とりあえずサクっと人理修復   作:十六夜やと

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 どうも、十六夜やとです。
 勘違いされやすいのですが、私自身はキチガイではありません。なぜかキチガイシリーズ執筆してると勘違いされやすいんですよね。
 もう一度言います。
 私はキチガイではありません。

 今回は異変の説明回みたいなものですね。
 次回、キチガイ共の本性が現れます。さようなら、原作のシリアスシナリオ。


行動力のあるキチガイは面倒

「『黒は女性を綺麗にする』っていう言葉があるんよ。これダニエルに言ったら『黒が女性を綺麗にするのではなく、美しい女性が黒を着てやっているだけでしょう』って言われたけどさ。何かこう、黒が似合う女性は大人なイメージが個人的にあるんだ」

 

「な、なるほど……勉強になります。ダニエルさんって予想以上に紳士だってことが分かりました」

 

「そんで同じく完全に俺の持論なんだが、黒は『濃艶』で、反対の白は『清楚』ってイメージがあるんだな、これが。何にも色がついてない=何にも染まらず純粋……って方程式が、勝手に脳内で作られてるからなんだろうけど。もちろん色のイメージってのは個人差があるよ?」

 

「ほぇ……マスターは難しい事考えてますね」

 

 フランスで野良のジャンヌ・ダルクに会った俺達は、ひとまずカルデアとの通信環境を整えようという話になり、ちょうど霊脈の強かった森を拠点とした。マシュが盾を使って通信環境を整えている間、くっそ暇だった俺は雑談を行う。

 どうせならカルデア側の意見も交えながら話を進めたいという思惑があったからだ。今聞くより、後で談議した方が効率がいい。

 暇つぶしの内容はジャンヌ二人組を見て思いついた『イメージカラー』について。マシュは盾を操作しながら俺の話に耳を傾け、沖田は何もわかってないような反応を示す。その沖田に抱きかかえられて、マスコット的扱いを受けている花子。ぶっちゃけ鹿児島県民な俺達の中では、花子が一番薩摩兵子の血を受け継いでる気がするんだが。

 

 俺はジャンヌsに視線を向ける。

 カルデア所属のジャンヌは不機嫌そうに地べたに座り込み、「私全然気にしてませんけど?」風を装って、明後日の方を向いている。……が、時折オリジナルの自分を横目でチラチラと確認している。

 一方の特異点側のジャンヌは、オルタより相手を気にする頻度が多い。どちらかと言えば、具合が悪そうにしている彼女の方が心配だ。さっきから身体そのものがフラフラしているし、何か要因でもあるのだろうか?

 

「けどジャンヌシリーズは白い方がエロく見えるよなぁ」

 

「あ゛?」

 

 どうして黒い方が怒るのだろうか?

 情緒不安定過ぎない?

 

 なんて伏線どころか脈絡さえ持ちえない雑談に花を咲かせていると、マシュが盾のセットアップを完了させたようだ。カルデアの性格的に頼りなさげなトップと、精神的に頼りなさそうな次席がスクリーンに映し出される。

 これが人理修復の最後の砦を司る二人なんだよな。

 心配になってきた。

 

〔マシュから話の流れは聞いてるわ。サーヴァントに情報を吐かせなさい〕

 

「あ、紹介するよ。今それに映っているアレが、俺達人理修復を目的として活動している機関の長。オルガマリー所長だ。俺達の間では畏怖と畏敬を込めて『オルガ・イツカ』って異名で慕われてるよ」

 

 カルデアが何を目標として動いているのか、どうしてフランスの地にやって来たのか、俺達がどこから来た魔術師なのか。白いジャンヌ・ダルクが疑問に思いそうなことを、俺は代表として説明した。というか現在進行形で俺以外に説明できそうな奴がいない。

 オルガ・イツカは「え、そ、そうなの……悪くないわね」と納得している。名付け親はジョン。理由は人理修復終わるまで止まらなさそうだから。

 

 そして、今度は白ジャンヌが持ちうる情報を提供してくれた。

 ──けれども、それは俺たちにとって衝撃的なものだった。

 

「フランス国王シャルル七世とピエール・コーション司教が殺害され、フランス全土は突如現れた竜によって壊滅状態。それを行ったのは黒い魔女ジャンヌ・ダルク。……つまりそこの黒いの、みたいな奴が今回の黒幕って考えればいいんだよね?」

 

「……はい」

 

「表出ろやクソマスター」

 

「ここ表なんだけど。うーん、随分とややこしいことになってるなぁ。つか、フランスのシャルル殺したことが特異点になる理由って何なの? そう易々とは人類の転換期って生まれないって話だよね?」

 

 俺の素朴な疑問に答えてくれたのはロマンだった。

 

〔フランスは人類史上において、人間の自由と平等を謳った最初の国家なんだ。この権利が生まれるのが遅れれば、それだけ文明は停滞してしまう。フランスという国家がなければ、今の私達は中世と同じような生活を送っていたんじゃないかな?〕

 

「……オルタが殺したから、特異点になった?」

 

〔花子ちゃんが差しているのが、この世界に生まれた黒いジャンヌ・ダルクなのであれば、その認識は正しいよ。彼女曰く、この世界で生まれたもう一人の黒いジャンヌ・ダルクは、フランスという国そのものを憎んでいるんだろう?〕

 

 ただロマンは現在の状況をまとめただけである。

 しかし、オルレアンの乙女と謳われた聖女様は、自分とは違う思考を持った自分の現状を指摘され、ただでさえ具合が悪そうな表情をさらに歪める。

 

「どうして……復讐なんて」

 

「そりゃ自分を殺した相手は憎いですよ。薩摩死すべし」

 

「人斬り侍と同感ってのは癪だけど、私モドキの気持ちは分かるわ。オルレアンなんて救うんじゃなかったって、今でもマジで思ってるわよ。アンタ甘すぎ。コーラの数千倍くらい」

 

 例え方が俗物過ぎるが、おおむねオルタに同感だ。

 やはり聖女と呼ばれるだけはある。こういう考え方の持ち主が世界を救い──そして滅ぼすのだろう。何とも皮肉な話だ。

 

 彼女は黒いジャンヌと一度だけ対峙したらしい。

 その時は他に呼ばれた野良サーヴァントの助けで脱出できたらしいが、今頃そのサーヴァントたちは果たして無事だろうか? ファフニールっていう竜もいたって話だし、生存は絶望的と考えたほうがいい。

 味方サーヴァントもいない。相手は聖杯を持っている。相手側にサーヴァントが多数。正直、俺達の到着がなければ、比喩表現なしでフランスの特異点は詰んでいただろう。彼女も本調子には見えないし、第一特異点でこの惨状じゃ、先が思いやられる

 

「さて、シャルルとピエール死んじまったし、こりゃ本格的にフランス救う理由がねぇな。どうするよ、復讐者さん」

 

「あぁ? んなの私モドキを殺すに決まってるでしょう? 生意気に竜なんか召喚してやがるし、聖杯持ってるのは絶対そいつよ」

 

「竜の召喚って、魔術の中では難易度が高いんだっけ? そんじゃパッとジャンヌ・オルタ・オルタがいる『監獄城』ってところに行って、パッと黒幕叩き潰して、パッと帰りましょか。あんま長居したところで、いいこと何一つないわけだし」

 

「こんなクソみたいな場所に長居するわけないでしょ。馬鹿なのアンタ? 私早くキングダムハーツのCOMやりたいんだけど」

 

 オルタは復讐の対象を『国王とハゲ司教+欧州』から『復讐対象ぶっ殺しやがった私のそっくりさん』へとシフトチェンジしたようだ。

 俺が復讐許容したのは裏の理由として、特異点攻略に協力してくれる彼女のモチベーションを保つためって面もある。人類救ってくれるんだから、これぐらいの役得はあってもいいよね?って感覚である。対象を変えることでオルタが渋々納得してくれるんなら、こっちとしても願ったり叶ったりだ。

 

 そんなわけでカルデア御一行は黒幕の本拠地『監獄城』という目的地へと向かう準備をする。

 俺は「そういえばさー」と軽い気持ちで、白いジャンヌ・ダルクへと話題を振った。

 

「そういやジャンヌ・ダルクさんは具合悪そうだよね。大丈夫?」

 

「か、かろうじで大丈夫。現在の私はルーラーなのですが、ルーラーとしての機能がほとんど使えません。ステータスも大幅に弱体化しており、つい先日に魔力の供給も止められました」

 

「……え、それ相当まずいんじゃ」

 

「も、もう一人の私のところまで案内するまでの魔力はあります。その後はお手伝いさせていただくことはできませんが、どうか、フランスをお願いします」

 

 花のように可憐な笑みを浮かべる白の聖女。

 俺は目を見開いた後、少し脳みそを回転させる。

 打算と損得勘定、現状のカルデアが抱える問題と、魔術師として得た知識をパズルのように組み合わせ、俺は一つの結論を導き出した。

 

〔なら大丈夫ね。マイケル、すぐに監獄城へと向かいなさい〕

 

「……なぁ、所長。一ついいか?」

 

〔また何か面倒な事考えたわけ?〕

 

「ジャンヌと俺が契約したら、彼女は消えないよな?」

 

〔「はぁっ!?」〕

 

 所長とオルタの声が重なる。

 現在カルデアの戦力は少なく、召喚を行うだけの余裕も聖晶石もない(除・ダニエルの栽培)。そして、召喚したとしても沖田の二の舞になる可能性もある。土方歳三とか呼んだ日には第二次戊辰戦争勃発である。その点、ジャンヌ・ダルクなら性格上問題もないし、既に一匹飼ってる。

 次に、ルーラーとしての機能。もしかしたら召喚の不備としてルーラーのスキルが、マスターが居ない故に正常に発動しない可能性を考慮し、『真名看破』や『神明裁決』は今後役に立つと考えられる。

 最後に案内途中で消えられても困る点。俺達は監獄城がどこか知らん。

 以上の点から、俺はジャンヌ・ダルクを俺が契約する最後のサーヴァントとして推薦した。あとエロくて綺麗で可愛いし。

 

 俺の巧みで素晴らしい説得に、ちょろさで右に出るものはいない所長は俄然乗り気になる。

 オルタはソウルイーターのエクスカリバー見たときのような表情をしているが、面白いゲームを紹介することを条件に渋々……本当に渋々……くっそ渋々に頷く。

 よし、蒼の少女と赤いトカゲが出てくる周回ゲーを紹介しよう。

 

「つわけで、すまないが君にも人理修復に付き合ってもらうぞ。──告げる、汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に――聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば―――我に従え。ならばその命運、汝が『旗』に預けよう!」

 

「……えぇ、分かりました。──ルーラーの名に懸け、誓いを受けます……貴方を我が主として、認めましょう」

 

 こうしてカルデアに最新にして最後の英霊が加入したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔ところで……マイケルは監獄城に乗り込む準備はしてあるの?〕

 

「あぁ、城を壊す用意はしてある」

 

〔壊すの!?〕

 

 

 

 




今作でのお仕事

マイケル……マスターとして特異点を修復する仕事。現場の司令塔としての役割も兼用し、花子の首輪も握っている。
ジョン……次回判明。やらかします。
ボブ……医療室の番人。死者の蘇生以外は大抵治せる。ロマンの仕事を奪う形になるが、おかげでロマン過労死フラグは免れた。
ダニエル……次回判明。やらかします。
花子……マスターとしてマシュをサポート。マシュがサポート。基本的にサーヴァントを倒す係。グランドクラス以外なら苦戦はしない。
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