本格的に就職活動が始まったので、亀更新が続きます。投稿した場合は「まーた現実逃避してるぞこの作者」とでも思っといてください。
あと余談なんですが、感想して下さった方々には、次話投稿する前に返信しております。ようするに感想戻ってきたら「投稿するんかー」と思っといてください。
今回はオルレアン到着しました。はい、それだけです。
次回は黒幕の正体を知ります。タイトル通り、サクッと攻略します。
レイシフト先は、のどかな田舎道だった。
何か空がやけに禍々しい色に染まっていたが、それ以外の点を除けば、日本の辺境のド田舎を彷彿とさせる風景が広がっていた。鹿児島みたいだ。ここは草原というクソミドリが広がっているけれども、鹿児島の知覧は茶畑というクソミドリが広がっているからな。もしかしてココ鹿児島か?
「マシュ、ここ鹿児島じゃないの?」
「マスター、残念ながら鹿児島ではないようです」
「え~、残念です……」
花子の疑問にマシュが答える。
ところで沖田は何を残念がっているのだろうか? 聞いてはいけない気がした。
まぁ、ここが我等が故郷ではないのは明白だろう。だって寒いもん。
「──先輩。時間軸の座標を確認しました」
「さっすがマシュちゃんは頼りになる。で、今何年?」
「1431年です。百年戦争の真っ只中です」
「へぇ、日本だと戦国時代より少し前くらいかぁ。ふーん……ん? あれ?」
百年戦争、という単語が引っかかった。
割とごく最近にそのような単語を耳にしたことがあるし、自分でもその内容を検索した記憶がある。しかし、肝心のその単語を検索した理由が思いだせない。
ちょうどその時期は、花子と所長の講義を受けていたはず。魔術師としての知識が圧倒的に不足しているため、とりあえず遺憾の意案件で不本意だけど、所長を師事していた。専門用語を専門用語で解説する教授並には分かりやすかった。高校時代の先生って教え方が上手かったんだなと、今さらになって痛感する。
百年戦争はどこで行われた?
どうやらオルタも俺と同じ顔をしている。
「現在位置とか把握できる?」
「フランスですね」
「オルタ、とりあえずオルレアンとイングランドを焼き討ちすっぞ」
「魔力を回しなさい。決めに行くわよ、マスター!」
場所は理解した。
年代も理解した。
やることも定まった。
俺と竜の魔女の闘争心に火がつく中、誠の羽織を持たない新選組一番隊隊長が焦る。
この空気についていけないのだろう。
「ま、マスター!? いきなりどうしちゃったんですか? 沖田さんは全くこの展開についていけてないんですがっ!?」
「この時代のオルレアンとイングランドは日本の薩摩と長州みたいなもんだ。古事記にも書いてある(大嘘)」
「なるほど、つまり敵だと」
おちゃらけた空気が一瞬にして、鋭い刃と化す。
沖田も俺達の気持ちが通じたのだろう。
サーヴァントの敵は主の敵。とりあえずシャルルって野郎と、ピエールっていうハゲは殺さないと気がすまない。ついでにフランスも火の海にしよう。イングランドってイギリスだよな? んじゃイギリスもバーニングだ。
そんな固い結束が固まる中、水を差す声が。
純真無垢な我等がアイドル、マシュ・キリエライトだった。
「あの、私達は特異点を解決するために聖杯を探さないといけないんですが……」
「大丈夫、大丈夫。その聖杯ってやつもシャルルってキチガイが持ってるはずだから。そいつシバいて聖杯ゲットすりゃ特異点も解決するやろ。オルタも満足して、聖杯も手に入るとか、素晴らしい展開だと思わんかね? なぁ、花子?」
「よくわかんないけど、マイケルに任せる」
俺のヒトラー並の素晴らしい演説に、花子も感銘を受ける。仏頂面で何考えてるのか分かんない脳筋娘だが、長い付き合いのある俺には分かる。
コイツ話そのものを聞いてないな。
「『許す』や『許さない』は被害者本人が決めることであり、他者から強要されるものじゃない。そして『自分を害する行為を許さない者は器量が小さい』と言われがちだが、そりゃ大きな間違いだ。復讐や報復は被害者が有する立派な権利であり、
「……ですが、それだと復讐の連鎖が止まりません。どこかで止めないと」
「なるほど、マシュが被害者になった時に『許す』って思うのならば、それは君の自由だ。誰も君を止める権利は持ち合わせていない。だけど、これだけは忘れないでくれ。誰もがみんなマシュみたいに許せるわけじゃない。特に、理不尽に処刑されたオルタなんかはね」
政治的に仕方がなかったのだろう。
確かに、ジャンヌ・ダルクを殺した背景には納得できる。
だが、俺は復讐を許容する。
ある意味、俺のその思想がジャンヌ・ダルクの負の面を召喚させたのだろう。オルレアンの復讐者の主たる者は、やはり復讐を肯定する者なのだ。
「復讐は何も生まない」とか「許すことも大切だ」とか言う連中は多いけど、その言葉を吐く何パーセントが、その言葉の重みを理解しているんだか。俺は残念ながら、復讐否定派の偽善者しか会ったことがない。偽善は大いに結構だが、偽善は時として巨悪となることを理解してほしい。
もちろん、復讐した側は報復される覚悟を持つべきだ。ちゃんとそこら辺は、オルタも承知しているだろう。
マシュは俺の厳しい持論に言葉を亡くし、オルタは驚いたように目を見開く。
俺にオルレアンとの共通点はない。ないけれど、オルタの主として復讐をサポートする以外にも、シャルルとピエールを許せない理由がある。これは、オルタの復讐する単位が国家という点だが──
「まぁ、俺は権力を持った人間や権力に媚びを売る人間が、安全な場所に隠れてオルタを批判し、他人には信仰心や異端思想を強制して、処刑台送りにした行為が激しく気に食わない。ただそれだけだよ」
非常に自分勝手極まりない理由だったりする。
「マシュは霊脈を設置して帰還システムと通信システムの確保。花子はマシュの護衛をお願い。俺とオルタと沖田は近くの街や集落を見つけに行って情報取集。場合によっては焼き討ち。これでいい?」
「「「異議なし」」」
マシュ以外が了承して、行動開始。
──とはいかなかった。
「──すみません、それをされると非常に困るんです」
何故か聞き覚えのある、凛とした声に止められたことで。
俺が後ろを振り返ってみると、そこには一体のサーヴァントが佇んでいた。
純白の鎧からは清楚な在り方を伺わせ、大きな旗を携えた女性。金髪の長髪は後ろに大きな三つ編みとして束ね、澄んだ薄い蒼色の瞳は硬い意思を物語る。
サーヴァント、なのだろう。敵意は見えない。
だが、他のサーヴァントとは違い、何かが圧倒的におかしい。俺の直感がそう囁いている。
「あ、アンタっ……!」
「……まさか、貴女が来るとは思っても見ませんでした。もう一人の私」
オルタは恨めしそうに目前の女性を睨む。
確かに
この場を代表して彼女を見た感想をボソッと述べた。
「……オルタの2Pカラー?」
「「違います」」
つか姉妹か。
息もぴったりだし。
冗談はそれくらいにして、オルタとカラーリングが違うだけの存在であり、黒の魔女対極の印象を覚える相手。実際に少し話しただけで、オルタとは姿以外が似ても似つかないな。
俺は史実の彼女の姿を知らなかったが、これだけの情報を与えられれば、どんなキチガイでも察することが出来るだろう。
「……誰?」
花子以外は。
「私はルーラーのサーヴァント。真名はジャンヌ・ダルクと申しま──」
敵意がないことを証明しながら近づいて来る彼女だったが、突然よろけて前のめりに倒れようとした。あまりにも突然のことだったため、俺はとっさに支えようとする。
どうやら儚げなのは印象だけではないらしい。具合が悪いようにも見える。
手を出した俺はルーラーのサーヴァントの肩を支え──
「「あ」」
ようとして、思いっきり彼女の胸を鷲掴む。
小ぶりのメロンのように大きく、マシュマロよりも柔らかく、しかし美しい形に比例して弾力のある感触を、俺は両手の神経経由で理解する。
ToLOVEるなら顔面でダイブしていたであろう。
よく見るとオルレアンの乙女は首まで赤面させている。これはフォローしなくては。
「……ありがとうございます」
「え、あ……え、どういたしまして?」
「寝言は寝て言えクソマスター」
刹那、礼を受け入れた声とは同じような声と共に、顎に強烈な痛みが走るのだった。
性格
マイケル……客観的で悲観的に考えるタイプ。他者の意思を尊重する分、自分の意志は基本的に曲げない。あんまりエロいことに興味はないけど、ジャンヌの胸は柔らかかった。
ジョン……基本的に相手を舐め腐った態度で煽る不良少年もどき。だが、根は優しいため、中途半端な悪役になり切れない善人。土木関係の作業が得意。
ボブ……マイペースを極めたマイペース。しかし、親しくない人との関係はドライ。医療関係の仕事を目指しているから、5章のあの人と会った時に化学変化が起こる。
ダニエル……紳士。胡散臭い見た目をしているためか、中身も胡散臭くなってしまった。性癖がめっちゃ歪んでいる。
花子……何も考えてない。主人公の言うことには素直に従う。仏頂面。脳みそを介さずに脊髄で物事を考えるタイプ。