力の延長線上にあるものと、この時は思っていた。
そして、オーラス。親は阿知賀女子学院の高鴨穏乃。
淡の天敵。プルプルから深山幽谷の化身と聞かされた深い山の支配者だ。
オーラス開始時の点数は、
東家:阿知賀女子学院 101100
南家:白糸台高校 116800
西家:臨海女子高校 112900
北家:清澄高校 69200
点棒の支配者は、役満をツモ和了りしてもロン和了りしても優勝できない。当然、咲は自ら負けを決める和了りはせず、和了り放棄してくるだろうと淡は思っていた。
ドラは八。
穏乃の配牌は、
{一二三八①②④⑤⑥⑧69南南}
絶対安全圏は既に機能していなかった。ここから打{9}。
しかし、淡の配牌は、その上を行った。
{一二二[⑤]⑥⑦⑦⑧⑨7北北北}
本来であれば、淡のダブルリーチをかける能力は、場が進むにつれて強まる穏乃の無効果能力によって打ち消されるはずだった。それが、ここに{6}ツモ。
淡は、この局では自分の能力が穏乃の能力を上回れたものと認識した。
「(地和のお陰で臨海に約4000点差をつけてのトップ。当然、臨海は逆転目指して勝負に出てくるはず。私には、ここで大きな和了りは要らないけど役無し。だったら…。)」
ここに来て、この状態。
淡は、自分を信じて勝負に出た。
「リーチ!」
ダブルリーチだ。
淡のダブルリーチは辺張待ちや嵌張待ちが多いが、今回は珍しく{58}の両面待ち。誰から和了り牌が出ても良い。ツモでも良い。角直前の暗槓をする必要もない。とにかく和了れば優勝だ。
臨海女子高校ネリーの配牌は、
{一三四五⑧1[5]688東東東}
ここにも絶対安全圏は機能していなかった。決して悪くは無い配牌。ツモ牌は{7}、淡の捨て牌にあわせて打{一}。
一方、咲の配牌は、
{一七九②③⑧126白發東西}
バラバラだった。
淡の絶対安全圏が、まるで咲にだけ効力を発揮しているようにも思えた。
{白}ツモで、いきなりの打{6}。まるで暴牌とも言える捨て牌だった。しかし、当たらず。
2巡目、穏乃は、{一二三八①②④⑤⑥⑧6南南}からドラの{八}を引き、咲にあわせて打{6}。
淡は{中}をツモ切り。
ネリーは、{三四五⑧1[5]6788東東東}から{[五]}ツモ。赤ドラツモで運の上昇をさらに確信した。そして、強気の打{⑧}。
続く咲は、{七}を切った。
3巡目、穏乃は、{一二三八八①②④⑤⑥⑧南南}から{南}を引き南ドラ2の聴牌。直前に、ネリーが{⑧}を切っているので余裕で打{⑧}。しかし、リーチをかけなかった。山が、穏乃にリーチをするなと教えてくれたからだ。
淡は{九}をツモ切り。
ネリーは、{三四五[五]1[5]6788東東東}から{五}ツモ。そして、
「リーチ!」
打{1}で{二五8}待ちのリーチをかけた。
続く咲は、{2}を切った。
4巡目、穏乃は、{一二三八八①②④⑤⑥南南南}からネリーの和了り牌である{二}を引いた。一旦まわして打{②}。
淡は、{3}をツモ切り。ネリーはドラの{八}をツモ切り。続く咲は、{九}を切った。
5巡目、穏乃は、{一二二三八八①④⑤⑥南南南}から淡の和了り牌である{8}を引いた。ネリーも{8}で和了りだが、頭ハネルールのため淡のみの和了りになる。{8}を取り込み打{三}。
淡とネリーはツモ切り。咲は、{一}を切った。
6巡目、穏乃は、{一二二八八①④⑤⑥8南南南}から{[⑤]}を引いた。打{一}。
淡とネリーはツモ切り。咲は、{1}を切った。
7巡目、穏乃は、{二二八八①④⑤[⑤]⑥8南南南}から、淡の和了り牌である{5}を引いた。打ち回して打{南}。
淡とネリーはツモ切り。咲は、{東}を切った。
8巡目、穏乃は、{二二八八①④⑤[⑤]⑥58南南}から、淡の和了り牌である{8}を引いた。さらに打ち回して打{⑥}。
淡とネリーはツモ切り。咲は、{西}を切った。
9巡目、穏乃は、{二二八八①④⑤[⑤]588南南}から、淡の和了り牌である{5}を引いた。
打{④}でリーチ。ハネ満確定の手だ。和了れば阿知賀女子学院の優勝が決まる。
白糸台高校控室で、この一連の様子をモニター越しに、ずっと黙って見ていた宮永照の口が開いた。
「3人とも、リーチをかけるべきじゃなかったと思う。」
「でも、私が淡の立場でも、ダブルリーチならかけたと思うぞ。」
「たしかに普通なら(菫の言うように)、そうすると思う。でも、リーチは防御力をゼロにする。そして、3人の防御力が無くなるこのときを、じっと待っていた者がいる。」
「それって、まさか…。」
「そう。たった一つの可能性を現実化する点棒の支配者…。その華麗で奇跡的な闘牌を私達は目の当たりにすることになると思う…。」
淡が{中}をツモ切り。すると、咲が動いた。
「ポン!」
咲は、第一ツモの{白}の後、{中、③、發、發、③、白、中}とツモっていた。
そして、打{⑧}で{②③③③白白白發發發} ポン{中横中中}の大三元を聴牌した。
次巡、穏乃、淡がツモ切りした後、ネリーが{發}をツモ切りした。
「カン!」
咲が、すかさず大明槓した。
嶺上牌は{白}。そして、
「もいっこ、カン!」
そのまま{白}を暗槓。この連槓で、ネリーの大三元の包が確定した。
しかも、めくられた槓ドラ表示牌は{五}と{5}。これで淡とネリーの和了り牌は無くなった。
続く嶺上牌は、咲と穏乃の共通和了り牌である{①}だった。しかし、咲は和了り宣言せずに打{②}。和了りを放棄した。
続く穏乃はツモ切り。そして、その次にツモった淡の牌は、{③}だった。ダブルリーチをかけた淡は、自身の和了り牌ではないので、当然ツモ切りした。すると、
「カン!」
咲が大明槓してきた。これで咲の待ちは、{①}単騎になった。そして、嶺上牌をツモると、それを表にして、そのまま自分の前に置いた。
「ツモ、嶺上開花。大三元。」
嶺上牌は、{①}だった。この和了りには、ネリーの包と淡の大明槓責任払いが適用される。
「白糸台高校と臨海女子高校から、16000点ずつお願いします。」
今まさに、照の予言が当たった。
穏乃が3枚目の槓ドラ表示牌をめくった。そこに、4枚目の{①}が隠されていた。
「(宮永さんの2枚目と3枚目の嶺上牌は、どっちも{①}だったはず。ということは、私がリーチをかけた段階で、宮永さんが{①}を切らない限り、宮永さん以外の和了りは無かったと言うことか…。)」
これで、各校の順位と点数は、
1位:清澄高校 104200
2位:阿知賀女子学院 100100
3位:白糸台高校 99680
4位:臨海女子高校 95900
咲が見せた奇跡の逆転優勝であった。
淡は、
「(これが点棒の支配者か…。やっぱり照以上かもしれないね。でも、私だって負けられない。次こそは絶対に勝つ!)」
そう心に誓うのだった。
しかし、今から思えば、南三局の地和は咲の点数調整の一環だったのかもしれない。
咲が淡の能力に干渉して、一時的に地和が出せるほどに強化した…。咲を皆のマークから外させ、しかも淡とネリーにリーチ勝負させるために…。
試合終了後、淡は、そう考えるようになった。
その明後日、咲は個人戦でみかんの姉である鹿老渡高校三年生で部長の佐々野いちご、麻里香の姉である松庵女学院二年で大将の多治比真祐子、そして二年後に白糸台高校に入学してくる椿野美咲の姉である劔谷高校三年生で先鋒の椿野美幸と対戦した。
「(うわぁ、三人とも綺麗…。細身で、お胸は和ちゃんみたいな化け物ではないけど、私よりもあって…。まあ、ゼロより小さいサイズは無いけど…。)」
咲は、自分と三人の容姿を比べていた。ただ、それで終われば良かったのだが、
「(3人とも、女性の敵だよ。うん。これは、叩き潰さなきゃだね………。この3人。全部ゴッ倒す!)」
完全に逆恨みのスイッチが入った。
その結果、咲は連続で和了り続け、最後に、
「ツモ! 嶺上開花! 清老頭! 三色同刻三槓子のオマケつき!」
しかも五本場。
「16500オールです。」
三人トビで終了。
この時、咲への恐怖からか、いちご、真祐子、美幸の3人は、激しく震えていた。そして、
「「「チョロチョロチョロ…。」」」
緊張の糸が切れたのか、3人の括約筋が緩み出し、
「「「ジョー!」」」
そのまま、聖水と言う名の湧き水が一気に放出された。瞬間視聴率75%。完全に放送事故だが、ファン達にとっては最高のお宝だ!
しかし、これをネタに、みかん、麻里香、美咲は周りから、特にレギュラー落ちした上級生から不当にイジられるようになる。
こうなると、みかん、麻里香、美咲の心の中に、咲への強烈な恨みが芽生えてくる。
「「「宮永咲。倒す!」」」
その結果、淡は、みかん、麻里香(二年後には美咲も)とともに一丸となって打倒咲に燃えることとなった。
こんなアホらしい作品に最後までお付き合いいただき有難うございます。
書いている方も、当初思っていた以上に書きにくく感じました。
淡が能力を授かった後は、宇宙の話を前面カットして麻雀の話に絞ったほうが良かったかもしれません。アホらしい設定をきちんと書きたかったのが本音ですが、そこから敢えて撤退する勇気も必要だったと今更ながらに思います。