趣味に合わない方はスルーしてください。
基本的に、1~18話を繋ぎ合わせただけで、新しい話ではありません。コピペ&カットです。
総集編2話以降は、地球での話(特に麻雀の話)が中心になります。
総集編1.淡、能力をもらう
その日、大星淡が通う南日ヶ窪中学では、一学期の期末試験最終日を迎えていた。
南日ヶ窪中学は、三学期制で、このテストが終われば夏休みが待っている。
しかし、この日の試験科目は理科と数学。理数科目が大の苦手だった淡にとっては、地獄でしかなかった。
一時限目は理科のテスト……玉砕。
二次元目は数学のテスト……当然玉砕。
0点だけは免れると思うが…、やはり祈るのは、
『赤信号、みんなで渡れば怖くない。』
しかし、周りの反応は違う。みんな、楽勝と言っている。
試験終了。
そう言えば、今日から部活が再開される。
中学では、淡は、卓球部に入っていたが、別にレギュラーでもないし、弱小だし、サボる人も多いし…。強い愛着のある部ではなかった。
結局、この日は部活に出ないで家に帰った。
麻雀は、昨年の卓球部の夏合宿で先輩達に教えられ、それから興味を持つようになった。
しかし、この時点での淡の麻雀の実力は、これと言って大したことはなかった。麻雀部に鞍替えしても、麻雀部員達には到底勝てないだろう。
帰る途中、
「淡ちゃん、元気ないけど、どうしたの?」
近所の子供に声をかけられた。ドイツ人と日本人のハーフで、名前がニーナ・ヴェントハイム。年は淡の二つ下。
「なんでもない。」
「今度、また、麻雀やろうね。」
「うん。」
ニーナとは、たまに麻雀をやる。去年の夏に、淡が先輩に教えられてすぐに、淡がニーナに教えていた。
ただ、どっちも激弱でイイ勝負だ。
淡が、無言のまま家に入った。
「(気を取り直そう。)」
そして、淡は、家で思い切りシャワーを浴びた。これで、少しは落ち着くような気がする。そして、風呂場を出ると、身体をタオルで拭き、持ってきた部屋着を着た。
麦茶を入れたステンレス製のマイボトルを片手に、鼻歌を歌いながら淡は部屋に戻ろうとした。
しかし、自分の部屋のドアを開けて入ったつもりが、何故か、そこには見知らぬ空間が広がっていた。
「あれ? ここ、どこ?」
長い通路。片面は壁。もう片面は窓。
ただ、窓の外には、真っ黒な闇の中に、キラキラ光る宝石を沢山ぶちまけたような神秘的な空間が延々と広がっていた。
何故自分がここにいるのかは分からない。あるのは、いつの間にか自分がここにいると言う事実だけであった。
誰かの足音が聞こえてきた。このままでは見つかってしまう。
淡は、少し離れたところに小部屋があるのを見つけた。そして、慌てて、その小部屋に飛び込んだ。
足音がどんどん大きくなっていった。
「(そのまま、どこかにいって~。)」
淡は、必死にそう願った。しかし、その足音は無常にも部屋の中に入ってきた。
「お前は誰だ。」
女性っぽい声。
ただ、その声には感情がなかった。無機的な合成音のように思えた。
淡が見上げると、そこには二脚歩行の人型ロボットが銃口を淡のほうに向けていた。
ただ、不思議なことに、そのロボットの言葉は、何故か直接頭の中に響いてきた。
「星によって言語が違うため、直接脳に語りかけている。繰り返す。お前は誰だ。」
まさか、ロボットがテレパシーを使うとは…。しかし、下手をすれば淡は銃で撃たれ、一瞬でお空のお星様になることだけは間違いない。
泣きそうな顔で淡は答えた。
「大星…淡…。」
「お前の所属は何処だ?」
「南日ヶ窪中学2年1組…。」
「南日ヶ窪? 聞かない名称だな。それで、何処の星だ?」
「地球だけど…。」
「それも聞かない名称だな。メンドーク星と関係はあるのか?」
「なに、それ?」
淡は、そんな星は知らない。
テレパシーなので、嘘をつくとバレる。淡が、メンドーク星を本当に知らないことは、そのロボットもすぐに理解したようだ。
「それと、何故、この宇宙船にいる? 我々シャラク星の輸送船と知ってのことか?」
「宇宙船って?」
「無人宇宙船だ。全てがメインコンピューターの指示によって動いている。もう一度聞く。何故、この宇宙船にいる?」
「何故って、私が聞きたいもん! 家の部屋のドアを開けたら、突然ここにいて。こっちだって早く家に帰りたいもん。」
これも、嘘をついていない。
そのロボットは、これが淡の本心であることを理解していた。
「ワームホールを抜けて来たようだな。我々に害をなさないものであることが立証されれば、このまま生かしておくが…。」
丁度この時だった。
「ドカン!」
と激しい音が鳴り響くと共に、突然、直下型地震のように宇宙船の機体が上下に激しく揺れた。
そのロボットが、この宇宙船のメインコンピューターにアクセスを開始した。
数秒後、そのロボットは状況を全て把握した。
「どうやら、ミサイル攻撃を受けた。」
宇宙でのトラブル。SFでありがちな宇宙での戦闘。21世紀初頭に地球で生きていたら、まず実体験できないであろう。
何故か、淡は、その最中に身を置いているらしい。
しかし、この宇宙船は戦闘用ではない。せいぜい自己防衛程度にしか働かないレーザー砲が幾つか装備されているだけであった。
結局、ミサイル数発の直撃を受け、宇宙船は操縦不能になった。
「(きっと、神隠しって、こうやって起こるんだね。きっと、みんなは私がテストの点数が悪くて、ショックで家出したとか思うんだろうな。)」
今、淡にできること。それは、死を覚悟することだけだった。
さらに一発、追い討ちをかけるように敵のミサイルが命中した。
この衝撃で淡は気を失った。
淡を乗せた宇宙船は、煙を上げて回転しながら近くの惑星に向かって猛スピードで突っ込んで行った。
普通なら、この宇宙船は、このまま爆発するであろう。しかし、
「ハ…ニャ……。」
どこからか声が聞こえてきた。すると、どう言うわけか、その宇宙船から吹き上げる炎が納まった。良く分からないが、これで爆発は回避された。
炎が消えたとは言え、機体そのものは手負いになったまま。このままでは危険だ。
そして、大気圏に突入して、機体が空気摩擦で一気に燃え上がろうとした、まさにその瞬間であった。
「ハンニャー!」
どこからとも無く、とてつもなく大きな声が辺り一面に響き渡った。
すると、何故か淡達を乗せた宇宙船が、突然煌々と輝き出し、破損した機体がビデオの逆再生を見ているかのように見る見るうちに修復されて行った。
そして、まるで何かに引っ張られているかのように、超高速で大陸に向けて突き進んで行った。
この時、この宇宙船のメインコンピューターは、何故かダウンしていた。
コンピューターで全てがコントロールされていたこの宇宙船は、現在、誰にも操縦されていない。
これは、もはや宇宙船ではない。ただの金属の塊が惰性で飛んでいるだけだ。
コンピューターでコントロールされているロボット兵士も、もう動かない。動かす側が機能していないのだから当然だろう。
高度五百メートル程に差し掛かった時、徐々に減速が掛かり、そのまま、ゆっくりと地上に着陸した。何者かの意思に従って誘導されている感じだった。
暫らくして淡が目を覚ました。
何故か宇宙船の外……陸の上にいた。
「ここ、どこ?」
知らない場所に来た不安はあった。とは言え、ここは春のように暖かく、淡は心地よさを感じていた。
「結構、ここ、イイかも!」
空気が美味しい。
それに、ここにいれば理数系のテストを受ける必要もない。現実逃避するには都合が良さそうだ。
マイボトルは…手に持っている。
頬をつねると痛みがある。一応、生きている。
50メートルほど離れたところに宇宙船があった。多分、淡は、さっきまでこれに乗っていたのだろう。
良く分からないけど、宇宙で攻撃を受けながらも無事にこの星に着陸していたようだ。ただ、どうやって淡が宇宙船から降りていたのかは分からないが…。
ここは、恐らく宇宙船の中から見えた惑星だ。ならば、ここは地球ではない。
だとすると、神隠しは確定か…。
地球に戻るのは諦めざるを得ない。
ふと、淡の視界に、訳の分からない生物が入りこんできた。
「えっ?」
その生物は、体長三十センチくらいで太い胴体に短い手足。大きな卵に顔を描き、それに手足をくっつけたような姿をしていた。
手はゴム手袋の親指の部分だけを切って取り付けた感じで指は無い。
足は、4~5センチ程度と短く、太い円錐の先端を丸く削ったようなものを二つ、卵の下にくっつけたような感じだった。
しかも二脚歩行。
その生物の頭の上には、針金のように太い毛が一本生えていた。その毛は、クルッと一巻きしており、その先には、直径5センチくらいの球体がついていた。
二脚歩行をしているので知的生命体である可能性が高いのだが、その顔からは少なくとも知性の欠片も感じられなかった。
普通の生物は、別種の生物を警戒して身を隠しながら様子を窺うものである。しかし、その生物は、堂々と淡のほうに近付いてきた。
そして、あと一メートルと言うところで立ち止まり、じっと彼女を見詰めた。
淡が、警戒しながら中腰になって、その生物の顔を覗き込んだ。
「なんなの? この生物?」
すると、その生物が口を開いた。
「ハンニャー!」
「ハンニャって言うの?」
「ハンニャー!」
そう言いながら、その生物は大きく頷いていた。
ハンニャ(?)は、後ろを振り向くと、遠くの方を指差した。
「ハンニャー!」
「こっちに来いって言ってるの?」
すると、ハンニャが大きく頷いた。
「ハンニャー!」
「行ってみるとしますか。ここに居ても何も分からないしね。それじゃあ、案内して、ハンニャ。」
「ハンニャー!」
ハンニャは、再び大きく頷くと、指差していた方に向かって走り出した。
「ちょっと待って!」
淡が、慌てて後を付けて走り出した。しかし、ハンニャは見た目の割に足が速く、なかなか追い付けなかった。
そして、移動すること数十分、淡は、もはや完全に息があがっていた。
彼女は、既にフラフラと蛇行していた。本当に、もう、これ以上は走れない。
急にハンニャが立ち止まった。それも、感性の法則を完全に無視して全速力から減速無しに一気にピタッと止まったのである。
淡は、余りに突然のことに反応できず、そのままハンニャの方へと突き進んで行った。そして、ハンニャの後頭部につまずいて、その場に顔から倒れ込んだ。
この時、ハンニャの毛先の玉がうっすらと輝いた。
「いったー…くない?」
何故か、淡は怪我をしていなかったし、痛みもなかった。あれだけ豪快に倒れたら、普通は、どこかしら怪我をしている。
気を失う前と比べて随分運がイイ。淡は、そう思っていた。
淡の前には、太さ二十センチ、長さ一メートルくらいの丸太が二本倒れていた。
ハンニャが、淡とは全く別の方を向いて、両手を大きく振りまわしながら何かを呼んでいるかのように大きな声を出した。
「ハンニャー! ハンニャー!」
すると、木や岩や草の影から、ハンニャと同じような生物が四匹飛び出してきた。
そのうち二匹は、両手に二十センチくらいの棒を一本ずつ持っていた。
その二匹は、丸太の前に座り込むと一定のリズムを刻みながら、その丸太を棒で叩き始めた。原始的とは言え、明らかに音楽を楽しむ文化を持っているようだ。
また、別の一匹が丸太を叩く二匹からちょっと離れたところで、太めの枝切れに、細い枝切れを当てて、キリで穴をあけるように強くこすり付けた。すると、瞬く間に火がつき、そこに枯れた小枝をくべていった。
方法は原始的だが、間違い無く、この生物達は火を使うことを知っている。
ハンニャがY字の枝を二本地面に刺し、大きな魚を長い枝で串刺しにしてY字の枝の上に置き、その下に火のついた枝をくべていった。魚を焼こうと言うのだ。
「凄い。この子達、立派な文明社会を持っているんだ。」
地球では、地球外生命体探しに躍起になっているところ、淡は、良く分からないが未知との遭遇を達成していた。
それも、一応知的生命体だ。
それから数時間が過ぎた。
何時の間にか日が沈み、ハンニャ達の灯した火が煌々と辺りを照らしていた。
スモッグで汚れた東京とは違い、空には今にも落ちてきそうなくらい大きな星がいくつも光っていた。
淡は、初めて見るその大自然の美に感動していた。
「なんか、ハンニャ達に会えて気が紛れたみたい。感謝しなくちゃだね。でも、私があげられるものって…。」
ふと、淡はマイボトルに視線を向けた。
「これくらいしかないよね。」
淡がハンニャのカップにマイボトルに入った砂糖入り麦茶を、
「ハンニャ。ありがとう。」
ハンニャのカップに注いだ。
どうやら、ハンニャは、その麦茶が気に入ったようだ。カップに注いだ分を一瞬で飲み干してしまった。そして、
「ハンニャー。ハンニャー!」
おかわりをねだっているみたいだ。
淡は、マイボトルをハンニャに渡した。
すると、ハンニャは、その中に入った麦茶を全部カップの中に注ぎいれた。
空になったはずのマイボトル。
しかし、ハンニャが蓋を閉めて再び開けると、何故か空のはずのボトルから再び麦茶が出てきた。
これをハンニャは、仲間達に分け与えた。
「(えっ? どう言うこと?)」
そして、再び空になったはずのボトルの蓋をハンニャが閉めて、再び開けると、何故か空のはずのボトルから再び麦茶が出てきた。
それが、数回繰り返された。
「ハンニャ、すっごーい!」
まるで、手品を見ているようだ。淡は、本気で感動していた。
突然、淡の頭の中に男性の声が聞こえてきた。
宇宙船の中でロボットが脳内に話しかけてきた時と似ている。テレパシーだ。
「大星淡さん。美味しい飲み物をありがとうございます。」
「えっ? 誰?」
「テレパシーで通信しています。私は、貴方の目の前にいる者です。」
「目の前って…。まさか?」
「そのまさかです。私は、ハンニャ。この『緑の星』の首相をしています。」
「緑の星?」
「我々は、この星を『緑の星』と名付けています。丁度、地球とは銀河系の中心を挟んで反対側に位置しています。我々の母星は、アンドロメダ銀河にある『白の星』。そこから、一部の者達が、ここに移住してきました。」
淡は、その声質とハンニャのしまりの無い顔のギャップが大き過ぎて、思考回路が一瞬凍結してしまった。
しかも、よりによって首相である。いくらなんでも冗談にしか思えなかった。
「淡さん。どうかしましたか?」
「い…いえ…。でも、アンドロメダから来たって、すっごい遠いんでしょ?」
「地球の単位ですと、200万光年ちょっとですかね。」
「それを移住って…。」
「我々は、瞬間移動の技術を持っていますので、10分もかからずに行けますよ。」
「へっ?」
さすがに、淡には信じがたいことだった。
ただ、その前に、淡は幾つか聞きたいことがあった。
メンドーク星の攻撃を受けて炎上したはずの宇宙船の機体から火が消えたり、無事にこの星に着陸できていたり、宇宙船からいつの間にか出ていたり、これらは、ハンニャ達の仕業なのだろうか?
「ねえ、ハンニャ。ちょっと聞いてもイイかな?」
「何でしょう?」
「まず…ええと、どうして私の名前を知ってるの?」
「地球に飛んだ調査員から聞きました。」
ちょっと待て。こんな姿をした奴らが地球にいる?
目立って直ぐに発見されそうだが…。
「あと、私は、どうしてここにいるの? 宇宙船が爆発してもおかしくなかったのに。」
「それは、私の超能力で何とかしました。」
「超能力?」
「さっき、貴女のボトルが空になったのに、蓋を閉めて再び開けたら飲料が出てきたのを見たでしょう。」
「うん。」
「あれも超能力によるものです。あの飲料が、まだボトルの中にあると念じたら、実際にそうなったのです。」
「へー。便利。」
「それでですね。大変申し訳ないのですが、貴女が自分の部屋に入ろうとしたら宇宙船内にいたのも、私達の仕業です。」
「えっ? 何でそんなことを?」
「貴女をこの星に連れてくるためと、もう一つは、宇宙戦争が実在することを知っていただくためです。実は、貴女に手伝ってもらいたいことがあるんです。勿論、代償は支払います。我々の科学力か、もしくは私の超能力で達成可能なことでしたら、何でも願いを叶えます。」
「うーん…。」
淡の願いは、一つではない。幾つかある。一つには絞りきれない。しかし、それを全て叶えてもらうことは忍びない。
そうは思いながらも、淡は、
「叶えてほしいことは幾つかあるんだけど…。」
と、ついつい口に出してしまった。別に意地汚いわけではない。単に根が正直なだけだ。
しかし、ハンニャは、
「幾つでもイイですよ。」
と快く答えた。
「ただ、先に私達が御願いしたいことを言っておきます。宇宙の平和のために、共に働いて欲しいのです。」
条件付きだが…。
このぬいぐるみのような見てくれで宇宙平和を唱えても、他の星の知的生命体からはナメられるだけ。
やはり、見た目は大事である。そのことをハンニャ達は良く分かっていた。
それで、どこかの星の人間に、白の星の代表者(女王とか姫)役として立ってもらい、自分達は、それを後から操る立場になろうとした。
宇宙戦争は怖い。しかし、ハンニャ達と一緒にいて、別に淡は嫌な気分にはならない。むしろ、面白そう。
それに、いくつでも願い事が叶えられるならラッキーと短絡的に考えていた部分もある。
「じゃあ、先ずは高校にちゃんと合格できること!」
「それなら簡単です。」
「本当!」
「朝飯前です。」
「じゃあ、御願い。それと、麻雀が強くなりたい。」
「麻雀ですか。地球のゲームですね。例えば、どんな風に強くなりたいですか?」
「自分だけ手牌が良くて、他家は全員、五から六向聴。意図的にダブリーがかけられるとイイな。それで、終盤…最後の角の前あたりで暗槓すると、それが槓裏に乗って…。その角を越えたら和了れるの。終盤まで待つのは、そのほうが、他の人達が悩みながら打ち回す姿を見て楽しめるし…。」
結構、性格の悪い願い事だ。
「それと、私、胸が小さいから、能力が補給されると胸が大きくなっちゃう…、なんちゃって。」
これは、淡としては冗談だった。胸は大きくしてもらいたいのは本音だが、能力補給に比例するのは普通無い。
しかし、冗談は相手を見て言わないと、いけない。後々大変な目に遭う。本気にされて、取り返しのつかなくなることもあるのだ。
そもそも、大きさが変わると言うことは、その日その時に合う各サイズの衣類を予め揃えておく必要がある。
それに、
「昨日と今日で、大きさが違うじゃん! なんで?」
と他人から突っ込まれた時に、いちいち説明するのも面倒だ。
だが、もう遅かった。
「分かりました。これらは、我々の科学力を使うまでもありません。」
ハンニャの毛先に着いた玉が煌々と輝き出した。そして、大きな声で、
「ハンニャー!」
と叫んだ。
この直後、すぐに玉の輝きがおさまった。どうやら、超能力を使う時に、この玉が輝くようだ。
だとすると、淡が転んだ時にも玉がうっすら輝いていたが、ハンニャが超能力を使って淡に怪我をさせなかったのだろう。
「これで、麻雀に対する能力と胸の件は叶えました。」
ハンニャのテレパシーが、淡にそう伝えてきた。
しかし、淡自身は、この時、身体に何らかの変化が起きているようには思えなかった。別に胸が大きくなったわけでもないし。
ただ、麻雀の能力については、実際に麻雀を打たないことには、変化の有無は分からないだろう。
その変化を、淡は地球に戻ってから知ることになる。