とりあえずサクっと人理修復   作:十六夜やと

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 評価のコメント文字設定を忘れてて辻低評価くらった十六夜やとです。私は悲しい。

 というわけで所長と合流します。
 次回は鯖召喚します。


流石です、所長!

「もうすぐドクターに指定されたポイントに到着します。……先輩は凄いですね。一度も敵と遭遇することなく到着しそうです」

 

「はははっ、褒められるのは嬉しいけどフラグなんだよなぁ、それ」

 

 良く言えば隠密行動重視で移動し、悪く言えば臆病者のようにコソコソ隠れながら移動した俺達は、目的のポイント近くまで、敵性生物と遭遇することなく現在に至る。その過程で闊歩してた骸骨みたいなクリーチャーにビビりもしたが、どうにかこうにか巻き込まれることなく来れた。

 屈んで歩いたり、転がって移動したり、物陰に隠れたり、石を投げて注意を逸らしたり、道中の木に擬態したり──どうして特殊訓練を受けた軍隊のような行動をしてるのか疑問に思う自分がいたが気にしない。『いのちだいじに』が最優先だったから仕方ないんだけど。

 

「しかし……見渡す限りの炎ですね。資料で見たことのあるフユキ市とは全然違います」

 

「そうなん?」

 

「資料ではフユキ市は平均的な地方都市であり、2004年にこのような大災害が起きた事はないはずですが……」

 

「2004年、か。ここ本当に過去なんだなぁ」

 

 あんまり気にせずマシュとドクターとの会話で流してはいたが、今ここに居る俺達は過去の世界にタイムスリップしたようなものだ。それよりもっと大変な目にあっているから仕方ないにせよ、空想上の体験に感慨深く思う。

 

 ……ん?

 俺そういえば過去の世界に来てるんだよな? タイムパラドックスとかその辺ってどうなってんの?

 

「ねぇ、マシュ──」

 

 俺がマシュにそこら辺の仕組みの解説を求めようとした瞬間、女性の金切り声のようなものを耳にして、マシュが盾を構えてすぐさま俺達を守る。

 瞬時に厄介事の気配を察知した俺は肩をすくめるのだった。

 

「女性の悲鳴です。急ぎましょう、マスター、先輩!」

 

「行かなくちゃ、ダメなんだろうなぁ……」

 

「りょーかい」

 

 

 

   ♦♦♦

 

 

 

 

「何なの! 何なのコイツ等! どうして私ばっかりこんな目に合わなくちゃいけないのよ! もう嫌! 来て、助けてよレフ! いつだって貴方が助けてくれたじゃない!」

 

 悲鳴のあった方へ行ってみると、何かショチョサンが骸骨兵と一戦交えている光景があった。

 何か指から弾丸みたいなの出してる姿は様になっているのだけれど、言ってることは情けないの一言に尽きる。そりゃ変な化物に襲われてたらそうなるのも無理はないけどさ。

 

 マシュは急いで所長さんを助けに行こうと赴くのだが、それを俺は片手で制止した。

 彼女は俺に理由を求める。

 

「このままではオルガマリー所長が──っ!」

 

「よく考えてみ、マシュちゃん。こんな大声出してたら敵が集まってくるのは明白なのに、どうして我等が麗しき所長さんが子供みたいに泣き叫んでいるんだと思う? というか()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「それはどういう……」

 

「つまり所長さんは自分の身を挺して囮役とし、他の誰かがこの特異点?ってのを修復するまでの時間稼ぎをしてるってわけさ。俺達はその意思を汲み取って、さっさとフユキ市の異変を解決するのが当然だと思わないか?」

 

「な、なるほど」

 

 マシュも敵が集まるリスクを犯して泣き叫んでいる所長の意思を汲み取ったようだ。考え込んでいたマシュは真剣に頷いて、彼女を救出するのを諦める。

 本当は面倒なの増えても困るから見捨てるだけである

 さて、さっさと霊脈ってところに行こ──

 

「ちょ、マシュ!? と……馬鹿二人組!? 何逃げようとしてるのよ! 早く助けなさ──あ、待っ、だずげでええええええええええ!!」

 

 と思ったけど無理だったわ。

 

 

 

   ♦♦♦

 

 

 

「戦闘終了です。お怪我はありませんか、所長」

 

 骸骨兵を「盾で殴り殺す!」という戦法を真っ向から信じ込んだデミサーヴァントのマシュと、魔術使えないなら物理で殴ればいいじゃないの精神で何故か骸骨兵を無双した花子。それを唖然とした表情で見ていた俺と所長の図。

 戦闘後に骨を集めてる花子を他所に、マシュは所長の安全を確認した。

 

「……どういうこと?」

 

「所長? ……あぁ、私の状況のことですね。信じがたいことだとは思いますが、デミサーヴァントとして融合を果たすことが出来ました」

 

「そっちじゃなくて! いや、そっちも予想外だったけど! それ以上に私の演説で馬鹿な事言ってたそこの一般人!」

 

 花子と一緒に骨を拾ってた俺は、所長さんの言葉に首を傾げながらそちらの方を向く。何に使うか分かんないけど、なぜか必要になってくると思った俺と花子は律儀に紅い骨を回収していたのである。

 その様子を見て所長は更にキレる。

 

「なんでそこの一般人がマスターになってんのよ! サーヴァントのマスターになれるのは一流の魔術師だけ! あんな何考えてんのか分からない奴がマスターになれるはずがないじゃない! マシュにどんな乱暴なことして言いなりにしたの!?」

 

「おいおい冗談は錯乱状態だけにしてくれよオルガ所長。花子が無理やり言いなりにするとかいう高度な思考を持ち合わせてるわけないだろうが。フリージア流すぞ?」

 

「誠に遺憾」

 

「それは誤解です、オルガマリー所長」

 

 マシュはオルガ所長に俺達がここにレイシフトしてきた経緯、なぜマシュが花子と契約したかの事情を簡単に説明した。もちろん霊脈に向かいながらである。

 同時に所長のおかげで俺達がなぜレイシフトできたかの理由も知ることが出来た。

 ──レイシフトできたのが、ここに居るメンツだけということも。

 

「困ったなぁ。マスター候補者とかいうエリート共に厄介事全部押し付けて、こちとらフユキ市観光と洒落込もうと思ってたのに。これじゃあ俺達が特異点を攻略しなきゃいけないじゃないか」

 

「よくもまぁ崩壊した冬木市を観光しようって思うわね……」

 

「だって時間旅行とか中々にレアな経験だぜ?」

 

 とりあえず所長からの指示でベースキャンプを作ろうという話になり、霊脈に辿り着いたカルデア御一行は警戒しつつ馬鹿話に花を咲かせる。

 マシュの盾が何らかの装置になるらしい。

 ちなみに花子は白いモフモフを頭に乗せて彼女の仕事を仏頂面で眺めている。

 

「で、これでカルデアと安定した連絡が取れると」

 

「ついでに貴方のサーヴァント召喚のための媒介でもあるわね。見たところ貴方にも魔術回路があるわけだし、戦力が足りないのだから契約してもらわないと」

 

「……サーヴァント、ねぇ」

 

 英霊とは『英雄が死後、祀り上げられ精霊化した存在』のことであり、そのため世界の法則から解き放たれており、世界の外側にある『英霊の座』とか呼ばれてる場所から『世界の危機』に際して『世界からの要請』によって過去・現在・未来を問わずあらゆる時代に召喚される……らしい。そんで、人々に祀り上げられ英霊化したものを、魔術師が聖杯とかいう物の莫大な魔力によって使い魔として現世に召喚したものをサーヴァントと呼ぶのだとか。

 よくわからん。

 

 これでも所長が言ってたことを俺自身が要約してみたものであり、他の業界でもあることなのだが、専門用語を専門用語で解説しないでほしいと思うのは俺だけだろうか?

 特に彼女だけなのかもしれないが、知らないことに対しての蔑視が激しい。魔術師って連中特有のことなのか、単純に彼女の問題か。

 

 そうこうしているうちに召喚サークルは完成し、俺達はカルデアとの連絡に成功した。

 同時に──俺達はカルデアの惨状を知ることとなる。

 

 

 

 

 

〔カルデアで生存しているスタッフは20人にも満たず、レフ教授の生存は絶望的です。加えて、マスター候補者全員が危篤状態です〕

 

 

 

 




【現段階での簡単な登場人物紹介】

マイケル……主人公。純日本人。
花子……とりあえずヒロイン。ハーフ。
マシュ……デミサーヴァント。可愛い。
所長……今作のツッコミ担当。つまり活躍する。
ロマン……アドバイザー。ドルオタ。
レフ……杉田。
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