ケロロ軍曹 ~金木犀の君と~   作:ありさ

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サザエさん時空のようなものだから、季節はどんどん変わる。逆に考えるんだ、話をピックアップできると。



第2話 聖夜の奇跡

 

世間はクリスマス一色である。

ネットによれば、ケーキを売る日のようだ。どこかにいるというサンタ=サンはいつか狩りに行こう。

 

一部の街で、異常な猛吹雪が発生していて、襲われているフユキがいたので守ってやる。氷耐性の能力を発揮しておいたため、ブレスを受けきる。

 

全身が白く、ニンゲンの女性のようにも見える。

どうやら雪女のようだ。ゴルゴンについて調べて以来、ネットサーフィンに夢中な俺は分かる。

 

「フユキ、また会えて嬉しい。」

 

「助けに来てくれたの?」

 

「闇に潜む者を狩りに来た。フユキが呼び寄せてくれた。」

 

「この猛吹雪の張本人も、僕が呼び寄せたって言うの?」

 

雪女から、雪男へと姿を変える。変わらず全身は白く、不格好な巨人である。

 

ニンゲンが作ってあった巨大な雪だるまが飛んできたが、アリサの盾になる。ネブラは拳となって巨人をぶっ飛ばす。

 

ブレスを放ってくると、視界が悪くなり、その場を離れたようだ。ヴァンパイアの能力で、アリサは飛ぶ。

 

「行こう、フユキ。」

 

「ねぇー、さっきのやつも宇宙人?なんで捕まえるの?」

 

「それは…」

 

「必要だからだ。アリサをニンゲンにするために。」

 

アリサの代わりに、黒い影のようなネブラが言う。

 

「え、喋ってる。これも生きてるの?」

 

「ダディ。」

 

「君の、お父さん?」

 

「我が名はネブラ。アリサ・サザンクロスは我が愛しき娘。」

 

「俺の名はツキキ。さっき守ってあげたから、借りはなしな。」

 

「えぇ…でもアリサを人間にするってどういう…?」

 

フユキに答える前に、目的地に着いたようだ。電波塔の上でフユキを降ろし、ネブラは同じく巨人となる。

 

「ちょっとー、降ろしてよー」

 

「きた。やはりフユキは獲物を引き寄せてくれる。」

 

「大物だ。あれほどの生命エネルギーがあれば、アリサを……今度は逃がさん!」

 

夢中になってしまったネブラはアリサから離れてしまう。

 

「アリサちゃん!」

 

落下しようとするアリサを救ったのはフユキ。電波塔の上から手を伸ばして支えてくれる。

 

俺も助けたいのだが、寒いために調子が悪いのである。ずっと使っていた氷耐性のトランス能力で喉が渇いたし……

 

なんだか眠い。

 

ダディ、ダディ…と呼ぶ彼女は父親呼ぶ娘のようで。

 

 

「フユキ、どうして私をそこまで…?」

 

「だって、僕たち、友達じゃないか!」

 

「トモダチ……」

 

 

 

「私は今まで自分がどこの誰なのかという一切の記憶を失っていた。お前に触れた瞬間に全て思い出した。私は宇宙からやってきたのだ!」

 

―――滅んだ星の何十億という人の想いが集まってできた存在。

 

黒と赤と青の宇宙人が加勢に駆け付けてくれる。

 

傾いた電波塔から落ちた俺たちはケーキの空き箱に救われる。熱い男に引っ張られるソリで緑も来てくれたようだ。熱い男のおかげで体調も戻ってきた。

 

アンゴル族の少女もいることだし、勝ったな(確信)

 

 

「ありがとう、来てくれたんだね。」

 

「それは、プレゼント交換会のため……いやいや、ピンチとあればいつでもどこでも駆け付けるであります!」

 

二の腕のリボンから、アリサの背中に竜の翼を生やす。すでに決着のついているネブラの元へ飛んで近づく。

 

「私は見つけることができた、アリサという希望を。だから、お前も私と一緒に生きるのだ。」

 

―――我らは元々同じ星の同胞なのだから

 

 

どうやら俺より先に自分を見つけたようである。それでも、何百年とかかったらしいがな。

 

ホッとする顔で、嬉しそうな顔のアリサを見て、俺も顔が綻んだ。

 

 

 

「わ、吾輩たちを食べても美味しくないでありますよ~。」

 

「知ってる。」

 

怯える緑にネブラは握手を求める。おそるおそる手を取ってくれる。

 

「おかげで助かった。」

 

「どういたしましてであります。」

 

「やったー!これで万事めでたしめでたしですねー、軍曹さん。」

 

「で、ありますな!」

 

 

 

 

***

 

水道で水分補給しておいたし、会場は暖房や加湿器が効いていて最高である。それに、クリスマスプレゼント交換会とは粋なのではないだろうか。

 

「アリサちゃんも一緒に参加しようよ。プレゼント交換会。」

 

「え、でも…」

 

「フユキくーん!こっちこっち。」

 

「西園さん待ってて、今行くからー」

 

 

「ありがとう、フユキ。」

 

それだけ伝えて、俺たちは去る。

人の恋路を邪魔するわけにもいかないしな。

 

あれ、外までフユキ追いかけてきてんぞ。

 

「アリサちゃん、また会えるよね?」

 

それだけ伝えて、フユキは会場に戻って行く。

 

 

 

フユキの住むこの地にある洋館に俺たちは最近住んでいる。この捨てられた場所は闇の世界の住人に似合っているだろう。

 

リボンから、元の姿に戻る。そして俺が取り出したのはシンプルなクリスマスケーキ。

 

「これ。クリスマスプレゼントにと、熱い男から貰ったんだ。」

 

彼女はケーキを見つめているだけである。

 

「あ、でも、悪い。食べれないよな……」

 

ゆっくりと手を伸ばし、イチゴを口に入れる。

 

「甘くて美味しい。」

 

「「やったぞー!」」

 

俺とネブラは大騒ぎし始める。

彼女ははじめてニンゲンらしい食事をしたのだ。生命エネルギーも僅かながら得ていて、闇に潜む者を必要以上に狩ることはなくなるだろう。

 

彼女がニンゲンになるための獲物を探して狩っていけばいい。

 

 

 

「プレゼントありがとう、ツキキ。」

 

金木犀の香りが雪の世界に広がっていた。

 

本当に、運命は加速している。

 

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