卒論終わったので、久方ぶりの最新話をどうぞ。
あと、カルデアが召喚する英霊はあと一人です。本当はオリキャラ勢にも召喚してもらおうかと思いましたが、収集つかなくなるので、マシュ・オルタ・あと一人・次の特異点の一人で人理を攻略します。
次回召喚回です。キチガイ共の天敵を召喚します。
起きたら見知らぬ天井だった。
というか、やけに豪華な内装の部屋で、凄くふっかふかなベッドの上で横になっていたと言うのが正確だろう。混乱している記憶を整理して、面影が微塵も残っていないが、ここがカルデアであることを確認する。
ついでに俺が最後に記憶していたカルデアの一室は、ここまでスイートルームさながらの設備を兼ね揃えていたとは記憶していない。さては他のガイジ共が何かやらかしたな?
「フォーウ」
「お、白モコモコやんけ。お前も生きてたんか」
白モコモコことフォウ君の確認もあり、ようやく特異点にレイシフトした組が全員帰還できたことを実感する。一般人の俺と動物の白モコモコが生きているのなら、デミサのマシュや死んでも生き返る所長、謎生物の花子も生きていることだろう。
俺は適温に設定された室内で微睡む。
つかココめっちゃ暖かいやん。
加えて白モコモコが絶妙にフワフワしている。
これはもう寝るしかない(確信)。
「んなこと言ってないで起きろっての」
「あ、オルタ居たんだ」
「あ゛? ここに私がいたら悪いの?」
やけに不機嫌なオルタ。
俺が寝ているベッドの端に腰掛け、俺を蔑むように腕を組んでいる。
「そりゃ俺の自室らしき場所に超絶美女がいたら困るだろう? 俺だって思春期真っ盛りの男子なんだぜ?」
「……ふん」
俺の言葉にオルタは立ち上がった。しかし、さっきの不機嫌さは一瞬にして霧散したようだ。
コイツ感情の揺れ幅が激しいなぁ。
……え、まだ確定してないけど俺の部屋なんだよな?
万が一にも俺の部屋がオルタと兼用だと仮定するならば、ベッド一つしかないって時点で嫌な予感しかしないんだが。まさかのオルタと添い寝パターンですか? まぁ、起き上がった拍子にソファー見えたから、場合によっては俺がそこに寝るんですけどね。
「クソマスター、ロマニとかいうアホが呼んでたわよ。管制室まで来てって」
「了解。オルタも一緒に行く?」
「………」
「んじゃ行くか」
オルタが用意してくれた上着(最初で花子に破かれたアレ)を羽織り、フォウ君を胸に抱えて、オルタを伴い管制室へと向かった。
♦♦♦
「あ、おはようございます、先輩。無事で何よりです」
「よっ」
「そっちもね。いやー、大変だったなぁ」
業務用冷蔵庫の前で待っていたのは、純真無垢で若干天然のマシュ、画面越しでしか会ったことのなかったロマン、画面越しですら会ったことのない謎の美女、脳筋金髪幼女がいた。マシュがいち早く気づいて挨拶をしてきたので、笑いながらそれに応える。花子は無視。
そして先の特異点でサポートを請け負ってくれたロマンとも軽い握手。表情を鑑みるに、相当心配されていたらしい。
「そんなわけで、俺の名前はマイケルだ。以後お見知りおきを」
「特異点の修復、本当に感謝しているよ。私の名前はレオナル・ド・ダヴィンチ……と言えば知っているかな?」
「……あぁ、所長が言ってた召喚例か。なるほどなぁ。えっと、俺はどう接すればいい?」
「私のことは気軽に『ダヴィンチちゃん』とでも呼んでくれたまえ」
「りょーかい、ダヴィンチちゃん」
アーサー王が本当は女性だったという事実を先に知っているためか、ダヴィンチが女性であることに違和感を抱かない自分がいる。聞くところによると、美を追究するために自分を『モナ・リザ』に似せているんだとか。
つまり中身は男。
変態だね。友人に同じようなの居るから気にしないけど。
ところで他のアホ共はどうしているのだろうかと周囲を見渡すと、管制室の自動扉が開く。
そこに居たのは車椅子に乗っている所長だった。最後に見たときより若干痩せており、彼女の精神が肉体と解離していたことによる結果だということは、魔術に詳しくない俺でも察することが出来た。つまり、オルガマリー所長は本調子ではないのだろう。
車椅子を押しているのは白髪の少年。俺達はコイツのことを『ボブ』と呼んでいる。ボブらしい見た目ではないが。その後続に胡散臭い紳士な見た目をしたダニエル、髪を灰色に染めている不良少年のジョン。
管制室の扉が完全に開──
「所長を業務用冷蔵庫ににシュゥゥゥーッ!!」
「「超!エキサイティン!!」」
「ロ゛マ゛ニ゛だずげでええええええええ!!!!」
いた瞬間にマイページな性格のボブは、車椅子に乗っている人間のことを顧みず、思いっきり助走をつけて車椅子をこちらに転がしてくる。時速二十キロは出てるのではないだろうか? もしかして所長がやつれている理由は、単純にコイツ等に遊ばれたからでは?
某水の駄目神様みたいな顔面作画崩壊させながら、ちょうど冷蔵庫の前にいた俺の方に突進してくる所長を見て、俺は瞬時にロマンを盾にする。
「卑遁・身代わりの術」
「ちょ、マイケル君!?」
ロマンに当たる直前に花子が車椅子の車輪に足を引っかけ、所長は面白い具合に前のめりで転ぶ。つまり、所長はドクターの胸にダイブする形で倒れ込むわけだ。羨ましいですね。
思わぬ形でラッキーをつかみ取ったロマンなわけだが、彼女が彼に対して当たりが冷たいのは知っている。ロマンからしてみれば「この後何言われるんだろう?」って気持ちが強いのだろう。というか女性の上司の身体を支えるとかセクハラ案件じゃないか? 南無三。
だが、そんなドクターを所長が責めることはなかった。
逆に涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃである。
「……ロマニ、貴方は今日から給料100%アップね」
「はい!?」
「私気付いたわ! 目覚めたわ! あの頭のネジのはずれたキチガイ共に比べたら、ロマニは聖人だって! というか私を車椅子で押してくれるのは別にいいけど、カルデア内で爆走するって何なの!? ドリフトで火花が散るって何なの!?」
そらキチガイ三人衆に比べたら誰だって聖人だよ。特に、マシュとか何なんだって話だ。恐らく人類が持ちうる言語じゃ表現することのできない、とても尊い存在になるはず。
この言葉に三人は微笑ましく眺めている。反省せんかボケナスが。
荒んだ現代社会に舞い降りし純真無垢な天使の化身マシュは訳も分からず首を傾げ、ダヴィンチちゃんは察したように溜息をついた。全然興味のない花子は業務用冷蔵庫からカルピスの原液を取りだしてラッパ飲みしている。カルデアスがカルピスの原液のボトルに囲まれている姿は滑稽だ。
彼女を安定させること数十分後。
危険なドライブにより錯乱していた所長は正気を取り戻した。彼女は俺とマシュ、ついでに花子に頭を下げる。
「特異点を修復してくれてありがとう、ございます。貴方達の御蔭でカルデアは救われたわ」
「……所長、熱でもあるんですか?」
「おいおいマジかよ。おいこらボブてめぇ全然治ってないじゃねぇか」
「あっれー? パーツはちゃんとつなぎ合わせたんだけどなぁ」
「マシュにマイケル! 別に熱なんて出てないわよ! 特に、そこの白髪はグロテスクなこと言わないで!」
所長は咳払いして話の流れを戻す。
「未だに外部との連絡が取れないことから、恐らくレフの言ってたことは本当よ。……なぜかカルデアスが一部青いけど、これが真っ赤になってるってことは人類が滅んだってこと。カルデアは通常の時間軸にないから、かろうじで存続できていると推測するわ」
「そう簡単に歴史を変えたところで未来は滅亡しない。歴史には修正力ってのがあるからね。でも特異点を回復させてもカルデアスが赤いままってことは、他に要因があるってことだ。僕等が調べた結果──七つの特異点が発見された。どれも
冷蔵庫カルデアの真っ赤な部分が消え、今度は青い放射線の光がカルデアに満ちた。これが時空の歪みってものであり、これを正さなきゃ文字通り人類は終わるのだろう。
もう終わってるけど。
ここで手を挙げたのは不良少年のジョン。
年上にも敬語を使わず、ナメた口調でロマンに質問を投げかけた。
「あァ? つまり七つある特異点を修復しろってか? カルデアの人材不足を考慮すりゃ……そこの
「……えぇ、そうよ」
それは苦痛に歪めたオルガマリー所長の返答だった。
人類と未来の存亡がかかってるのだ。そう答えざるを得ない。
だから、俺は溜息をついて承諾するのだった。
「このままじゃ帰っても何もないんだろ? ったく、選択しないとか笑えない冗談だ。──いいぜ、とりあえず世界でも救ってみようか」
「上に同じ」
「改めてお礼を言うわ。ありがとう」
拳をきつく握りしめたオルガマリー所長は高らかに宣言する。
その小さな身体にどれだけの重圧がのしかかっているのかは俺に走る由もない。それでも、彼女は腹をくくったのだろう。
世界を救うために。
人類を救うために。
「これより、カルデアはオルガマリー・アニムスフィアの名において、人理継続の尊名を全うする。目的は人類史の保護・及び奪還。探索対象は各年代の原因となる聖遺物及び聖杯。私達は人類を救うために、人類史に挑む! 魔術師最高位の使命──
──これより、人理守護指定グランドオーダーを開「ぶぇっくしょい!!」今いいところなのにっっ!!!」
やっぱ雪山は寒いわ。
【残りのオリキャラ勢の簡単な自己紹介】
ボブ……白髪。マイペース。ドクター。
ダニエル……胡散臭い。紳士。リフォーマー。
ジョン……不良。無礼。クリエイター。